巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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こんばんわ。銀色の怪獣です。

最近、投稿がガタガタ―――まぁ『色々と』あってるんです・・・僕の作品を読んで下さる皆様にご迷惑をお掛けして、本当にスミマセン。

今回は短いし・・・件の『色々と』が絡みつつ(というかネタとして入れつつ)、僕が前々から思っている"ある事"を題材にお話を作りました。

ついでに、今回かなり短いです。

また今回も『ダブルネーミング回』です―――ちょっと強引ですが。

さてさて、何が出るのか・・・では、どうぞ!!


第五一話 おとなしい『巨影』

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

 

 

―――ピィギィイィィッ・・・―――

 

かすれたような声を上げ、ドッと倒れるコウモリのような生物・・・だが、その生物はコウモリではない、どころか、そんじゅそこらにいる生物とは一線を画する存在、俗に言う怪獣または『巨影』だった。

 

―――ピィギィイィィッ・・・―――

 

しかし、その巨影は死にかけていた―――空腹で、餓死寸前だった。

 

一見すれば巨大なコウモリのようであるが、直立二足歩行で行動し、頭部には嘴と顔よりも大きな耳、体中に生えた巨大なヒレを持つ巨影、その名は『騒音怪獣 ノイズラー』という宇宙怪獣であり、何と"音"を食べるのだ―

 

『音とは空気を振動させるエネルギーの一種である。ノイズラーが音を取り入れ、体の中で生命を維持するためのエネルギーに転換するシステムを持っていてもおかしくはない』

 

という仮説があるが、実際にその通りなのだ。

 

そのため、ノイズラーは食料(エネルギー源)である音を求め、騒音などで溢れる大都市に出没したのだが・・・ご覧の通りに空腹で、餓死寸前で倒れてしまった。

 

何故なら―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 

大都市は・・・ほぼ、無音に等しかった。

 

道行く人々は黙りこくり、手にしたスマートホンを見つめてばかりだった。

 

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 

どこへ行ってもススマホ、スマホ、スマホ・・・人々が行き交う道でも、大勢の人々が集まる駅やショッピングモールでも・・・といった具合に、どんな場所でも誰一人として話さず、みなスマホとにらめっこをしていた―

 

友人同士でいるのに

 

恋人同士でいるのに

 

夫婦でいるのに

 

親子でいるのに

 

会話が無いのだ。

 

加えて、

 

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 

一組の家族が、ベビーカーを押す夫婦と二~三歳ぐらいの幼児の家族がいるのだが、夫婦は夫婦で一緒にいるにもかかわらずスマホに夢中で会話をしていなかった。

 

ばかりか、

 

「・・・・・・・・・」

 

本来なら泣き叫ぶ、辺りをキョロキョロ見回す、言葉にこそならないが「あー」や「うー」と声を発する『クーイング』という行動を取る年齢であるハズの幼子(こども)が、スマホの画面を食い入るように見つめ、ほぼ瞬きもせず、辺りをキョロキョロ見たり、両親を呼ぶこともしないのだ。

 

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 

そして、それが"当たり前"になってしまっているこのと恐ろしさに、異様さに誰も気付いていないのだ。

 

―――ピィギィイィィッ・・・―――

 

空腹を満たすため、特にうるさく賑やかに騒いでいる子供たちが大勢いる公園にやって来たノイズラーだが、公園にいる子供たちはみなスマホ、スマホ、スマホ・・・ばかりで、やはり黙っていた。やはり静かだった。

 

全くもって子供らしくなく、全くもって異常だった・・・きっと、彼ら彼女ら(こどもたち)にとって、スマホこそが友達、スマホこそが遊び相手、スマホこそが・・・面倒を見てくれる者(おや)なのかもしれない。

 

「〇〇ちゃん~ご飯よ~」

「〇〇ちゃん、オムツ替えようね~」

「〇〇ちゃん~お風呂入ろうね~」

 

「・・・・・・・・・」

 

「アレ?何か・・・大人しいわね?まぁ、泣き喚かれるよりかはいいかしら」

 

そんなスマホが親がわり、友達がわりの子供たちにとって、目の前にいるのは・・・

 

全自動食事出し機

全自動オムツ替え機

全自動風呂入れ機

全自動着替えさせ機

 

 

といった"便利な何か(りょうしん)"になのだろう・・・か?

 

だからこそ、子供たちは赤ん坊たちは喋らないし、泣かない。

 

何故か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だって全自動~~機(りょうしん)に喋りかけるだろうか?

 

だって、彼ら(・・)にとっての親は、友達は・・・機械(スマートホン)だからだ。

 

 

―――ピィギィイィィッ・・・―――

 

『騒音指数』なるもののレベルでいいえば相当なはずの"赤ん坊・子供たちの騒ぐ声"を求めるノイズラーであったが、今や赤ん坊たち子供たちは泣かないし騒がない・・・だって、スマホに夢中(ちゅうどく)だから。

 

このままではノイズラーは確実に飢え死にするだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だって、

 

 

「音楽にはね、目には見えないけど、音の精霊が隠れていてね。そしていつも演奏する人の心を見てるんだ―――」

 

「オイ!お前!」

 

「きゃっ!?な、何ですか―――」

 

「お前、電車の中でうるさいぞ!マナー違反じゃろうが!!全く、最近の若者は躾がなっとらん!!それに・・・お前さん、風呂入っておるのか!?臭くて敵わんぞ!!」

 

とある電車の中で、一人の少女が連れの少年に自分が聞いていた音楽をイヤホンで聞かせようとした刹那、近くにいた初老の男性が少女を怒鳴りつけ、説教を始めた。

 

その初老の男性の声が一番うるさく、口から出る言葉も非常に汚らしい"雑音"なのに・・・辺り構わず怒鳴り散らかす、俗に言う『老害』そのものな振る舞いなの男性に、少女を説教する資格はあるのか?

 

「オイ!音楽がうるさいぞ!ここは博物館だろう!?何で音楽を流している!!?」

 

「保育園建設反対!子供の声は騒音よ!!保育園の建設は断固反対!!」

 

「何でもっと静かにならないんだ!?もっと静かに作動する空調はないのか!!?」

 

「この新車両は走行音が従来の車両の5分の1です。これなら走行音は気になりません」

 

最近は人々は騒音に、音に敏感だ―――みな、喋らなくなったからこそ、他人とのコミュニケーションを取らず、沈黙してばかりだからこそ、周囲の音に敏感になってしまった・・・だから、人々は音を嫌い、音を無くそうとし始めた。

 

結果、世界―――否、人間の(・・・)世界からは(・・・・・)音が無くなり始めている・・・

 

このままいけば人間の(・・・)世界は(・・・・)無音の世界となるだろう。

 

それが幸せな世界なのか、不幸な世界なのかは・・・分からない。

 

あくまで"今の"人類(われわれ)には、だが。

 

 

―――ピィギィイィィッ・・・―――

 

本来ならば走行音がうるさい新幹線や、発着陸音がうるさく、上質の騒音を出すハズのそれらですら防音対策が施され、ほぼ騒音を出さなくなってしまった結果、どこを探してもノイズラーの(しょくりょう)が無かった。

 

結果、ノイズラーはとうとう空腹で気を失った―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おめでとう!本当によく頑張ったね!出産、お疲れ様~~~!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

「アレ、どうしたの?ずっと黙って―――」

 

「・・・った・・・」

 

「は?」

 

「・・・った・・・のに・・・!」

 

「は?なに、聞こえない―――」

 

「アナタ、全然慌あわてなかった!何よ!ものすごく冷静にしてさ!『頑張れ~落ち着いて。息整えて、そうそう』じゃないわよ!もっとあわてたりしてよ!?なんであんなに落ち着いてたの!?私、苦しかったのに!!!」

 

「えぇ・・・!?いや、だって・・・俺、弟たちが生まれるところに立ち会ってる―――母ちゃんが弟たち出産するのに全部立ち会ってるから、出産に見慣れてるっていうか何ていうか・・・」

 

「・・・っ!だからって、自分の娘が生まれるときと、兄弟が生まれるのじゃ全然違うでしょ!!バカっ!バカバカっ!!」

 

「ちょ!?もの投げるの止め・・・看護師さーん!へループ!!」

 

「ど、どうしました・・・あぁ、奥様、出産の疲労と痛み止めの薬でちょっと意識がハイになってるんですよ・・・奥様、何か欲しいものありますか~?食べたいものありますか~?」

 

「・・・アイス、アイス食べたい!イチゴ味のアイス食べたい!!ハ〇ゲンダッツ食べたい!アナタ、買ってきて!今すぐ!!ダッシュで行ってきて!!」

 

「だそうです」

 

「ハイハイ、買ってきます(出産してすぐにアイス食いたがるって・・・『エボリューション』かよ・・・)」

 

 

 

 

 

―――ピィギィイィィッ・・・ゲプッ―――

 

不意に聞こえたノイズラーのゲップ音。

見れば、あれほどにフラフラでやつれていたノイズラーが元気に、そしてパンパンに膨れたお腹をさすっていた。

 

窓が開けっぱなしになっていたどこかの産婦人科の一室から聞こえる賑やか・・・を通り超してうるさい、を通り超して"騒音"レベルの音により、餓死寸前だったノイズラーは救われたのだった。

 

―――ピィギィイィィッ!!―――

 

どうにか腹を満たし、元気を取り戻したノイズラーは宇宙へと帰って行った。

 

だが、このノイズラーが地球を訪れることはもう二度と無いだろう。

 

だって、今や騒音―――どころか人と人との『会話』が、あらゆる音が無くなっているのだから。

 




はい、如何でしたか?

今回はあのノイズラー・・・ぶっちゃけ、ノイズラーいらなかったような?

「おとなしい」→音・無し(おとがない)&大人しい(会話もしない、音が無い異常な世界)がダブルネーミングです・・・強引デスミマセン。

そもそも、何が言いたかったのかと言えば・・・

最近の人って、本当に友人同士・恋人通し・家族でいてもスマホと睨めっこ・・・会話が、音が無いです。

まぁ、子供の頃からスマホに育てられてればそうなるか?
               ↓
最近、買い物などをしている子供連れの大人が、自分たちが買い物がしたいがために子供(それも赤ちゃんとかに)スマホを与え、本来ならばキョロキョロしている赤ちゃんがスマホの画面を食い入るように見つめる・・・この光景、僕からしたら本当に異様です。

子供って、赤ちゃんってキョロキョロして情報を取り込むのが仕事なのに、ジッとスマホを凝視し、ほとんど瞬きもしない赤ちゃん・・・僕からしたら不気味です。

「お前、子育てしたことないクセに偉そうに言うな」

と言われたら反論できない・・・一応、歳の離れた弟たちの世話していましたし、自分も子育てする事に。

だからこそ、だからこそ・・・あの異様な光景が僕は怖いです・・・ですが、今やアレが当たり前になっている事実。

もし、みなさんがお父さん・お母さんになるなら、自分の子供が年端もいかない内からスマホを与え、"スマホ中毒"にするのは・・・止めてあげて下さい。

余談ですが、作中の産婦人科の下りは・・・実話です。

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