これからは月一ぐらいで頑張りたいです…
「メリオダス~!こっちこっち!はやく~」
「あんまり離れんじゃねぇぞ。それともうちょいゆっくりしたらどうだ?」
花畑を駆け回る少女の後をゆっくりとついていくメリオダス。
ここには二人以外誰もいない。
「だめよ~、こうして外を歩ける時間ってあんまりないんだから。それに私に合わせるのがあなたの仕事でしょ?」
「はぁ~、わかったよ」
メリオダスはスキップするかのように一歩進む。
それだけで10メートルはあった距離を詰め、少女を抱きかかえる。
「ちょ、ちょっとメリオダス!?」
少女は恥ずかしいのか顔を少し赤らめ、ジタバタする。
「こうした方が速いだろ?俺がいろんなとこに連れてってやるよ」
しかしそれもつかの間で少女はメリオダスの言葉に食いつく。
「ほんと!?私、海を見てみたい!」
「海か・・・・・ちと遠いな」
「そっか…」
残念そうに少女はうつむく。
それほどに少女は海をみたかったのだ。
「おいおい、なんて顔してんだよ。無理とは言ってないぜ?」
「えっ、じゃあ!」
「おう、連れてってやる」
その言葉を聞き、少女の表情が一気にぱぁーっと輝き始めた。
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「あ~、海綺麗だったなぁ~。ずっといたかった」
帰り道、そんなつぶやきがメリオダスの耳に届く。
「それはちょっと難しいな。あんまし遅いとあいつらが心配すっから」
「メリオダス怒られちゃう?」
「すっげぇー怒られるな。俺だけじゃなくお前も」
「えぇ!?じゃあはやく帰ろ!メリオダス急いで!」
「確かに時間がちょっとやべぇかもな。あいつらキレたら
少女を抱え、走る速度を少しずつ上げていく。
どんどん景色が過ぎていく様は、夢なんじゃないかという気分に少女をさせる。
それが名残惜しいのか今度はこんなつぶやきが聞こえてくる。
「また、来たいな…」
「そうだな」
「でも次はいつになるかな…?」
「いつだって来れるさ。お前が行きたいって思えばな。そんときゃ俺が連れ出してやるよ」
「ほんとに?」
「あぁ」
「でもそんなに外にいて大丈夫かな…?」
「大丈夫だ、お前は俺が守ってやる。約束だ、_____」
★
ストンッ
「———んぁ?」
軽快な音と共に額に何かが落ちてきたことでメリオダスは目を覚ます。
寝転がったまま顔を横に向ければ茶表紙の本が一冊。
「本?こんなところで?」
いるのは草原。それも見渡す限り続いている大草原だ。
そのため近くには建物も何もないし、木も生えていない。
「運び屋が落としたってわけじゃねぇな」
空を見上げるが青空が広がっているのみで飛行物などは見えない。
状況的にはこの本は突然出現したことになる。
そんな怪しい本、普通なら放っておくだろうが…
「珍しい本だな。高く売れっかな?」
旅人メリオダスは万年金欠状態だった…
本を手に取って回し見るがタイトルも著者も何も書かれていない。
表紙に唯一あるのは金色でできた装飾ぐらいのものだ。
しかし、メリオダスはその装飾に見覚えがあった。
「!このマークはベルカの…確か研究者達が使っていたもんだっけか?なんでこんな所にあんのかしらねぇけどツイてんな」
研究者の残した本ということは研究内容が書かれているかもしれない貴重な本かもしれないということだ。
それ即ち、高く売れる。
パッと見600ページはくだらないためかなりの値がつくことだろう。
そんな期待を胸にメリオダスは内容を確認するが…
「なんだ?白紙…?」
開いたページには何も書かれていない。
ページをめくってみるが他のページも同様に何も書かれていない。
「ハズレか…」
隅まで確認するメリオダスだったが結局全て綺麗な白紙でできた本だった。
これでは売り物にならない。
期待していた分がっくりと肩が落ちる。
「まぁ、枕ぐらいにはなるか」
が、すぐに気持ちを切り替え横になる。
メリオダスは本を枕に再び眠りについた。
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メリオダスが眠りについてから数分後。
頭の下に敷いてある本が光り始める。
それは徐々に強さを増し、一際強い光を発すると魔法陣が形成された。
魔法陣の中からは四人組が出現する。
四人組は忠誠を示しているのか跪き、首を垂れている。
「闇の書の起動を確認しました」
「我ら闇の書の蒐集を行い、主を守る守護騎士にてございます」
「夜天の主に集いし雲」
「ヴォルケンリッター、何なりと命令を」
そして決まりであろう口上を口にする。
しかし、当然寝ているメリオダスにその言葉は届かない。
そうとも知らず四人は首を垂れ続ける。
(なんだ?何も言ってこないぞ?)
さすがにおかしいと思ったのだろう。
四人のうちの一人である少女は顔を上げた。
「ちょっと、ちょっと」
『ヴィータちゃん、シィー!』
『ヴィータ、主の前での無礼は許さんぞ』
『控えろヴィータ』
状況を伝えようと声を出す少女に残りの三人は念話で語り掛ける。
「いや、無礼も何もこいつ寝てるんだけど…」
「「「えっ?」」」
少女の言葉を聞いて思わず顔を上げてしまう三人。
「zzz…」
そこには闇の書を枕に寝ている彼女らの主の姿があった。
今まで数多の召喚に応じてきたがこんな主は彼女たちも初めてだった。
★
「・・きろって・・・おき・・・」
何か聞こえる・・・?
身体も揺さぶられてる・・・?
(なんだ・・・?)
重い瞼を微かに開けば子供が俺を揺さぶって何か言っている。
(変な夢だな・・・)
「・・きろ・・!起きろって!」
段々と声が鮮明に聞こえて、意識もハッキリしてきた。
どうやら夢じゃないらしい。
まだ寝たりねぇんだけどな…
「あっ!やっと起きやがった!鈍すぎだろ!」
「ヴィータ、口を慎め。主に無礼だぞ」
「そうよ、ヴィータちゃん。貴方だって寝起き弱いでしょう?」
「ぐっ、そ、そんなこと…」
身体を起こせば子供を含めた四人を確認できた。
活発そうな少女、雰囲気が穏やかな女、見るからに真面目な女、落ち着きのある男。
ふむ、全く見覚えがないな。
「ふぁ~、お前たち俺になんか用か?」
欠伸をしながら気になったことを聞いてみる。
なんでこいつら俺を囲むように座ってんだ?
敵意はないから野党の類じゃねぇってのは確かだけどよ。
「これは失礼!申し遅れました、我らはヴォルケンリッター。主を守る守護騎士でございます。闇の書の起動を確認し顕現いたしました」
ヴォルケンリッター?
闇の書?
さっぱりわからん。
「色々聞きたいことがあるんだがいいか?」
「ハッ、なんなりとお聞きくださいませ、主」
聞き間違いでなければ、さっきからこいつらの言う「主」というのは俺を指しているように聞こえる。
「主ってのは誰だ?」
「?それは勿論貴方様でございます」
不思議そうな顔をして四人ともこっちを見てくる。
不思議なのはこっちなんだけどな。
とりあえず他に気になったことを聞いてみるか。
「ヴォルケンリッターっていうのはお前たちの組織名だな?」
「そのようなものでございます。正確に言うならば我ら四人そのものを示しています」
「闇の書ってのは?」
「・・・すみません主、間違いならば申し訳ないのですが、もしや我々についてご存知ないのですか…?」
「おう、全くもってな」
「・・・・」
ありゃ?
全員固まっちまった。
こいつらってそんなに有名な奴なのか?
「・・・よろしければご説明させていただいてもよろしいでしょうか?主の今後に関わることゆえ」
「じゃあ、頼む」
・
・
・
・
「お判りいただけたでしょうか?至らぬ説明ではありませんでしたか…?」
「いや、大体のことはわかった」
話を聞いて分かったことは
・俺が拾ったまくr・・・じゃなくて本が闇の書といい、俺は主に選ばれた
・その持ち主を守るのがヴォルケンリッターだということ。プログラム?らしい
・こいつらの名前。
少女がヴィータ、穏やかなのがシャマル、真面目なのがシグナム、落ち着いてるのがザフィーラ
・役目は俺を守ることとリンカーコアを確保して闇の書を完成させること
・闇の書が完成すれば主は絶大な力を得られる
「ってことだな」
「はい、その通りです」
まぁ、簡単に言えばヴォルケンリッターっていう仲間ができたって感じか。
一人ってのは退屈だしちょうどいいかもな。
ただし蒐集ってのは禁止だな。
「今、完璧に枕って言おうしてたよな…?」
「き、気のせいよきっと…」
「枕としてはちと固すぎだな」
「やっぱり枕扱いしてるぞ!」
そして、あまり時間が経ってないがヴィータが単純かつ面白いことがわかった。
「ヴィータ!」
「!?し、しつれいしました…」
あとはシグナムがお堅いこともな。
「別に気にすんなヴィータ。仲間なんだ、そんぐらいが丁度いい。他の奴らもこんぐらいでいいんだぞ?」
「主メリオダス、我らは守護騎士でございます。そのような―――」
「そういうお堅いのあんま好きじゃねぇんだよ。なんつうかむず痒くなってくるだよな。俺は主って柄でもないしな」
「し、しかし・・・」
思った通りシグナムは大分堅い。
こういう奴は周りから懐柔していくしかない。
「見たとこヴィータはそういうの苦手だろ?」
「まぁ、アタシは苦手ってわけじゃないけど好きではないかな」
「ヴィータ、またお前は―――」
「まぁまぁいいじゃないのシグナム。メリオダスちゃんがそう言ってるんだから。ってちゃん付けはさすがにあれですかね?」
「全然気にしないぞー」
「シャマルまで何を言ってるんだ!ザフィーラ、お前からも―――」
「別にいいんじゃないか。主がそう言ってるのだ。尊重するべきだろう」
「お、おまえたち・・・」
思ったより簡単に事が運んで驚いている。
というかザフィーラは思っていたよりも柔軟性があるな。
「そうそう、シグナムは堅すぎなんだよ」
「少しは肩の力抜いてみたら?」
「度が過ぎる時もあるということだな」
「うっ…」
あともう一押しってとこだな。
こういう時の必殺つかうか。
「シグナムが嫌なら別に無理強いはしないけどな」
「け、決してそのようなことはございません!ただ・・・その・・・主に対し簡単には言葉遣いは・・・」
「別に口調はそのままで構わねぇ。ただ畏まりすぎるなってだけだ。俺はお前たちとうまくやっていきてぇ。にぎやかで面白そうだしな。よろしくな」
「主メリオダス……はい!こちらこそ」
よし、これでむず痒さもなくなんだろ。
「そういえばずっと思ってたんだが・・・」
「なんでしょう?」
「お前ら寒くねぇの?」
「「「「・・・・」」」」
こいつらすっげー薄着なんだよな。
暖かくなってきてはいるが今の時期はまだ寒い。
「「「寒いです…」」」
「俺は平気だが?」
そう言うとザフィーラはオオカミの姿になる。
なるほど、守護獣だったのか。
「ザフィーラずるいぞー!寒いから動物形態になっただろう!」
「・・・そんなことはない」
「じゃあなんで目逸らしてるんだよ」
どうやらザフィーラも寒いらしい。
そりゃそうか着込んでる俺でさえ少し寒気がしてきたんだし。
「まいったな、さすがにお前らのサイズに合う服はねぇし、街までもちょいと遠い」
そして何より金がない。
これからは狩りの頻度増えそうだな。
「それは心配ないですよ。私達は甲冑を纏えばいいですから」
「それだ!さすがシャマル!」
すぐさま四人の周囲に魔力が集まっていき、鎧を形成していく。
なんか所々禍々しいな。
「あら?ちょっと大胆かしら」
「す、すこし露出が高くないか…?」
「へぇーセンスいいじゃん。ここのドクロいい感じだ」
「とてもしっくりとくるな」
シグナムとシャマルは所々チラリズムがあっていい感じだ。
胸も強調されててドストライクだなこりゃ。
残り二人はまぁ、普通だな。
「あ、主!これはどうなんでしょうか!?」
「どうって似合ってるぜ?」
「ど、どうも・・・って、そうじゃなく何故こんな甲冑なのですか!?」
甲冑のこと俺に言われても俺が作ったわけではないんだが。
まぁ、俺の趣味と完璧に合致してるが。
「私たちの甲冑はメリオダスちゃんのイメージが強く影響するの」
「だから抗議してんのか」
なるほど、そりゃあ俺の趣味と合致するわけだ。
闇の書グッジョブ。
(それにしても・・・そそるな)
手で短い裾を引っ張って肌を隠そうとしたり、腕で胸を隠すポーズ。
極めつけに恥じらい顔。
「ど、どうにかなりませんか…?」
「ふーむ、どうにかと言われても俺も原理がよくわからんからな~」
「そ、そんな…」
「しかし!シグナムがそこまで言うのならやってみようではないか」
「ほんとですか!しかしどうやっ―――ひゃっ!?///」フニュフニュ
シグナムの背後に回り込み後ろから胸に手をまわす。
「あああ、主メリオダス!こ、こ、これは一体!?」
「落ち着けシグナム。寸法を測っているだけだ」フニュフニュ
「す、寸法をですか…?」
「強くイメージするためにはより正確な寸法を知る必要がある」フニュフニュ
「んっ!///し、しかし・・・」
「それともその甲冑のままでいいのか?」ピタッ
「・・・・や、優しくお願いします…」
はい、言質取った。
「じゃあいくぞ」
フニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュ
フニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュ
「んっ!あっ!///あ、ある・・じ…」
「フムフムフーム」
フニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュ
フニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュ
「んんっ!///」
「これは中々・・・」
フニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュフニュ
フニュフニュフニュフニュ―――
「いい加減にしろーっ!」ガツンッ!
横からの衝撃で地面を数度バウンドさせられた。
気をとられ過ぎて殴られるまで気が付かなかった。
「だ、大丈夫ですか!?」
「こ、この変態!エロガッパ!スケベ!嘘つき!」
心配して駈け寄ってきたシャマルに起こされればハンマーを担いだヴィータが顔を真っ赤にして罵詈雑言を浴びせてきている。
今にも襲い掛かってきそうだがザフィーラが必死に抑えている。
シグナムは・・・膝をついて肩で息をしてるな。
ちとやりすぎたな、反省。
「すぐに治療しますから・・・・・えっ?傷がない…」
「丈夫なのが取り柄なのさ」
さて、流石にシグナムには悪いことしたな。
強いイメージだったよな。
こういうのは苦手なんだよなぁ。
・・・・・・・!
―――ポンッ!
「こんなもんか」
シグナムの甲冑が残念ながら露出度控えめのものへと変わってしまった。
「へっ?ほ、ほんとに変わった……嘘じゃなかった…?」
それをみたヴィータが目を丸くして俺とシグナムの方を交互に見る。
その後すぐにサーっと顔を青くし、ハンマーを落としてこちらに駈け寄ってくる。
「ご、ごめん…!あ、あたし勘違いして…は、はやく手当てを―――」
「必要ねぇ」
「う、うそだ!かなり強めに振ったんだ…!そんなわけ!」
かなり動揺していているのか今にも泣きだしそうな顔して俺の心配をしてくる。
「大丈夫よ、落ち着いてヴィータちゃん。もう大丈夫だから」
「・・・・ほんとに?」
「えぇ、ほんとよ」
シャマルが抱きしめ、やさしく言葉をかけることでヴィータは落ち着きを取り戻し始めた。
そして俺に何か言いたげそうにチラチラとこちらの様子を伺っている。
「シャマル、少し外してくれるか」
「はい、わかりました」
ヴィータが言いにくそうにしていたためシャマルには少し外してもらう。
すると少ししてからヴィータが口を開いた。
「ごめんなさい…その・・・あたし、メリオダスが寸法なんかしてないんじゃないかって思って・・・それで…」
申し訳なさそうなヴィータの顔を見ているとさすがに罪悪感が湧いてくる。
「気にすんな、今回のは俺が悪い」
実際俺が悪いからなー。
自業自得ってやつだ。
しかしまさかこんなことになるとは…自重するか。
「でも…」
あー、こいつめちゃくちゃ真っ直ぐなタイプか。
このままだと落ち込みっぱなしだな。
・・・・よし。
「それに、実際あんなに揉む必要はなかったのは事実だしな」
「なっ!?」
「そうだな、次はシャマルの寸法を―――」
「こ、この・・・・」
「ん?」
「変態がーーっ‼」
そこにはハンマーを振りかぶる元気なヴィータの姿があった。
「おっと、あぶね」
「避けんな!」
それからしばらくはヴィータのハンマーから逃げ続ける羽目になった。