海鳴のお姫様!!   作:混沌の魔法使い

32 / 104
どうも混沌の魔法使いです。今回は久しぶりに日常編の話をしようと思います。龍花を除いた体育大会の後の話で、次回は龍花サイドの話で行こうと思います。今回もどうか宜しくお願いします

後今回は海鳴チャンネルも投稿していますのでそちらもよろしくお願いします


第28話

 

第28話

 

苦労人の憂鬱

 

「あー昨日の体育大会はきつかったな」

 

深く溜め息を吐きながら呟く。競技事態は対して大変だとは思わなかったが、午後の1番最初の競技「借り物(?) 競争」は精神的にきつかった

 

「あの後酷かったもんな」

 

片付けの際に3回ほど生命の危機を感じた。突然こちら目掛けて倒れてくる入場アーチや業と落とされたであろう机。とリアルで生命の危機を感じた、それをやったのは過保護なリューカの従姉妹。王花が原因だと判っているが、あいつと喧嘩すると色々と終わりかねないので逆襲は諦めたが

 

(何で俺が悪いわけじゃないのになんであんな目に……)

 

やるせない怒りを感じながら、ふと思い出したのは

 

「そういや、あの後どうなったんだろうな?」

 

見た目は温厚そうな少女なのだが、その実腹黒且つ思考回路が相当危険で一部男子と女子の間では有名な生徒「遠坂桜」は自分が借り者競争に参加しなかったことを後悔し、うじうじとしていたのだが……自身の姉がお姫様抱っこされてるときを見て奴は弾けた……

 

普段結んでいる髪を解き。前髪で自身の目を隠しエンドレスでふふふふと笑い出し、借り物競争終了後すぐにシロウ先輩に近付き、あろう事かスタンガンを突きたてようとしたのだ。それは辛うじてシロウ先輩が防いだが……それが余計にサクラの怒りに油を注ぎ込み。もう空気が歪んで見えるくらいの禍々しい笑みを浮かべシロウ先輩を追いかけ始めたのだ。その後学校の外から

 

「なんでさああああああッ!?!?」

 

「うふふふふふふふ……先輩ッ♪」

 

シロウ先輩の悲鳴と、一体どうすればあんな音が聞こえてくるのか判らないが。何かを無理矢理引きちぎるような音が絶え間なく響いていた。一体何が起きているのか全員が気になった物の、下手をすれば自分たちも死にかねないと判断し。シロウ先輩とサクラを追いかけたのは、姉貴と紅い悪魔と銀の小悪魔+αだけだった。一体何が起こってたんだろうなと考えながら自室を後にすると、リビングから

 

「そう。そうなんです、モードレッドが……ええ、ええ。そうですとも……」

 

なんだ? 強烈な嫌な予感がする。あのお惚け騎士が何かをやっているような気がする。ゆっくりと近付くとリビングからガウェインの声がする。しゃがみ込みやつの声を聞く。聞く限り母さんか、父さんに連絡しているようだけど

 

「ええ。こちらの学校でモードレッドは自分の伴侶を見つけたようで、ええ。なんとお姫様抱っこで」

 

「てめーッ!! 何報告してるッ!? 電話の相手は誰だ!?」

 

不味い。この報告は不味い! 慌ててリビングに飛び込むが

 

「ええ。そうです、しかし奥手ゆえに……はっ、モードレッドが来たので切りますね」

 

「待てこら! 電話を切るな!」

 

電話を強奪しようとするが、ガウェインは電話を切りにこやかに笑い

 

「ちゃんと全て報告しておきましたよ。モードレッド」

 

「何をだ!? 貴様何を報告した!?」

 

襟を掴んで左右に揺すりながら尋ねると

 

「同年代の少々幼い雰囲気の少女に惹かれている事とお姫様抱っこで走った事を」

 

「父さんと母さんは?」

 

ガウェインの話は話半分で聞くと言うのが、ある程度決まりとなっている。だから2人の反応を尋ねるとガウェインはにこりと笑いながら

 

「写真を添付したら、喜んでおられましたよ。息子にも春が来たと」

 

「貴様!? 何時写真を撮った!?」

 

そもそも昨日は居なかった筈だと思い尋ねると、ガウェインは

 

「ランスロットの得意技を忘れましたか?」

 

ランスロットの得意技?……暫く考え思い出した

 

「変装?」

 

「正解です。変装したランスロットにちゃんと写真に収めていただきましたとも。見てください、この素晴らしい写真を」

 

ずらっと目の前におかれた写真を見る。ありとあらゆる角度で俺がリューカを抱っこしている写真が

 

「これ送ったのか?」

 

「はい。昨日のうちに、良かれと思いまして」

 

「なにが良かれだ! このお惚け騎士がアアアアアッ!!!!」

 

俺は始めて姉貴がコイツを逆さ吊りにするのか判ったような気がした……

 

「ランスロット……なんであいつに写真渡したんだ?」

 

「……すいません。まさか送るとは思っても見ませんでした」

 

ランスロットにも予想外だった様だ……俺は深く溜め息を吐きながら

 

「父さんと母さんが何か勘違いしそうなんだけど」

 

「……多分。色々と企みそうですね」

 

だよなーと言いながら軽く笑い。ソファーに背中に預け

 

「まぁ父さんと母さんもそこまで考えないだろう」

 

そうに違いないと思いこの事を忘れる事にしたのだが、後日

 

「……ぺ、ペアの遊園地のチケット? 手紙?」

 

ペアの遊園地のチケットと手紙が送られてきて、俺は心底頭を抱える事になる……

 

 

 

 

 

 

ブラウニー 悲劇の休日

 

昨日の体育大会で酷く疲れた、その理由はバーサーカーと化した桜との生死を賭けた追いかけっこのせいだった。なんせ

 

「ニガシマセンヨ♪」

 

いつもは走るのが遅い桜が俺と同格かそれ以上の速度で追いかけてきて。コンクリートでさえ打ち砕く剛拳が雨あられの様に降り注ぎ、俺は体力の限界まで走り回ることで何とか生き延びる事ができた。そんなことがあったからか、俺は珍しく目覚まし時計を掛けずに眠りに落ちたのだが。それが全ての間違いだったのだ

 

「おっはよー……お兄ちゃん……」

 

イリヤの身も凍るような冷たい声に俺は本能的までの生命の危機を感じ、即座に目覚めた。そして目の前に見える薄いピンクの布

 

(ん?……これって?)

 

一瞬寝ぼけているので何か判らなかったが、少し目を擦ると何か判った

 

「ぶふぉッ!? ククク……クロぉッ!?」

 

艶かしい褐色の太ももを認識した所で目の前の布が何か判り。慌てて身を起こす、そして気付く逆さ向きでクロエが俺のベッドで眠っている事に

 

「死ねぇッ!!」

 

「へぶっ!?」

 

宙を舞うイリヤの鋭いとび膝蹴りを顔面に喰らい。俺の意識は再度強制的に眠りに落ちた

 

 

 

~30分後~

 

 

「士郎? 朝からどうしてそんなに泣きそうな顔をしているんだい?」

 

朝食の机でそう尋ねてくるじーさんに俺が答えようとする前に、クロエが

 

「イリヤが士郎兄様に飛び膝蹴りをしたんです」

 

「ふんだっ! イリヤは悪くないもん。悪いのはお兄ちゃんだもん」

 

俺が悪いのか? いや悪くないと思うんだけど……俺がそんな事を考えているとふと気になる事があった

 

(あ、あれ? あそこにさも当然かの様につるされている制服は?)

 

それが気になった俺はじーさんに

 

「あそこに吊るしてある制服って?」

 

「ああ、あれかい? もちろんクロちゃんのだよ?」

 

にこにこと笑うじーさんの言葉に思わず。俺とイリヤが絶句する……クロの制服?ってことは?

 

「え? 転入するのか?」

 

俺がそう尋ねるとクロはあれ? と言いながら

 

「メールしなかった? ちゃんとメールで伝えたと思うんだけど?」

 

首を傾げるクロを見ながら携帯を開き。クロから届いていたメールを見ると

 

(書いてある……後でいいやと思ってみなかった結果がこれか!?)

 

ちゃんとメールを確認しておくべきだったと後悔しながら。朝食を食べ終え、自分の部屋に戻り

 

「あー今日はどうするかな」

 

特に予定もないし、何をやろうかと考え込んでいると、廊下からズダダッ!! と走る音が2つ聞こえてくると思った瞬間

 

「お兄ちゃん!」

 

「士郎兄様!」

 

「「買い物に行きましょう(こう)!!」」

 

勢い良く開かれた襖に軽い頭痛を覚えながらも、

 

「買い物か……まぁ良いか。付き合うよ」

 

立ち上がりながらいうとクロとイリヤは

 

「「どっちと行くの?」」

 

「? 3人で行けばいいだろう?」

 

なんでどっちと言う質問が出るのか判らずそういうと2人は一瞬悩んだ素振りを見せたが、頷き俺とイリヤとクロエは3人で買い物に出かけたのだが……

 

「士郎?」

 

「先輩?」

 

「シロウ?」

 

紅い悪魔・黒い後輩・暴君に遭遇し、俺は昨日に引き続き死を覚悟することになるのだが、それはまた別の話にするとしよう

 

 

 

 

久しぶりの親子の再会

 

 

海鳴の外れの教会の扉を開くと

 

「久しぶりだな。カレン」

 

「ええ、とても久しぶりですね。外道」

 

近くの椅子に腰掛けながらそう言うと

 

「ああ、そうだな。ドSでドMの我が娘とは思えない変態よ」

 

「その言葉そっくりそのまま返します。人格破綻者」

 

互いにクックと笑い合う。良く勘違いされるが私と父は別に仲が悪いわけではない、ただ何年もこのやり取りをしているのでしないと調子が出ないだけだ

 

「ケーキを買ってきてある。紅茶を入れてティータイムとしよう。カレン」

 

「それはいいですね。私はお土産にマーボーを買って来ましたよ。勿論泰山の物を」

 

素晴らしいと笑う父の後を着いていく

 

「ちゃんと綺麗にしているんですね。以外です」

 

「これでも神父だぞ?」

 

やれやれと肩を竦める父に

 

「人が嫌がることが大好きなくせに?」

 

「その言葉そっくりそのままお返ししよう。所であれは元気か?」

 

あれ。母のことですか、私は溜息を吐きながら

 

「気になるのなら連絡を取ればいいでしょう?」

 

「それをしてしまうと帰りたくなってしまう」

 

「帰ればいいでしょう?」

 

「それは駄目だ。私は神の徒として成せねばならぬことが在る」

 

強い口調の父に私は

 

「そうそう、母が今度日本に来ると「ガタッ!! がはっ!?」 クスクス」

 

母が来ると聞いた瞬間転んで机の角で頭を打ちのたうちまわる父を見ながら。紅茶の用意をする

 

「なぜそういう事をもっと先に言わない?」

 

「言ったら面白くないですから」

 

「その性格誰に似たんだ?」

 

「100% 貴方です。パパ 「ゴトッ!? ぐあっ!? 聖書が小指に!?」クスクス」

 

父はパパやお父様と呼ばれなれていない。なので呼ぶと動揺し自爆する。それを見るのが偶に合うときの私の愉しみなのだ。

 

「まぁ紅茶でも飲んで落ち着いてください」

 

紅茶のカップにマーボーをぶち込み父の前のおく。

 

「ああ、頂こう」

 

そしてカップに入ったマーボーに突っ込みを入れることなく飲もうとした父はふと思い出したように

 

「借り者競争に龍花を使ったのだろう? どうだった?」

 

「実に素晴らしかったです、あの葛藤と動揺。見ていて頬が緩むのを感じました」

 

体育大会の課題を決めろと言われ、父に相談した結果。八神龍花という少女を使えば面白い光景が見れると聞いたのだが、まさしくその通りだった。

 

「ふっふふ……龍花が関わる所に愉悦ありだ」

 

くっくと笑い泰山マーボーたっぷりの紅茶を飲み始める、父を見ながら腕時計を見る

 

(そろそろですね)

 

時間が来た、そしてこれから起きるであろう光景を想像し心の中で笑っていると

 

「綺礼さーん♪ カレンちゃーん♪ どこー?」

 

教会の入り口から聞こえてきた母の声に

 

「げふっ!? げほっ!? げほっ!?」

 

激しく咳き込む父を見ながら

 

「流石はお母様、時間ピッタリですね」

 

「来るとは今日のことだったのか?」

 

「そうですが? なにか?」

 

連絡自体は1ヵ月も前にありましたよ? と笑うと父は

 

「さすが我が娘。相手の動揺することを心得ている」

 

「それほどでも」

 

外見はお母様から、性格は100%父の物を継いでいると自分でも確信している。私は砂糖ビンの中身を半分入れた紅茶をかき回していると

 

「ああ、こんな所に綺礼さん。お久しぶりです」

 

「あ、ああ……そうだな。クラウディア」

 

若干動揺している素振りを見せる父を見ながら、昔お母様が言っていた事を思い出す

 

『良いカレン? 貴女のお父さんはとっても不器用な人なの、でもとっても優しいのよ』

 

不器用……そうだろう。愛すべき家族との接し方さえ判らないのだから

 

優しい……そうだろう。自分では家族を愛せないと決め付け、私とお母様から逃げて日本に来たのだから

 

(でも貴方が思うほど、貴方はそう悪い人では無いと思いますよ、お父様)

 

お母様をまるで壊れ物を扱うかのように丁寧に扱う父を見ながら。これから少しの間本調子ではない父を見る事になると思うと

 

「クスクス」

 

笑いが止まらなかったのだが、これは愉悦からなのか、それとも家族が揃ったことによる笑みなのか、私にはわからなかった

 

 

 

第29話に続く

 

 




基本お姫様は何でもありなので、言峰夫妻も登場させてみました。色々とイベントの幅が広がりそうな予感がします
次回は龍花再度の話にしようと思っています。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。