申し訳ありません。また、ストックを作る事が出来ない状況に陥ってしまったので、不定期更新になる事をご了承下さい。
翌日、晴れた日にE組の生徒達はグラウンドで体育の授業を受けていた。しかし、それが普通であれば良かったであろう。生徒達の手には対先生用ナイフが握られ、一通りの型を烏間から習っていたのである。
俊輔達も同じで、生徒に混じってナイフを振っていた。否、ナイフでは無い。なのははレイジングハート・エクセリオンにあるACSモードに近い槍型を突いていたり振りフェイトは、バルディッシュ・アサルトのザンバーモードに近い大剣型を振っていた。
はやてに至っては、シュベルトクロイツ型に近い槍(?)を突いており、俊輔は特注で作ってもらったガンソードを使用していた。
「八方向から、ナイフを振れる様に……高町さん達は自分達の持てる力で振れる様に」
烏間は生徒達の授業を請け負っていた。烏間が請け負うのは体育の時間が主である。その為、こういう体育の時間では、烏間が主導で行っているのであった。
「体育の時間は俺の時間だ……」
「ちょっと寂しいですね」
烏間の横にいる殺せんせーは寂しそうにしょんぼりとする。
「この時間はどっかに行ってろと言った筈だろ………後ろの砂場で遊んでろ」
烏間の言葉で、殺せんせーはシクシク泣きながら砂場で遊び始めた。しかし、殺せんせーが砂場で砂を弄るだけの遊びでは物足りなかったのであろう。マッハの速度を使い何かを作り始めた。
「でも烏間先生……こんな授業、意味あるんっすか?」
前原がそう言って烏間に質問をする。
「勉強も暗殺も同じ事だ。基礎を身に着ける事が重要になって来る」
そう言って烏間は磯貝と前原を前に立たせ、烏間対磯貝、前原ペアになって戦う事になった。
「そのナイフを俺に当ててみろ」
「「えっ?」」
烏間の言葉に二人は驚く。
「そのナイフだったら俺達、人間には危害は無い。掠りでもすれば、今日の授業はこれで終わりだ」
烏間の言葉に二人は顔を見合わせる。
それを見ていた俊輔達はどっちが勝つか話し合っていたが、ダントツで烏間が勝つと予想していた。
「それじゃぁ」
磯貝が先に仕掛けたが、烏間は半歩だけ移動して回避する。そして前原も攻撃するが、受け流し磯貝が再度、仕掛けるがその攻撃も受け流すだけで烏間の体に当たる事は無かった。
「多少の心得があるだけで素人のナイフは簡単に避ける事が容易い」
この言葉に磯貝と前原は二人同時で烏間に仕掛けたが、呆気無く二人は地面へ叩きつけられてしまった。
「俺にナイフを当てられないようでは、マッハ20で動く奴に当たる確率は皆無だろう……見ろ‼ 奴は攻防している間に砂場に大阪城を築いて着替えまで済まして茶を呑気に飲んでいる」
そう言って生徒達が砂場の方に目を向けると、そこには見事な大阪城が砂で築かれ、殺せんせーは呑気に茶をたてて飲んでいた。
≪腹立つ≫
生徒の心は一つになって苛立った。
「クラス全員が俺にナイフを当てられる様になれば、暗殺の成功率は格段と上がるであろう………だが、一部例外がいる。山本君。来てくれ」
「得物はこれで良いですか?」
烏間に呼ばれた俊輔は手に持つ特注のガンソードを見せる。
「ああ、それで良い。但し、弾は撃つなよ? 痛いんだから」
「判りました」
磯貝と前原は後ろに戻り、それと入れ替えに俊輔が烏間の前に立った。
「いつでも良いぞ」
「……………行きます」
俊輔はそう言うとガンソードの数を二つにし、烏間へ仕掛ける。しかし、烏間も簡単に当たる訳も無く受け流すが、俊輔の得物は二つあり、一つが受け流されるとすぐにもう一つのガンソードで仕掛けた。
しかし、烏間はそれを予想していたのか、腕を受け止め寸での所で当たらなかった。
「先生……体術は?」
「使っても良いぞ」
「フッ」
俊輔の質問に烏間は答えると、足を使って烏間からの束縛を逃れようとした。しかし、それさえも止められてしまうが、俊輔は予想済みであった。地面に着いている足を回転させそれの反動で体を回すと烏間からの束縛を解除する。そして、一気に体勢を引くくして烏間の足に向かってガンソードを振った。
「速いな……だが、本気ではないだろ?」
烏間は俊輔の背中に手を置き後ろへ下がると俊輔の足を蹴り転ばせた。
「山本君は瞬発力は高い。だが、柔軟性が物足りないな………これからも訓練に励む様に」
「………はい」
俊輔は自身の攻撃がこうも簡単に躱されてしまうのかと思うと、どれだけリリィに頼って来たのか痛感させられた。
「ナイフや狙撃、暗殺に必要な数々。体育の時間で俺が教えられるだけの事をさせてもらう」
烏間はそう言うと上着を羽織り、校舎へと戻って行った。
「俊輔君、惜しかったね」
「ああ、まだまだだと言う事に気付かされたよ。リリィ、戦闘データは取れたか?」
《うん、採れたよ。家に帰ったから練習でもするつもりかしら?》
「ああ、復習する事に意義があるからな」
なのはの言葉に俊輔は悔しそうにしていたが、愛機であるリリィ・ホーネンスにデータが採れたか確認をし、家に帰ってからそれを基に復習しようとしていた。
「ん? あれは………」
「誰か立ってるね……誰だろう?」
俊輔達の目線は校舎前に立つ一人の生徒に向けられていた。
「よう、渚君…………久し振り」
「…………カルマ……君?」
渚の名前を呼んだと言う事は、渚の友人である事には間違いが無かった。
「カルマ………思いだした」
俊輔は生徒欄の中に一人の生徒が足りない事を思い出し、それが今、校舎前に立っている生徒だと言う事に気付いた。
「だれなの?」
「赤羽カルマ。元A組の生徒でケンカ早く、先生でも手を付けられなかったが、成績は優秀だった……」
「だった……と言う事はなんかあったんか?」
俊輔の説明にはやてが質問する。
「ああ。E組の生徒を護った所為でA組の担任は切れて、二年だった赤羽を謹慎させ三年からE組へ転組させたんだ」
「なにそれ………やっぱりこの学校……」
「やめとけ………俺達の力ではどうしようもねぇよ………だが、いつの日か判るだろうよ………自分の教育方針が間違っていたとな」
俊輔はそう言うと、校舎の方へと向かって行きなのは達もそれに続いて校舎へと戻って行くのであった。