巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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どうも。作者です。

今回の更新は―――前回の『ほえる巨影』のように世間で話題沸騰の、いま注目されている話題に宇宙人や怪獣を絡めて作った話です。

果たして何を題材にしたのか・・・?


第五十五話 煽る『巨影』

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

「・・・っ、ウゼぇ・・・!!」

 

大勢の人々が行き交う大都市、に張り巡らされた大小様々なハイウェイ(道路)にて、一台の軽自動車に乗っている男性が苛立たしげに呟いていた。

 

何故なら、

 

―――プップー!プッーーーっ!!―――

 

「んだよ、後ろの車・・・ずっと付いてくるしクラクションならすし・・・"煽り"ってヤツか・・・」

 

今、男性が運ている車を後続の車がずっとクラクションを鳴らしながら、車間距離を異様に詰めながら、ずっと追跡してきていた―――今、世間で話題沸騰中の「煽り運転」というヤツだ。

 

ちなみに、この煽り運転は男性が車線変更して件の車の前に入ったときから続いていた―――かれこれもう二十分は男性は煽られていた。

 

結果、

 

「あぁっ!もう我慢できねぇ!!ヤロウ、ぶっ殺してやる―――」

 

尚も続く煽り運転に我慢の限界を迎えた男性は車を急停車し、同じく急停車した後続の煽り運転の車の運転手に文句を言おうと車を降りた―――頭に血が上って冷静な判断が出来ず、道路のど真ん中なのに降りてしまった。

 

結果、

 

―――キキッ!ドォンッ!!―――

 

「う゛っ―――」

 

場所も考えずに車を止め、降りてしまった男性を煽り運転をし来た車とは別の後続の車が撥ね飛ばし、男性は宙を舞った後に道路に叩き付けられた―――

 

こんな光景が、こんな有様がいま日本中で起きているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にゃははは~っ!いやぁ~、本当に地球人(・・・)っておバカ!同族同士で殺し合うし、たったちょっとイラッとしただけで頭に血が上っちゃって冷静さを欠くとか・・・怖いねぇ~!!」

 

「まぁ、そうだな・・・」

 

「なぁにぃ~?何かノリ悪くなぁい~?何でそんなの大人しいのぉ~?具合でも悪いのぉ~?」

 

「・・・ウザい・・・」

 

地上で人間たちが煽り運転などで色々と()らかしていた頃、地下に築かれた秘密基地(・・・・)にて、異形の者たちが大混乱と大事故を起こしまくる人間たちをモニター越しに見て悦に浸っていた。

 

「にゃはは~!いやいや~それにしても上手くいったねぇ!みてよ地球人が殺し合って争い合って・・・んもぅ、本当に地球人ってバカっ!やっぱり、僕たち異星人には勝てないねぇ~!特に、このシャマー星人が計画した作戦の前では無力も同然だねぇ~!!」

 

そう言って、一言で言うなら「ウザい」と言うしか無い口調、態度、動きをする、青色の肌にひし形の顔を持つ人外の存在、俗に言う「宇宙人・異星人」の「幻影宇宙人 シャマー星人」

 

 

「フン、その計画は我らレボール星人がいたから成功したんだろう。お前のようなチビ(・・)だけでは何も出来なかったクセに」

 

ウザったいシャマー星人を横目で見つつため息を吐くのは、巨大な目と豊かに生えた体毛が特徴の宇宙人「信号怪人 レボール星人」

 

という、二種類の宇宙人が大都市の地下に秘密基地を作っていた―――そう、地球侵略のために。

 

「おぉ~う!痛いところつくねぇ~レボール星人さん。でもさぁ~、この計画は君たちには思い付かなかったでしょ~?いくら君たちが持ってる"アレ"がすごくてもさぁ、活かせなかったら宝の持ち腐れじゃ無いの~?」

 

「・・・フン、俺たちは宝の持ち腐れ。お前は我々がいかなかったら何も出来なかった。それでお相子だろう。別にどっちが偉い、偉くないは関係ない。それだけの話だ」

 

「・・・あらら~、君、以外とお利口さんだねぇ。フツー、こうやって煽ったら誰でも怒るのにさ・・・まぁ、いま殺し合ってる地球人とかと違って、僕ら異星人はお利口さんって事だねぇ」

 

最初こそ互いに悪口を言い合い、険悪なムードだったレボール星人だったが、以外にもアッサリとその険悪なムードを解いた―――何故なら、彼らは地球侵略のために協定を結んでいる"同士"だからだ。

 

「それにしても・・・まさかこうも上手く行くとはねぇ。まっ、このシャマー星人の考えた計画とレボール星人の技術が融合した作戦が完璧すぎる、ってことだね!!

この―――名付けて『煽り運転、みんなでやればみんな死んじゃうね』作戦はねっ!!」

 

「・・・ネーミングセンス・・・」

 

何かノリノリなシャマー星人と、何となく白けており、効果音を付けるなら「すーん」とでも効果音がつきそうな顔をしているレボール星人。

 

が、作戦の名前こそアレだが、今回シャマー星人が立ててレボール星人が持つ技術が融合した作戦、件の『『煽り運転、みんなでやればみんな死んじゃうね』は恐ろしいほどに有効で、とても的確な作戦だった―――特に現代では(・・・・)

 

「んだよコイツ!?割り込みやがって・・・ムカつく!!」

 

「クラクション、ウゼぇ・・・何様だ!?」

 

「何やってんだよウィンカーも出さないで・・・マナーがなってねぇな!!」

 

車を運転する、という行為においては危険と同時に"イライラ"が付きものだ―――ただ、イライラしたからといってやたらめったらたに他人を"執拗に"攻撃する、相手の車を止めてまで攻撃するような人種が異様に増えたこのご時世・・・そこに宇宙人につけ込まれたらどうなるか?

 

「全くぅ、今時の地球人って本当におバカだよねぇ~ネット社会になって顔が(・・)見えない(・・・・)からって、それが外でも通じるって思っちゃってさぁ・・・怖いよね」

 

「・・・まあな、正直、現代の地球人の攻撃性は目を見張るな・・・下手をすれば我々のような異星人、あるいは怪獣よりも恐ろしい」

 

モニター越しに煽り、争い、殺し合う地球人を見る異星人たちは笑っている・・・が、その目はどこか冷めたような、可哀想なものを見る目付きだった。

 

そう、確かに異星人たちは今回の作戦で現代の地球人の攻撃性につけ込んだ・・・が、そのつけ込んだ異星人たちを持ってしても、現代の地球人が持つ攻撃性―――ネット社会という「顔も声も見えない匿名の環境」が育み、他者に言いたい放題の攻撃し放題の環境が生んだ「超攻撃的人種」は恐ろしいものがあるからだ。

 

加えて、そのネット社会が育んでしまった超攻撃的人種は顔も(・・)見えるし(・・・・)声も(・・)聞こえる(・・・・)現実の(・・・)世界(・・)でも匿名の環境(ネット社会)の行いが通じると思い込んでいる―――それに異星人たちはつけ込んだが、やはり何か薄ら寒いものを感じていたのだ。

 

と、ここで―

 

「んっ?アレ・・・あらら?何コレ、どうなってるの!?」

 

「どうしたシャマー星人?」

 

「いやねぇ・・・君たちの(・・・・)ペット(・・・)からの信号が・・・途絶えたりしてるんだけど・・・何でだろうねぇ?」

 

「なにっ!?シグナ(・・・)リオン(・・・)からの信号が途絶たりしているだと!?どういうことだ!!?」

 

「そ、そんなの僕に言われても困るんですけど!!」

 

ふと、モニターを見ていたシャマー星人が何かに、彼らが件の作戦を行う上での肝心要である存在を、地上で起きている煽り運転や交通網の大混乱を引き起こ(・・・・)している(・・・・)元凶(・・)から送られている信号が途絶えていることに気付いた。

 

なので、

 

「仕方ない・・・こうなったら地上に確かめに行く。シャマー星人、お前も来い」

 

「えぇっ!?何で僕も?嫌だよぉ~君だけで行きなよ。アレは君のペットだろ―――」

 

「うるさい!お前が俺の言うことも聞かずにシグナリオンを直接(・・)地上に送り込んだんだろう!!つまり、お前にも確かめる義務があるんだよ!!いいからさっさと一緒に行くぞ!!」

 

「ちょ!?()摘まま(・・・)ないでよ(・・・・)~!!」

 

地球侵略の肝心要にして、大事な相棒(・・)からの信号が途絶えたとあってか、レボール星人は即座に地上へと向かった。

その際、レボール星人は嫌がるシャマー星人を摘まんで(・・・・)連れて行った・・・そう「摘まんで」だ。

 

実は「幻影宇宙人 シャマー星人」はとても小さく、身長が10cm程度しかない脆弱な異星人なのだ。

 

「離せよ~!自分で歩くってばぁ~!!」

 

「やかましい!放したらお前は逃げるだろう!それに、一緒に行くなら俺が摘まんで連れて行った方が早いだろうが!!」

 

「・・・ちぇっ、正論だから反論できないぁ」

 

最初こそ暴れていたシャマー星人だったが、レボール人の正論を受けて大人しくなり、そのまま二人の異星人は地上へと向かった―――これが運の尽きだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――キキッ!ドォンッ!!―――

 

「はっ―――」

 

「うへっ―――」

 

地下にあった秘密基地を出て地上へと出たレボール星人とシャマー星人―――が、それぞれ凄まじい衝撃を感じた直後に彼らは宙を舞い、そのまま地面に叩き付けられていた・・・即死だった。

 

そんな異星人たちを殺したのは―――車だった。地球人が運転する車、それも彼ら異星人が地球侵略に利用した車、が異星人たちを撥ね殺したのだ。

 

「あん?何だ今の―――けっ、知った事じゃねぇな」

 

レボール星人とシャマー星人を轢き殺した地球人の男は道ばたに転がる異星人たちをチラッと見た後、そのまま走り去った―――今の男には冷静な判断も、(異星)人を撥ねたことなどを気にする余裕も無かった。何故なら、

 

―――ピィヨォウウ・・・―――

 

「あぁ、ウゼぇ・・・!早く行けよ前の車・・・!!」

 

イライラする男、をイライラさせている原因こそ、白昼の大都市の交差点のど真ん中にドッカリと居座り、体中にある無数の発光器から人間をオカシクさせる怪光線を放つ巨大な生物―――巨影「信号超獣 シグナリオン」だった・・・あのレボール星人とシャマー星人が送り込んだ地球侵略のための作戦の肝心要の存在だった。

 

「オラーーーっ!早く行けテメーコノヤローーーっ!!」

 

「なに割り込んでるんだお前!?何様だゴラァっ!?」

 

「トロトロ走ってるんじゃねぇよ!速く走れねぇなら来るなに乗るんじゃねぇよ!!」

 

「何やってんだよウィンカーも出さないで・・・マナーがなってねぇな!!」

 

大都市の交差点のど真ん中に居座り、体中の発光器から人間をオカシクする怪光線を放つシグナリオンによって"オカシクなった"人々は互いに煽り合い、争い、そして殺し合っていた。

 

その際、何よりも危険なのは―――車だった。

 

考えてみて欲しい。自動車が、数百キログラムの"鉄の塊"が、『軽』自動車でも700~800kgもある"鉄の塊"が、時速数百キロで突っ込んでくるのだ。

 

そんなの・・・恐怖でしか、凶器でしかないだろう。間違いなく人間などイチコロだ。

 

―――キキッ!ドォンッ!!―――

 

―――ピィヨォウウ・・・―――

 

―――キキッ!ドォンッ!!―――

 

―――ピィヨォウウ・・・ピィ・・・ウゥ・・・―――

 

あっさり轢死されたレボール星人とシャマー星人、あるいは車に撥ねられたイチコロな人間ならまだいいが、交差点のど真ん中に据わっているがために車に激突されまくっているシグナリオンは・・・地獄だった。

 

「強さも、能力も、生命力も(・・・・)怪獣を上回る存在」こと超獣。それが巨影「信号超獣 シグナリオン」だ―――つまり、シグナリオンはそう簡単に死ねない。

 

今、シグナリオンの巨体には毎分、毎秒ごとに何台も、何十台も、下手したら何百台もの"鉄の塊"が突撃してくるのだ。

 

自動車が、数百キログラムの"鉄の塊"が、『軽』自動車でも700~800kgもある"鉄の塊"が、時速数百キロで突っ込んでくるのだ。

 

それでもシグナリオンは・・・簡単に死ねない。だって超獣だから。

 

そんなのハッキリ言って・・・拷問か地獄、それも生き地獄だ。

 

まぁ、人々をオカシクして大都市を大混乱に落とし入れた元凶こそがシグナリオンであるため、今回のコレは一種の天罰・・・なのかもしれないが。

 

とはいえ、巨大な『巨影』たる超獣すら殺せる"鉄の塊"に乗っていると言うことを、運転する人はくれぐれも忘れるなかれ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸い、コレは空想化学特撮(フィクション)の世界の出来事だから。まだいい―――

 

レボール星人、シグナリオン、シャマー星人などいないからまだいい―――

 

「オラーーーっ!早く行けテメーコノヤローーーっ!!」

 

「なに割り込んでるんだお前!?何様だゴラァっ!?」

 

「トロトロ走ってるんじゃねぇよ!速く走れねぇなら来るなに乗るんじゃねぇよ!!」

 

「何やってんだよウィンカーも出さないで・・・マナーがなってねぇな!!」

 

宇宙人が、超獣がいなくてこの有様―――果たして「まだいい」と言えるのだろうか?

 

 




如何でしたか?

今回も前回の『ほえる巨影』みたいに話題のネタ「煽り運転」に関したネタに、まさかの「煽る」事に関してはピカイチのシャマー星人、もう何十年も前に交通事故などにつけ込んだ侵略作戦を実行したレボール星人・シグナリオンを出しました―――やはりね、ネット社会、匿名社会の影響って煽り運転の「悪質さの向上」に関係があると思うんですよね。

顔も見えない、声も聞こえないからやりたい放題―――でもね、現実世界ってのはバッチリ顔も声も名前も、そしてナンバーも出るんですぜ・・・っていうね。

何が恐ろしいって―――かの『狙われた街』みたく、宇宙ケシの実みたいなアイテムが無いのに、今回の異星人&超獣がやった作戦や怪光線が無いのに人間が狂っている事実・・・怖いですね。

とりあえず、作中でも述べたとおり「車って人を簡単に殺せるんだよ」を常に意識して、"自分の安全を守るために"ドライブレコーダーとか付けましょうね。

実は・・・作者も煽り運転されて、車から降ろされたありますよ―――ただ、

・整体師(室〇広治選手みたいな肩幅、ゴツさ)
・親子三代続く大工の三代目(年中日焼け、厳つい顔と体)
・地元魚市場勤務(年中日焼け、声でかい、重いトロ箱を持つのでムキムキ)
という三人の友人と、
・作者(知覚過敏なので運転するときはグラサン、角刈り)

が、友人の結婚式帰りなので全員黒いスーツ着用。

が車から降りてきた途端、煽り運転してきて僕らを降ろしたヤツは顔面蒼白・・・

相手を見て、相手が弱そうだったらつけあがるような輩が多い煽り運転、みなさんもくれぐれもご用心を。

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