憎悪と惨めさと失望感、いまの僕には、負の感情がつよく、大きな渦を巻いている。目の前には、かつて何度も命をかけて守り抜いてきた「それ」がいる。だが、それもかつての話になってしまった。いまの僕はあの頃と同じだ。すべてが決着した代わりに、僕にとってのすべてを失った。
語ろう。僕の戦記《ウォー ヒストリー》を、二度目を封じるため、未来に託そう。
終わりじゃない、始まりの物語を。
______天と地、この世界には、途方もない昔から、二つの世界が存在する。地に住む者は、天を自由に飛び回りたいと願う。しかし、それは決して叶わない。天には、地にすむ者には知られていないが、国がある。百、千ではきかない数多の国が、天には広がっていた。そして天にすむ者は願う、地上を踏みしめたいと。
「おかあさーん!!」
「どうしたの、シルバ?」
無邪気に母を求める少年、名はシルバ。だが本人はこの名前をどうしても気に入らない。なぜなら・・・
「あ、愛想なしのシルバだ!」
「弱虫シルバ!シルバーシルバ!」
名前の由来は髪色だった。光に当たれば目立つ銀髪、ただでさえ目立つのに、少年にはたちの悪い友達がいた。
「うるさい!好きでこうなってんじゃないよ!」
彼は自分の人生にそれだけを不満に思っていた。だが親は悪くないと考える。かわりに、
「神様、僕、あんたのこと恨むから・・・」
「こーら、神様を恨まない!あんたが生まれてきたのも、神様がいたからよ?」
「なら銀髪にしてくれなきゃよかったのに!」
この天界国家「アルカディア」は、数多の天界国家の中でも有数の強国。全国家中トップの軍事力。そして、数多の民族が入り乱れる多民族国家でもあった。だが、そんな中でもシルバの銀髪はめったにないものであった。
「でもね、シルバ。」
母は語りかけるように、そして、息子に納得させるように
「銀髪があなだけってことは、ほかに誰も持ってないものを、あなたが持ってると言うことでしょ?」
「だったら、それを誇りに思わなきゃ。それがあなたがあなたである印よ、シルバ。」
「んー・・・」
「わかんない。でもやだ!」
「ありゃま。」
7歳の少年には、まだ難しい話だった。母親は、目を細めて優しく、
「んじゃ、帰ろっか。」
「はーい!」
この少年が、後に残酷な運命の渦に抗うことになろうとは、誰も知ることはなかった。
国の聖騎士、その中でも精鋭のみを集めた騎士団を束ねている、母 ヴァルキリー・ローレンツ そして、
「ただいまー。」
「ただいまー!!」
「おそかったなー、父さん腹ペコだぞー?」
数多ある天界国家 その至る軍隊で活躍してきた最強の刀剣使い、傭兵である父 ガルド ローレンツ。
最近は仕事がめっきりへり、刀鍛冶という仕事で稼いでいる。
「いまからご飯作るから、ちょっとまってて。」
「わーい!ご飯さんだー!」
親子揃って、よく食べるのである。
こんな平和な日常が、いつまでも続いたら、
どんなによかったか。
だが、それは叶わない。この先少年には、
耐え難い困難が降り注ぐことになる。
明日も見えないような、暗い闇の中を、
さ迷うのである。
携帯でかくのもいいですね。時々おかしくなるかもですが、暖かく見守ってくれよな(*´∇`*)