海鳴のお姫様!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。予告では学園編の予定でしたが変更して日常編を続けることにしました。

アルバイトに入るまで龍花さんが何をやっていたかの話になります、それでは今回もどうか宜しくお願いします

PS 活動報告にて夜天の守護者の続編のアンケートしています。詳しくは活動報告に書いてあるので、どうかそちらも宜しくお願いします


第14話

第14話

 

「おっ? 龍花おはよう」

 

「おはようございます、シロ君」

 

手提げ鞄を持って日傘を差して歩いている龍花を見つけ、声を掛ける。辺りを見るが何時もの過保護な兄貴軍団の姿は無い

 

「はやて達は?」

 

「はい、寝ていて起きないんです。だから1人で買い物に行くことにしたんです」

 

起きてろよ、馬鹿兄貴ども……

 

「大丈夫か? イリヤ呼ぼうか?」

 

天然人たらしかつ無自覚なトラブルメイカーの龍花を1人で買い物に行かせるなどと自殺行為に等しい。 イリヤなり俺なり付き添いが居たほうがいい

 

「大丈夫ですよ。ちょっとそこまでですから」

 

かつてそのちょっとそこまでで行方不明(街外れの空き地で猫と犬と戯れていた)となり皆が大慌てで探したと言う実績があるだけに不安だ

 

「それじゃあ、イリヤちゃんとアイリさんに宜しく言っておいてくださいね」

 

にこりと微笑み歩き始めた龍花だが

 

「きゃうっ!?」

 

何も無いところで転倒しスカートが大きく捲れる。身の危険を感じさっと目を逸らす

 

「あいたた、気をつけないといけないですね」

 

よいしょっと言いながら立ち上がりさっさとスカートの埃を払って歩き出した龍花を見ながら

 

「白だったな」

 

「なにが?」

 

「いや、龍花のした……どうしてここにいらっしゃるんでしょう? 遠坂さん」

 

悪魔の笑みで拳を握り締めている遠坂にそう尋ねると

 

「折角の休みだから、遊びに来てやったのに……なにやってるのよ! この変態ッ!!!」

 

「ふ、不可抗……げふうっ!?!?」

 

俺の言い分は通らず遠坂のアッパーが俺の顎を打ち抜いた……理不尽だ

 

「? 今シロ君の悲鳴が聞こえたような?」

 

その惨劇を引き起こした当の張本人は首を傾げながらもゆっくりと本屋に向かって歩き出し。

 

「はうっ!?」

 

ゴンッ!!

 

電信柱にぶつかり目を回していたりする……

 

 

 

 

「何を悩んでいるです? モードレッド?」

 

「1つ言わせて貰うぞ、ガウェイン。俺は悩んでなどいないし、お前はなぜ朝っぱら木に吊るされているんだ?」

 

朝の日課のランニングを終えて、そのまま木刀を使った朝稽古を始め。一息つこうと腰掛けたところでガウェインに話しかけられ。呆れながら尋ねると

 

「いえ、朝食を作ろうと思ったのですが」

 

「お前は2度と厨房に立つなと言われてなかったか?」

 

料理といえば聞こえは良いが、作るのはマッシュポテトや焼いただけの魚や肉。姉貴が怒るのは無理も無い。あの人は食べるの大好きだから

 

「おや、モードレッド」

 

「おはよう、姉貴」

 

看板を担ぎ歩いてきた姉貴は、ガウェインを吊るす木の前にその看板を突き立てた。そこには

 

『反省中 餌と水を与えないで下さい』

 

……夏場の時期にこれは拷問とも言える。姉貴がそれだけ怒っていると言うことか

 

「モードレッド、丁度良い。このまま朝ご飯を買ってきてください」

 

「なぜにッ!?」

 

今からシャワーで汗を流すつもりだったのに

 

「ランスロットに暇を出したので、料理の出来る人間が居ません。かと言ってシロウやリューカを呼び寄せるのも忍びない。かなり悩んだのですが」

 

悩むな! 姉貴!! 休みの日にそんな事でシロウやリューカを呼ぶな! と心の中で叫んでいると財布が投げ渡される

 

「良いですか、中華飯・トンカツ弁当と半熟オムライスとそうですね……プリンを買ってきてください」

 

「あのさ。渡された金じゃそれだけしか買えないんだけど?」

 

財布の額とコンビニの弁当の価格を照らし合わせると俺の分の金が無いのでそう尋ねると

 

「誰が奢るといいましたか? 自分の分は自分で用意してください」

 

なんという麗しき姉弟愛。 嬉しくて涙が出て来る

 

「では30分以内に戻って来てください。10時から出かけるので」

 

「コンビニに行くまで15分は掛かるぞ!?」

 

1番近いコンビ二でも大通りまで出ないと無い、30分と言うのはあまりにギリギリだ

 

「では任せましたよ」

 

「スルーッ!? 俺の意見はスルーかッ!?」

 

「はい、後29分です」

 

「くっそおおおッ!!!」

 

30分以内に戻って来れないと何をされるか考えるだけで恐ろしい。俺は屋敷の裏に止めてあった自転車を引っ張り出し慌ててコンビニに向かった

 

「4分オーバーです」

 

「ちくしょおおおッ!!!」

 

容赦の無い竹刀の一撃に意識を吹き飛ばされた。 なんと言う理不尽さに涙が出たのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

「おや、リューカ」

 

「こんにちは、ランスロットさん」

 

日傘を差したリューカに街角でバッタリ会う。にこにこと笑うリューカは正しくお姫様かお嬢様と言う感じでお嬢様にも出来ればリューカの様になって欲しいと思いながら

 

「今日はどちらへ?」

 

「本屋に行こうと思いまして」

 

「そうですか……あの、そちらは本屋ではありませんよ?」

 

え? と振り返るリューカ、本屋は駅前で、リューカが向かおうとしているのは埠頭の方だと言うと

 

「じゃ、じゃあこっちですね」

 

「そっちは学校です」

 

明後日の方向を指差すリューカ、もしかして方向音痴?

 

「リューカ、私も本屋に用があります。宜しければご一緒にどうですか?」

 

「はいっ!」

 

本当は映画を見に行くつもりだったが。このままリューカを放置するのも気が引ける。私は映画は午後からにしようと思い。リューカと共に駅前の本屋に向かったのだが

 

「あっ鳥です、はうっ!?」

 

飛んでいた鳥を見て余所見をし電柱にぶつかる事3回

 

「良い天気ですねえ、きゃっ!?」

 

「危ない」

 

何も無いところで転倒すること2回

 

「あっ! 日傘がッ!?」

 

「ほっ!」

 

日傘が風に飛ばされる事2回

 

「あれーランスロットさん?」

 

はぐれる事7回……会った所から本来では30分も掛からず到着できる本屋に着いたのは1時間後の事だった……

 

お嬢様がリューカの兄達はとんでもなく過保護だといっていたが、その理由が少しだけ判った気がする

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ。む? 龍花か?」

 

はやての妹の龍花とその後ろで疲れたように溜め息を吐く長身の憂い顔の男が入店してくる

 

「あれ? フェイトさんアルバイトですか?」

 

「まぁそんな所だ」

 

そう返事を返すと龍花の後ろの男は

 

「では、私はここで」

 

「はいっ! 態々どうもありがとうございました!」

 

ぺこりと頭を下げる龍花に手を振って歩いて行く男を見ながら

 

「知り合いか?」

 

「はい、アルトリアさんの家のお手伝いさんだそうです」

 

なるほどね、あいつか……

 

「えーと、これ。注文引き換え書です」

 

「ん、ああ。これか」

 

龍花に手渡された注文書と会う番号の本を2冊カウンターの奥から取り出し

 

「良く判るフランス料理入門と美味しいお弁当のレシピ特集。なんだはやて達は料理はしないのか?」

 

レジ打ちしながら尋ねると

 

「いーえ、はやておにーちゃんは料理上手ですけど、やっぱり学校で忙しいですからお弁当くらいは私が作るんです♪」

 

そう笑う龍花、まったくこれだけ純真爛漫な子だとはやて達がシスコンに成るのも判る気がするよ

 

「そうか、龍花ははやて達が好きなんだな。ん……2冊合わせて6800円になります」

 

「はい」

 

渡された3枚のお札を受け取り、お釣りの200円を返してから、本を包み袋に入れようとしたところで

 

「手提げがあるんで、袋はいいです」

 

「そうか」

 

紙に包んだ本を手渡すとそれを手提げに入れて歩き出した龍花を見ていると

 

「きゃう!?」

 

何も無いところで転んで手から離れた手提げ袋が頭に落ちて、涙目で頭を押さえている龍花を見て

 

(これは過保護にも成るな)

 

ドジと言うかなんと言うか見てるだけで心配になる子だ、私はそんな事を考えながら

 

「ん」

 

「あ、ありがとうございます」

 

手を貸して龍花を起こし、落ちた手提げ袋を手渡し

 

「気をつけて帰れよ」

 

「はい♪」

 

楽しそうに返事を返し店を出て行った龍花を見ながら

 

「なんとまあ可愛い子だな、本当に」

 

日傘を差して歩く龍花を見ながら、何か得した気がするなあと思った……

 

 

 

 

 

「ん。な、何だあれ」

 

空き地に沢山の猫・犬が集まっており、気になり見に行くと

 

「うにゃー。おいでおいで」

 

しゃがみ込んだ龍花の周りにこれでもかと猫と犬が集まっていた、更には木の上からスルスルとリスが4匹ほど降りてきて龍花の肩の上で毛づくろいしている

 

(む、ムツゴロウ!?)

 

どんどん林から野良猫や野良犬が出て来ている。龍花は小動物にか困れご満悦という感じだ

 

「ふにゃー、可愛い♪♪」

 

猫じゃらしで猫を遊んでいる龍花

 

(いやーこれは写メだろう。はやてに高値で買わせよう)

 

携帯を取り出し写真を取ると

 

「「「!?!?」」」

 

龍花の周りに集まっていた猫と犬はあっというまに林の中に消えて行った

 

「あー、皆行っちゃった……こんにちわ直哉さん」

 

がっくりと落ち込んだ素振りを一瞬見せてから、俺を見てにこやかに笑う龍花に

 

「良くここに来るのか?」

 

「はい、ここは猫とか犬が来ますから」

 

猫缶を片付けている龍花はにこにこと

 

「鯛焼き食べます?」

 

ベンチの上の紙袋を指差して笑う

 

「良いのか?」

 

「良いですよ、鯛焼きの屋台のおじさんがおまけしてくれましたから」

 

魅了? そういえば前に商店街で見たときは八百屋のおじさんとかにおまけだとか言ってリンゴとか貰っていたのを見たことがある

 

(これもまた龍花の魅力と言う事になるのかもな)

 

俺はそんな事を考えながらベンチに座り、龍花に差し出された鯛焼きを受け取った。幸せそうな顔で尻尾から鯛焼きを齧る龍花を見ながら俺は頭の方から齧りついた

 

「そういえば、はやてが言っていたが」

 

「?」

 

もくもくと口を動かす龍花に

 

「もう直ぐ体育大会だが、お前は参加できないんだろう?」

 

「はい、走ったりすると胸が痛くなるんです……」

 

心臓が悪いのか? ずっと入院していたと聞くし

 

「だからいっぱい応援しようと思います」

 

「はは、そうかそれははやてが喜ぶだろうよ」

 

やる気がでて大活躍するだろう何時も以上に、暫くそんな感じで話をしていたが

 

「あ、いけない、もう直ぐお昼だ。帰らないと」

 

慌てた様子で帰ろうとする龍花に

 

「そっちは海だ」

 

「ふえ?」

 

全く逆方向に向かおうとする龍花に

 

「お前の家はあっち」

 

「あ、どうもありがとうございます」

 

ぺこりと頭を下げて歩き出す龍花を見ながら

 

「まぁ偶に散歩に出てきて良かったな」

 

龍花が残りは家でどうぞとくれた鯛焼きを齧りながら、俺は家へと向かって歩き出した

 

 

 

 

 

 

「これでOKだな」

 

「おう、たっく休みになんで学校の用事で」

 

ぶつぶつ呟く薄野弥生に

 

「すまん、1人では無理だった」

 

来週末の剣道の大会の応援の道具を買出しに行くようにといわれ、友人の弥生に頼んだのだが、弥生は不満ばかりぶつぶつ言ってる

 

「大体、俺は来週に私立聖祥大附属高等学校の空手部と試合だぜ? パシリにつかうなよ、スミス」

 

「すまん、だが私とて来週は剣道の試合だ、特に2年の剣道部の主将の八神シグナムは強敵だ」

 

この2人は隣町の名門進学校「市立藍越学園」の生徒で、空手部の「薄野弥生」と剣道部の「ヴィクトリア・スミス」だ。クラスのジャンケンで負けて買出しに来ていた二人は、うっすらと暗くなりかけた道を歩いていると

 

「? ここはどこでしょう?」

 

きょろきょろと辺りを見回している小柄な少女を見つける

 

「どうする?」

 

「どうするって……」

 

見たところ中学生だろうか、おろおろと辺りを見ている点から恐らく迷子

 

「大通りまで案内してやろうと思う」

 

「俺も同意見だ」

 

ここで見捨てるのも気が引ける電車の時間までまだある。私はそんな事を考えながら

 

「迷子か?」

 

と声を掛けた、振り返った少女の目に私は釘付けになった、透き通るような青い目と美しく輝く銀髪の美少女と呼ぶに相応しい少女は

 

「はい……途中で道を間違えて」

 

恥かしそうに言う少女に

 

「大通りに案内すれば帰れるか?」

 

「あ、はい。そこまで出れればなんとか」

 

大通りになら私達が来た方向だ、それに駅のほうに向かう途中だし丁度いい

 

「こっちだ」

 

「おいおい、もっと優しく言ってやれよ。中学生だろ? ッいて!」

 

弥生がそう言うと少女が持っていた手提げ鞄で弥生を叩いて怒った様子で

 

「私は高校生です!」

 

すまない。私は君を中学生だと思っていたよ。心の中でそう謝り

 

「連れがしつれないな事を言って申し訳ない」

 

「……ぷく」

 

頬を膨らませて怒っている少女に頭を下げると

 

「いいです、自分が背が低いの判ってますから、それじゃあ、あの大通りまでお願いできますか?」

 

上目目線の少女に赤面しながら頷き、大通りまで案内すると

 

「ありがとうございます、ここまで来れば帰れます」

 

にこにこと笑う少女はくるりと背を向けて家の方向にへと歩き出したところで振り返り

 

「おふたりとも、とっても良い人ですね♪」

 

そう笑って駆け出して行った、私と弥生はそのまま暫くその場で停止し、先に再起動したのは弥生だった

 

「うっわ、恥かしい。超顔赤い絶対」

 

赤面しながら頭を掻く弥生を見ながら私は

 

「可憐だ……」

 

初めて会うタイプの美少女に私は心を奪われていた、だが名前も聞かなかったしもう会うことは無いと思うと残念だと思ったが……割と近い内に再会する事を私は知らなかった

 

第15話に続く

 

 




なんでもありの話が前提なんで、ISの奴も出しちゃおうと言う答えに出ました。だって……日常オンリーで学園と言うのは今までやった事が無く。
本当に判らないんですよ、どんな感じにすれば良いのか、とりあえずキャラが増えれば引き出しも増えると思うのでISのキャラにも手を出して見ました。いいかどうかは判りませんけどね、それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします
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