うちのメタモンこそさいかわ 作:うちメタ
文字数、なんと驚異の1360字です。震えろ私。
基本的に毎回、自分の納得がいくまで書き続けるスタイルなので、急に文字数多くなったり少なくなったりします。ご了承ください。
0/Prologue
ある日、メタモンに出会った。
生まれたばかりだろうか。本に記載してある大きさより一回りも二回りも小さく、物心もついていなさそうに見えた。いや、そもそもポケモンって物心あるんだろうか……。
親っぽい姿は見受けられず、数時間待ったがトレーナーすら現れなかった。
捨て子、孤児。そんな感じだろうと考えて、メタモンを見やる。――目が合った。
つぶらな瞳はこちらをじぃっと見つめていた。攻撃力が下がった。
見つめあってしばらく。
何を思ったか、気付けばふざけたことを口走っていた。
「お前、うち、来る?」
やせいの メタモンが とびかかってきた !
1
ごく、ごく。
よく冷えたモーモーミルクが喉を流れていく。やはり風呂上がりの一杯は美味い。
飲み終えると、ぷはっと息が漏れた。
するとメタモンがびっくりしたようにこっちを向いた。なんでもない、と手を振るが、よいしょよいしょと言ってそうな動きで歩み寄ってくる。
結局、俺はこの子を連れ帰った。俗にいうお持ち帰りである。
身体が汚れていたので、家に着くやいなやさっそくお風呂に入れ、二人でぬくぬくした。気持ちよかった。
タオルで身体を拭いてあげると、メタモンは気持ちよさそうに目を細めていた。なるほど、子を持つとはこういうことなんだろう。また後でお風呂に入ることを決めた。
2
メタモンがテレビを見ていた。
最近我が家に設置された最新式。親曰く、とても口に出せない値段がしたらしい。
映し出された画面の中で、二人の若いトレーナーとそのポケモンたちが体をぶつけあっている。
あれはヒトカゲと、ミズゴロウだったか。
相性でいえばミズゴローが上だけど、お互いレベルは低そうだ。トレーナーたちも駆け出しといった感じの風貌で、勝敗はまだ分からない。
なるほど面白い。
メタモンを抱えてソファに座る。ひんやりした冷たさがどことなく気持ちいい。
テレビに視線を戻す。
――ヒトカゲが進化していた。リザードである。
丸みを帯びたかわいらしい顔がいかついものになっていた。悲しい。
相手のトレーナーが「何それずるい! ばか! あほー!」と慌てている姿がなんとも憐れ。
しかし勝負も時の運。
リザードの口から放たれた何やら禍々しい色の弾がミズゴロウに直撃、あえなく沈んだ。
レフリーが駆け寄ってミズゴロウの状態を確認。旗を掲げ、
「ゼニガメ戦闘不能! 勝者、レッド選手!」
ゼニガメだったのか。
3
見終えると、唐突にメタモンは体の一部の形状を変化させた。
触手のようなものを生み出して、テーブルに置かれたリモコンを掴む。左上の赤いボタンをぽちっと押して、テレビの電源を切った。おい器用だな。
ふと、思う。
なんでメタモンはテレビの切り方を知っているんだろう。
付けるときは俺がやったけど、まさかあれを見て覚えたんだろうか。いや、俺がやったのはあくまで付けるのみ。切る動作は見せていないはずだ。
まさか、付けるボタンと切るボタンが同じだと、予想した?
だとしたら、このメタモン、めちゃくちゃ知能が高かったりするんじゃなかろうか。
たぶん頭だろうと思った場所を撫でてみる。目を細めた。かわいい。
俺は決意した。
がちゃ、と玄関のほうで音がした。時間的に親が帰ってきたんだろう。
メタモンを抱えたまま駆け出して、部屋を出てすぐ叫ぶ。
「俺! この子育てる!」
―Encounter with Metammon.
気に入っていただけたらお気に入り登録してもらえると励みになります。よかったら評価もご一緒に。
気に入っていただけなかったら評価0を押して、どうぞ。
励みにはなりませんが経験にはなります…