マクロスΔ~銀河を断つ斬艦刀~   作:自己満足です

10 / 10
お久しぶりです!
気がついたらお気に入りが100越えで嬉しい限りです(^-^)

それと激情のワルキューレ見ました!
いろいろ言われてますが、私は良かったと思います(^-^)/

今年もよろしいお願いしますm(__)m


ステージ10「ワルキューレVSデルタ小隊」

──デルタと〈ワルキューレ〉の合同演習当日。

 

 

1週間前に緊急入院し、1時は生死の境をさ迷っていたハヤテ・インメルマンだが何事もなかったかのようにブリーフィングに参加していた。

誰もが──回復状態を知るデルタ小隊の面々を除き──驚き、あまり感情を表に出さない美雲・ギンガメールさえも驚いていることからもその驚異的な回復力は周りを色んな意味で騒がせていた。

 

 

──ハ、ハヤテ!! 大丈夫なん!?

──ああ。

 

 

皆の意見を代表してフレイヤ・ヴィオンに驚かれても、何のことは無いとハヤテ・インメルマンは短く応じた。

それがあまりにも自然すぎて、何となくツッコめない雰囲気となりブリーフィングが進んでいく。

今回の演習は増加するヴァールシンドロールに対処するため、より実践的な演習が行われることになった。

白兵の後に、VFを使った訓練内容にとなっている。

アラドがスクリーン前に立ち訓練の内容を伝える。

 

 

「まずはデルタ小隊がヴァール化した兵士の想定だ。 アルファ小隊とベータ小隊が〈ワルキューレ〉を護れ。 今回はグリムリーパー中隊は参加しない。 これはそれぞれの飛行小隊がメンバーの加入に伴い、他の飛行小隊の白兵能力の実力確認をする意味合いもあるからだ。 知っての通り、実戦ではグリムリーパー隊の支援を受けられない状態の時も往々にして考えられ、〈ワルキューレ〉の盾にして剣たる俺たち飛行小隊はVFの操縦だけでなく白兵能力も高い水準が求められているのは各々が理解していると思う」

 

 

デルタ小隊以外のパイロットたち──アルファ、ベータ小隊──は《ケイオス》の主力VFであるVFー31《カイロス》を任せていることからも、それぞれが優秀なパイロットだと分かる。

何故ならば《カイロス》は《ジークフリード》の原型機である高性能機だ。

《カイロス》は《ジークフリード》と比べてフォールドクォーツが搭載されておらず〈ワルキューレ〉支援用機器が()()()搭載されていない分、()()()()()()実は《カイロス》の方が優秀だったりする。

そんな高性能であるためにお値段もかなりのものだ。

《ケイオス》は約80億人が住むブリージンガル球状星団中でも五指に入る大企業であり、それに見合うパイロットの数もトンでもない数がいる。

そんな大企業でも《カイロス》程の超高価の機体をルーキーや腕のたたない者に任せることは無い。

《カイロス》を任されている事はパイロットとして一流だと、《ケイオス》から認められていることに他ならない。

さらに〈ワルキューレ〉を護るアルファ、ベータ小隊員たちは飛行技術や白兵能力だけでなく、特殊任務遂行のために機体整備、護衛、通信と様々な能力が優れているオールラウンダーでかつ平均より優れた能力を必要とされる。

 

 

「デルタは白兵戦に弱いところがある。 今回はチーム連結にもってこいだ」

 

 

実はヴァール耐性が高いことに比重が置かれているデルタ小隊よりも、純粋に()()()()()()()()()()()()()()としての技量を選考に選ばれたアルファ、ベータ小隊員たちは兵士としての総合力はむしろ高いと言える。

けれども、ことホームグラウンド──空中戦──の戦いはデルタ小隊が《ケイオス》最強である。

第一次デルタ小隊編成組でヴァール耐性が高いことで選ばれたアラド・メルダースやメッサー・イーレフェルトであるが、その技量はアルファ、ベータ小隊員たちを越えており、《ケイオス》内でデルタ小隊が《ケイオス》最強の飛行小隊であることに疑問を覚える者はいない。

それほどまでにデルタ小隊を代表する二人の技量は高い。

 

 

「今回はミラージュ、ノエルの2人が前衛、俺とメッサー、チャックがそれぞれ援護する」

 

 

合同ブリーフィングが終わり、それぞれ攻撃と防御側に別れてミーティングが行われる。

 

「あれ? ハヤテさんはどこ何ですか?」

「それはな──」

 

 

アラドはニヤリと含みのある笑みを浮かべ、ハヤテのポジションを教えた。

それに関してデルタ小隊の面々は──メッサーさえも──驚きを隠せなかった。

 

 

 

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 

 

 

ハヤテは新統合軍や《ケイオス》でもその改造モデルが採用されている()()の感触を確めていた。

記憶が無い彼だが、それでも今も昔も自らの最も得意として最も信用する武器はやはり刀であると確信を持っていた。

それは刀意外ではどこか手に馴染まない感覚を覚えるからだ。

今持つ武器も刀ではないためにそう感じるが、それでもこの武器は刀以外では自身でも意外なほどに違和感が無い。

数多くの戦場で兵士たちと生き鍛え抜かれたこの武器は無駄を省かれ効率化されて使い易い事はもちろんだが、それ以上に馴染む理由はわからない。

けれどもその理由をハヤテは求めない。

それでいいと思っていた。

あえて、というより焦って知らずとも自ずと思い出すだろうと確信に似たものを抱いていた。

それは1週間前から強く感じるようになった。

 

 

『ハヤテ、準備はいいか?』

 

 

アラドからの通信が右耳に装着された小型インカムから伝わる。

意識が()()へと変わる。

演習はこの廃墟となった街で行われる。

この街は担当していた企業が倒産して開発が頓挫し、長らくゴーストタウンになっていた。

自然が多く残るラグナ星は未開発の土地は数多いが自然を愛するラグナ星人たちは過度な開発を嫌うため、都合のいい地上での演習地を探していた《ケイオス》にはピッタリの物件だった。

それなりに辺境地にあるためにドンパチにも最適だ。

 

 

「抜かりはありません」

『よし、それじゃあおっぱじめるか。 派手に頼むぜ』

「了解」

 

 

ハヤテの周りには(ターゲット)も、味方さえもいない。

彼は集中する。

()()()()()()()には〈ワルキューレ〉とアルファ、ベータ小隊員たちを捉えた。

戦場ライブを行おうとする〈ワルキューレ〉を護るようにアルファ、ベータ小隊が配置されている。

それぞれの小隊長はツーマンセル(二人一組)のマニュアルでの布陣を取っている。

正面、側面、後方と同じ人数が布陣されて隙が無い。

マニュアルは誰もが一定以上の水準で事を成すために作られており、ケースバイケースを求められる戦闘でベストとは言えないがベターではある。

マニュアル通りといえば聞えは悪いが、高い技量を誇る兵士たちが実行すれば生半可な事では破られないことを意味する。

中途半端な奇策などもっての他だ。

堅実なマニュアル布陣を破る方法は実はそう多くない。

条件の限られた演習のためにさらにとれる方法は少ない。

だから今回は()()を取ることになる。

開戦の狼煙はもう決まっている。

後は待つだけだ。

一瞬の()()を。

 

 

「改めて新メンバーを紹介します」

 

 

精神を高めて1つの音を発すること無く時を待つハヤテの存在を知ることなく、〈ワルキューレ〉たちは来週に控えたフレイア・ヴィオンのデビューライブの予行も合わせて行っている。

〈ワルキューレ〉のライブ会場は戦場だ。

このような廃墟でこそ()()()()()()()()を冠する彼女たちに相応しいのかも知れない。

施工されて作り出された煌びやかなステージは無くとも、そこに彼女たちがいるだけで廃墟さえも煌びやかなステージへと早変わりする。

それは最新のヴァーチャル技術だけでなく、5人から放たれる個性豊かな光がそうさせているのだろう。

 

 

「初めまして! ウィンダミアから来たリンゴ大好き14歳! フレイア・ヴィオンです! よろしくお願いします!!」

 

 

緊張気味のフレイアが深々と頭を下げる。

誰も観客がいないのにこの調子で大丈夫だろうか、とハヤテは少し思考が反れた事を自覚し、再び気を引き締める。

 

 

「まずは幻惑的な新曲──チェンジ」

 

 

美雲・ギンヌメールが曲を歌い出す。

派手なプロジェクションマッピングが投影され、5人のフォールドプロジェクターが今まで披露されたことのない新衣装に変わる。

幻想的な映像と洗練されたダンスが加わり、歌をより一層幻惑的な雰囲気へと昇華させる。

素晴らしいダンスを披露する〈ワルキューレ〉の中には、当初はダンスが苦手だと言っていたフレイアももちろん含まれている。

彼女は〈ワルキューレ〉リーダーのカナメ・バッカニアを筆頭に優れた指導者たちと、自身の持つ高い身体能力と音に対する抜群のセンスを持ってすればコツを掴むのは容易な事であり、他の4人と比べても全く劣らないレベルで踊れるようになっていた。

それには彼女の直向きな努力と、歌に対するとてつもない情熱があってこその事ではあるが。

素晴らしい歌とダンスが続いているが、それをこれから()()()()にしてしまうのは気が引ける思いもあるが、ハヤテは鋼の精神力で押さえ込む。

 

 

(フレイア、見事な修練の結果だ。 それだからこそ、俺は君たちを本気で()()へと誘おう)

 

 

ハヤテは抑え込んでいた殺気を開放し、〈ワルキューレ〉たちを屠る死の神へと至る。

その殺気を向けるのは〈ワルキューレ〉の絶対的エースである美雲・ギンヌメールでもなければ、電子の異端児であるレイナ・プラウラーでも、機械の天才であるマキナ・中島でも、潜在能力の塊であるフレイア・ヴィオンでもない。

 

 

「──思惑に飲まれちゃおしまい──」

 

個性豊かな〈ワルキューレ〉を纏める安定力抜群のリーダーである()()()()()()()()()であった。

 

 

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 

 

 

「──思惑に飲まれちゃおしまい──」

 

 

カナメが中盤のソロパートを歌い終わった瞬間、〈ワルキューレ〉に向けて弾 丸(非殺傷性ペイント弾)の嵐が吹き荒れた。

全く予期しない方向と距離からの攻撃に〈ワルキューレ〉やアルファ、ベータ小隊員たちは気が付けなかったが、彼女たちをあらゆる面でサポートするマルチドローンプレートが盾となりペイント弾を防いだ。

 

 

【マキナ、フレイア、レイナのマルチドローンはそれぞれ1機大破。 美雲は損傷無し。 カナメのは3機大破よ】

 

 

演習場にアイシャ・榊博士のアナウンスが響いた。

今回は演習という事でそれぞれマルチドローンプレートは30機を装備し3ヒットで大破となり、補充は無しとなっている。

さらに小型ジャンプブースターユニットも装備していないので、いつものように3次元機動が出来ないために回避力も低くなっている。

 

 

「理論射程限界の5㎞先から射撃! けど、狙いはメチャクチャ。 狙撃者は──」

 

 

レイナの指先──付け爪型小型複合デバイス《LS6seマルチデバイス》──に表示されたモニターに情報が表示される。

彼女の神業的な超高速解析により、あっという間にあらゆる情報が暴露される。

彼女がハッキングにより生き残っていたカメラを操作し、その姿を映し出した瞬間──

 

「ハヤテ・インメルマン」

 

 

カメラが破壊されて映像が途切れた。

 

 

「また狙撃が来るわ! みんな散らばって!!」

 

 

カナメが鋭く警告する。

その声に〈ワルキューレ〉の面々は素早く反応し、それぞれ散開した。

狙撃されても恐怖にすくむこと無く動けるのはさすがは〈ワルキューレ〉というところか。

戦闘に慣れないために反応が遅れかけたフレイアだが、そこはリーダーのカナメがしっかり手を繋いで遮蔽物まで連れて行く。

 

 

【アルファ3、ベータ4死亡。 気合いいれろー、デルタにいいようにやられてるわよ~】

 

 

今度の狙撃は〈ワルキューレ〉狙いはではなく護衛狙い。

頭部・胴体命中1発、その他は2発で死亡扱いとなる。

 

 

「メチャクチャなのに結構当たってるね、レイレイ」

「偶然。 アンラッキー」

「いいや、()()()()()()

 

 

マキナとレイナの意見を二人の護衛に着いているアルファ小隊長──30代半ばの小柄の男であるゲイル・マッカラン大尉が否定した。

 

 

「5㎞ともなればわずかなズレがとてつもない誤差になる。 5㎞にも及ぶ超長距離射撃で()()などあり得ん。 それこそ1発ぐらいならば()()で済まされるが、マルチドローンプレートが命中と判定して防御した弾も含めればもう20発も命中させている」

 

 

戦闘のプロフェッショナルにして〈ワルキューレ〉たちの戦闘訓練主任教官でもあるマッカラン大尉。

歴戦の戦士であり〈ワルキューレ〉もそうであるが、アラドにも大きな信頼をおかれている。

 

 

「ハヤテ・インメルマン・・・・刀なんていうアナログを使うもんだから近接戦闘に特化したヤツだと思って時もあったが、やっぱり()()()やがった。 アラド隊長もとんでもない掘り出し物を見つけてきたもんだ。 お前たちも気を抜くなよ。 ボヤボヤしてるとあっという間に狩られるぞ」

「分かったよ、教官」

「心に刻んだ」

「よし。 俺たちは()を抑える。 お前たちは()()()やれ」

 

 

敵の想定がヴァールであるために5人のフォールドレセプター数値に応じて、デルタ小隊員たちの携行する銃に組み込まれた電子回路が()()()()を発生するようになっている。

だが良いことばかりではなく歌を〈ワルキューレ〉が歌えば位置を暴露することになる。

今回の戦闘演習では〈ワルキューレ〉の2人以上が死亡判定となってしまうと防御側が負けとなるため、歌い続けるのは危険だ。

 

 

「了解!」

「がってん」

 

 

それでも歌うのが〈ワルキューレ〉だ。

それがわかっているからこそ、マッカランは彼女たちの歌を止めることはしない。

戦場の歌姫たちの仕事は歌うこと。

戦士がやる仕事は戦い、護ること。

マッカランは気を引き締めると、同行しているアルファ6

、アルファ7に周囲警戒を任せて各位に通信を入れた。

 

 

「こちらアルファリーダー、各位状況知らせ。 ──オーバー」

 

 

アルファリーダー(マッカラン)たちは東。

 

 

『こちらベータ1。 ベータ2とユニットを組み、 ワルキューレ2 (美雲・ギンヌメール)を護衛中。 ベータ3、5が敵を索敵中。 ──アウト』

 

 

ベータ1たちは北側。

 

 

『こちらアルファ2。 アルファ3が死亡したため、アルファ4、5と合流した。 ワルキューレ1 (カナメ・バッカニア)及び ワルキューレ5 (フレイア・ヴィオン)を護衛中。 ただいまポイントC-5にて敵と交戦中。 数は2。 男と女のコンビ思われる。 映像送る。 ──アウト』

 

 

アルファ2たちは南。

 

 

『こちらベータ6。 ベータ7と索敵中に敵を発見し交戦に入った。 ポイントDー3。 数は2。 こちらも同じく男女のコンビと思われる。 映像送る。 ──アウト』

 

 

ベータ6たちは西。

 

 

(ヤツは何処に?)

 

 

送られてきた映像からはヘルメットがステルス迷彩を行っているために体型からしか判断出来ないが、()()()()()が映っていないことにマッカランは気がついた。

マッカランは各ユニットから送られてくる情報を確認して戦況を整理する。

南と西で戦闘を繰り広げ、北と東では敵の姿も発見されていない。

 

 

『こちらベータ3。 ベータ5とともに敵との交戦を開始した。 数は1。 女と思われる。 ──アウト』

 

 

デルタ小隊に女は二人。

しかもどちらともスタイルは良く、男に間違えられることはあり得ない。

 

(分かれたか)

 

 

マッカランは状況を把握すると、確認のために通信を入れた。

 

 

「戦闘中の各ユニットは交戦人数及び特異事項を知らせ。なお、こちらは断続的な狙撃が行われている。 ──オーバー」

『こちらベータ3。 交戦人数は女から男1に変更。 女の行方は不明。──アウト』

『こちらベータ6。 こちらも女が抜けて交戦人数は男1となった。 女の行方は6時方向()に向かった。 ──アウト』

 

 

女二人が戦線を離れ移動。

ハヤテの狙撃と男二人がそれぞれ単体で攻撃。

それは注意を反らすためであり、()()()()()()()()()()()()

彼女は美雲並の優れた身体能力を持つが、戦闘に馴れていないために一番狙いやすいからだ。

その事をレイナは戦闘開始前のデルタ小隊のブリーフィング状況を室内に設置してあったモニターカメラをハッキングすることにより得ていた。

 

 

「ハヤハヤの狙撃が思ったより精度が高いのはビビった。 けど、作戦がこっちには筒抜け。 もう勝ったも同然」

「う~ん、ちょっと卑怯なような気もするけど」

 

 

マキナが苦笑する。

 

 

「問題なし。 情報戦から戦闘は始まっている」

 

 

レイナが──表情は乏しいながらも──したり顔に言う。

その瞬間──

 

 

「え?」

 

 

影が走り、乾いた発砲音がした。

それもほぼ同時に3発。

音と同時に視界が真っ赤に染まった。

 

 

【アルファリーダー、レイナ・プラウラー、マキナ・中島死亡判定。 デルタの勝ちよ】

 

 

アイシャのアナウンスが流れた。

何が起こったか分からず呆然とするマキナとレイナは、ペイント弾を当てた人物の姿をようやく理解した。

 

 

「ハ、ハヤハヤ!!?」

 

 

此処にいるはずのないハヤテが居たのだ。

ハヤテトの手には二丁のハンドガンが握られていた。

戦闘態勢に入っているハヤテから発せられる威圧感は半端ではない。

二人は見た目の華やかさとは裏腹に、〈ワルキューレ〉として多くの戦場で命をかけて歌ってきた。

〈ワルキューレ〉の特殊装備やデルタ小隊及びフェンサー中隊の護衛態勢が整っていなかった〈ワルキューレ〉第1期メンバーとしてくぐった修羅場は数知れない。

二人はアイドルとはいえ、並の兵士とは比べ物にならないほどに戦闘の負荷に耐えうる強靭なメンタルを備えている。

そんな彼女たちでさえ、冷や汗が止まらないほどの重圧を受けている。

 

「レイナ・プラウラー、君の言っていた事は正しい」

 

 

呆然とする二人を尻目に、殺気を納めたハヤテがいった。

 

 

「情報戦から戦闘は始まっている、だからこそ俺たちは君が()()()()()()()()()()()()を予想した。同時にハッキング破りの仕掛けも行った」

 

 

マキナと同じくペイント弾で赤く染まって不機嫌なレイナが聞いた。

 

 

「完璧に痕跡は消し去った。 サーチにも絶対に引っ掛からなかった」

「否。 人が作りし物や技術に完璧や絶対はあり得ない。 その証拠に君がハッキングした証拠として、録画されたカメラ映像が実際とは0.1秒の誤差を生じた。 故に俺たちは作戦前に君がハッキングした事を察した」

「・・・・どうやって気がついた」

「オフラインで同角度から撮影したカメラ映像との比較だ。 回線から切り離れており、その場に君は居なかったために気が付けなかったのだ」

「そんなアナログで・・・・」

「君は確かに優れた技術者だ。 それ故に己の技量を過信し、こちらが君のハッキングを見破っている可能性を看過した。 これが君の腕を知らぬ者たちを相手にするならば未だしも、君の技量を把握した相手に対しては無用心過ぎたな。 ハイテクノロジーは時にアナログに負けることも覚えておくといい」

「・・・・理解した。 けど、ムカつく。 何らかの形でリベンジするから覚えておくといい」

 

 

あまり感情は出さないものの、ムッとした気配が丸分かりの様子でレイナは言った。

 

 

「承知した」

 

 

それが可笑しかったのか、レイナよりも表情が読みづらいハヤテであるが、その口元には確かに小さく笑みを浮かべていた。

 

 

 

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