ヒーロー? いいえ、時を操るメイド長ですわ!   作:作者不在証明

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えー、まず一言。心底遅くなりました。
生存報告も兼ねて取り敢えず3話目です。
読んでくれている人がいるかどうかはともかく、これからも気長にお付き合いください。



ところで前回から随分と間が空いてしまったので、これまでの内容を忘れてしまっている方もいるのではないでしょうか?
ええ、一体全体誰のせいだと言う話ですね。
半年間も放置するとは、けしからん奴もいたもんです。

それはともかく、そんな方は是非とも1話2話と併せて斜め下45度方向(欲を言えば蛇行運転)で流し読み返してみては如何でしょう。そこまで長いお話でもないので。

――つまりそんな感じの第3話です。


第3話 入学初日 個性把握テスト

 

 

 

 

0.

 

 

 

 

 

 

「――実技総合の成績が出ました」

 

 

 

「ご苦労。しかし、救助ポイント0で実技1位通過とはな……」

「ああ、あの子は目に見えて突出していたからなぁ。強力な個性もそうだが、10分間の試験時間中、後半他が鈍っていくのに対し最初から最後まで全くペースを落とさなかった。タフネスの賜物だな」

 

「それとは対照的に(ヴィラン)ポイント0で8位の彼。()()に立ち向かったのは過去にもいたけど……ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね」

「俺なんて思わず“YEAHH!”って叫んじゃったからなー」

「……しかし、自身の攻撃による衝撃で甚大な負傷。まるで個性が発現したばかりの幼児ではないか」

「妙な奴だ。あそこ以外はずっと典型的な不合格者だったのに」

 

「妙な奴と言えば、4位の彼女も中々じゃないか? スタート地点でいきなり姿を消したかと思えば、一瞬で会場の端っこの方に現れるんだもんな。驚いたよ。しかもその後の迷いの無い挙動……まるで、会場に配置されている仮想敵の位置を()()()()()()()()()()()()動きだった」

「ワープ・探知系の個性かと思いきや、今度は武器を用いて次々と仮想敵を破壊していくときた。あの破壊力を鑑みるに、あれにも何らかの個性を併用している可能性が高い。ワープだけでもかなり希少な個性だが――彼女は他にどんな個性を持っているんだ?」

 

「……それが、海外からの留学生らしくて、個性届を発行していないそうなんですよ」

「日本だと小中の入学時における一斉診断もあるし、国単位で個性の登録が推奨されている――とはいえ、世界的に見ればそこら辺が義務化されていない国だってあるだろうな」

 

 

 

「――どちらにせよ、今年もまた面白い奴等が集まったもんだ」

 

 

 

 

 

 

1.

 

 

 

 

 

 

 柔らかく、撫でるような風が木々を揺らす。暖かな陽射しと穏やかな気温。

 季節は春――始まりの季節である。

 

 

 

「ここに来るのは入試試験以来ね……」

 

 紅魔館のメイド長、十六夜咲夜は実に数ヶ月振りとなる雄英高校、その正門前に再び訪れていた。以前と違う点として、今度こそ真新しい学校指定の制服をきっちりと着込んでいる。

 

「朝から良い天気だったし、上手くやっていけるといいんだけれど」

 

 ちなみにだが、彼女の毎日における良いお天気判断基準は門番のシエスタという名のサボリにおける眠りの深さである。

 陽気な天気に呑気な屋敷の門番は溢れる眠気を抑えることが出来ないらしい。当然メイド長も溢れる殺気を抑えることが出来ないのだった。

 美鈴がうっかり永遠の眠りにつくのもそう遠い日の話ではないのかもしれない。

 

――それはともかくとして、本日。初の登校日である。もちろん学校に辿り着くまでの通学路は得てして順風満帆とは言い難いもので。初めての電車で運悪く朝の通勤ラッシュに呑み込まれ、その他巻き起こる数々のトラブル。抜け方の分からない改札機や迷路の如き路線図にいつの間にか消えていた財布、厚顔にも新学期から婦女子を付け狙う痴漢など。……最後のは彼女に原因があるとは言い難い出来事だが、それらをここで語り尽くすには些か余白が足りないようなので割愛する。

 

 そんな何やかんやの末。というか結果。入学1日目にして既に彼女は電車通学をすっぱりと完全に諦めていた。無理だと悟った。十六夜咲夜は無駄な戦闘はしない女なのだ。

 

 

 

 

 

 

2.

 

 

 

 

 

 

 学校に着いてもいない段階から早くも疲労困憊となりつつある彼女だったが、校舎内に関しては1度訪れているということもあり、無事に(今朝の電車通学と比すれば大抵の道行は無事の範疇に収まってしまうだろうが)自身の教室へと辿り着く事が出来た。

 現在の時刻はHR開始の5分前。控えめに言ってもギリギリである。本当であればもっと早くに到着している筈だったのだ。予想だにしていなかったアクシデントのおかげで、当初の予定からは少々ズレが生じてしまっている。

 1-A教室の入り口には、咲夜が縦に3人並んでも優に出入りができそうな巨大なドア。

 ここで立ち止まっていても仕方がないのでドアに手を掛け横に引くと、見た目とは裏腹、想像以上に軽い感触が返ってくる。流石と言うべきか、どうやら細かな所まで最新の設備を取り入れているようだった。

 

 

 

 咲夜が教室へ入ると、まずは超至近距離に男子生徒の後頭部。あわや衝突する寸前で足を止める。

 既に生徒の大半が揃っていたようで、各々座っている生徒や立ち上がり会話をしている生徒など、新しく教室へ入ってきた咲夜に視線が一気に集中する。

……しかし、入り口付近で会話をしていたらしいモサモサ頭の男子生徒のモサモサで視界が著しくモサモサしていた咲夜の方からは、教室内の全容の極一部しか把握することができない。

――けれど、その極一部の中には偶然にも見覚えのある顔もあり、

 

「わあ、十六夜さんだ! よかったー、お互い合格してたみたいだね!!」

 

 紫っぽいピンクの肌に、頭から伸びる2本の触覚。いち早く咲夜に話し掛けてきたのは、実技試験の際に知り合った少女、芦戸三奈である。

 それと同時、咲夜の入室に気付いたのか、ようやくモサモサ頭の男子生徒が振り向いた。

……と思ったら、顔を仰け反らせ、後ろにいた眼鏡の男子生徒を盛大に巻き込みつつ教室の端の方まで転がっていった。

 素早いバックステップだとかそういう次元の話ではない。どう言い繕ってもただ単に吹き飛んだだけである。

 もちろん、クラスメイトの突然の奇行に首を傾げている彼女が何かしたわけではないのだが、その行動の理由を彼に求めるのは些か酷というものだろう。振り向いた先、鼻先数cmの距離に銀髪美少女の顔があったら誰でも驚く。

 現に咲夜の容姿を目にした生徒の何人かは、どこか納得したかの様な表情で頷いていた。

(とはいえ彼の場合だと、至近距離にあるのが女子の顔だと気付いた時点で既に直立背面発射式の人間砲弾と化していたので、正確には咲夜の容姿を正しく認識していた訳ではない)

 

 

 

「――え、ええ。久し振りね、芦戸さん。また会えて嬉しいわ」

 

 突然行われたエキセントリックな背面跳びに戸惑いつつも、一先ずは芦戸に挨拶を返し、件の少年の元へと歩いていく。

 

「ごめんなさい、驚かせてしまったみたいね。大丈夫? 立てるかしら?」

「あ……すみません、ありが――」

 

 倒れている男子生徒の手を掴み、身体を起こそうと視線を合わせた瞬間、今度は石化でもしたのかと見紛う程の硬直っぷりを見せる。うっかり自身の能力を使ってしまったのではないかと咲夜に思わせる程の素晴らしい硬化具合であった。

――かと思いきや、今度は顔を真っ赤に爆発させ跳ね起きながら、そのまま数メートル程後退る。訪れるのは微妙な沈黙と、中途半端に開いた距離感。

 

 

 

「……あの、もしかして、何か気に障るような事をしてしまったかしら?」

 

 朝の登校時、既に自身と一般常識における認識の差というものを死ぬほど痛感していた彼女は、また何か的外れな行動を取ってしまったのかと若干ショックを受けながらも、目の前の少年に尋ねる。

 

「い、いや、あのっ……! 決してそういう訳ではなく……! 単に驚いてしまったというか、えっと……その……!」

 

 

 

「あ、そのモサモサ頭は! あの時の、地味目の人!」

 

 モサモサ頭の少年が真っ赤な顔を隠しながらしどろもどろな説明をしていたのだが、ドアを開けて入ってきた第三者の介入によりその言葉は遮られる。

 

「プレゼント・マイクの言ってた通り受かったんだね! そりゃそうだ! パンチ凄かったもん!! 助けてくれてありがとう!!」

 

 麗日お茶子。咲夜の見覚えのある少女パート2である。そしてそれは麗日の方も同じだったようで、

 

「あれ、十六夜さんもいる! よかったー、知り合い2人もいたよ」

 

 そのまま世間話に入ろうと口を開きかけた麗日だったが、その瞬間。

 またもや後ろ……いや、()()()横槍を入れる者がいた。

 

 

 

「――お友達ごっこしたいなら他所へ行け」

 

 それは…………芋虫。

 いや、違う。もちろんミノムシでもない。寝袋にすっぽり収まった人間である。

 

「ここは……ヒーロー科だぞ」

 

 おもむろに取り出したゼリー飲料を飲み干しながら言うセリフではない。10秒チャージもかくやとばかりに一息で胃袋の中へと流し込んでいた。

 図らずも登校初日にしてクラスメイトの心は一片の曇りもなく一つになっていた。

 すなわち――『なんだ、こいつ?』と。

 

 

 

 

 

 

3.

 

 

 

 

 

 

 信じがたいことに、先程とんでもない格好で教室に現れた小汚いおっさんが、咲夜達のクラスの担任だったらしい。

 相澤消太と名乗った教師は自己紹介もそこそこ、体操服に着替えて外に出ろとの指示を言い渡す。その際に寝袋から直接体操着を取り出した気がするのだが、突っ込んだら負けなのかと誰も言及することはなかった。

 

 

 

――そういうわけで、場面は一転してグラウンドである。

 

『個性把握……テストォ!?』

 

 幾人かが揃って驚愕の声を上げる。それも当然の反応といえるだろう。普通の学校であれば、登校初日に行われるのはまず入学式やガイダンス他。それをすっ飛ばしていきなり実力把握テストを受けさせようというのだ。

 相澤は生徒からの不満気な抗議も聞く耳持たずといった感じで、取り合おうとはしない。

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間は無いよ――雄英は“自由”な校風が売り文句。そしてそれは“先生側”もまた然り」

 

 今ここで何か言っても無駄だと悟ったのか一様に黙りこむ生徒一同。……大して疑問も抱かず、そんなものかと受け入れている生徒も中には約1名程いたが。

 

「お前達も中学の頃からやってるだろ? “個性”禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。……まあ、文部科学省の怠慢だよ」

 

 一度言葉を区切り、目の前に並んだ1-A生徒全員を見渡す。一通り視線が往復したあと、目的の人物を見つけたのか1人の少年に声を掛ける。

 

「実技入試成績のトップは爆豪だったな。中学の時、ソフトボール投げ何mだったか覚えてるか?」

「……67m」

「じゃあ“個性”を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。思いっきりな」

 

 相澤が爆豪に投げ渡したのは、計測用なのだろう、何らかの機械が埋め込まれたソフトボールの球。

 

「んじゃまあ――――死ねぇぇ!!!」

 

 

 

……明らかにおかしい掛け声はともかくとして、爆風で吹き飛ばしたらしいソフトボールは雲一つない青空へキラリと消えていった。

 毎話似たような感じで吹き飛ばされる黴菌の悪魔であれば律儀に別れの挨拶を残していくのだろうが、残念ながら彼はただのソフトボールである。喋ることはできない。

 

「……まずは自分の『最大限』を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

 相澤が先程のソフトボール投げの飛距離が表示された携帯端末を見せると、生徒の間から歓声が上げる。

 

「何だこれ!! ()()()()()()()!()

「705mってマジかよ……」

「“個性”思いっきり使えるんだ!! 流石ヒーロー科!!」

 

「…………面白そう、か」

 

 そんな中、ぼそりと呟いた相澤の声が、いやにはっきりと生徒の耳に届く。

 

「ヒーローになるための3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?

――よし、8種目トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し……除籍処分としよう」

 

 

 

 余りにも突拍子もない宣告。一拍開けて、

 

『――はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??』

 

 と、生徒の悲痛な叫び声がグラウンドを揺るがす。

 しかし、相澤はそれを気にした風も無しに堂々と言ってのける。

 

 

 

「生徒の如何は俺達の“自由”

 

ようこそ。これが――雄英高校ヒーロー科だ」

 

 

 

 

 

 

4.

 

 

 

 

 

 

「最下位除籍って……! 入学初日ですよ!? いや、初日じゃなくても……理不尽すぎます!!」

 

 麗日がクラスメイト全員の意志を内包したかの様な言葉をぶつける。これに関しては咲夜も同意見である。もしもの場合、一体どういう顔でお嬢様に報告すればいいというのか。

 その上、どんな素行不良を働けば入学初日で退学などという事態に陥るのかと、美鈴にすら呆れられてしまいそうである。それは普通に嫌だった。

 

「自然災害……大事故……身勝手な敵たち……いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれている。――そういう理不尽を覆していくのがヒーローだ。放課後マックで談笑したかったのならお生憎。これから3年間、雄英は君達に全力で苦難を与え続ける。“Plus(プルス)Ultra(ウルトラ)”さ。全力で乗り越えて来い」

 

 腹を括ったのか、その言葉を受け生徒達の顔付きも変わる。

 動揺と困惑から、強い意志を秘めた決意の表情へと。

 

 

 

「――さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ」

 

 

 

 

 

 

5.

 

 

 

 

 

 

 第一種目は50m走らしく、既に何人かは準備運動を始めている。

 

「十六夜さん、よろしくね。出席番号順に2人ずつ走るみたい」

「ええ、こちらこそ。お互い頑張りましょう」

 

 咲夜の出席番号は5番。6番目の麗日と一緒に走る事になる。

 

「十六夜さんは中学の頃の体力テストどうだった? 私の個性だと50m走はあんまり伸びないかなー」

「……それなんだけど、この前まで海外にいたから体力テスト? というのを受けたことがないのよね」

「――うそ!? 十六夜さん体力テストやったことないの!?」

 

 先程更衣室で着替えていた際、麗日と即座に意気投合していた芦戸も話に入ってくる。

 

「え、ええ。そんなにポピュラーなテストなの?」

「ん? ……うーん。日本では皆やったことあるだろうけど、外国ではどうなのかな……?」

 

 麗日達の説明によると、体力テストはソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横とび、上体起こし、長座体前屈、の計8種目の各得点を合計したものが結果となるらしい。

 また、普段の測定時は個性の使用が禁止されているが、今回は使ってもいい、というより最大限使いこなして記録を伸ばさなければいけないようだ。

 

 

 

「――あ、最初の人達が走るみたいだよ」

 

 麗日の指差す方向を見ると、確かに眼鏡の男子生徒と両生類っぽい女子生徒がスタート位置にについていた。スタートの合図は計測ロボットがやるらしく、不自然に甲高い合成音声の後、スターターピストルの発砲音を模した電子音声が50m走の口火を切る。

 弾かれた様に大地を蹴り出す2人。特に眼鏡を掛けた男子生徒に関しては、随分と速く走るものだと咲夜も素直に感心していた。

 その後も次々と生徒達が計測を終えていく中、遂に咲夜と麗日の順番となる。

 

「はー、ちょっと緊張してきた……」

 

 そう言いながらも、意外とリラックスした表情で身体のあちこちをペタペタ触っている麗日。

 

「麗日さん。それは、何かの儀式なの?」

 

 当然、疑問に思った咲夜からの質問が飛ぶ。確かに、スポーツ選手などが試合前によくやる精神統一の儀に見えなくもない。いわゆる掌に人の文字を書いて呑み込む系のアレである。

 

「あ、これは私の個性でね、触った物に掛かってる重力を軽くできるんだ。だから服とか靴とか、少しでも軽くしとこうと思って」

「へえ……そういう個性もあるのね」

 

 競技用のレーンにて両者が並び、クラウチングスタートの姿勢を取る。

 

 

 

「……十六夜さん、どしたの?」

 

 ただし、その姿勢を取っていたのは麗日のみであった。

 

――クラウチングスタートの利点は、低い重心からの圧倒的な加速にある。

 とはいえ利き脚を撃鉄として使用する以上、片足で一気に身体全体を前に押し出すだけの筋力も必要となる。それに加えて地面を蹴った後の不安定な前傾姿勢でもバランスを崩さない程度の体幹も必須。理想的な姿勢ではあるものの、特に筋肉量の少ない女子、他に慣れたスタート姿勢がある者など、使えば誰もが速く走れるフォームというわけではない。

そういう意味ではスタンディングスタートで走る人間がいてもおかしくはないのかもしれない……が、()()()()()()

 十六夜咲夜はただ自然体で直立しているだけ。スタンディングスタートどころか、ただの棒立ちにしか見えない立ち姿である。

 

「――私はこのままで大丈夫よ。始めて頂戴」

 

 その声を受けて、計測ロボットがスタートの合図を始める。

 

『位置ニツイテ、ヨーイ……』

 

 

 

――真実、一瞬だった。

 発砲音がグラウンドに響いた瞬間、それは終了していた。

 音の波が空気を伝わり、鼓膜を揺らした直後。

 麗日お茶子が足に力を込める更に前。

 既に彼女は50m先の地点で佇んでいたのだ。

 

 

 

 

 

 

『――0秒07!!』

 

 

 

 

 

 

6.

 

 

 

 

 

 

 今は廃れたオリンピック競技の陸上種目。

 一般的には、当然、スタートの反応速度は速ければ速いほどいいと思われがちだが、実は違う。開始の号砲が響いてから、選手が地を蹴るまでの瞬間、そこには0.1秒の壁が存在するのだ。

 “スタートの号砲から0.1秒以内に走り出した選手はフライングとなる”

 陸上競技における規定の1つである。

 このルールは医学的な観点から、人間の神経伝達速度に基づいているとされる。音が耳に、耳から脳に、脳から脚の筋肉に。という様に、耳で聞いた音を認識して脚の筋肉を動かすには、最低でも0.1秒以上の時間が必要とされるらしい。

……最も、この規定に関しても以前から疑問の声は挙がっており、脳との距離が近い腰回りの筋肉を使って動き出した場合や、タイムロス無しで脳内から脊髄までを電気信号が伝った場合、あるいは神経伝達速度が特別速い人間の存在など、様々な研究結果が提出されている。

 

 

 

『――0秒07!!』

 

……と、ここまで長々と説明してきたが、実を言うと咲夜の0.1秒の壁を越えた記録に特段意外な真実が隠されている……というわけではないのだ。残念なことに。

 彼女の反応速度は速い部類ではあるものの、一般的な範囲を逸脱する程ではない。念のため言っておくと、もちろん山勘を張ったわけでもない。

 

 それは呆気ないほど簡素な理由。つまり、これは陸上競技ではないし、なんなら彼女は走ってすらいない。

 神経伝達速度もなにも、彼女は脳から筋肉へ命令を送る必要が無いのだ。聴覚野から受け取った情報を脳内で認識したと同時、同じく脳内にて能力を発動させた。それだけの話である。

 

 

 

 

 

 

「――嘘だろ!? 0秒出たぞ!!」

「すげえ……ワープ系の個性とか初めて見た」

 

 文字通り一瞬で50m走を終わらせた咲夜に周囲が騒然とする。

 それは麗日も例外ではなく――というか一番驚いていた。あわや空間が捻じ曲りスタート地点からスタート地点までの50mを走ってしまったのではないかと思ったくらいだった。

 隣で棒立ちしていた筈の咲夜だったのに、何故かゴールに近付くにつれてスタート前と同じ様な姿勢で立っている咲夜の背中が見えて来るのだ。ホラーというか……場面が場面ならどこぞの怪談にでもなっていそうな話である。無限ループ系は怖い。

 

「――ハッ、ハァ……、びっくりしたぁ……十六夜さん、いつの間にか、ゴールしてるんだもん」

 

 結局7秒台でゴールした麗日が、途切れ途切れ、息を切らしながら咲夜に話し掛けてくる。

 

「ふふっ、ごめんなさい。ちょっと驚かそうかと思って」

 

 見ようによっては冷たくも見える怜悧な外見とは裏腹に、茶目っ気に溢れた笑みを浮かべている咲夜であった。

 その鋭い雰囲気とのギャップに打たれたクラスメイトが何人か頬を染めていたが、実のところ彼女はかなりマイペースな性格をしており、ズレた感性も相まって結構な天然具合を披露してしまうこともある。

 得てして常識的とは言い難い紅魔館の面々に囲まれて過ごしたのだから、至極当然の帰結だと言えなくもないのだが。

そういう風に、()()()()は形作られている。

 

 

 

 

 

 

7.

 

 

 

 

 

 

 派手な演出で初回から生徒達の度肝を抜いた咲夜だったが、その後の種目で咲夜が能力を活用する機会は精々が持久走くらいであり(それに関してはまたも一瞬で1500mを終了させ周囲を驚かせていたのだが)、それ以外の種目については純粋な身体能力で挑むに留めている。

――実際にはもう幾つか能力を応用して記録を伸ばせそうな種目もあったのだが、計測機器がきちんと反応してくれない可能性もあったため自重したのである。

 

 

 

 そういうわけで――例のモサモサ頭の少年(爆豪という生徒にデクと呼ばれていた)のソフトボール投げの際に一悶着あったものの、彼女達は概ね順調に各種目の計測を終え、結果発表の時間を待っていた。

 

 

 

「――んじゃ、パパっと結果発表。トータルは単純に各種目の評定を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」

 

 生徒達の神妙な顔付きの中、1-Aクラス21名の体力テストの結果が空中に浮かび上がる。

 果たして、十六夜咲夜。

 彼女の順位は、上から7番目であった。数種目しか能力を使っていないにしては比較的安全圏だと言えるだろう。

 無事に最下位を免れ、除籍の危機は一先ず回避できたと安堵の表情を浮かべる。……そして当然、その次は除籍の危機を回避できなかった哀れなクラスメイト(もうすぐクラスメイトではなくなるのかもしれないが)の名前を確認する。

 21番目、最下位は――緑谷出久。恐らくはあのモサモサ頭の少年だろう。この時点での咲夜の彼に対する印象というのは、他の初対面の生徒達と比較して殆ど変わる物はなく、精々が行動が予測できない面白い人、という程度の認識である。

……しかし、だからといって何も感じないというわけではなく。周囲から漂う、自分の順位を喜ぼうにも喜べない重苦しい雰囲気の中、咲夜も同様に自身の中に多少なりとも遣る瀬ない思いが存在しているのを感じ取っていた。

 これが高校生活なのだ。見込み無しと判断されれば即座に切り捨てられる。JKとはこんなにもシビアな世界観で生きているのかと改めて気を引き締める咲夜であった。

 

 

 

「――あ、ちなみに除籍はウソな」

 

 だから何気無く、本当に何気無い事の様にそんなことを口にする相澤に、他の生徒達と同じく目を大きく見開いた呆け顔を晒してしまったのも、仕方の無い事だと言えるのかもしれない。

 

「君らの最大限を引き出す――合理的虚偽」

 

 その言葉を正しく理解すると同時、『はあぁぁぁぁぁぁああ!?』と、生徒の間からある種当然とも言える困惑の叫び声が上がった。

 

 

 

「あんなのウソに決まってるじゃない。ちょっと考えればわかりますわ……」

 

 女子にしては高めの身長の少女が呆れ顔で何か呟いていたが、ちょっとした自己嫌悪に陥っている咲夜の耳には届かない。

 なにが『シビアな世界観』だ。馬鹿ではなかろうかと30秒前の自分を罵ってやりたい気分だった。

 

「これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ。――緑谷、後でリカバリーガールのとこ行って治してもらえ。明日からもっと過酷な試練の目白押しだからな」

 

 そう言って緑谷に保健室利用許可を示す用紙を手渡し、生徒達に背を向ける。そのままグラウンドから立ち去るかと思いきや、何かを思い出したのか足を止め、

 

「十六夜は後で職員室まで来い。少し話したい事がある」

 

 と、それだけ言い残し、今度こそグラウンドを後にする。

 残されたのは未だ気の抜けた様な、どこか呆然自失な表情で立ち竦む1-Aクラスの面々だけであった。

 

 

 

 

 

 

8.

 

 

 

 

 

 

 そして現在、十六夜咲夜はたった1人、無駄に横幅の広い廊下を歩いていた。教室へ戻るクラスメイト達と途中で別れ、職員室へと向かっている最中である。

 

「やっぱり何度見ても広い校舎よね。厳重なセキュリティに豊富な施設群……学校ってどこもこんなものなのかしら」

 

――無論こんなものであるわけがない。ここが特別豪華なだけである。国立なのに大丈夫なのかと思わないでもないが。

 もっとも広さと言うのであれば、咲夜の住む紅魔館も一邸宅としてはかなりの大きさを誇るものだろう。近くて見えぬは睫とも言うが、彼女としてはあまりそういった自覚を持ち合わせてはいないらしい。

 

「ここね……職員室。どこに行くにも遠くて困っちゃうわ」

 

 漸く辿り着いた職員室の扉を開けると、予想通り教室より二回り程大きい空間に教師用のデスクが所狭しと並べられていた。予想外だったのはその広さの空間に対しての人数。デスクに座り書類とにらめっこしているかソファで湯飲みを傾けているかの精々2、3人である。

 本日解放されたであろう生徒の教室と違い、室内の調度品や各々の机回りなど、幾ばくか雑然とした印象を受ける空間だったのでその不自然さは際立って見えた。

 

――もっとも、種明かしをしてしまえば、単に殆どの教師と生徒が入学式という名の一年に一度の式典に出席しているから、というのが答えなのだが。

 ちなみに入学早々クラス単位でサボタージュを決め込んだクラスもあったようだが、そもそも入学式という概念すら知り得ない咲夜にとっては知るよしもない事柄であった。

 

「――十六夜、こっちだ。わざわざ呼びつけて悪かったな」

 

 所在無げに立ち尽くす咲夜だったが、来訪者に気付いた教師の内の1人が声を掛ける。

 言うまでもなく彼女の担任。自由の名のもとに入学式の主賓席をぽっかり1クラス分物理的にぶち抜いた張本人、相澤消太が手招きをしていた。

 

 

 

 

 

 

9.

 

 

 

 

 

 

「それで、相澤先生。呼び出した理由を聞かせてもらえますか?」

 

 うっかりボロを出してしまったのかと、自然表情が硬くなる。思想やら来歴やら、果ては出自に至るまで色々と後ろ暗さには事欠かないメイド長であった。

 

「何、そんなに身構えなくてもいい。お前の個性に関して聞いておきたい事がある」

 

「――あ、えっと、個性……ですか?」

 

 不覚にも戸惑いの表情を浮かべてしまう。てっきり主人の友人がでっち上げたプロフィールに不備があったとか、そもそもヒーローという物に対しての関心の薄さを見抜かれたのでは、という事を危惧していた咲夜にとっては些か拍子抜けな質問だったことは否めない。

 

「ああ。日本だと大体の奴は個性届けを発行しているんだが、海外で育ったお前はそうじゃないみたいだからな。これから教師として面倒を見ていくわけだし、こちらとしては生徒の能力を把握しておきたいって話だ」

 

 

 

(……正直、戦う前から自分の能力が露呈しているなんて考えたくもない話だけれど。しかし、一般的に個性というのは届け出を出しているのが普通なのかしら? だとしたらパチュリー様が個性に関する申告をしなかったのには何か意味が……?)

 

 あるいはただ単に面倒臭がって必要最低限の記述しかしなかったのかもしれない。いずれにしても主人の判断を仰いだほうがいいのではと、相澤の質問に答えあぐねていた。

 

 

 

――その瞬間、ふと今朝の出来事を思い出す。

 学校に通うという事で数日前から昼間の住人となっていた咲夜。早朝、彼女と入れ違いにベッドに潜るレミリアからの言葉。

 いつもの不適な微笑を浮かべ、ただ一言。

 

 

 

――楽しんできなさい、と。

 

 

 

……そうだ。そうだった。

――ならば、己の成すべき事は一つ。主人の言葉を、遵守するだけ。

 ここで変に誤魔化すよりも、ありのままの事実を話す。

 そちらの方が、彼女の命令に添う形になるのではないかと思ったのだ。

 純粋に、そちらの方が面白いと、思ってしまったのだ。

 

(まあ、能力を知られた程度で狼狽えているようでは紅魔館のメイド長の名折れですわよね)

 

 

 

「どうした、十六夜。何か言えないような事情でもあるのか?」

 

「――いいえ。勿論、お答えしますわ。というより相澤先生。既にある程度見当が付いているのではないですか?」

 

 別にカマをかけているわけではない。そもそも、咲夜とてそこまで頑なに能力を秘匿しようというつもりもないのだ。もちろん大っぴらに喧伝するような事もないが、バレようがバレまいが能力の特性上、それが勝負の結果に影響するということは殆どないのだから。

 

「……まあ、今日の体力テストと実技試験の様子を見た限りでは、瞬間移動。学校側としても、今のところなにがしかの空間操作系の個性だという認識で一致しているが」

 

「流石ですわ。当たらずとも、遠からず。実際間違ってはいませんが、しかし付け加えるとするならば、時間操作、でしょうか」

 

「――時間だと!?」

 

 その言葉を聞き、相澤の表情にも驚きが浮かぶ。静かな室内に、その声はやけに大きく響いた。

 

「…………時間を操るなど、そんな個性は聞いたことがない。世界規模で見てもだ。それは――」

 

 それは。

 そんなモノは。

 1人の人間に与えられた力として、あまりにも――

 

 

 

「私としては、空間を介する個性がある以上、時間を操る個性があってもおかしくないのではないかと思っているのですけれど……」

 

「しかしっ――いや……そうだな。実例が存在するからには、それを疑っても仕方がない。……時間操作というのは、時間の流れが止まった世界でお前だけが自由に動けるという認識で合っているか?」

 

「はい。ですが、停止した世界の中で自由にやりたい放題出来るというわけではありません」

 

「それはどういう意味だ? 相手を身動きの出来ない状況に追い込んだのなら、既に勝敗は決してしまっているようなものだと思うが」

 

「ええ、確かに時間を止めた空間で動けるのは私だけですが、その止まった世界には私自身も干渉することが出来ません。例えば……そうですね、今この瞬間私が時間を止めたとしても、その状態で相澤先生を攻撃することは出来ません。殴ろうが、ボールペンを突き刺そうが、先生には傷一つ付きません。詳しい事は私にも分かりませんが、時間の流れが止まった世界における物質は、座標ごと存在そのものが停止、もとい固定されているような感覚です。絶対に壊れない壁を相手に独り相撲をしている様なものですわ」

 

「……さりげなく恐ろしいことを言う奴だな。だが、そうなると俺が想像していた程に出鱈目な力ではないのか? 勿論強力な個性であることに変わりはないが」

 

「そのかわり、もう少し限定的に、世界ではなく物質に流れる時間を操作することも可能です。投擲した武器を停止させてから時間差で射出したり、流れる時間を加速させて高速で打ち出したり、それとは逆に時間の流れを遅らせる、ということも出来ます。ですので……止まった時の中での攻撃手段は実はそう多くはないんです。相手に掛かった時間停止を解除して止まった世界に引きずり込むか、あるいは投擲した武器を相手に当たる直前で停止させ、時間停止の解除と同時に刺さるようにするか。もっとも前者に至ってはただの真っ向勝負になってしまいますし、後者の場合も……()()()ありませんが、時間が動きだしたと同時とてつもない反応速度で見切られてしまうことも、ないわけではありません」

 

――当然のことながら、()()()あることではない。というより咲夜としても、そんな馬鹿みたいな芸当をしでかす相手が何人もいたら反応に困る。

 

「……訂正しよう、十分に出鱈目な個性だよ。そこまで細かい応用が効くとはな。逆に止まった時の中で特定の対象の時間の流れを操作することも出来るとは……――いや、それも考えてみれば当然の話か。最初の説明を聞いた限りだとお前以外の全てが停止するという話だったが、だとしたらお前は時間を止めた瞬間に身動きが出来なくなるどころか、呼吸すら出来ずに窒息するだろうからな」

 

「それは、どういうことでしょう? 窒息というのは……」

 

「考えてもみろ。俺やそこの机の時間が止まっている時、それは分子単位で完全に凍結し、かつ絶対に崩れない結合状態なのと同じことらしい。であるならば空気の流れ、そこにある酸素や窒素分子の動きまで停止している世界で、まともに動くことが可能だと思うか?」

 

「ああ、なるほど。言われてみればその通りです。……と、なると。どうして私は普通に動けているのでしょうか?」

 

 今気付きましたとばかりにパチンと手を合わせた後、不思議そうに思案する咲夜を呆れ顔で見つめる相澤だった。

 

「……お前が意識的に操作していないのであれば、恐らく自身の生命維持に必要な要素を無自覚に選定しているということだろうな。世界中の空気全てなのか、お前の周囲何mの空間なのかは知らんが。……というより前提として、止まった時の世界で既存の物理法則が働いているかどうかも定かでない以上、ただの推測にすぎん。

――しかし、そんな強力な個性だ。まさか使用制限や限界が全く無い、などとは言わんだろうな?」

 

「ええ……それは勿論。局所的な時間操作は別として、私が停止した世界を作り出せる時間は――1日につき、合計1時間。また、一度発動した後に連続で時を止める事も出来ません。止まった世界で経過した時間と同じだけの時間がインターバルとして必要になります」

 

 純粋な事実である。ブラフとして、自身の能力の最大よりも幾分か劣ったラインを曝け出すのが駆け引きの常套手段だが、これに関しては止められる時間が30分だろうが1時間だろうが、咲夜以外に経過時間を認識できる人間などいないのだから。

 

「なるほどな。となるとお前は時を止めた世界の中で経過した時間を数えているのか? あるいはそれが身体の限界として分かるものなのか?」

 

「数えている、の方ですわ」

 

 そう言った咲夜が取り出したのは、銀の懐中時計。

 

「この時計は止まった時の中でのみ時を刻みます。パチュ――、仕事場の上司の友人から頂いた物で、勿論普通の時計としての機能も持ち合わせているので、常に重宝していますわ」

 

 十六夜咲夜はそんな銀色の時計を大事そうに掌に収めながら、幸せそうな微笑みを浮かべるのだった。

 

 

 






※ご注意ください。後書きです※



えー、それでは続いて二言目。本当に切実に遅くなりました。
もし仮に本作を待っていた方がいた場合は素直にごめんなさい。これからも頻度的な意味で期待せずにお待ち頂けると嬉しいです。









※こっから今回のお話について※



「なんだよ! 前回の話で『彼女にとって、時間は有限ではない』とかキメ顔で言ってた癖に!! バリバリ有限じゃないか!!」
そう仰りたい諸兄もいらっしゃるのではないでしょうか。



――ええ、その通りです。実はバリバリ有限でした。あとキメ顔なのは斧乃木ちゃんです。僕じゃないです。

いえーい。ピースピース。

あれは言うなればヒロアカ合宿時の1000000%と同じなのです。要は雰囲気です。ノリです。気合いです。カレーライスです(?)

といった感じで、既に察しの良い読者様方はお気付きでしょうが、この作品では咲夜さんに能力制限かかってます。無双展開を期待していた方には非常にごめんなさい。
(だってあれ目立ったデメリットもなしに時空間操り放題とか完璧チートなんですもの。まさしく弾幕ごっこくらいでしか成立しないパワーバランス)

紅魔館に関しても空間は未拡張で普通の広さです。その分、咲夜さんの仕事も時間を止めてやっているわけではなく、普通に人間にできる範囲内での仕事量です。
ところで未拡張という言葉にはそこはかとないエロスを感じますね。下手したら拡張済みよりもえっちなワードなのでは。

とはいえ多少弱体化したところで十分に強い能力なので。5秒しか時間を止められないのに実質的にシリーズ通してのラスボスと化してる某吸血鬼さんもいらっしゃるわけですし。
その他の細かい設定、及び解釈なんかは後々判明していくと思われます。ある程度出たら他の紅魔勢と一緒にまとめて設定集?的な物をお出しするかも。

それとスペルなんかは基本的に原作基準でいくつもりです。オリジナルとか他作品から持ってきたりとかは、恐らく無いと思われます。
あと技名叫ぶのはデフォ。ロマンだから仕方ないね。
君の(厨二)ハートにスピア・ザ・グングニル!!






それでは、長々と失礼致しました。
たまにこういう後書きなどが入る可能性がございます。
そういうのがあまり好きではない方は後書きの部分だけ印刷してお尻拭きにでも使ってみてください。出力する紙にもよりますが、きっと何とも言えない気分になることでしょう。



敬具



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