巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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こんにちは。銀色の怪獣です。

何となく書いてみたくなったので書いたのですが、他の作品との折り合いもあって「短編」として投稿することにしました。

ちゃんと他の作品も同時進行中です。

では、記念すべき第一回目です。どうぞ~


第一話 凍り付かせる『巨影』

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

「何だコレ・・・何がどうなってんだよ!?」

 

本来ならば大勢の人々が行き交い、活気に満ちているハズの都心の中央で男、()()(でら)はあまりの驚きで棒立ちとなり、やっとのことで呻くように言葉を漏らした。その際、小野寺の口からは真っ白な息が漏れていた。

そんな小野寺が棒立ちになっている理由、驚愕している理由、それは―

 

「木も、建物も、車も、人も、何もかもが・・・凍ってやが・・・る・・・!?」

 

小野寺の言う通り、いま小野寺のいる辺り一面は全てが凍結(・・)しているのだ。それこそ電柱や信号機、ビル群のような無機物も、木や野良猫、カラスや人間といった生物までもが完全に凍り付いていた。

 

「あ、有り得ねぇだろ・・・!?ここは北極とか南極じゃなくて日本、それも東北や北海道じゃねぇんだぞ・・・なのに、なのに・・・何でこんな事が起きてんだよ・・・?」

 

目の前に広がるあまりに異様で、あまりに理解し難い非現実的な光景に理解が追いつかない小野寺。

しかし、次の瞬間にはこの異様で非現実的な光景が出来上がった理由を、その原因たる存在(・・)の姿を見て、小野寺はこれが現実だと納得せざるをえなくなった。

 

―――グワッグワッグワッ!グルルルルルン!!―――

 

「!?な・・・ななななな!?何じゃありゃぁあああぁぁぁっ!!?」

 

突然凄まじい地響きが轟き、それに伴って凄まじい「咆哮」が辺り一帯と小野寺の耳に響き、次の瞬間には地響きと咆哮の主が凍り付いたビル群の影から現れた。

 

―――グワッグワッグワッ!グルルルルルン!!―――

 

「ト、トカゲの化け物だっ!!」

 

大声で叫んだ大野寺の言う通り、現れたのは「巨大なトカゲの化け物」という他にない存在、俗に言う「怪獣」という存在だった。

その怪獣は四足歩行で全身の皮膚は茶色、頭部には巨大な一本の角、背中には怪しく光る棘、耳元まで裂けた鰐口、そして何よりも不気味で虚ろな目を持ったトカゲの怪獣だった。

 

―――グワッグワッグワッ!グルルルルルン!!―――

 

「!?や、ヤバい!こっちに来る!!」

 

ビル群の影から現れたトカゲの怪獣に目を奪われ、立ちすくんでいた小野寺であったが、そのトカゲの怪獣が明らかに自分の元へ向かって来ていると気付くと一目散に逃げ出した。しかし、

 

「う゛っ!?あ、足が・・・足がうごかな・・・い・・・!?それに・・・さ、寒・・・い・・・?」

 

こちらに迫るトカゲの怪獣から必死で逃げる小野寺であったが、突然足が動かなくなった。加えて、小野寺は異様な寒気と眠気(・・)に襲われていた。

 

「何がどうなってやが・・・る?は、早く逃げねぇと、あのトカゲの化け物に―――」

 

突如として動かなくなった足と、自分を襲った謎の寒気と眠気。それでも尚、小野寺は必死で迫り来るトカゲの化け物から逃げようと抗った。だが、

 

―――グワッグワッグワッ!グルルルルルン!!―――

 

「・・・え?う、嘘だ・・・ろ・・・?」

 

不意にトカゲの怪獣が吠えた。その吠え声は小野寺のすぐ真後ろから聞こえており、驚いた小野寺は後を振り向けば―――何と、トカゲの怪獣が小野寺に完全に追いついていた、ばかりか今まさにトカゲの怪獣の体が小野寺の真上を通り過ぎようとしていた。

 

「そう・・・か・・・人間と化け物じゃ歩幅が違ぇよな・・・追い越されて当然だ・・・ぜ・・・」

 

自分の真上を通り過ぎるトカゲの怪獣の体を見上げながら、小野寺はなぜトカゲの怪獣があっという間に追いついたのかを理解した。

そう、人間である小野寺がいくら必死に逃げても、巨体を誇るトカゲの怪獣とでは歩幅が全然違うのだ。これでは追いつかれて、追い抜かされて当然だ。同時に、小野寺はなぜ急に足が動かなくなったのか、急に異様な寒気と眠気に襲われたのかも理解した。

 

―――グワッグワッグワッ!グルルルルルン!!―――

 

「オイオイ・・・この寒さは・・・お前がやったのかよ・・・へっ、トカゲのクセに・・・おかしい・・・だろうが・・・よ・・・」

 

建物も生き物も全てが等しく凍り付いた都市に現れたトカゲの怪獣。

そんなトカゲの怪獣が地に足を付ければ、足が付いた場所から氷が広がって一面を凍らせる。トカゲの怪獣が通り過ぎれば、辺り一面は全てが氷の世界に閉ざされる。

そう、この異常現象の犯人は他ならぬこのトカゲの怪獣だったのだ。そして、トカゲの怪獣が通り過ぎた後には、物言わぬ氷の彫刻が一つ(・・)出来上がっていた。

 

 

この日、日本のとある都市がまるごと凍り付いた(・・・・・)

そんな凍り付いた都市の中心で巨影「冷凍怪獣 バルゴン」が、覚めることの無い「永眠」に付いた無数の氷像(・・)たちとともに安眠を貪っていた。

 




如何でしょうか?
ということで、記念すべき最初の「巨影」はガメラの初対戦相手にして「昭和怪獣最強」の異名を持つ「冷凍怪獣 バルゴン」でした。
加えて、今回のお話の登場人物「小野寺」は『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』でダイヤを奪ったりしたあの小野寺がモチーフです。元ネタ分かってくれた人、挙手を。

いやね、バルゴンは原作の『巨影都市』に出ても何ら違和感は無かったと思いますよ?何気に、昭和のガメラ怪獣で都市で暴れたのってバルゴンとギャオス、ジャイガー位だし、この面子じゃバルゴンが一番目立つでしょ?

ということで、こんな感じで『巨影』こと怪獣による恐怖を描いていきたいと思います。
ご興味とお時間ありましたら、見て下さいませ。では

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