巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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どうも、銀色の怪獣です。

クリスマスでも関係なく投稿してやったぜ(横でケーキドカ食いしてる相方を尻目に)

で、今回のお話は珍しく登場「人」者がバッドエンドを迎えません・・・あくまで「人」物がですがね?

まぁ、何が出てどうなるのかは是非とも本編でお楽しみを・・・では、どうぞ~


第十三話 護る『巨影』

 

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

―――ゴゲェエエエェェェッ!!―――

 

「う、うわああぁっ!?助けてくれーーーっ!!」「ば、化け物だーーっ!!」「いやーーー!こわーい!!」

 

日本のとある大都市に響き渡る人々の悲鳴と・・・「怪獣」の雄叫び。ある日、突如として地底から怪獣が大都市のど真ん中に怪獣が現れたのだ。

 

―――ゴゲェエエエェェェッ!!―――

 

その怪獣はつぶらな瞳と垂れ耳、おでこには短い角があるパグ犬のような顔で、丸っこくてぽっちゃりとした寸胴の体、短い手足、といった具合に一見すれば可愛らしい怪獣だ。

実際、その怪獣を見た人の中には「何かちょっと可愛い!!」などと言う人もいたぐらいだ。しかし、

 

―――ゴゲェエエエェェェッ!!―――

 

―――クチャックチャッ…クチッ…ゴクンッ―――

 

怪獣の咆哮の後に聞こえた「何か」を咀嚼し、飲み込む音。

見れば、あの怪獣が「何か」を…たった今の今まで生きて、動いていた人間を喰らい、その胃の腑へ納めていた。そう、この怪獣は人を喰らうのだ。

 

―――ゴゲェエエエェェェッ!!―――

 

手当たり次第に建物も、車も、何もかをも破壊し、目に付いた人間を片っ端から食い散らかす怪獣の暴虐は止まるところを知らなかった。

 

 

 

「はあっ・・・!はあっ・・・!!こ、ここまでくれば何とか大丈夫かな・・・?」

 

件の怪獣が大都市のど真ん中に現れ、暴虐の限りを尽くしてから数時間後。荒れ果て、誰もいなくなった街をひた走る人影が二つ(・・)あった。

一つは若い女性、この日たまたま街に買い物に来ていたミズノという女性。そして、二つ目は―

 

「ねぇ僕、もう大丈夫だからね。お姉ちゃんが絶対に守ってあげる、絶対にパパとママを見付けてあげるからね」

 

「・・・・・・・・・」

 

二つ目の人影、それはミズノに手を引かれているまるで浮浪者のような身なりの白人の少年であった。

 

(可哀想に・・・きっと、あの怪獣に襲われたショックで話せなくなってるし、こんなにボロボロになってるんだわ・・・)

 

件の少年を手を引いて都市から脱出を図ろうとしているミズノはいくら話しかけても何も答えず、ひたすら呆けたような様子の少年を見てそんなことを考えていた。

 

 

ミズノがこの少年と出会ったのはほんの数時間前、あの人食い怪獣が大都市のど真ん中に現れ、街を破壊して逃げ惑う人々と片っ端から捕食し始めて街を大混乱に陥れた際の事だ。

 

「はあっ・・・!はあっ・・・!!嫌だ・・・嫌だ・・・怪獣に食べられるなんて絶対に嫌っ!!!」

 

この日、たまたま街に買い物に訪れてのんびりとショッピングを楽しんでいたミズノ。だが、その平凡で平和で「当たり前」のひとときは、突如として現れた怪獣によって奪われた。

目の前で全てを破壊し、逃げ惑う人々を食い散らかしまくる怪獣の暴挙を目の当たりにしたミズノはどれだけ苦しくても、どれだけ怖くても走って走って走って逃げた。そうしなければ、怪獣に食べられるからだ。

そんな折、ミズノの目にあるものが映った。それは―

 

「・・・・・・・・・」

 

「何・・・してるのあの子?」

 

ミズノの目に映った()、それは怪獣の鳴き声が聞こえてくる距離にもかかわらず、何故か逃げもせずにその辺をフラフラと徘徊しているボロボロの身なりの白人の少年であった。

 

「・・・・・・・・・」

 

(どうしたんだろうあの子、あんなにボロボロだし―――って、もしかして・・・あの子、あの怪獣に襲われて家族を・・・)

 

偶然見付けた少年に対し、ふとミズノはそう考えた。確かにそう考えれば少年の服装がボロボロなこと、回りに家族らしき人物が誰もいないこと、何よりも街中の人々が逃げ惑っている中で少年だけは逃げもせず、呆けたようにフラフラと徘徊しているのも頷ける。

 

「・・・・・・・・・」

 

(可哀想・・・あんなに小さいのにあの怪獣に襲われて、しかもお父さんやお母さんを・・・でも・・・私には関係ない・・・)

 

相変わらずフラフラと徘徊する少年が体験したであろう凄惨な光景を思い描き、少年に同情するミズノ。

だが、そうこうしている間にも距離があるとはいえあの怪獣の鳴き声が後方から聞こえ続けている。このまま立ち止まっていては怪獣に追いつかれ、食い殺される。だから立ち止まってはいられない。それに、確かに少年は可哀想だが、ミズノにとって少年は赤の他人だ。リスクを冒してまで助ける必要も義理も無い―――

 

「ねぇ僕、大丈夫?ここにいたら危ないよ。ホラ、お姉ちゃんと一緒に逃げよう」

 

「・・・・・・・・・?」

 

「大丈夫だよ。お姉ちゃんが安全な場所まで連れて行ってあげるから。それに、お父さんやお母さんも探して上げるからね。だから、一緒に逃げよう」

 

ミズノは少年に駆け寄りって話しかけ、優しく諭して少年の手を引いて一緒に逃げた。

いくら赤の他人とはいえ、いくら一番可愛いのは我が身とはいえ、目の前で困っている人を、無力で弱々しい子供を放っておくことなど「人間として」ミズノには出来なかった。

 

 

 

 

「はあっ・・・!はあっ・・・!!こ、ここまでくれば何とか大丈夫かな・・・?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「とりあえず、大丈夫みたいだね。うん、ちょっと休憩しようか」

 

ミズノが怪獣から逃げる中で出会った白人の少年とともに逃げてから数十分後、二人は怪獣の姿どころか、鳴き声も完全に聞こえなくなるほど遠くへ逃げ仰せていた。

ここでようやく二人は一息つくため、万が一の事も考えて崩れ落ちた建物の影に隠れて休憩していた。

 

「よし、キレイになったよ。サッパリしてよかったね」

 

「・・・う・・・ん・・・」

 

「ねぇ僕、お腹空いてないかな?お姉ちゃんね、お菓子持ってるからあげるね」

 

「・・・う・・・あ・・・」

 

「はい、どうぞ」

 

「・・・あ・・・あり・・・う」

 

やっとの思いで怪獣の脅威から逃げ仰せ、一息つくことが出来たミズノは泥などで汚れた少年の顔や体をハンカチで拭き、落ち着かせるためとお腹を空かせているであろう少年にお菓子をあげた。

それに対し、最初の頃こそ少年は相変わらずの呆けたままのような感じで反応を示さなかったが、徐々に徐々にではあるが頷いたり喋ったり、果てはぎこちないながらも笑顔を見せたりもした。

 

(よかった・・・反応してくれるようになったし、何よりも笑ってくれた。よし、絶対にこの子のご両親を見付けてあげよう)

 

助けた少年がやっと反応するようになり、その後見せた笑顔を見たミズノは目の前のか弱い少年をきっと守ると、少年を絶対に両親に会わせてあげると誓った、その瞬間!!

 

―――ゴゲェエエエェェェッ!!―――

 

「な、なに―――って、きゃあああぁぁぁっ!?な、何で・・・何で怪獣がここにいるの!!?」

 

突然、ミズノたちの目の前の地面の土砂が大量に吹き飛んで大穴が空いた。すると、その穴の中からあの人食い怪獣がその巨体を現わした。

 

―――ゴゲェエエエェェェッ!!―――

 

「あ、ああぁ・・・こ、腰が抜けて・・・立てない・・・!!」

 

突如として轟音と共に目の前に現れた人食い怪獣を前に、ミズノは腰を抜かして立ち上がる事が出来なくなっていた。当然、それは怪獣にとっては好都合この上なく、怪獣は目の前で逃げもしない得物(ミズノ)をズラッと牙の並んだ巨大な口で一吞みにしようと迫った、その瞬間―

 

「・・・う゛ぅっ!・・・あ゛ぁ!!・・・がぁあっ!!!」

 

―――ゴゲッ!?ゴゲェエエエェェェッ!!?―――

 

「え、えぇっ!?ど、どうなってるの・・・?あの子・・・いま跳んだ・・・?」

 

怪獣の魔の手がミズノ迫った瞬間、何とあの少年が怪獣とミズノの間に割って入ってミズノを庇った、ばかりか、少年はその場で数メートル跳躍し、怪獣の顔面に強烈な蹴りを見舞って怪獣を怯ませた。

 

「ど、どうなってるの・・・?何であの子、あんなに跳べるの?まるで・・・人間じゃ(・・・・)ない(・・)みたいに・・・」

 

少年が軽々と何メートルも跳躍し、怪獣の顔面に蹴り入れて怯ませるという有り得ない光景を目の当たりにしたミズノはただただ呆然とするしかなかったが、この直後には更に呆然と、更なる驚愕の光景を目の当たりにすることとなる―

 

―――ゴゲッ・・・ゴゲェエエエェェェッ!!―――

 

一方で、まさか人間(エサ)如きに顔面を蹴飛ばされるという事態に怪獣は怒り狂い、改めて自分の顔を蹴飛ばした少年に向き直ると怒りの咆哮を轟かせた。だが、

 

「・・・う゛ぅっ!・・・あ゛ぁ!!・・・がぁあっ!!!ああア゛あア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!」

 

―――ゴゲッ!?ゴゲェエエエェェェッ!!?―――

 

「えぇっ!?う、嘘でしょ!!?こ、こんな事って・・・あ、あり得るの・・・?」

 

突如として少年が叫んだ。するとどうだろうか。何と、少年の体が一気に膨張して巨大化し、あっという間に身長20米もとい20mの巨人となった。これにはミズノはおろか、怪獣でさえ驚いて思わず叫んでいた。

 

「ヴぅっ!ア゛あア゛!!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!」

 

一方で、巨大化した「元」少年もとい巨人は雄叫びを上げると同時に怪獣に跳びかかった。

 

その後の展開は一あまりに方的であった。

 

「ヴぅっ!ア゛あア゛!!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!」

 

―――ゴゲッ!?ゴゲェエエエェェェッ!!?―――

 

怪獣に跳びかかった巨人はマウントポジションを取ってから怪獣をタコ殴りにする、手近にある瓦礫や街路樹で怪獣をしばき倒す、ヤクザキックを怪獣の腹に叩き込んで吹っ飛ばす、怪獣の首根っこを掴んで力任せに放り投げる、怪獣の頭を掴んで近くの建物や車に叩き付けた挙句は頭を何度も連打する、ジャイアントスイングで振り回して放り投げる、などなど巨人は完全に怪獣を圧倒していた。

当然、怪獣も鋭い牙や爪、あるいは口から吐く熱戦などで巨人に反撃を試みたりはしていたが、ずんぐりむっくりで寸胴で四つん這いな怪獣と、直立二足歩行で素早く動けて様々な格闘技が使える巨人とでは文字通り「勝負にならなかった」のである。そして―

 

「ヴぅっ!ア゛あア゛!!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!」

 

―――ゴキッ!!―――

 

―――ゴゲッ!?ゴゲェ・・・エエェ・・・―――

 

散々巨人に責め立てられた怪獣は満身創痍であったが、巨人は攻撃の手を緩めずに怪獣に組み付いて怪獣の首に手を回し、チョークスリーパーを決めるとそのまま更に力を込め、怪獣の脛骨を折って怪獣を仕留めたのであった。

 

「ヴぅっ!ア゛あア゛!!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!」

 

「ス、スゴい・・・勝っちゃった・・・」

 

激闘の末、見事に怪獣を討ち破った巨人は息絶えた怪獣の体を投げ捨て、勝ちどきの雄叫びを上げた。それを見て、いまだに腰を抜かしたまま立ち上がることの出来ないミズノは呻くように言葉を漏らすのが精一杯であった。すると、

 

「ヴぅ・・・ア゛ア゛ア・・・」

 

「ひっ!?い、嫌っ!来ないで!!こっちに来ないで!!」

 

不意に、巨人がミズノを見た。その虚ろだが、いまだに怪獣を仕留めた興奮冷めやらぬ血走った目で。

当然、そんな目で睨まれたミズノは今の今まで目の前で巨人が行った戦いを、人を食う怪獣をあっさり仕留める巨人に見つめられた恐怖で後退った。

だが、20mもの大きさの巨人はあっという間にミズノの元へ近付き、その巨大な手をミズノに向かって伸ばすと―

 

「ヴァ・・・ア゛ア゛ア・・・アァ・・・」

 

「い、嫌っ!殺さないで―――って、あ、あれ・・・?」

 

自身に向かって伸ばされる巨人の手を前に、ミズノは思わず目をギュッとつぶった。

しかし、いつまで経っても巨人がミズノを握り潰したり、あるいは触ったりすらしてこないことと、巨人が先程とはうって変わって優しい声を出し続けている事を不思議に思ったミズノが改めて巨人の方を見ると、そこには―

 

「ア゛・・・アゲ・・・ル・・・コレ・・・アゲル・・・」

 

「えっ・・・?コレを、お花を私にくれるの・・・?」

 

「ヴ・・・ヴン・・・アゲ・・・ル・・・アナタ・・・ヤサシク・・・シテ・・・クレタ・・・カラ・・・」

 

改めて巨人の方を見たミズノが見たもの、それは巨人の手に乗っている近くの花の咲いた街路樹であった。しかも、街路樹をミズノに向かって差し出している巨人はぎこちないながらも笑顔を浮かべており、その顔からは攻撃的な雰囲気は全く感じられなかった。加えて、何と巨人はミズノと「会話」までやってのけたのだ。

そう、実はこの巨人は「いいヤツ」であり、巨大化してまで怪獣と戦った理由も自分の汚れた顔を拭き、お菓子をくれて優しくしてくれたミズノを守りたいという一心だったのだ。

 

「あ、ありが・・・とう・・・」

 

あの恐ろしい怪獣を仕留めた巨人が見せた笑顔と行動には驚かされたが、自分の命が助かったのは紛れもなく目の前の巨人のおかげだ。それに、この巨人は「いいヤツ」である。そのことを改めて認識したミズノが手を伸ばし、巨人の手に触れようとした、その瞬間!!

 

「いたぞーーー!化け物だーーーっ!!」

 

「撃ち殺せーーー!!」

 

「いや、待て!!化け物のそばに女性がいるぞ!!?」

 

「何だと!?よし、救助が先だ!!かかれーーーっ!!」

 

「「「おおーーっ!!」」」

 

突然、ドタバタと大勢の人間の足音と怒声が聞こえた。その主達は武装した警官隊や機動隊、あるいは自衛隊などであった。実は彼らは怪獣の襲撃の一報を受け、遅ればせながら怪獣の駆逐と逃げ遅れた人々の救出のためにはせ参じたのだ。

そんな武装警官隊たちは最初こそ視認した「化け物」こと巨人に手にした銃火器を放とうとしたが、巨人の近くに逃げ遅れた民間人ことミズノを見付けると巨人に発砲するのを止め、ミズノの救出に動いた。

 

「な、何ですかあなた達は―――」

 

「もう大丈夫ですよ!さあ、逃げましょう!!」

 

「い、嫌っ!?放して!放して下さい!!」

 

「よし!逃げ遅れた女性を救出したぞ!!」

 

「よくやった!早く下がれ!!」

 

「了解っ!!」

 

突如として現れた武装警官隊や機動隊、自衛隊に驚くミズノであったが、武装警官隊たちはそんなことはお構いなしにミズノの元へ駆け寄ってミズノを巨人から引き離して"救出"した。そして、"救出"を終えた彼らが次にとる行動は当然―

 

「よし!後はあの化け物を排除するだけだ!!皆、あの人型の化け物は怪獣を殺したヤツだから、油断するなよ!!」

 

「「「おおーーーっ!!!」」」

 

「覚悟しろよ化け物!!」

 

「蜂の巣にしてやるぜ!!」

 

逃げ遅れた女性(ミズノ)を救助し終えた武装警官隊たちは改めて巨人に向きなおると、手にした銃火器を巨人に向かって撃って撃って撃ちまくった。

突如として街を襲撃し、大勢の人々をその毒牙にかけた憎き怪獣、を殺した巨人を排除して「平和」と「安全」を取り戻すために。

 

「や、止めて下さい!その子は悪くないんです!!その子は、その子は私を助けてくれたんです―――」

 

「危険ですので下がって!下がって下さい!!オイ、誰かこの人を安全な場所に連れて行くんだ!!」

 

「了解!さあ、行きましょう!!」

 

「い、嫌っ!放して!!あの子を撃たないで―――」

 

突然現れた武装警官隊や自衛隊員たちが何の罪もない巨人を、自分を怪獣から守ってくれた巨人を撃ち殺そうとしているのを何とかして止めさせようとしたミズノであったが、武装警官隊の余計な気遣いでミズノは安全な場所へと無理矢理連れて行かれてしまった。

 

 

「死ねっ!化け物がーーっ!!」

 

「駆逐してやるぞっ!!」

 

「よくも何の罪もない人たちを・・・許さんぞっ!!」

 

「ヴァ・・・ア゛ア゛ア・・・アァ・・・」

 

一方で、突然現れた大勢の人間に無数の銃で撃たれ、野次られ、明確な殺意の込められた目で睨まれている巨人は・・・一声悲しそうに唸り声を上げるとその場から逃げ行方をくらました。この日以降、巨人の姿を見たものはいない。

 

 

 

 

『怪獣と巨人が都市部を襲撃!大勢の民間人が犠牲に!!』

 

こんな見出しが新聞、あるいはTVを賑わせるのに時間はかからなかった。

 

「怖い」

「許せない」

「コイツらのせいで家族が・・・友達が・・・」

「早く逃げた巨人を駆除してくれよ」

「ヤロウ、どこ行きやがった」

 

件のニュースを見て知った人々、あるいは実際に被害に遭った人々が事件を起こした怪獣と巨人を憎み、血眼で探し回ることになるのは想像に難くない。

 

 

「違う・・・違うのに・・・悪いのは怪獣だけなのに・・・!巨人は、あの子は悪くないのに・・・!!」

 

だが、たった一人だけ全ての真相を知るシュヴァルツ人物がいた。それはミズノであった。

武装警官隊や自衛隊に"救助"されたミズノは近くの病院に入院させられ、病院内のTVや新聞で事件の報道や見出しを見ていた。

当然、事件の真相を知るミズノからすれば世間で流れている情報の間違いは、自分を助けてくれたあの巨人に対する誤解は耐え難いものだった・・・

だが、どれだけミズノが大声で叫んでも、どれだけ主張しても人間とは一度信じてしまった考えを変えることは、自分と違う存在を受け入れることは簡単には出来ないのだ。

ましてや、たった一人の人間の主張では世間(おおぜい)を納得させることなど到底出来ないのである。

 

 

この日、日本のとある都市が崩壊した。そんな都市崩壊を引き起こし、更には大勢の人々を捕食した巨影「地底怪獣 バラゴン」は・・・死んだ。

見た目こそ恐ろしいが、他者を思いやり、気遣う事の出来る心優しき巨影「不死身の魔神 フランケンシュタイン」によって討伐された。

だが、幸か不幸かバラゴンを屠ったフランケンシュタインはその見た目と、大勢の人々を喰らったバラゴンよりも強かった故に「バラゴン以上の怪物」と見なされ、追われる身となったのである。自分に優しくしてくれた女性に手渡そうとした花の咲いた街路樹を片手に・・・

 

「ヴァ・・・ア゛ア゛ア・・・アァ・・・」

 

 




如何でしたか?

今回はあの東宝の『フランケンシュタイン対地底怪獣』より「地底怪獣」の方のバラゴンと東宝版フランケンが登場です。

ちなみに、今回のタイトルである『護る巨影』の『護る』はバラゴンのリメイク個体の『護国三聖獣 地の神・婆羅護吽』の「護」を使いました。ほら、どっちもバラゴンだしね?

で、バッドエンドになったのはまさかのフランケンでした・・・何と言うか、あらゆる物語のお決まりとして「醜い怪物は幸せになれない」という決まりがありましてね・・・ヒドいよね。僕の知る限り、醜い怪物なのに幸せになったのって某緑の怪物(シュ〇ック)ぐらいじゃないかな? 全く「ただしイケメンに(美女に)限る」ってヤツか。

ちなみに、登場した「ミズノ」とは『フランケンシュタイン対地底怪獣』でヒロインの戸上季子を演じた水野久美さんにちなんでおります。

では、次回もお楽しみに~

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