ありがとうございます!
これで一戦目で潜水艦に刺されても
掘りマスで目あての艦が出なくても頑張れます←え
さてさて、本日は三皿目の最後をお届けします。
六駆とお姉さんたちの反応は……?
「お待たせしました。こちら、お子さ……じゃなくて、『本日のおすすめワンプレート』でございます」
お子様ランチとは言えないので、横文字でごまかすことにしたわけだ。とはいえ、内容的にも普通のお子様ランチとは変えていて、いわゆるカフェ飯風ではあるので良いと思うんだけど……どうだろう?
「見てみて、雷ちゃん。このオムライスおそろいなのです!」
「そうね電。それにこれだけの種類のお料理……手間もかかってるわよ」
最初に反応したのは下の妹二人だった。よかったケチャップで書いたⅢは受けたみたいだ。それに雷ちゃん、そこに目がいくとは……この子も料理するんだろうか。
「ハラショー。これはいいね」
「こ、これは……」
そしてどうやら響ちゃんも気に入ってくれたみたいだが、問題の暁ちゃんはと言えば……固まっている。お子様ランチがばれたか?
「……にんじん……」
……うーん、そこか。そこに引っかかるのかー。しっかり火を通して、甘味を引き出しているから食べやすいとは思うんだけど、やっぱり視覚的にそのまんまっていうのはきつかったかな。
できるだけ好き嫌いせずに食べてもらいたいんだけど、お礼の意味もある今回くらいはせっかくだから気にせず食べてもらいたいし、今日だけ何かと入れ替えようかなと迷っていると横から声がかかる。
「だめよ暁!せっかくマスターが作ってくれたのに好き嫌いしちゃ。それにお野菜が食べられないなんて、素敵なレディになれないわよ!」
「なのです。それに暁ちゃん、このにんじんさん甘くておいしいのです」
お、お母さんがいる。そして、先に手を付けていた電ちゃんも勧めてきた。黙っている響ちゃんはと言えば、静かに頷きながら小さな口で小動物のようにもくもくしている。
「そ、そうよね。暁は一人前のレディなんだもの、これくらい……あれ?おいしいわ!これなら食べられる」
よかった。心配いらなかったみたいだ。安心したところで、そろそろ奥の二人のハンバーグもいい感じだと思うので、厨房に戻ろう。
ちょっと遅くなってしまったかと心配したが、ちょっと厚めに成型していたからかオーブンから取り出して指で押して確認すると、ちょうど良さそうな火の通りのようだった。
よしよし、おいしそうにできた。これを皿に乗せて付け合わせとして先ほどのジェノベーゼソースで和えたパスタとニンジンの炒め物を添える。こっちのニンジンにはコショウを振って、大人の味わいに。
そして、フライパンに残ったソースを使ってソースを作る。フライパンを火にかけて、赤ワイン・ケチャップ・バター・ソース・醤油を入れてよく混ぜる。焦げ付かないように煮詰めていって、程よいとろみになったら完成だ。好みではちみつやすりおろしたリンゴ、玉ねぎなんかを入れてもおいしいし、醤油の分量を増やしてみりんを入れて照り焼き風なんて言うのもいいね。
同時に、別のフライパンで目玉焼きも……っと、俺の好みで半熟にしちゃったけどだいじょうぶかな?
目玉焼きを乗せた上にソースをかけて完成したハンバーグをライス、スープと一緒にテーブルまで持って行く。
「お待たせいたしました」
「お!待ってました!うまそうだなー、オイ」
「あら、ほんとうね。天龍ちゃんの言い方はアレだけど、おいしそう」
「ふふふ、それはよかった。ごゆっくりどうぞ」
そう言ってその場を離れると、カウンターに戻る背中から二人の話し声が聞こえる。
「前の鎮守府の食堂でも何回かハンバーグは食ったけど、やっぱり違うな」
「そうね~、あれはあれでおいしいと思っていたけど、流石に仕方ないんじゃな~い?まぁ、その分安かったけどね」
「確かに、こんなにジューシーじゃなかったしな」
「あら~、天龍ちゃんが『ジューシー』なんて言葉を使うなんて、成長したのね~」
「うっせー、黙って食え」
「うふふ、は~い」
うん、おいしそうに食べてくれてよかった。食堂の料理はまぁコストとか供給量の問題とかあるしな、多少味が落ちるのは仕方がないだろう。ただ、最近は値段の割においしいものも多いし侮れないんだけどね。
「にしても、龍田はほんと玉子好きだよな?」
「うん、特にこの半熟がね~。ぷるぷるの白身と、トロトロの黄身がソースとお肉に絡まって……はぁ、おいし」
「そんなに玉子が好きって、なんだかへび……」
「てんりゅうちゃーん?なにかしらー?」
「……い、いや、なんでもねぇ……」
そこはかとなく危険な二人の会話を背中で聞き流しながらカウンターに入ると、お母さん……じゃなくて、雷ちゃんが聞いてきた。
「あの、マスター。お願いがあるんだけど……」
「ん?なんだい?」
「もしよかったら、このニンジンの付け合わせの作り方を教えてくれないかしら?これなら、暁も食べられるみたいだし」
……苦労してるのかな。もちろん大したものじゃないのですぐに教えてあげる、炒めるだけだしね。
話を聞くと、やっぱり彼女が料理しているらしいので、そのうち仕入れが安定したらほかの食べやすい野菜レシピも教えてあげよう。
その後も電ちゃんが最後まで残していたケチャップの『Ⅲ』をなかなか崩せずにぷるぷるしたり、暁ちゃんを響ちゃんがからかったり、雷ちゃんに料理のことを聞かれたりと俺もカウンターから受け答えしながら食事をすすめていった。
「さーて、お前らそろそろ帰るぞ」
食事を終えて、のんびりしていたところに天龍さんの声が響く。四姉妹は「えー」と口々に不満を言いながらも立ち上がり、帰り支度を始めた。
その間に龍田さんが支払いを済ませてくれる。
「ごちそうさまでした。またくるわね~」
「ありがとうございました。それにしてもチームワーク抜群ですね」
「まあね~、このメンバーで遠征に出ることも多いし、なんだかんだで天龍ちゃんはこの子達以外にも駆逐のみんなに慕われてるのよね。おかげで、天龍幼稚園なんて言う人もいるくらい……っと、これは内緒よ~」
「ほら、龍田いくぞー。ちゃっちゃとしろよな」
龍田さんが人差し指を立ててそういったところでドアの方から声がかかり「はーい」と言いながらそちらに向かう。店から出ていく彼女たちを見送りながら手を振っていると、思い出したように雷ちゃんがとてとてと戻ってきて下から見上げてきた
「あの、マスター。また来てもいいかしら?」
「もちろん、いつでもおいで」
「ありがとう!それで……もしよかったらなんだけど……またお料理教えてもらえないかしら……私たち駆逐艦はまだ、建造されたばかりでいろいろわからなくて。本とかで勉強はしてるんだけど……」
「時間があるときでよかったらになるけど、いいよ」
「ほんと!?ありがとう!じゃぁ、また来るわ。今度は給料貰ったら自分のお金で食べに来るわね!」
そう言って手を振りながら元気よくみんなのところに戻っていく。奢りだったのを気にしてるのかな?でもお礼の気持ちだから、気にしなくていいのに。
それにしても、建造されたばっかりってことは生まれたばかりってことかな?それなのに、みんなの役に立とうと頑張ってるんだな。なにより、あんな風にお願いされちゃ断れないよね。
皆思い思いに手を振り、別れを告げて店を出ていく。
「さて、初日の営業終了!後片付けすっか!」
気合を入れなおすように声に出して、片づけを始める。初めてまともに話した艦娘たちはみんな普通の女の子だった。もちろん、この店の中の姿しか見ていないので海の上ではまた別の顔なのだろうけど……ただ、これからのこの島での生活がきっと楽しいものになるだろうっていうのははっきりしたかな。
頑張り屋さんの雷かわいい
という訳で三皿目はこれにて終了。
そして本日はこの話と同時に、『箸休め(閑話)』を投稿します
そっちは短めなので、アニメなんかのED後のCパートみたいなものってことで
読んでいただいてありがとうございました