突然目が覚めると真っ白な空間にいた!
どうやら死んでしまったらしい!
転生させてやるよ!ついでに特典な!
こんな感じです。どうぞ
……はい、私この世界に生を受けて実に15年経ちました
最初は寝ては授乳の繰り返しだったから暇で暇でしょうがなかった
どうやら私が生まれたのは神社らしく宮司の父と巫女の母、それに5つ程上の兄が私の今の家族です
そして私の近くには真っ白な猫が静かに寝ていた
……察していただけただろうか。
この猫は私をこの世界に連れてきた張本人、シロ君である
ついてくると言った方法にビックリしてしまった。まさか猫になるとは
うちの神社は動物が寄り付かない場所なので、シロ君が来た時は家族全員驚いた
なんでも此処は空気が清らかだから動物も中々踏み入れられないらしい
此処に居ても問題無さそうなのを見て、家族も何となく慣れたみたいだ。今では普通に頭を撫でられたりしてすっかり家族の一員だ
「美桜。こんな所にいたのか」
「お兄ちゃん」
最低限の足音をたててやってきたのは兄だった
兄の名前は咲哉。私の名前もそうだけどどうやら春に由縁がある神社らしい。同じ名前とかは文字を変えてきたみたいだけど
ちなみに15歳なのに“お兄ちゃん”と呼んでいるのは“兄さん”呼びにした途端兄に泣かれたからである。
「もう反抗期なのか美桜!?」とすがり付かれた時はビックリした。それ以降はずっと“お兄ちゃん”だ
兄を見上げて首を傾げると、優しい笑みを浮かべて私を立たせてくれた
「これから体術の訓練をするつもりだったんだけど。やるか?」
「あ、やってほしい。今日こそ勝率4割とるよ!」
私の家は神社なので私も兄も普段は袴です
そんな動きづらい格好でも動けるようにという家訓なのか私達はその辺の
神社の隅にある道場で兄と毎日10回の対人訓練をする。でも時折暇なのか両親が乱入してくる。そのときは文字通り乱闘となる
まぁそんな無茶が出来るのも私の“個性”のせいといいますか……
「あ”~!疲れた!痛い。美桜、お願いしていいか」
「やっと4割とれた……私も痛いし良いよ~」
私は疲れた身体に鞭を打つようにして兄の近くによると、手に持った扇子を広げて目を瞑ると息を吸った
『痛いの痛いのとんでけ~』
ふわんと扇子を上に扇ぐと風をふわりと感じた
目を開けると私と兄の身体にあった傷が全て消えていた
そう、シロ君が言っていた通り私の“個性”はあやかし緋扇の治癒能力となった
しかも複雑骨折程度なら舞を踊らなくても治ってしまうというなんともチートな能力となった
使いすぎると頭が痛くなるけど、糖分不足故なのでポケットにはいつもチョコか飴が入ってる
「俺の“個性”は植物操作だから治癒能力の美桜が羨ましいぞ」
「お兄ちゃんだって使い方次第で超強力な“個性”じゃない。それに前衛で戦えない分をこの体術で補ってる
強くて優しい宮司目指してるんでしょう?」
そう、兄の夢はヒーローではなくこの神社の宮司だ。嫡男として教育をされてきたがそれは強制ではなく、兄が父に憧れて自ら志願したらしい
普通の男の子は皆ヒーローに憧れているのにどうして?と兄に興味本意で聞いてみた事がある
「ヒーロー飽和社会だし俺はこの神社が大好きだ。ずっと守っていきたい大事な場所」
その言葉を聞いたのは兄がまだ15歳の時だ。達観してるというか大人びた思考だなと思った。実際既に祝詞は言えるし今行っている大学も
近くにあったのは凄い偶然としか言い様がない
「お前は高校どうするんだ?雄英からスカウトきてるんだろ?」
「うん……」
そう、私は貴重な治癒の“個性”なので雄英から是非と声がかかっている
でも私もこの場所に思い入れもあるわけで……だから悩んでる
「俺の事を気にしてるなら構うな」
「……」
「俺は選んで此処にいる……っていっても信じてくれないだろうけど
美桜、お前には未来がある。ヒーローを助けるヒーローになりたいんだろ?」
別にそういう訳じゃないんだけど……ただ主人公達を見たいっていう私利私欲なんですけどね!お兄ちゃんにそんなこと言えないけどね
兄の目を見ても嘘を言ってる様子はない
……そういってくれるなら決めさせてもらおうかな
「分かった。雄英で頑張る」
「そうか。お兄ちゃんは応援してるぞ」
「お兄ちゃん大好き!」
「お兄ちゃんもだぞ~」
軽いノリで言うと兄ものってくれたので2人で笑いあってた
精神年齢は30越えたけど、優しい兄には敵いそうにない
道場の玄関近くには白い猫が尻尾を揺らめかせながら兄妹を見ていた