映像にはフェイトはベッドから起き上がると、何かを決意したかのように愛機である“バルディッシュ”を手に取った。
主人に声を掛けられたバルディッシュは皹が入っているにも拘らず、モードをチェンジさせる。
『うまくできるか判らないけど………一緒に頑張ろう』
フェイトはそう言うと魔力を手に集中させた。すると、バルディッシュ全体を光で覆われ、皹が入っていたバルディッシュは新品同様の輝きを取り戻す。
『私達はまだ何も始まっていないんだ………だから、今から始める‼』
フェイトの決意と共に、マントが現れフェイトに装着させるとバリアジャケットも展開する。そして、そのまま時空転移したのであった。
映像が切り替わり、プレシアの拠点に乗り込んだなのは達は、プレシアが作り出した防衛プログラムのロボットと対峙していた。
「私達はプレシアさんを止める為に乗り込みましたが、数が多く足止めを受けました。そして………」
なのはが説明していると、ユーノのチェーンバインドを振り切った一体のロボットの攻撃がなのはへ当たろうとした時、上空からの攻撃でロボットの腕が壊れ、なのはに迫っていた脅威は去った。
「フェイトちゃんのおかげで私は助かりました。でもまだ脅威は残っていたんです」
なのはがそう説明すると、映像では壁から大型のロボットが現れ背中に背負っている砲門を二人に向けていた。それと同時に音声も流れだす。
『大型だ、バリアが強い………でも二人なら』
『うん‼ うん‼ うん‼』
フェイトの言葉になのはは強く頷いた。なのはにとってその言葉だけでも嬉しかった。そして、二人の同時攻撃により大型ロボットは破壊され、余波で地面そのものを貫通したのである。
「どれだけ強い攻撃だったんですか………」
殺せんせーは二人の攻撃の強さに驚いていた。
そして映像は進み、フェイトに抱き着くアルフにフェイトは静かに語り始める。
『アルフ、心配かけてごめんね………ちゃんと自分で終わらせて始めるよ。本当の私を』
この言葉に全員が涙を流していた。烏間までもが目尻に涙をうっすらと浮かべていた。
そして映像は最終局面に移り変わった。
アリシアの亡骸を入れた容器の前にプレシアは立っていた。その時、後方にある壁が砲撃で破壊されそこには若かりしき頃のクロノが右の額から血を流しながら入って来た。
『いつだって世界は“こんなはずじゃない”事だらけだ‼ 昔から誰もがそうなんだ‼』
クロノの言葉に全員がそうだと思っていた。殺せんせーも烏間もなのはも俊輔も全員が同じ思いになっていた。
映像にはフェイトとアルフが地に足を付けた頃であった。プレシアは、フェイトの姿を一目見たがすぐに咳込み、血を吐いてしまう。フェイトは母親の事が心配になり、近寄ろうとした。しかし、プレシアはそれを許さなかった。
『何しに来たの……消えなさい。あなたにはもう用が無いわ』
プレシアの拒絶する言葉にフェイトは屈しずにプレシアに自分の想いをぶつけた。
『私はあなたに言いたい事があって来ました………私は……私はアリシア・テスタロッサじゃありません。貴女が作ったただの人形なのかも知れません………だけど、私。フェイト・テスタロッサは貴女に生み出してもらって、貴女に育てて貰った貴方の娘です』
フェイトの言葉にプレシアは忌々しそうにフェイトを見つめる。だが、フェイトは屈しなかった。
『私は世界中の誰からもどんな出来事でも貴女を護る。私が貴女の娘だからじゃない。貴女が私の母さんだから』
フェイトはそう言うと、プレシアに手を差し伸ばした。この手を取ると言う事は、フェイトを娘として思っているかどうかの確認であった。しかし、プレシアはその手を握る事は無かった。自分の想いをフェイトにぶつける為に。
『私は……アリシアの夢を叶えたかった。妹が欲しいと願ったアリシアはもういない………貴女を作り出した時、娘として迎えようとした………でも出来なかった‼ アリシアの写し変わりとして生み出した貴女を娘として迎える事は、アリシアの存在を否定してしまうと思ったから‼ だから、貴女に強く当たってしまった………もう私は母親失格よ……だから、貴女の人生は自由に生きなさい、フェイト』
そう言うとアリシアの亡骸の入った容器に強く抱きしめた。それと同時に床が崩れ始め、プレシアは次元の狭間に墜ちようとしていた。
『フェイト………私を母と最後まで思ってくれてありがとう………私にはもう十分よ。だから、強く生きないさい‼』
プレシアはそう言って次元の狭間に消えようとしていた。だが、それを良しとする者がいなかった。俊輔である。俊輔は危険を顧みずに次元の狭間に飛び込んだ。
「なっ⁉ あの狭間に入ってしまっては魔法が使えないのでは‼」
「ええ、使えませんよ………でも俺には最強の使役するモンスターがいますから」
そう言うと映像にはプレシアに近づく俊輔が映し出されてた。
『何しに来たの……戻りなさい。君はここに来るべき人間じゃないわ』
『ああ、知っている。だがな‼ 死ぬまで娘を見守り続けるのが母親の仕事だろうが‼』
俊輔の言葉にプレシアは目を見開いた。だが、直ぐに諦めた表情に変わる。
『もう遅いわ。私は母親失格よ。だから、君だけが戻りなさい。私達を見捨てて』
『だが、断る‼ フゥー…………白銀の世界に君臨する龍よ。我の誓いの元。現れよ‼ 蒼眼の銀龍‼』
俊輔の召喚魔法により現れたのは白銀の体をした龍であった。