うちのメタモンこそさいかわ   作:うちメタ

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 お気に入り登録してくれた人たちがいたので急ぎ急ぎ。
 訳の分からない描写は伏線だったり私の力不足だったりするので最終話迎えるまで触れないでいただけると幸いです。後者が多かったりする(え

 今回は2000文字越え。次回はどうなることやら…




1/知らない気持ち

 

 

 

 

 

  0/Unknown fiiling

 

 

「あんた、旅出るの?」

 

 不意に問うてきた母さんに、「えっ」と声が漏れた。

 ――旅。

 人とポケモンが共生する現代において、ポケモンへの理解を子供のうちから深めようという制度染みた風習。もちろん自由選択であるし、保護者の許可も得なければならないが、だいたい反対されることはないという。

 この風習は強く根付いていて、常識といっても過言ではなかった。

 地域によって規定されている年齢は異なるが、平均12歳ほどでパートナーとなるポケモンを貰い、全国各地を回る旅に出る。

 そういえば、俺もそろそろだった。

 あと一ヶ月もすれば旅していいよ! と許可証が送られてくるはずだ。

 

「メタモンちゃん育ててる時間はなさそうだけど」

 

 うっ。痛いところを突かれた。

 連れて行けばいいと思ったが、あの子はまだ生まれたばかり(目測)。旅をさせるには荷が重すぎて、最悪、考えたくない結果になるかもしれない。

 だからといって置いていくつもりは毛頭ない。

 うーんうーんと唸っていると、母さんはさっさと部屋から出て行った。あくまで俺に決めさせる、ということだろう。

 そうだ。あの子を拾って、育てるといったのは俺である。

 俺が決めなくちゃいけない。

 

 

 

  1

 

 自室に戻ると、ベッドの上でメタモンが跳ねていた。

 ぽよんぽよんしている。かわいい。

 見入りそうになるの抑えて、メタモンを抱きかかえる。そのまま椅子の上に移動させた。

 不満そうにこちらを見るメタモンに苦笑いしつつ、乱れたシーツを整えていく。なんかえろい。

 

 見た目以上にぐちゃぐちゃになっていたシーツを整え終え、さて、と振り向くとメタモンがいない。

 いない。――メタモンちゃんいない!

 また隠れやがったな、と頭をかく。

 あの子を連れ帰って数日。見慣れない場所に戸惑う様子はなく、むしろあちこちを見て回っていたメタモン。好奇心旺盛だなと微笑ましく見ていたのだが、ある時、回す前の洗濯機に身を潜めていたことがあってから、最近はそういうわけにもいかなくなった。

 洗濯機事件。母さんが事前に気付いていなければ、メタモンはそのまま溺死していた。ぞっとした。

 しかしそんな思いなんざ知ったことかと、あの子の隠れ癖は日に日に酷くなっていた。

 

 またあんな事件があってはならない。

 さっき別れたばかりで少し気まずくもあったが、急ぎ母さんを呼んだ。

 

 

 

  2

 

 母さんの手助けあって、メタモンは迅速に捕らえられた。

 危なかった。トイレ、しかも便器の中に潜もうとしていたとは。入る前に見つかってよかった。

 いつも注意はしているけれど、あいにく言葉は通じない。メタモンは「何言ってんだこいつ」とばかりに顔を傾けている。

 刺激による矯正もダメ。

 軽く叩いてみるが、ぺちぺちと、弾力性のあるお肌にはまるで効いていない。くすぐったそうに身をよじっている。その姿があまりにもかわいらしく、つい撫で始めてしまう。

 ちくしょー、こんなのどうしろってんだよー。

 叱るに叱れねぇじゃねぇかよー。

 文字通りである。

 まずは言語理解が先決だな、と決めて、理解のさせ方を知らない俺だった。

 

 

 

  3

 

 メタモンは喋らない。

 いやこれは当然か。

 

 正確には、鳴かない。

 メタモンという種自体、鳴くのか鳴かないのか分からない。少なくとも、この子は鳴かない。夜泣きもしなくて楽なんですよーうちー。

 声帯なんて持ち合わせてなさそうなビジュアルだが、しかし。

 実際のところ、メタモンは鳴くんだろうか。

 

「ちょっと鳴いてみてくれよ」

 

 メタモンは顔を傾けた。

 だよね。言葉分かんないよね。ごめんなさい。

 母さんはメタモンについてある程度知っているらしいが、どういうわけか教えてくれない。

 共生する中で発見しろ、ということだろうか。もとより放任主義染みている母親だ。ありえる。

 そうだ、まだ幼いから鳴けないのかもしれない。

 もう少し、待ってみよう。

 

 

 

  4

 

 メタモンがまたテレビを見ていた。

 内容はこの間と同じく、トレーナーたちのポケモンバトル――ってこれ前のやつと同じじゃん。録画してたんだろうか。メタモンが? ……いやいや母さんか父さんだろう。その、はず。

 画面の中ではグリーンというイケメンくんと、レッドと呼ばれた赤い帽子の男の子が対峙していた。まるでライバルのような。今にもトレーナー同士で殴り合いが始まりそうな空気が、画面越しに伝わってきた。いや、そうなったら二人仲良くトレーナー免許はく奪だろうけど。

 代わりに、二人のポケモン。

 ヒトカゲとミズゴロウ、もといゼニガメが殴り合っていた。

 その様子をメタモンはじぃっと見守っている。

 やがて決着がつき、レフリーが勝者の名をあげると、メタモンは興奮したように飛び跳ねた。

 ――もしかして。

 ふと思い立った。好奇心が旺盛なこの子だ。恐らく間違いない。

 

「お前、バトルがしたいのか」

 

 反応はない。

 きょとん、とメタモンは顔を傾けている。

 

「お前、これ、バトル、やる?」

 

 指をさしながら、繰り返し、教えながら。

 ゆっくりと、メタモンが少しでも理解できるように話す。

 伝われ。伝わってくれ。

 汗が流れてくる。なんで、こんなに必死になってるんだろう。自分でも分からない。

 頼む。返事してくれ。鳴かなくたっていい。何か、反応だけでも。

 気付けば視界が歪んでいた。拭った指は濡れていて、涙がこぼれていることに気付いた。

 あぁ、くそ、ドン引きだ。

 何泣いてるんだよ俺。泣くようなことじゃないだろ。

 なんで、なんで。わけがわからない。

 

 ――メタモンは顔を傾けていた。

 

 

 

 

 





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 (追記)読み返してみて、後半急ぎすぎたなと感じたため、今後手直しする可能性があります。
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