それでは今回もどうか宜しくお願いします
PS 今回は海鳴チャンネルはお休みです
第18話
今日は体育祭の練習の日で、全クラスとの合同練習で午前中ずっと体育なのだ……
(なんか、一部の人の気合の入り方が違う!?)
1組の一部の男子と女子の気合の入り方が違う。一体何故!? 特に1組男子の中の
「うし。憂さ晴らしになるか」
「頑張れよ、苦労人」
「俺の渾名を苦労人にするな!!!」
女子にも見える顔つきの金髪の男子と青い髪の男子が妙に気合が入っているように見える。それに
「ふん。俺は興味など無いがな」
紅い髪の男子も興味ないと言う素振りを見せながらもその目は爛々と輝いている。たかが練習でどうしてここまで気合が入っているのだろう?
疑問を覚えていた私だったが直ぐにその疑問は解決した。日傘を持って制服姿のままグランドに設置されたベンチに座る女子。転入初日にあった龍花だ
日陰に座った龍花はにこにこと笑いながら
「がんばってくださいねー!」
と応援を始めた。それと同時に1組の士気が倍と化した
「ちっ! そう来たか。リューカの応援とはやってくれるわねオーカ」
「いいなあ」
「セーカ! 羨ましそうに見ない!」
イリヤが星花をそう怒鳴った瞬間
「イリヤちゃんも星花ちゃんもがんばってねー!」
名指しで頑張ってと言われた2人は
「見てなさいよ! リューカ」
「ええ、凄いところを見せてあげますから!」
にこにこと手を振り返す龍花。そして1組に負けないくらい闘志を燃やすイリヤと星花を見て
(この学校、大丈夫なのかな……)
それが物凄く気になった……そして練習が始まった
「このオオオッ!!!」
「とっとと諦めろオオオッ!!!」
200M走で後続2人なんて完全に眼中無しと言いたげに接戦を繰り広げるイリヤと王花
「2人とも頑張れー!」
にこにこと応援する龍花。特に声援が片方だけに来たとき、声援が無いほうが極端に減速するのが面白かった
「は。早やッ!?」
「モードレッドってこんなに早かったか!?」
「ガンバレーモードレッドさん!」
100M走をぶっちぎり1位でゴールする、モードレッドと言う男子に
「興味なんか無いし。龍花の声援なんてどうでもいい」
「素直になれってセッテ。本当は嬉しいくせに」
「黙れ、スバル」
そんな話をしながら軽やかにハードルを跳ぶ1組男子のペアに2組の男子は全く追いつけない
「2人とも凄いですー!」
拍手をしながら応援する龍花。1組のパワーアップの原因は彼女だと理解した。そしてそれを理解した私は
(やっぱこの学校大丈夫なのかな?)
転入したばかりだが凄く先行きが不安になった……そして私の番の100M走で
「エリスさん頑張ってくださいね!」
タイムが少しだけ縮んだが……龍花の応援は関係ないと思いたいです……
「ん? 龍花じゃないか? どうしたんだ」
「こんにちわ、直哉さん」
購買の所で龍花に会いそう尋ねる。確か今日1年は体育祭の練習で午前中ずっと体育の筈だったが、どうしてここに居るのだろうか
「私は運動はお医者さんから止められてますから、応援していたんですけど……」
「けど?」
「先生が不公平になるから図書室で自主勉強してなさいって」
何が不公平になるのか? それが気になった
「どう不公平になるんだ?」
「えーとですね、仲良しの子を応援したら急に足が速くなったりするんですよ! 見てて凄いなって思いました」
きっとそれが原因だ。でも下手なことは言わないで置こう
「なので図書室に行く前に暑かったので水分補給をと思ったんですが」
「が?」
「財布を家に忘れてしまったみたいなんです……」
ショボーンとしてる龍花。その姿は子犬の様に愛らしい
「じゃあ、奢ってやるよ」
「ええ、悪いですよ」
「良いって、元は龍花だから」
「?」
首を傾げる龍花。前の休みに猫と遊んでいる龍花の写メを撮った。それを冗談のつもりでギルガメッシュに幾らで買う? と聞いたら「言い値で買おう」と言ったので冗談のつもりで3万と言ったらすぐに3万を手渡された。どんだけ好きなんだよ……と呆れたが。そのおかげで俺の財布の中身は非常に暖かい
「スポーツドリンクで良いか?」
「じゃ、じゃあ……紅茶が良いです」
「あいよ」
紅茶のペットボトルを買って龍花に手渡した所で
「どこに行く気だ?」
「え? 図書室ですけど?」
明後日の方向を指差す龍花に
「図書室はこっちだ」
「え?」
本気で驚いた表情をする龍花に
「図書室の前まで案内してやるよ、どうせ3階だしな」
「ありがとうございます! 直哉さんは良い人ですね♪」
頼むからそんなキラキラとした純粋な目で俺を見ないでくれ……俺は罪悪感に苛まれながら龍花を図書室まで案内し教室に戻った
「理科と数学かな」
理科は星花ちゃんが苦手だし。数学は雷花ちゃんが苦手。今度皆で勉強会をする時に備えておこうと思い、持って来た問題集を解いていると
「ん? なんだ龍花じゃないか」
「あ、シロ君。こんにちわ、どうしたんですか?」
丁度時間は2時間目の休憩時間だ、どうしてここに居るんだろうと思い尋ねると
「なんか、図書室のPCの調子が悪いそうだから修理して欲しいって頼まれてな」
へーPCの修理できるんだ。凄いなーと思って近くで見ていると
「な。なんだ?」
「いえ、どういう風に修理するのか気になりまして」
近くに座りそう返事を返すとシロ君はそうかと言って修理を始めた
「あー基盤がやられてるな、修理に必要な金貰わないとな」
ぶつぶつ言いながら修理しているシロ君の顔は生き生きしています。昔からこういうのが好きだったっけ
「うし……とりあえずは壊れてる部分が判ったし、先生に報告しとくか……」
「あれ? もう終わりなんですか?」
「ああ、部品も足りないし、休憩時間も終わりだからな。ここまでだ」
へーと言いながら立ち上がろうとして
「あれ?」
目が回る……貧血だ。下向いてて急に上を向いたからだ、バランスを崩し倒れかけると
「っとと! 大丈夫か?」
「あ、ありがとうございます。シロ君」
シロ君に抱きとめられた瞬間、図書室の扉が開き
「士郎、今日の帰……」
「シロウ。明日……」
あ、凛さんとアルトリアさんだ。
「何をしてるのかしら? 士郎」
「シロウ……覚悟は出来ていますか?」
「いや。違うんだ……2人は誤解してる」
物凄く青褪めた顔をしてるシロ君。今私はバランスを崩してシロ君に抱きとめられているのですが……
「あの……シロ君」
「な、何だ!? 龍花」
抱きとめられているのにこんな事を言うのは何なのだが……
「胸を鷲掴みにされると……流石に恥かしいです」
「え? ああああ!? ごめん」
慌てて手を離し離れたシロ君でしたが。その先に待つのは怖い顔をしている凛さん
「極刑で良いわね?」
「はい……罪を認めます。俺は罪深い男です……自分で自分を許せません」
そう呟いて凛さんに連れて行かれるシロ君を見ているとアルトリアさんが
「まさかシロウがあんな事をするとは……大丈夫でしたか? 怖くありませんでしたか?」
「あの……誤解してると思うんですけど」
「はい?」
「私が貧血で倒れかけたのを受け止めてくれたんですよ?」
はっ? と言う顔になったアルトリアさんは
「なるほど。減罪の余地があると言うことですね。判りました凛にそう言ってきます」
そう言ってアルトリアさんは図書室を後にしたのですが。ぼそりと……
「竹刀で1万回強打から1000回に許してあげるとしましょう」
シロ君……大丈夫かな? と思った瞬間廊下から
「ぎゃあああああッ!!!」
シロ君の悲鳴とバシーンッ!!! と言う音が聞こえてきて
「シロ君。ごめんなさい」
届かないと判っていたのに私はそう呟いた
「全く。我の様な人の上に立つ者が授業なんてくだらない物にどうして出なければならんのだ」
1・2時間目こそ出たが3時間目の途中で飽きが来て、授業を抜け出しサボる為に図書室の扉を開いて我はそのまま停止した
「すーすー」
図書室の机で穏やかな寝息を立てるリューカの寝顔に思わず見惚れてしまった
「リューカが何故ここに? 授業をサボったとは考えられんな」
リューカが授業をサボるとは考えられない。恐らく授業が体育なので自主勉強をしてるうちに眠ってしまったのだろう
「全く無防備にも程がある」
ここに来たのが我だから良かった物を……そんな事を考えながらリューカの前の席に腰掛ける
「んにゅー」
「くっく。何の夢を見て居るのやら」
苦笑しながら寝ている龍花を見ていると
「ふっふふ……昔から変わらんなリューカは」
初めて我がリューカにあった時もリューカは寝ていたな。思わず昔の事を思い出す
「何をしているんですか?」
「はい?」
のほほんと返事を返したリューカ。今思えば一目惚れだったのだろう
「貴方は?」
「僕ですか? 友達にはギルって呼ばれてますよ」
「そうですか、私は龍花と言います。こんにちはギー君」
あの時は行き成り渾名で驚いたが悪い気はしなかった。それから時折我はこの公園でリューカとあって話をした
「また空を見てるんですか?」
「はい、そうですよ。良い天気で気持ちいいですしね」
「どうしてまた。特に面白い物では無いでしょう?」
「私……明後日には入院しないといけないんです。だからそれまで好きなものを見てたいなって思ったんです」
「入院? どこか悪いんですか?」
「心臓が悪いんです。 直ぐに息切れして苦しくなるんです」
「そうなんですか」
あの時は悪い事を聞いたと後悔した物だ。
「じゃあ。そろそろ帰らないとおにーちゃんが心配するので。ではまた」
「はい、また今度」
これが我が最初にあったときの話。そしてそれから半年後我とエルキドゥで公園に来たら
「こんにちわ。ギー君、お隣の子は誰ですか?」
にこにこと笑うリューカと再会し、そして我とエルキドゥはリューカと友達になった、偶にしか会えないこの友人に会えるのは凄く嬉しくそして楽しかった
「今度は何時会えるか判らないので。挨拶をと」
「どういうことなんだい?」
「今度は長く入院して治療をするそうです……もしかすると……もう会えないかも……」
「馬鹿な事を言っちゃいけません、絶対にまた会えると約束してください。リューカ」
「そうだよ、リューカ、また会えるさ。リューカみたいな子が不幸になるわけがないんだからさ」
そして再会の約束をし別れまたこうして再会出来た。それは神など信じない我には1つの奇跡の様に思えた物だ
「んーにゅ……や……1人……はやだぁ……怖い……よお……」
やだ、怖いと泣くリューカの手を握り
「大丈夫だ。1人では無いぞ、リューカ」
リューカの魔性とも思える魅力はきっと孤独を恐れる心が無意識に作り上げた物だ。リューカほど孤独を恐れる奴を我は知らないし、リューカの悩み知らない……でもこうして傍に居ることは出来る。無論我だけではなくエルキドゥも居る。決してリューカは1人ではない
「ん……んん」
「安心して眠るが良い。我が傍にいてやろう」
寝ているリューカにそう声を掛けると、寝ているのにもかかわらずリューカは安心した顔で
「ギー君……ありがとう」
「ふっふ。感謝せよ、リューカ。王たる我の加護などそうは無いぞ」
「ふにゅ……?」
知らない内に眠っていたようだ……目を開くと
「ん? 起きたか。リューカ」
「ギー君」
「うむ」
片手で本を開いているギー君。右手はと言うと私がしっかり握り締めていた
「あ。ごめんなさい」
「なに、構わん……随分と魘されていたが、何か怖い夢で見たのか?」
そう尋ねられたが……
「判んないです」
「確かにそうだな寝ているときのことなど覚えている物ではないな」
そう苦笑したギー君は
「そろそろ昼食の時間だ、教室に戻るがいい」
時計を見るとそこそろ4時間目が終る頃だ、それなら
「今日はエンちゃんとお昼の約束をしてるんですけど。良かったらギー君も一緒にどうですか?」
「うむ、そう言うことなら我も付き合おうぞ」
ギー君とエンちゃんと一緒と言うのは珍しいので嬉しいな。私はそんな事を考えながら教室にと戻り、お弁当を持って中庭に向かいギー君とエンちゃんと一緒にお昼ごはんを食べた……
その日の帰り校門を出たところで
「こんにちわ。リューカ」
「あれ? アルトリアさん? 部活は?」
「はい、明日試合なので今日は部活は休みです、途中まで一緒に帰りませんか?」
今日はおにーちゃんも王花ちゃんとも都合が合わず1人で帰る予定だったのでこの誘いは嬉しい
「はい! 是非お願いします」
「ええ」
2人でゆっくりと歩きながら
「リューカ。明日の7時ごろにモードレッドを迎えに寄越すので彼と一緒に来てくださいね」
「はい! 応援に行きますね」
「ええ、見ていてください。私もシグナムも絶対に勝ちますよ」
そう笑うアルトリアさんにふと気になった事を尋ねる
「そう言えばどこの学校と試合をするんですか?」
「隣街の藍越学園と言う学校です」
隣街か……そう言えばあんまり行った事無いな
「じゃあ、試合会場は……」
「試合会場も隣街です。ですので迷子にならないようにモードレッドと一緒に来てくださいね」
「はい! それじゃあ明日」
「ええ。また明日」
家の前でアルトリアさんと別れ。私は明日のシグ兄のお弁当の準備をしながら
「あ、そうだ♪ アルトリアさんとモードレッドさんの分も用意してあげよう」
招待してくれたんだからそれくらいしないと、私はそんな事を考えながら明日のお弁当の準備を始めた
第19話に続く
次回は剣道の試合になります。上手く表現できるかは不安ですが頑張ってやろうと思います。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします