巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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はい、銀色の怪獣です。第二話目です。

今回は僕の大好きな怪獣が出ますが、多少残酷な描写がね・・・

というか、コイツに限らず怪獣が都市部に出たら大事ですがね。

では、どうぞ


第二話 剛なる『巨影』

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

 

「ダッセーな。何処もいっぱいで引き返すなんて」

 

「休みの日だからっていちいち家族で出かける必要ないんじゃない?」

 

「ほんと疲れに行くようなもんよ」

 

「・・・・・・・・・!」

 

大勢の人々が行き交う大都市。その大都市の大通りに口々に愚痴りながら歩く姉弟と妻、そして大荷物を両手で抱えながらえっちらおっちら歩く父の四人家族「ババ一家」がいた。

 

「でも、今日浮いたお金で欲しい服が買えてよかったよねお母さん」

 

「本当よね~無駄足にならなくてよかったわ~」

 

「俺は早く帰って買ったゲームやりたい!!」

 

「・・・・・・・・・!!」

 

大荷物、姉と母親が買った大量の服やアクセサリーと弟が買ったゲームなど、のせいで歩くのが遅い父親のことなどお構いなしな姉弟と妻は自分たちだけでホクホク顔で会話していた。

実はババ一家は今日は父親の提案で家族揃って出かけた・・・まではよかったが、レジャー施設にしてもショッピングモールにしても何処も人で溢れかえっており、泣く泣く引き返すハメになった。

当然、父親以外の三人はわざわざ休みの日に連れ出しておいて、情けなく引き返すハメになった原因を作った父親を責め、父親は何も反論できずに言われるがままであった。

だが「せっかく休みの日に街に出てきたのにタダで帰るのは嫌」ということで、ババ一家は父親以外の三人は浮いたお金で好きな物をたくさん買い、父親に荷物持ちをさせていたのだ。

 

(そりゃさ、俺が無理言ってみんなを連れ出したし、連れ出しておいてノコノコ引き返す事になったのは申し訳ないよ。でも、だからってここまでボロクソに言わなくてもいいじゃないか・・・)

 

自分だけに荷物持ちをさせ、好き放題に言っている家族に心の中で悪態を吐く父親。とはいえ、父親に反論する権利も元気も無かった・・・

 

―――ゴゴゴ・・・―――

 

「あら、何かしら?」

 

「どうしたのお母さん?」

 

「どうしたのママ?」

 

「どうしたんだお前?」

 

「ん?いや、何か聞こえたような―――」

 

ふと、母親が奇妙な音を聞き、思わず立ち止まった。それを見て、他の家族は母親に声をかけた、その瞬間―

 

―――ゴゴゴ・・・ゴゴゴゴゴ!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!―――

 

「「「「な、何だコレっ!!?」」」」

 

突然、凄まじい揺れが都市を襲い、街にいた人々は避難することが出来ずにその場で転倒したりうずくまったりする他なかった。当然、それはババ一家も同じであった。

 

 

 

 

「揺れが止まった・・・?」

 

「こ、怖かったよぉ・・・」

 

「収まった・・・のかしら?」

 

「みたいだな。みんな、大丈夫か?」

 

突如として発生した凄まじい揺れはものの数十秒で収まった。幸い、揺れがすぐ収まったために街や人々への被害は少なかった。そのため、揺れを体験した人々はホッと胸を撫で下ろした。が―

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

「「「「な、何だぁああああぁぁぁっ!!?」」」」

 

確かに揺れは収まった。だが、次の瞬間には轟音と共に都市部の中心地の地面が爆発し、更には地中から「何か」がせり上がってきた。

そんな「何か」を一言で表すなら「銀色の岩山」だ。しかし、なぜ岩山がせり上がってきたのか?

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

「!?ば、化け物だーーーっ!!」「た、助けてーーー!!」「に、逃げろーーーっ!!」

 

理由は簡単、件の銀色の岩山は生きている、というか「生物」もとい「怪獣」なのだ。

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

突如として都市のど真ん中に現れた銀色の岩山のような怪獣の体付きは「屈強」の一言に尽きる。また、頭部には湾曲した一対の角、背中には剣山のような背ビレ、凄まじく太く逞しい剛腕、屈強な肉体を支えるための極太の足、そして銀色の体表とは対照的に金色に爛々と輝く瞳の無い目が特徴の怪獣だった。

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

「こ、こっちに来たぞーーー!!」「く、来るなーーーっ!!」「い、嫌だ!死にたくないっ!!」

 

突然地中から怪獣が出現するという非現実的な出来事に戸惑う人々は各々で行動が違っていた。

怪獣が出現すると同時に逃げた者。現れた怪獣をのんきにケータイやスマホで撮影する者。怪獣の迫力に腰を抜かしてへたり込む者。あまりの驚きに呆ける者。動けなくなっている者を助け、肩を貸す者。実に様々であった。

しかし、そんな事は銀色の怪獣には関係ない。銀色の怪獣は眼下で動く人間をキッと見据えると・・・地響きを轟かせながら逃げ惑う人間を追い、その極太の足で踏み潰し始めた。

 

「はあっ!はあっ!誰か、誰か助けて・・・!!」

 

雄叫びを上げながら歩を進める銀色の怪獣から逃げ惑う人々は少しでも早く、少しでも遠くへと逃げようと必死だった。しかし―

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

―――グチャッ!!―――

 

「!?・・・!・・・・・・・・・」

 

残念なことに、当然なことに、怪獣と人間では歩幅がまるで違う。いくら必死で走っても人間が怪獣から逃げるのは不可能だった。

銀色の怪獣が通り過ぎた後には・・・辺り一面に赤い血の花が咲き乱れていた。そして、今まさに新たな赤い血の花が開花しようとしていた―

 

「も、もうダメだっ・・・!!」

 

見れば、あのババ一家が銀色の怪獣のすぐ目と鼻の先でうずくまっていた。

実はババ一家も銀色の怪獣に追われており、必死で走って逃げていたが・・・体力の限界を迎えた事に加え、母親と姉弟が焦りから足を捻ってしまった。これでは逃げることは不可能だ・・・

だが、そんな母親と姉弟を父親は見捨てなかった。父親は彼を散々けなしてバカにして悪口を言っていた母親と姉弟の上に覆い被さり、守ろうとしていた。例えそれが無駄と分かっていても、意味が無いと分かっていても、彼にとって大事な「家族」を見捨てる事は出来なかったのだ・・・

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

だが、現実は非情だ。尚も逃げ惑う人々を追う銀色の怪獣は歩を進め続けており、とうとうババ一家がうずくまっている地点へやって来た。そして―

 

 

 

 

「あ、あれ・・・?行っちゃったのか・・・?」

 

心底驚いたような、心底呆けたような声を出すババ一家の父親。そう、彼らは無事だった。

不思議なことに、銀色の怪獣は格好の獲物であるハズの足下のババ一家を素通りし、逃げる人々を追って行った。

まるで逃げる人々しか眼中にないかのように、まるで動いている(・・・・)人々しか見えていない(・・・・・)かのように。

 

「よ、よかった・・・」

 

完全に銀色の怪獣が遠ざかり、安全だと分かった父親は安堵のため息を吐いた。

 

「「お父さん!」」

 

「アナタ!」

 

「「「ありがとう!!!」」」

 

すると身を挺して、盾になってまで家族を守ろうとした父の雄志に母親と姉弟は涙し、父に抱き付いた。この出来事が家族の絆と心を一つにしたのは言うまでもない。

「災い転じて福となす」とはこのことだ―

 

―――グオオオオオォォォォ!!―――

 

「「「「えっ?」」」」

 

ババ一家を素通りした銀色の怪獣が吠えた。その際、銀色の怪獣が何気なく振った尾が近くのビルを打ち据え、ビルを崩した。そして、崩れたビルはババ一家に向かって倒れていき―

 

 

 

この日、日本のとある都市が崩壊した。

そんな崩壊した都市の中心では巨影「剛力怪獣 シルバゴン」が歩き回り、とっくに崩壊した街を更に崩壊させていた。しかし、シルバゴンは街を崩壊させる気は微塵も無かった。

だが、シルバゴンにとって都市は狭い。ただ歩き回るだけで、ただ体を揺するだけで、ただ尾を振るだけで都市は崩れ去ったのだ。

それもひとえに、シルバゴンが桁違いの大きさと力を持つ「怪獣」という存在であるがための「悲劇」であり「必然」ゆえだったのだ。




如何でしたでしょうか?

ということで、第二回は『ウルトラマンティガ』から『最強の戦力を誇る』と公式でいわれるシルバゴンが登場です。
また、登場した「ババ一家」とはシルバゴンの出た『虹の怪獣魔境』で樹海に迷い込んだ家族の事です。

それにしても・・・残念ながら、今回はシルバゴンの持ち味の「残忍で凶暴だけどお茶目」を演出できませんでした・・・悔しいけど、ストーリーの関係上仕方がないね!!

まさか助かったかと思ったら助からなかったEND・・・まぁ、パニック映画とかじゃ「助かったと思って油断する→怪物とかに殺される!!」はあるあるだからね?

ちなみに、最後の「通り過ぎたシルバゴンの尾がビルを打ち据えてビルを崩し、倒壊したビルに一家が巻き込まれる」はあのGMKゴジラを参考にしています。

さてさて、次回の巨影は何でしょうかね~?

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