巨影都市オブ・ジ・エンド   作:銀色の怪獣

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はいどうも、銀色の怪獣です。

今回はかなりマイナーな巨影を出しつつ、昨今の特撮(特にウルトラシリーズ)に多い「怪獣と人間との関係、距離感」を題材にしたお話にしてみました。

いやね、確かに怪獣と友達になったりする展開もいいですよ(大怪獣バトルとか、ギンガとかエックスとか)。
ただね、怪獣は「ペット」じゃないし「ポケモン」でもないということは忘れて欲しくないですね。

あと、後書きで色々とアレなこと書いていますが、あくまで僕個人の意見ですし、例に挙げている作品を批判しているのではありませんので悪しからず。その作品がお好きな方には失礼かも知れませんが・・・

では、どうぞ



第八話 人恋しき『巨影』

何気ない平和で当たり前の日常。もし、その平和で当たり前の日常に異形の存在「巨影」が現れたなら・・・

 

 

 

 

「ねえ、次どこ行こうか?」

 

「う~ん、そうだなぁ・・・ゲーセンとかは?」

 

「おっ!いいね~コノミはどう思う?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「あれ、コノミ?ねぇ、コノミってば?・・・コ・ノ・ミ!ウチらの話聞いてるの!?」

 

「えっ!?あっ、ゴメンゴメン。何かボーッとしてて・・・何の話だっけ?」

 

「コノミあんたねぇ・・・人の話はちゃんと聞きなさいよ!!」

 

「いや~!止めてよ~!!」

 

「止めるか~!うりうり~!!」

 

大勢の人々が行き交う都市の中心地で、三人の女子高生が他愛もない会話をしながら歩いていた。

その内、眼鏡をかけた女子高生、コノミはボーッとしていたせいで友人の話を聞き逃しており、そのせいで友人が怒ってコノミをこねくり回していた。

 

と、このように非常に微笑ましくて何気ない日常は本当に何の前触れもなく、突如として崩れ去ることとなる。異形の存在「巨影」によって―

 

―――ゴゴゴ・・・ゴゴゴゴゴ!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!―――

 

「な、何だっ!!?」

 

「じ、地震だーーーっ!!」

 

突如として、街を凄まじい地震が襲った。その規模は凄まじく、道行く人々はまともに立つことが出来ず、ビル群は震え、あちこちのマンホールから水が逆流して噴き出す程であった。

まるで、地下から「何か」が現れようとしているかのように・・・と、次の瞬間!!

 

―――キィイイイィィィッ!!―――

 

「「「な、何だあれはっ!!?」」」

 

突然地面が砕き割れ、甲高い咆哮(・・)とともに「何か」が地下水道水の中からしぶきを上げながら都市のど真ん中に姿を現わした。

その「何か」を一言で言い表すならば「ウナギの化け物」とでも言うべきだろうか。手も足もない白地に黒い斑点模様の体、頭部の本来目がある位置には一対の回転する三日月型の触角が生えている文字通りの「化け物」がその長大な姿を現わしたのである。

 

―――キィイイイィィィッ!!―――

 

「に、逃げろーーーっ!!」「た、助けてーーーっ!!」「嫌だ!死にたくねぇよーーー!!」

 

突如として都市のど真ん中に姿を現わしたウナギの化け物、もとい怪獣を前に最初は呆然としていた人々も再び怪獣が咆哮を轟かせた事で現実へと引き戻され、大慌て出てて逃げ惑い始めた。

しかし、たった一人だけ逃げ惑う人々と全く違う反応を、怪獣に向かって駆け寄って行った少女(・・)がいた。それは―

 

「やっぱり!やっぱり、そうだ・・・あれは、ううん、あの子(・・・・)は『リム』だ!!」

 

「コノミ!コノミ何やってるの!?危ないよ!! そっちに行ったらダメよ!!!」

 

「コノミーーー!戻ってきてよーーー!!」

 

不気味なウナギの化け物のような怪獣を一目見た途端、逃げ惑う人々の波に逆らってまで怪獣の元へ駆け寄っていた人物、それはあのコノミであった。

そんなコノミであるが、怪獣を一目見た瞬間に「あの子」と口にした上に「リム」と言った。それはまるで、あの怪獣のことを知っているかのようであり、その「リム」というのがあの怪獣の名前であるかのように・・・

 

―――キィイイイィィィッ!!―――

 

「リムーーー!ねぇ、あなたリムなんでしょ!?私よ私、コノミだよーーー!!!」

 

怪獣は相変わらずあの甲高い咆哮を上げつつ、その長大な体をくねらせながら街中を進んでいた。

一方のコノミはといえば、ようやく怪獣の元へたどり着くと同時に怪獣に向かって大声で叫び、何度も何度も怪獣に呼びかけていた。すると―

 

―――キィイ?キイィッ!キィイイイィィィッ!!―――

 

「やっぱり・・・やっぱりリムなのね!うわぁ、久しぶりだね!!本当に・・・本当に大きくなったね、リム!!」

 

―――キィイイイィィィッ!!―――

 

自身の元へ駆け寄り、呼びかけてくる一人の人間の声を聞き、その人間の顔をしばしジッと見た怪獣は・・・何と、明らかに「喜んでいた」。

その様はまるで、旅行等でいなかった飼い主と久しぶりに再会して喜ぶ犬の様な、もっと言えば「飼い主」と「ペット」の様であった・・・そう、実はその通りなのだ。

実はこの怪獣はまだ小さい頃(・・・・・)に同じく幼かったコノミに拾われ、「リム」という名を貰って飼われていた。

だが、リムは日に日に大きくなりとうとう飼える大きさではなくなった。加えて、リムの姿形は誰がどう見ても「普通」では無かった。そのため、コノミは両親に促されるままにリムと「別れた」のであった。しかし、

 

「リム!リム!本当に久しぶりだね!!10年ぶり、位かな?元気にしてた?」

 

―――キィイイイィィィッ!!―――

 

「よかった!元気そうだね・・・本当に会えて嬉しいよ!!」

 

10年前に「別れた」友達、リムとの感動の再会。

コノミは姿形に何よりも大きさが桁違いに変わっしまったが、それでも懐かしい友達に会えたことに涙を流して喜び、一方のリムは相当体が大きくなったが昔のようにコノミに甘えようとした・・・これが悲劇の幕開けとなった。

 

―――キィイイイィィィッ!!―――

 

「んっ?どうしたのリム・・・って、あ、あれ・・・?り、リム・・・何しようとしてる・・・の?」

 

不意に、ムが鳴いた。そんなリムはその長大な体でコノミを囲い込んでとぐろを巻いたが、直後にコノミがリムの巨体にギュウギュウと押し潰され始めた。

 

―――キィイイイィィィッ!!―――

 

「リ、リム!止めて!!苦しい、苦しいよっ!!お願いだから止めて!!!」

 

リムが巻いたとぐろの中心に閉じ込められ、リムの巨体によって徐々にではあるが確実に押し潰されているコノミは必死でリムに訴えかけたが、10年ぶりにコノミに再会できた事を、10年ぶりにコノミに「甘える」ことに夢中になっているリムにコノミの悲痛な叫びは届かなかった―

 

 

 

この日、日本のとある都市に異形の巨影が現れた。

その巨影はまるでウナギの化け物のような見た目の異常さもさることながら、その行動もまた異常であった。

この巨影はたった一人の少女をその巨体で締め上げ、押し潰して殺した。だが、その後この巨影は自分が殺してしまった少女に対して鳴き、叫んでいた。まるで少女に謝っているかのように。まるで少女を殺すつもりが無かったかのように・・・

 

実はその通りなのだ。この巨影「改造(EX)エレキング」はかつて人間に、EXエレキングが殺してしまった少女に飼われており、それ故に頭もよく、そして「人懐っこい」。

だが、今のEXエレキングは大きさも、力も、持っている能力も小さかった頃(・・・・・・)とは桁違いになっている。そして、そんなEXレキングがちっぽけな少女(コノミ)に「甘えた」ら・・・言わずもがなだ。

 

そう、我々は忘れてはならない。いくら可愛らしくても、いくら大人しくても、いくら人懐っこくても、怪獣は犬や猫などの「動物」とは違う。

大きさも、能力も、全てが桁違いな、全てが普通ではない「怪」なる「獣」、つまり「怪獣」なのだと・・・それを忘れたとき、必ず「悲劇」が起こるのだと。




如何でしたか? 
今回は『ウルトラセブン』の人気怪獣「エレキング」の一族から最も進化し、かつマイナーな「EXエレキング」、通称「ウナキング」が登場です。
ちなみに何故「ウナキング」か?画像等を見れば納得して頂けます。

また、EXエレキングの「リム」という名前と人懐っこい性格、そして劇中の「コノミ」という少女は『ウルトラマンメビウス』のリムエレキングとアマガイ コノミ隊員か元ネタです。あの可愛いリムエレキングがウナキングに・・・嫌だなぁ。

何つーかねぇ・・・怪獣はポケモンじゃないんですよ?っていうか、ポケモンだってトレーナーの言うこと聞かずに暴れることがあるのに、もしも怪獣がスネて暴れたら・・・大惨事ですよ?それなのに最近のシリーズじゃ怪獣がポケモンかペット扱い・・・

で、話は変わりますが・・・メビウスって問題作が多いですよね。特に問題だと思うのが「メテオール」と「マケット怪獣」ですね。何故か?

メテオールは「Much Extreme Technology of Extraterrestial ORigin=地球外生物起源の超越技術」です。
そして、メテオールに制限時間が設けられているのは「まだ解明できてないので危ないから」だとか・・・解明できない危ない技術を使うんですか?
『ウルトラマンティガ』でホリイ隊員はウルトラマンの複製品を作ろうとした連中に「自分が判らん技術に頼ってどないすんねん!?」と言いました。その通りです。なのにメビウスでは・・・

で、マケット怪獣はミクラスやウインダム以外にもバードンやベムスター、ゼットンにウルトラマンメビスまで作ってましたが、これって人類が人類に「絶対服従」な怪獣(それも超危険な連中)やウルトラマンを生み出したということです。で、メビウスの防衛チームなどはその怪獣やウルトラマンたちが悪用される事態を考えなかったのでしょうか?いくら「人形・マケット」とはいえ、命を弄んでいいのですか?

そして、何よりも問題なのは「ウルトラマンメビス」はあの「ウルトラセブン」の世界とも共通をしています。
セブンことモロボシ ダンは兵器開発を続ける人類にこう言いました。

「それは、血を吐き続けながら続ける、悲しいマラソンですよ・・・」

「地球を守るためなら、何をしてもいいのですか···」

と。

この発言を、このメッセージを含めた脚本を書いた故・金城哲夫氏がウルトラマンメビウスのメテオールやマケット怪獣を見たらどう思うのでしょうか?

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