俊輔達が校舎の外にリムジンが止まっている事に気付くと、二人の女性が俊輔達の名前を大声で呼ぶ。
「俊輔‼ なのは‼ フェイト‼ はやて‼」
「俊輔君‼ なのはちゃーん‼」
二人は俊輔の事を見付けると、手を大きく振ってこっちに来るように招きをする。
「まさかリムジンで来るとは………」
「鮫島さん。ご足労をお掛けします」
「いつもの事です。それにお嬢様たちをお守りするのも、私の任された仕事ですから」
そう言うと、鮫島はすぐにリムジンの運転席へと消えて行く。
「みんな、早く乗りなさい。この目線にはウンザリよ」
「ははは…アリサちゃんの言う通りだよ。私もそろそろこの視線は嫌なの」
アリサとすずかに言われ、俊輔達はリムジンへ乗り込むのであった。
だが、それを見た本校舎の生徒達は、E組へ転入した俊輔達の事を生意気な生徒と思うのであった。
車内では俊輔達が車の中に常備されているジュースを片手に話をしていた。
「それで? どうなのよ。学校は?」
「そうだよ。俊輔君達は学校を卒業しているのに……任務と言うだけで再転入されるなんてね」
「災難と言えばそれでお終いなんだけどな………」
「私達に言わせてみれば、なんか任務なのに有休を使って里帰りしちゃったって感じなんだよね」
アリサとすずかの質問に俊輔となのはが答える。フェイトとはやてに至っては苦笑いをしているだけであった。
「でも、アンタ達とこうして一緒に登下校できるなんて思っても見なかったわ」
「俺達も同じだ。本局で仕事している筈なんだけどな……まぁ、有給消化と言う名目での仕事だからな。上からも言われたよ。有給消化しているのに任務だから、結局のところ増える一方だって」
「「あははははは」」
俊輔の言葉にアリサとすずかは苦笑いをするだけである。
「明日は何時に迎えに行けば良いのかしら?」
「え? アリサちゃん達。学校はどうするん?」
「私達の事は大丈夫よ。どの道、高校に行く道のりだから。アンタ達の登下校ぐらい問題は無いわ」
はやての言葉にアリサは答える。アリサとすずかが通う高校は椚ヶ丘中学の前を通る道になっているので、登下校そのものに問題が生じる事は無いのである。
「魔法関連に関してはどうなっているの?」
「防衛省の人間は知っているの?」
「いや、知らない。俺達の任務は一級次元犯罪者を逮捕する事にあるからな。椚ヶ丘中学に行く事は第二目的と言う事になるな。それに……」
「私達の事をしゃべった所で信じてもらえるか……」
「それに、私達の年齢で階級的には自衛隊で明記したら上に相当する程だからね。あんまり口外する事は出来ないよ」
俊輔達の階級は、なのはとフェイトに至っては尉官であり、はやてと俊輔は佐官である。烏間自身の階級は佐官であり、俊輔と同等クラスである。
「でも、どうするつもりなのかしら?」
「どうするつもりとは?」
「暗殺の件よ」
アリサの言葉に俊輔達は何も言えなくなる。今までの任務では人を殺める事はしなかったが、今回の任務は怪物であるが、その前に教師をしている先生を殺す事になっている。
「そこが問題なんだよ」
「どう言う事、俊輔君?」
俊輔の呟きにすずかが尋ねる。
「俺は今までの任務でも、間接的に人を殺してしまっている事も多い。だけど、なのは達には……」
俊輔の言葉になのは達は少し表情を暗くする。
「武装隊に所属しているなのはは特に感じているんじゃないのか?」
「………うん」
俊輔の問いかけになのはは少しだけ間を開けて返事をする。
「はやてとフェイトはこういう任務に関しては初めてだが、間接的には見て来ているはずだ」
「「……うん」」
「俺自身、正直迷っている点が多くある。一級次元犯罪者の逮捕を重点的に置いた任務遂行を遂げたいんだがな………大気圏にはアースラが待機している事もあって、下手な事は出来ないんだ」
俊輔の言葉でアリサとすずかは何も言わなくなる。
「で、でも‼ それ以外だったら問題ないんじゃないかな?」
「どう言う事だ?」
すずかの言葉に俊輔は尋ねた。
「ほら、故郷に帰って来れたんだから、暗殺も大事だけど、子供らしく遊んでも問題は無いと思うよ」
「「「「…………」」」」
「アレ? 私って変な事言った?」
すずかの言葉に俊輔達は何も言えなくなるが、確かにすずかの言っている事は正しい事である。
管理局で仕事をしている時は、気を休める時間があまりないに等しいが、故郷である地球での任務で少しだけでも気を休めたらいいのではないのか?と言う言葉に、俊輔達は余裕が持てる様になっていた。
「確かにすずかの言う通りだな。故郷に帰って来れたんだ。ここは気を休めようぜ」
俊輔の言葉になのは達も同意するのであった。
翌日、俊輔達はE組にて授業を受けていた。
そして、昼休みになるとそれぞれが仲良しの友人と一緒に食事をするのだが、俊輔達もひと固まりで食事を楽しんでいた。
「俊輔君、次の授業って………」
「国語の時間だな。フェイト、大丈夫か?」
「ふぇ⁉ あっうん。大丈夫…………多分」
次の授業が国語と言う事もあって、日本語が苦手なフェイトには地獄の様な時間であった。但し、それは過去の問題である。現在では日本語も出来る様になり日常会話はお手の物であった。しかし、日本の文化まではまだ不慣れな事も多く、最も苦手な教科として社会が上がっていたが、まだ現状、不慣れな状態であった。今でも勉強は続けているのだが………
「ん? あれは………」
俊輔は一人の生徒が校舎の外へ連れ出されているのが目に入った。
「少しだけ離れる」
俊輔はそう言って、席を立つのであった。
校舎の外では潮田渚が寺坂竜馬達、通称寺坂グループに殺先生の弱点の事を聞きだされている所であった。
「あのタコ。機嫌によって顔の色が変わるだろ? 観察しとけって言ったやつ。出来てるんだろうな?」
「う、うん」
寺坂の言葉に渚は頷く。そして懐に仕舞っていた先生の弱点を書いているノートを取り出し、言われていた事の結果を伝える。
「余裕な時は顔が縞々になるのは知ってるよね? 生徒が間違えていたら暗い紫。正解だったら明るい色の朱色。あ、後。面白いのは昼休みのあt「俺が知りたいのはそう言う事じゃねぇんだよ」…」
渚の報告に寺坂は被せて遮る。
「作戦がある。あいつが最も油断をしている顔の時にお前が殺りに行け」
「ぼ、僕が……でも」
「いい子ぶってんじゃねぇよ。E組だ。進学校について行けなかった脱落組だ。通称、エンドのE組」
寺坂の言葉に渚は表情を暗くする。
「毎日、隔離校舎に通わされて、あらゆる面でカスみたいに差別されてる」
そう言うと寺坂は渚の肩に手を回した。
「俺らが100億円なんて大金、一生手に入るチャンスなんてないぞ? それこそ宝くじの10億円を百枚当てないと手に入らない代物だ。そんな事絶対ある訳が無い。だから、抜け出すんだよ。このクソみたいな状況から」
そう言うと寺坂はポケットからある物を取り出し渚に渡す。
「しくじんなよ、渚君」
そう言って寺坂達は渚から離れて行く。渚は手に置かれた物を見つめるだけであった。
俊輔は校舎の隅で、今のやり取りを見ていた。そして、渚の手に置かれた物について、愛機であるリリィに確認をする。
「リリィ、中身がなんなのか、判るか?」
《………あの袋の中には火薬が少量入っている手榴弾よ。でも中身のほとんどは対殺先生用のBB弾が詰め込まれてるわ》
「と言う事は、近づいてドカンと殺るつもり…か」
《そう言う事になるわね………どうするつもり?》
リリィの報告に俊輔は少しだけ考え、結論を出した。
「止めるつもりは無いが………やるだけ無駄だな」
《どう言う事?》
俊輔の言葉にリリィは尋ねた。
「簡単な話だ。マッハ20で動ける奴に簡単に手榴弾で殺せると思うか?」
《………ムリね》
「そう言う事だ。戻るぞ」
そう言って俊輔は校舎へと戻るのであった。
週一更新ってなんだっけ?と思っている自分がいる
修正を行いました。
今後は投稿する前に確認をして、問題が無ければ投稿します。
夜中のテンションって怖いですね。