いやいや、暑(過ぎる)い日々が続きますねぇ・・・イヤになっちゃう。
みなさま、熱中症や熱射病にお気を付け下さいませ。
さてさて、今回は・・・結構な数の怪獣もとい巨影が出ます。同時に、出てくる巨影には「ある共通点」があります。それは・・・何でしょうね?
ちなみに、今回出てくる巨影たちのうち、メインになっているのは一番最後の、一番「デカいヤツ」です。
この巨影は作者は大好きですし、いまだに二十数年前に買ったコイツのソフビ、シルバゴンやゴルザたちと同じように持ってます。
ではでは、どうぞ!!
何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・
「おかーさーん!!」
「あらあら、どうしたの?」
「あのね!あのね!きょうね、テストではなマルもらったの!!」
「あら、そうなのね~スゴいわね~」
「でしょでしょ!ほめてほめて~!!」
ある夕暮れの道すがら、一組の母子がのんびりと会話しつつつ手をつなぎながら家路についていた。その光景は非常に微笑ましかった。
「母」それは 生命の始まり。
「母」がいるから子供が生まれ、子供が育つ。
そして、その「母」を見て育った子供もいずれは「母」となるか、「母」になる伴侶を求める。
つまり、この世の生命の全ては「母」がいるからこそ成り立っているのだ。
同時に「母」という存在は恐ろしく"強い"のである。
「母」は子供を身ごもる際、自分の身を犠牲にして子供をその身に宿し育てる。そして、育った子供を産む際も命がけでこの世に子供を送り出すのだ。
加えて、「母」は子供を育て、慈しむためなら世界すらも敵に回すことも厭わない。それほどに「母」とは強く、大いなる存在なのだ。
・・・ちっぽけな人間でさえ「母」は強く、大いなる存在だ。
だが、もしも・・・その強く、大いなる「母」がより強大で、巨大な『巨影』だったらどうなるか―――
―――クワァアアァァッ!!―――
―――クワッ!!―――
雷鳴が轟き、大雨が降り続く大都市に響き渡る、雷鳴や大雨の音すら掻き消す程にけたたましく大きな咆哮。見れば、件の大都市のど真ん中で巨大な生物、巨影もとい怪獣が暴れていた。
―――クワァアアァァッ!!―――
―――クワッ!!―――
大都市のど真ん中で暴れている怪獣の容姿を一言で表すならば「鳥」だった。
全身を覆う青い羽毛、それでいて嘴や首の辺りは黄色く、目は
この巨影の名は「鳥怪獣」あるいは「彗星怪獣」という肩書きを持つ「フライングライドロン」という宇宙を旅する怪獣だ。
―――クワァアアァァッ!!―――
―――クワッ!!―――
そんなフライングライドロンがこの場には二羽いるが、一羽は大きく、もう一羽は小さい・・・そう、実はこの二羽は「母子」であったのだ。同時に、よく見ると子供のフライングライドロンは羽を怪我していた。
―――クワァアアァァッ!!―――
―――クワッ!!―――
羽を怪我した子供は怪我の痛みに泣き叫び、母親は子供に優しく寄り添って怪我した箇所を舐めていた。
実はこの母子、宇宙を旅している最中に子供が羽に怪我を負って地球に落下し、母親は大慌てで子供追って地球へやって来たのだ。そして、母親は子供の怪我が治るまで地球に滞在すると決めたのだ。
―――クワァアアァァッ!!―――
―――クワッ!!―――
怪我した子供を優しく介抱する母親と、その母親にすり寄る子供。その光景は非常に微笑ましく、見ていて和む―――ただし、フライングライドロンは体が乾かないように雨雲や雷雲を発生させる上、その泣き声はまるで雷鳴が轟くかの如くうるさい。
結果、フライングライドロンが滞在すると決めた大都市は常に雷鳴が轟き、止まぬ大雨が降り続いたせいで洪水などに見舞われ、おまけにフライングライドロンの母子の出す排泄物や抜け落ちた羽毛やフケで大都市は汚染される始末だった。
―――フゲェ!フゲェ!!―――
―――クゥウゥ!クゥウゥ!!―――
とある大都市に轟くとある大都市に轟く巨大な生物『巨影』の咆哮。見れば、件の大都市のど真ん中で二体の巨影もとい怪獣が暴れていた。
―――フゲェ!フゲェ!!―――
―――クゥウゥ!クゥウゥ!!―――
今、大都市のど真ん中で暴れている巨影の容姿を一言で表すならば・・・「頭部に角が生えたコアラの怪獣」という他になかった。
だが、この巨影はコアラではなくカンガルーの巨影、その名も「カンガルー怪獣 パンドラ」とその子供「カンガルー怪獣 チンペ」であった。
―――フゲェ!フゲェ!!―――
―――クゥウゥ!クゥウゥ!!―――
本来、パンドラにしてもチンペにしても元々は人目に付かない山奥で生活し、おまけに草食性で人を襲ったりしない大人しい存在なのだが・・・とある欲に駆られた人間たちがチンペを誘拐し、愛しい我が子を攫われた事に怒り狂ったパンドラはチンペの匂いを辿ってこの大都市へ現れ、手当たり次第に暴れた。
その後、パンドラが暴れている原因を知った人々がチンぺを解放したために二頭は無事に再会、パンドラは暴れるのを止めた―――だが、チンペが解放されるまでに時間がかかったこと、そもそもが何故パンドラが暴れているのかの原因の特定にもっと時間がかかったため、大都市は壊滅的な被害を受けていたのであった。
―――ピィキィ!キィッ!!―――
―――ピィギィ・・・ギィ・・・!―――
とある大都市に轟く巨大な生物『巨影』の咆哮。見れば、件の大都市のど真ん中で二体の巨影もとい怪獣が暴れていた。
―――ピィキィ!キィッ!!―――
―――ピィギィ・・・ギィ・・・!―――
大都市のど真ん中で暴れている怪獣は凄まじく凶悪面で、耳元まで裂けた鰐口から除く無数の牙と赤く蘭々と輝く目、皮膚は茶色で腕が翼になっており、まるで翼竜か「ワイバーン」というドラゴンのような容姿をしていた。
この巨影の名は「ザンドリアス」という宇宙怪獣であり、広大な宇宙を渡り鳥のように行き来して生活している。
そして、今回はたまたま"渡り"の最中に地球に飛来し、偶然この大都市にやってきてしまったというわけだ・・・同時に、
―――ピィキィ!キィッ!!―――
―――ピィギィ・・・ギィ・・・!―――
地球に飛来し、大都市に降り立った二頭のザンドリアス。
その内、大柄な方は大人しくしているに対し、小柄なほうはとにかく暴れており、手当たり次第に物を壊す、翼を羽ばたかせて突風を起こす、目や口から光線を吐くなどしてやりたい放題だった。
だが、小柄な方の行動をよく見れば・・・その暴れ方は他の怪獣のように「破壊・殺戮・蹂躙」ではなく、まるで・・・小さな子供が「ダタをこねる」かのようであった。加えて、
―――ピィキィ!キィッ!!―――
―――ピィギィ・・・キィ・・・!―――
相も変わらず暴れる小柄なザンドリアス。そんな小柄なザンドリアスに対し、大柄なザンドリアスはまるでなだめうかのような、まるで「母親」のように寄り添い、大人しくさせようとしていた・・・そう、実はこの二頭は「母子」であり、宇宙を"渡り"していた最中に子供が機嫌を損ねた挙句に地球へ勝手に飛来、それを追って
―――ピィキィ!キィッ!!―――
―――ピィギィ・・・キィ・・・!―――
まさか怪獣が拗ねたりダダをこねたり、親子ゲンカするなんて・・・と思う方もいるであろうが、彼ら怪獣にだって親子愛や感情はある。
だからこそ、今回の一件は何だ不思議ではないのだ―――問題は、彼(女)らが「怪獣」という全てを超越した存在に属している事だ。現に、
―――ピィキィ!キィッ!!―――
―――ピィギィ・・・キィ・・・!―――
子供はただひたすらにダダをこね、その子供に業を煮やした母親は子供をなだめるために子供に寄り添おうとした―――らしたで、子供は更にダダをこねてしまう。
このような光景は人間でも見られる、ある意味では微笑ましくも「よくある光景」ではある・・・あるのだが、今回それを行っているのは身長が50m以上もあるし、体重が何万トンもある「怪獣」だ。
子供のザンドリアスがただ身を捩るだけで ただ物を投げるだけで辺り一帯が破壊されて荒れ果て、最終的に人的にも経済的にも壊滅的な被害をもたらす。
このままではザンドリアスたちが飛来した大都市が壊滅するのも時間の問題であろう。
―――ピィギィ・・・ギィ・・・!―――
―――ピィキィ!キィッ!!―――
飽きもせずに暴れ続ける&母親に対して反発する子供のザンドリアスと、その子供に業を煮やしたマザーザンドリアスは子供をなだめるために子供に寄り添おうとした瞬間、またしても子供のザンドリアスがダダをこねてしまい、手近にあった建物の破片を吹っ飛ばした―――結果、
―――ドォンッ!!―――
―――ピィギィ!?・・・ギィ・・・!!―――
―――ピィキィ!?キィッ・・・!!―――
何と、子供が吹っ飛ばした建物の破片がマザーザンドリアスの頭に直撃し、マザーザンドリアスは思わずその場にうずくまった。
一方で、それを見た子供は明らかに「あ、ヤベェ!!」という表情を浮かべた―――その瞬間!!
―――ピィギィ・・・ピィギィ!ギィ!!―――
―――バチーン!!―――
―――ピィキィ!?キィッ!!?―――
それまで頭に直撃した建物の破片の痛みに悶えていたマザーザンドリアスが顔を起こした・・・かと思えば、マザーザンドリアスはそのままツカツカと子供のザンドリアスの元へ歩み寄り、その翼で子供の横っ面を殴った。更に、
―――ピィギィ!ギィ!!―――
―――バキッ!!ゴキッ!!ガキッ!!ドゴッ!!―――
―――ピィキィ!?キィッ!!?―――
子供のザンドリアスの横っ面を殴ったマザーザンドリアスはそのまま子供を殴る、蹴る、押し倒す、投げ飛ばす・・・といった具合に子供をボコボコにし始めた。そう、とうとうマザーザンリアスが「怒った」のだ。
あまりに子供がワガママしか言わないから。
あまりに子供が言うことを聞かないから。
あまりに子供が傍若無人だから。
あまりに・・・子供が他人への「痛み」や「配慮」、あるいは「気遣い」を知らないから。
だからマザーザンドリアスは「躾」のために子供を叩き、殴り、投げ飛ばしていた。
手当たり次第に物を破壊し、暴力の赴くままに暴れればいかに危険を教えるために。
自分たちの攻撃や光線が当たればどれだけ痛いのかのを教えるために。
加減を知らずに、ワガママばかりするとどれだけ大変なことになるかを教えるために。
だからこそ、マザーザンドリアスは文字通り「身を以て」子供に教えたのだ。と、ここで―
―――ピィキィ・・・キィッ・・・―――
―――ピィギィ?ギィ・・・―――
それまで、一方的に母親にやられてばかりだった子供のザンドリアスが母親から逃げた・・・かと思えば、子供は両目一杯に涙を浮かべつつ、母親に向かって頭を下げながら弱々しく泣いた―――子供は「ごめんなさい」とマザーザンドリアスに謝った。そう、マザーザンドリアスの思いが子供に通じたのだ。
―――ピィギィ・・・!ギィ!!―――
―――ピィキィ!キィッ!!―――
子供が非を認めた、思いをくみ取ってくれた事に気付いたマザーザンドリアスは嬉し涙を流しつつ、子供を優しく抱きしめ、抱きしめられた子供は嬉しそうな表情だった。そんな子供はどこか成長したような顔をしていた。
その後、ザンドリアス親子は親子仲良く揃って宇宙へと帰って行った。
万事解決。めでたし、めでたし、というわけだ―――問題はザンドリアス親子が飛来し、色々と"暴れた"大都市が壊滅的な被害を受けたという点であろう。
―――グゥウウウ・・・グゥウウウ・・・!!―――
―――クゥウウウ!クゥウウ!!―――
―――グゥウウウ!グゥウウウ!!―――
とある大都市、が建設される予定の地の工事現場に轟く巨大な生物『巨影』の咆哮。見れば、件の工事現場に二頭の巨影もとい怪獣が居座っていた。
―――グゥウウウ・・・グゥウウウ・・・!!―――
―――クゥウウウ!クゥウウ!!―――
工事現場に居座る二頭の怪獣は姿形こそ恐竜のようであるが、体表を白い骨のような外骨格が覆い、おまけに人間のように直立二足歩行で行動していた。
この巨影の名は「骨格恐竜 ムードン」といい、遙か昔に絶滅した存在―――のハズであったが、工事現場から出土したムードンの化石に"カオス"なエネルギーが反応、何と死んで化石となったムードンが現代に蘇ってしまったのだ。
―――グゥウウウ!グゥウウウ!!―――
―――クゥウウウ!クゥウウ!!―――
そんなムードンであったが、最初は母親だけが蘇った・・・が、蘇った母親は当時一緒にいた子供を探し回ったが見つからず、結果でかつて住んでいたこの工事現場に居座ってしまった。
当然、工事を進めたい人間たちは母親ムードンを工事現場から何とかして追い出そうとした結果、ムードンにダイナマイトの発破を浴びせた。
当然、怒ったムードンは手が付けられないほどに凶暴化して暴れに暴れた・・・が、事情を察知した
―――グゥウウウ!グゥウウウ!!―――
―――クゥウウウ!クゥウウ!!―――
その後、ムードンの母子は元の化石となって永眠した・・・その際、二頭は満ち足りた表情のまま永い永い眠りに付いていた。
万事解決。めでたし、めでたし、というわけだ―――問題はムードン親子が出現し、色々と"居座った"り"暴れた"りした結果、都市開発が進まずに人間たちが経済的な打撃を受けたという事であろう。
マザーザンドリアス然り、ムードンの母親然り、子を思う母親の"あらゆる"強さは凄まじく、その強さには人間も動物も怪獣も差は無いのだ。
このように、巨影たちにも親子関係や母親と子供の間に愛情はあったりするし、母親は子供のために、子供は母親のために死力を尽くしたりもする。
そう、親子―――特に母親と子供の間にある「絆」や「愛情」は人間でも巨影でも共通で、変わりが無いのだ。
ただ、いずれの母子も母親と子供は互いを確認できる距離に、同じ場所にいたからよかった。
もしも、これが母子が離ればなれなっている場合だったら―
―――クゥプオオオォォォンッ!!―――
とある民間の鉄道事業者が運営する鉄道が街中を走る大都市に轟く巨大な生物の咆哮。見れば、件の大都市のど真ん中ですさまじく巨大な巨影もとい怪獣が暴れていた。
―――クゥプオオオォォォンッ!!―――
大都市のど真ん中で暴れている怪獣は非常に特徴的な見た目をしていた。
頭部には先端に目がある触角、体は強固な鱗で覆われた爬虫類のような四つん這いの体型、背中には美しい虹色の殻を背負った、まるででんでん虫とワニが合体したかのような奇妙な巨影「虹色怪獣 タラバン」が大都市のど真ん中で暴れていた。
「う、撃て撃てー!これ以上、怪獣の進行を許すなーーーっ!!」
「「「おおーーーっ!!」」」
―――ドォン!!―――
―――クゥプオオオォォォンッ!?―――
突如として大都市のど真ん中に出没し、その巨体で全てを"蹂躙"するタラバンに対し、出動した自衛隊の戦車大隊や戦闘機部隊が砲撃を行っていた。だが、
―――クゥプオオオォォォンッ!!―――
―――ブシュッ!ジュワッ!!―――
「「「!?ぎ、ぎぃやぁあああ!?ああぁ・・・あぁ・・・」
「ひ、ひぃいいぃぃっ!?戦車が・・・隊員が・・・溶かされていく・・・!!?」
自身に向かって砲撃を浴びせてくる戦車大隊や戦闘機部隊に対し、タラバンは口から吐く白い液体を、万物を溶かす溶解液を噴射して反撃した。
タラバンの吐く溶解液の威力は凄まじく、溶解液を浴びた戦車大隊や戦闘機部隊は機体も、乗っている隊員も、全てが跡形もなく溶けて"白いシミ"を残すのみとなっていた。
―――クゥプオオオォォォンッ!!―――
「ダメです!怪獣の進行は止まりません!!」
「クソッ!一体どうすればいんだ・・・!!というか、あの怪獣は何が目的なんだ!?ただひたすらに都市内部を歩き回るだけなんて・・・何か探しているのか!!?」
一向に止まらないタラバンの進
行。そんなタラバンは何故かこの大都市の中をひたすら歩き回るのみで、他の場所へは移動しようとしなかった。
―――クゥプオオオォォォンッ!!―――
大都市の中をひたすら歩き回りつつ、まるで"何か"を
実は・・・"彼女"は、はぐれた「子供」を探しているだけだったのだ。そう、このタラバンは「母親」であったのだ。
実はタラバンという怪獣は「家族」で行動し、広大な宇宙を旅する怪獣だ。そして、このタラバンも子供と一緒に宇宙を旅していた・・・が、その道中に子供が地球に落下してしまい、母親は大慌てで子供を追って地球へ飛来した。
しかし、いくら探しても子供は見つからなかった・・・が、不意に訪れたこの大都市で"彼女"は子供の鳴き声を耳にした。だから母親タラバンはこの大都市に居座って子供を探しているのだ。
―――プオオオォォォンッ!!―――
母親タラバンが効いた「子供の鳴き声」だが、実はこの大都市を走る路面電車の警笛の音なのだ。
そうとも知らず、"彼女"は子供を探して必死だった―――愛しい我が子と離ればなれになった結果でパニックを起こし、そもそもが子供の声と酷似している警笛の音の違いが分からずに起きた悲劇だった。
―――クゥプオオオォォォンッ!!―――
「うぉおおぉぉっ!これ以上は好きにさせないぞ怪獣ーーーっ!!」
―――ドォオオオォォォン!!―――
―――クゥプオオオォォォンッ!?―――
そう、タラバンからすれば大都市を破壊するつもりなどは毛頭なく、ただ単に子供を探しているだけだったのだ。
ただ・・・"彼女"はとにかく巨大だった。その身長は200mにもなり、体重は20万トンにも及び、全長に至っては計り知れない大きさだ。
タラバンが一歩でも足を踏み出せば地面が陥没し、ちょっとでもその巨体が建物に当たれば建物は崩壊し、もし万が一に全力疾走でもしようものなら・・・その被害は計り知れないだろう。
「撃て撃て!一刻も早く怪獣を駆逐するんだ!!」
「「「了解!!!」」」
―――ドォオオオォォォン!!―――
―――クゥプオオオォォォンッ!?―――
轟く砲撃の音。飛び交う怒声。そして、砲撃をその身に浴びたタラバンの悲鳴。
母親タラバンからすればはぐれた子供を探しているだけなのに、人間たちから恐れられて攻撃されてしまうという「悲劇」。
だが、それは母親タラバンのあまりにも巨大で強大な"怪獣としてのスペック"が招く悲劇であり「必然」だった―
―――クゥプオオオォォォンッ!!―――
―――ブシュッ!ジュワッ!!―――
「「「!?ぎ、ぎぃやぁあああ!?ああぁ・・・あぁ・・・」
「せ、戦車大隊・・・損耗80%!どうやっても怪獣は止まりません!!」
「そ、それに、このままのペースで怪獣が破壊活動を続けたら・・・ものの数十分でこの都市は壊滅です!!」
「い、一体どうすればいいんだよ・・・!?」
だが、それでも母親タラバンは止まらないし、
あの子はどうしてるのだろうか?
お腹をすかせていないだろうか?
淋しくて泣いていないだろうか?
怪我したり、病気になっていないだろうか?
悪いヤツに襲われていないだろうか?
母親タラバンはそうやって我が子の身を案じ、とにかく大きな声で鳴きながら子供を探していた。
「撃て撃てー!これ以上、怪獣の進行を許すなーーーっ!!」
―――ドォオオオォォォン!!―――
例え、その最中に人間たちにどれだけ攻撃されても。
「ヘヤッ!!」
―――クゥプオオオォォォンッ!?―――
「ティガだ!!」
例え、その道中に人間たちに味方する
決して、絶対に母親タラバンは止まらない。
全ては子供の身を案じたが故。全ては「子供のため」なのだ。
―――クゥプオオオォォォンッ!!―――
―――ブシュッ!ジュワッ!!―――
「ダッ!?デ、デヤッ!!?」
「あぁ、ティガが!?」
子供ためならばどんなことだってする。
子供のためならどれだけその身が傷付こうとも構わない。
そう、母親タラバンにとって、「母親」という大いなるぞんざいは子供のためなら己の命すら投げ捨てる覚悟があるのだ。
だから母親タラバンは止まらない。行く手にある物を蹴散らし、自分の邪魔をする者どもを始末してでも子供を探す。
―――クゥプオオオォォォンッ!!―――
フライングライドロンの母親にしても、パンドラにしても、マザーザンドリアスにしても、ムードンの母親にしても、母親タラバンにしても、"彼女"たちの行動理由の根本は「子供のため」だった。
何故なら、それが"彼女"たち「母親」にとっての「当たり前」であり「母親としての義務」なのだから・・・問題は母親である"彼女たち"が、力も、能力も、大きさも、全てが巨大で強大な「巨影」だということであろう。
如何でしたか?
今回は主にウルトラシリーズの親子、というか「お母さん」の怪獣の皆さんに一同に会してもらいました。
ちなみに、メインを母タラバンにした理由ですが、実は母タラバンは各種母親怪獣の中でも最大のスペック持ちです。
・母フライングライドロン:身長54m 体重2万7千トン
・パンドラ:身長53m 2万8千トン
・マザーザンドリアス:身長55m 体重3万トン
・母ムードン:身長63m 8万トン
で、母タラバン:身長200m 体重20万トン・・・ぶっちきりで「デカい」ですね。
ちなみに、このスペックは『ティガ』のラスボス・ガタノゾーアと全く同じスペックです。
ついでに言えば、同じく「マザー」の名を冠し、デカいとして有名なあの「マザーレギン」よりもデカいです。
マザーレギオン:身長(体高)140m 全長160m 体重600トン・・・母タラバンのがデカいです。
しかも、あくまで「身長200m」は=「体高(体の高さ)」のみであって、「全長(横の長さ)」は明らかになってないです。
一応、作品を観て確認したら母タラバンは子供タラバン(身長40m 体重4万トン)の5~6倍はあります。で、その子供の全長はティガ(身長54m)が寝転がったのと同じか少しデカい、つまり子供タラバンの全長は60mほどで、母親はその5~6倍=おおよそ親の全長300m~400mほどのメガサイズなのですよ。
タラバンの登場した『いざ鎌倉!』で地球に落下したのは子供だからそこまで被害が出ませんでしたが、もしもお母さんが落ちてきていたら・・・今回みたいに大事になってましたねぇ。
余談ですが、このタラバンは一般公募の怪獣デザインコンテスト最優秀の「にじいろでんでんワニ」がモチーフですが、この「でんでんワニ」はドラ〇もんに出て来たキャラを投稿者(幼稚園生)が丸パクリしたらしい・・・とはいえ、体の色や頭部、足が生えているなどの差異はあるので「丸パクリ」ではないらしいです。
って、そんなこと言ったら『トリコ』ではとある小学生が投稿したサメの怪物は(四天王・サニーが愚衛門と出会った時に出たヤツ)『遊戯王』のモンスターを丸パクリしてるし、前述の怪獣デザインコンテストではポ〇モンのフシ〇バナを丸パクリしたのもありましたからねぇ・・・