次元の狭間に飛び込んだ俊輔は、召喚魔法で蒼眼の銀龍を呼び出した。
「待って下さい。魔法が使えない空間でどうやって魔法を出したのですか? それからあの龍は何ですか?」
「一つ一つ説明すると、次元の狭間で使えない魔法はミッド式と古代ベルカ式の二つだけです。俺が使った魔法は二つに属していない魔法。俺なりの呼び方になりますが、スピリット式と呼んでいます」
「直訳すると妖精………なるほど。龍は伝説であり空想上の生き物。だから、精霊なのですね?」
「ああ、その通りです」
俊輔の説明に殺せんせーは自分の見解を述べた。すると、俊輔が思っていた事と同じであった為、俊輔は頷いた。
「俺が使役しているモンスターは主にドラゴン系統が多いです。だから、妖精を英語にして呼んだのがスピリット式と言う事です…………話を戻します。銀龍によって俺を始めプレシアとアリシアをアースラへ持ち帰りました」
俊輔がそう言うと、映像にはアースラに戻る三人の姿が映し出されていた。
『プレシア……貴女に問います。フェイトを娘として扱いますか?』
『こんな私で良いのであれば、娘として接していくわ』
『判った。クロノ‼』
『(聞こえている。君は自分が危険な所に行った事を判っているのか‼)』
俊輔に呼ばれたクロノは説教を始めようとしたが、俊輔は聞く耳を持っていなかった。逆にクロノに怒鳴り付けるほどであった。
『喧しい‼ アリシアの意識を戻すんだ。後で説教ぐらい聞いてやる‼ 今は二人の治療が必要なんだ‼ 黙って俺の言う通りにしろ、このKYが‼』
『(なっ⁉ ………良いだろう。だが、後で覚えておけよ‼)』
クロノの捨て台詞に俊輔は肩で返事をすると、アリシアの元に向かって行った。
『何をするつもりなの?』
『アリシアを生き返らさせる。プレシア、容器からアリシアを出してくれ』
俊輔の言葉に半信半疑になりながらもアリシアを容器から出し、横たわらせる。
『さてと、ランカ、シェリル』
『『行くよ‼/わよ‼』』
『『『ツイン・ユニゾン‼』』』
俊輔とランカ、シェリルの三人によるツイン・ユニゾンにより、俊輔の容姿が変わる。元々黒髪だった髪は金髪に変わり、服装も神官服の様な格好に変わった。
「ツイン・ユニゾンとは何ですか?」
「それについては後で説明します。後で同じような事がありますので………」
殺せんせーの質問に俊輔は言葉を濁す。
『我が名において命じる。死者を甦れし………死者蘇生‼』
俊輔の呪文に応える様に背後から十字架が現れる。十字架は召喚されると輝きだし一筋の光の道を作るとアリシアの亡骸に当てた。光りに当てられたアリシアは、光に包まれ輝きが失うと、アリシアの胸はリズムよく上下していた。
『これで安心だ………プレシア。あなたの治療に移ります』
『私の事は良いわ………この命が尽きるまで時間は残されていないけど、フェイトとアリシアと一緒に暮らせれるのであれば、それだけで十分よ』
『………本当にそれで良いのか?』
『ええ……私はこれで良いのよ』
プレシアの言葉に俊輔は何も言わずにツイン・ユニゾンを解いた。
「それで、フェイトさんのお母さんはどうなったのですか?」
烏間がフェイトにプレシアの生死について尋ねると、フェイトは涙ながらに語り出した。
「母さんはそれから半年後に亡くなりました。私とアリシア姉さん。そして俊輔やみんなに看取られ、最後には笑顔でこの世を去りました………俊輔、ありがとう」
「いや………本当は無断でプレシアの体を治すつもりだった………だけど、プレシアはそれを望まなかった。やろうと思えば出来たんだが………いつも逃げられてたんだ」
俊輔の言葉にフェイトは静かに頷いた。
「さて、話を戻します。その後の事ですが、フェイトとアリシア、プレシアは管理局に行き、事情聴取が行われる事になりました。そして、それから二か月後の事でした」
俊輔の説明が行われると、映像が切り替わりなのはとヴィータが戦っている所であった。
「ここからの説明はウチがさせてもらいます。ウチの足は不治の病とされていました」
「されていた。過去形とはどう言う事ですか?」
はやての説明に殺せんせーが質問をすると、シグナムが答える。
「主の足は“闇の書”と呼ばれる魔導書の所為で使う事が出来なかったのです。そして闇の書は主の体を蝕み最終的には主の命を奪うものでした」
「私達はそれを阻止する為、はやてちゃんに無断で魔導士に必要不可欠であるリンカーコアの摘出する為、襲い奪っていました」
シグナムの言葉に続きシャマルも続けて語る。そして、映像ではなのはの胸から手が突然出て来てリンカーコアを抜き取るシーンであった。
「私のデバイス“クラールヴィント”でなのはちゃんのリンカーコアを吸収しました。そして………」
次の映像にはシグナムとフェイトの戦闘シーンであった。しかし、歴戦の戦士であるシグナムに太刀打ちできず、フェイトもまたリンカーコアを抜き取られてしまうのであった。
「その後、俺も現場に来ましたがシグナム達は撤退され早急にフェイトたちをアースラに転送しました。その時にはなのはとフェイトのデバイスであるレイジング・ハートとバルディッシュは破損。すぐに技術部に送られ修理する事になりましたが………二機共にある指示を技術部に出しました」
俊輔がそう言うと映像にはなにかの設計図のような物が映し出される。
「これは?」
「この設計図はまだ安全性が確証されていないベルカ式のカートリッジシステムです。簡単に説明すると実銃は弾丸を発射する時薬莢に火薬を詰めますよね? その原理と同じです。魔力を込めた薬莢を詰め爆発的な魔力を得る物です。人間が弾丸の代わりと言えばいいでしょう。このシステムを二機は望み、なのはとフェイトを守ろうとしたのです」
俊輔はそう説明するのであった。