巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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どうもどうも、銀色の怪獣です~

さて、今回の巨影は・・・平成怪獣でもルックスが「キモい」と有名な巨影が出ます。というか、やってることはなかりエグかったですが。

で、実はその巨影の正体はタイトルから察せます。ヒントは「きりのない」という部分ですかね・・・

では、どうぞ~


第二十一話 きりのない『巨影』

 

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

「う、うわあああぁぁぁっ!?な、何だよアレ!!?」

「に、逃げろっ!やられるぞ!!」

「助けて!誰か・・・たす・・・け・・・て・・・」

 

本来ならば大勢の人々が行き交い、活気に満ち溢れているはずの大都市。そんな大都市は今まさに機能が停止し、人々は大パニックに陥っていた。その原因こそ―

 

―――キキキキッ!!―――

 

「な、何なんだよアレ!?」

「知るかよ!空飛ぶボールとか・・・化け物だろっ!?」

「く、来るな!こっち来るなーーーっ!!」

 

街の人々が悲鳴を上げて逃げ惑う原因、それこそが突如として大都市に立ち込めた濃霧の中より寄生と共に浮遊しながら現れ、逃げ惑う人々の首筋に取り付く肉色のボールの寄せ集めのような「化け物」が無数に(・・・・)現れたからだった。

 

―――キキキキッ!!―――

 

「うっ!?ああぁぁ・・・あああぁぁぁ!!?」

 

そんな肉色のボールの化け物に取り付かれたら最期、取り付かれた人間は自我を失う、ばかりか凶暴化して誰彼かまわず襲いかかり、更なる犠牲者を増やしていくのだ。それが例え親子であろうが、兄弟姉妹であろうが、友人同士であろうが、恋人同士であろうが・・・

 

「うぅがぁっ・・・!があああぁっ!!」

 

「や・・・めて!お願い・・・止めてよ・・・ホリイさん・・・!!」

 

そして今まさに、とある一組のカップルがボールの化け物の犠牲になりかけていた。

見れば、首筋にボールの化け物が取り付いた男性が女性の首を両手で締め上げながら体を持ち上げており、女性は涙を流しながら必死で男性に訴えかけていたが、ボールの化け物に意識を支配された男性にその声が届くことは無かった。このまま恋人の手で絞め殺されるか、あるいは首の骨を折られるのが早いか・・・

 

「うぅがぁっ・・・!があああぁっ!!」

 

「かっ、はっ・・・ホリ・・・イ・・・さん・・・やめ・・・て・・・よぉ・・・」

 

どれだけ女性が、恋人が訴えかけてもボールの化け物に意識を支配された男性にその悲痛な叫びと段々とか細くなっていく声が届くことは無かった。

 

「ホリイさん・・・うぅ・・・」

 

たった今さっきまで、ほんの数分前まで仲睦まじく買い物を楽しんでいた恋人が突然豹変し、自分を全力で殺そうとしている・・・このあまりに理不尽で、あまりに苦しくて悲しい出来事に女性の涙が止むことは無かった。

だが、女性が流した涙が男性に、男性の首筋に取り付いているボールの化け物にこぼれ落ちた時、奇跡(・・)が起きた。

 

―――ギッ!?キキ・・・キ・・・―――

 

「えっ―――きゃっ!!?」

 

女性が流した涙がボールの化け物にこぼれ落ちた瞬間、ボールの化け物が短く鳴く(・・)とその体が急に萎み、男性の首筋から剥がれ落ちた。そして、剥がれ落ちたボールの化け物はもう動くことは無かった。

一方で、ボールの化け物が男性の首筋から剥がれ落ちた瞬間、それまで全力で女性の首を締め上げていた男性の両腕から一瞬で力が抜け、結果で女性は解放された。すると―

 

「あ、あれ・・・?ワシ、何しとったんや・・・?」

 

「!!ホリイさん!?元に戻ったの!!?」

 

「ミ、ミチル―――って、ミチルお前どないてんその首のアザ!?大丈夫か!!?」

 

ボールの化け物が首筋から剥がれ落ちた男性が意識を取り戻した。それに感極まった女性は目を白黒させている男性に抱き付いた。

しかし、まさか女性が男性を、愛する人を想って流した涙が男性を正気に戻すとは・・・実にロマンチックで、まるで奇跡のような話―

 

―――キキキキッ!!―――

 

「「えっ―――」」

 

抱き合って喜ぶカップルの元へ新たなボールの化け物が無数に飛んできて、二人の首筋に取り付いた。

 

「剥がされたなら、また張り付けばいいだけのことだ」

 

二人の首筋に取り付いた新たなボールの化け物が口をきけたならこう言っただろう。

所詮、彼ら(・・)には人間など獲物にすぎない。そんな獲物が繰り広げる奇跡だ感動劇だなど関係ない。

剥がされたなら、また新たに取り付けばいいだけだから。何せ、彼らは無数にいるのだから・・・

 

その後、ボールの化け物に意識を乗っ取られた二人は大都市を覆う霧の中へ消えていった。他の意識を乗っ取られた大勢の人々と共に。

 

 

 

ある日、平和な大都市が人間に取り付いて操り、挙句は人間の生命エネルギーを奪って死に追いやる寄生生命体に襲われたて崩壊した。

そんな大都市では、わずかながら寄生生命体の寄生生命体の魔の手から逃れかけた(・・・)人々もいた。そんな人々の共通点、それは友人や恋人、あるいは家族などの「絆」が起こした「奇跡」によるものであった。しかし、最終的にはその人々も全員が寄生生命体の餌食となった。何故か?

寄生生命体にとって、所詮は獲物でしかない人間どもの繰り広げる感動劇だ何だなど、お構いなしなのだ。彼ら(・・)にとって、人間は獲物だ。獲物を一匹でも多く捕らえる事ことこそ彼らに、彼らの真の姿の巨影「寄生怪獣 マグニア」にとって最優先事項なのだから。

 

―――ギュチギュチ・・・ギュヒイイイイィィィィィィ!!―――




如何でしたか?

今回は「キモい怪獣の代表格」とか「スペースビーストの発想の基盤を作った」と言われるマグニアが登場です。
ちなみに、件のスペースビーストの第一号のペドレオンは「マグニアを四つん這いにしたイメージで作った」だそうです。

そんなマグニアもとい、マグニアの出た『霧が来る』と、今回の「きりのない巨影」は『霧』『"キリ"がない』をかけたダブルネーミングなタイトルです。ここから何回かこんなダブルネーミングな回をやりますのでお楽しみに。

ちなみに、登場したカップルは『ティガ』のホリイ隊員とエザキ ミチルさんです。で、ホリイ隊員の下の名前は『マサミ』だとか・・・ゆえに、仕方なく「ホリイさん」とした次第です。

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