地球では無い、一つの惑星にある組織が存在する。その組織の名は“時空管理局”
数多の次元世界を管理する、言わば警察、検察、軍隊が一つに纏まった組織である。その組織の中には大まかに二つに分かれている部署がある。
一つが次元航行部隊。この組織は数多の次元世界を管理する組織であり、通称“海”と呼ばれている。
もう一つが、陸上部隊。各次元世界に配置されている組織である。
その中の次元航行部隊に配属されている山本俊輔が、レティ・ロウランに呼び出されていた。
「山本俊輔、入ります」
俊輔がレティの執務室に入ると、そこには先客が三人いた。
「来たわね。これで主要メンバーが揃った所で、話を始めるわ」
レティがそう言うと部屋の中の灯りが暗くなり、モニターが起動する。
「今回、貴方達を呼んだのは、一つの任務を行って欲しいの」
「それは、どう言う事ですか?」
「良い質問ね、はやてさん」
はやてと呼ばれた少女は、過去にロストロギアと呼ばれて忌み嫌われていた闇の書の管理者であり、現夜天の書の管理者をしている少女である。
「今回、貴方達を選んだ訳は、地球に関係してるの」
「どう言う事ですか? レティさん」
「フェイトさん。この事件を知っているかしら?」
フェイトと呼ばれた少女は、過去に実の母親の手によって生み出された、クローン人間である。
母親の願いを叶える為に地球へ降り立ち、ロストロギアを巡ってなのは、俊輔、ユーノと戦い、その後、母親とは死別となってしまうが、その事件の重要参考人として、管理局に身柄を拘束されていた。しかし現在の義理の兄と義理の母親の手によって無罪が確定され、現在では義理の兄と同様に執務官を務めている。
そのフェイトの質問に、レティはモニターに地球の新聞を映し出す。
「これって…………月が何者かによって爆破されて三日月に変えられた事件ですよね? 犯人が判ってないと聞いてますけど………」
「ところがね、なのはさん。犯人が自ら出て来たの」
なのはと呼ばれた少女は、ある事件をきっかけに魔法の事を深く学び、現在では戦技教導官を務めていた。
「どう言う事です? 犯人が自ら出て来たと言う事であれば、俺達が出る事は無いと思うのですが?」
「俊輔君の言っている事は尤もの事なのだけどね……………その犯人が要求して来たのは、ある中学校の落ち零れのクラスの担任として赴任し、そのクラスのみで暗殺してほしい」
「「「「は?」」」」
レティの言葉に四人は開いた口が閉じれなかった。
「ちょっと、ちょっと待って下さい‼ それってどう言う事ですか⁉ なんですか、学生に殺せと言うのですか‼」
「俊輔君の言っている意味の通りよ………でもね、この犯人、厄介な事に質量兵器自体が効かないの。いや、効かないと言うより、効く事が無いの」
レティはそう言うと、地球から採取したデータを四人に見せた。
「この犯人はね、マッハ20で飛ぶ怪物で、特殊なBB弾と専用のナイフでしか効かないようなの」
「じゃぁ、俺達を呼んだ意味も無いのでは?」
「そうでも無いわ。貴方達のデバイスを改良し、この弾と同様な成分を含ませる機能を持たせる事にしたわ。まぁ、前提としてこの任務を受けてくれると言うのが条件だけどね」
レティの話に四人は付いて行けなかった。
「………レティさん。お尋ねしたい事があるんですけど」
「何かしら、はやてさん」
「私達が行く意味は何ですか?」
「……………………驚くかも知れないけど、それでも聞くの? これは最高機密の情報よ? これを聞くと言う事は、この任務を受けてもらう必要があるわ。それでも聞くの?」
「「「「はい」」」」
レティの質問に四人は返事をする。
「判ったわ。任務を受けると言う事で、後戻りは出来ません。再確認です。良いのですね?」
「私は問題ないです。あっ、でもシグナム達はどないしよ」
「私も問題は無いです。でも、アルフを連れて行きたいです」
「私も、問題ないです」
「俺としては、ユニゾンデバイスの二人と使役しているモンスター達を連れて行きたいです」
四人の返事にレティは頷くとそれぞれの要望の答えを言って行く。
「はやてさん、ヴォルケンリッター達についてはこちらで何とかします。フェイトさんと俊輔君も同様ね」
レティの言葉に三人は安堵する。
「さて、話を戻します。犯人は来年の三月に地球を破壊すると言っているのです」
この言葉に四人は絶句する。
「現在、この事を知っているのは地球の各国のトップ達だけです。まぁ、当たり前よね。いきなり地球が一年後に破壊されますなんて話されたら、パニックになっちゃいますものね。それで、日本政府は怪物が条件としてだした中学校で暗殺をして欲しいと言う話になったのよ」
既に四人はレティが何を言っているのかさっぱりであった。しかし、レティは話を続けた。
「それで、怪物が日本の政府に条件を出したの。『殺されるのは御免ですが、椚ヶ丘中学3年E組の担任ならやっても良い』とね………可笑しな話よね。怪物が中学校の担任ならしても良いなんてね」
レティはそこで話を止め、一度四人の顔を見ると話を続けた。
「そこで、貴方達には怪物の行動を監視し、そこの学生と協力して怪物を排除してほしいの」
「ええと………話は判りましたけど………何でウチらなんですか?」
「だって、管理局に入ってあんまり中学校に行って無かったでしょ? だから、もう一回三年生としてですが、中学校に行ってもらおうと思います。それと、有給消化も含めてね」
この言葉に四人共、何も言えなくなる。四人の有給は、既に地球の社会人よりも多く持っており、一年間仕事しなくても良いぐらいなほどであった。そして、四人共に来年から高校生になる年齢であったが、管理局に所属している所為か、任務の度に中学校には行けていなかったのである。義務教育があると言っても、中学生の知識としては乏しかったのである。
「と言う事で、地球で休むと同時に今回の任務を受けてほしいの。あっ、今回の任務は有給消化と言う名目だけど、任務だから消化どころか増えるだけね」
レティはそう言うと笑うのであった。
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