面白かどうかは不安ですが、どうか今回の更新もどうかよろしくお願いします
第31話
八神邸は異様な雰囲気に包まれていた、その理由は
「死にたい、いっそ殺してください……」
「何で俺までこんな目に……」
「同姓とはいえ無理やり服を脱がされるなんて……」
ウツオーラ全開のモードレッド・ヴィータ・エルキドゥが原因だった。そんな彼らに更なる追撃が
「えと、えと……モードレッドさんもヴィータ兄も、女装が良く似合っていると思います!」
「「殺してくれええええ!!!」」
龍花に似合っていると言われた2人が大粒の涙を流して絶叫する。その有様を見て
「ふっふっふ……中々言うではないか、リューカ」
この惨劇を起こした人物が愉しそうに笑いながら、標的になりませんようにと身を小さくしていた面々を見つめる
「あの……アルトリアさんですよね?」
「そうに決まっておろう? ああ、リューカ。お前はやはり愛いやつだ」
「はぁ……言ってる意味が良くわかりませんけど?」
龍花はセイバーの近くの椅子に座らせれ、何度も何度もセイバーに頭を撫でられていた。
「では次はシロウとリン。リンが男装、シロウが女装だ」
「なんでさ!?」
「嫌に決まって……「黙れ」ドスッ!!!……はい」
セイバーに逆らおうとした凛の頬を掠めナイフが壁に突き立つ。涙目の凜を見ながら標的から逃れる事が出来た面々は
(ど、どうすれば元に戻るんだ!?)
(し、知らん!? そもそもセイバーがあんな風になるなんて誰も思っても見ないだろう!)
ひそひそ話で対処法を考えている面々に
「そこ! 黙れ」
「「はい!!」」
八神邸を恐怖のどん底に落としたセイバー。その瞳は濁った金色に染まりチャームポイントのあほ毛も姿を消していた。
全ては1時間前に遡る事になる……
最後の振り替え休日、家で龍花とゲームをしているとチャイムが鳴る。すぐに立とうとする龍花に
「いや、私が行こう」
もしかすると金ぴかかもしれないと思い、警戒しながら玄関を開けると
「よっ!」
「士郎? それに遠坂にセイバー? どうしたんだ?」
「聞いてないのか? 龍花にせっかくだから一緒に遊びませんか? ってメールが来たから来たんだけど」
なるほどよく遊ぶ友人を呼んだわけか……私がそんな事を考えていると
「ほい、お土産。アーチャーがプリン作ったから持ってけって」
「あ、ありがとう」
渡されたプリンを受け取っていると
「モードレッド! 何をしてるのです、早く来なさい」
「む、無理……ちょ、超重い」
酷く苦しそうな声がして外を覗き込むと
(うわ!? あれは酷い)
2Lのジュースのケースを6個、両手にはパンパンに膨れたお菓子の袋を持ったモードレッドが涙目で歩いていた……
「セイバー、弟に厳しすぎない?」
「愚弟にはあれくらいでちょうど良いです」
相変わらずの暴君発言に内心怖いものを感じながら。
「まぁとりあえず上がってくれ」
士郎達3人を迎え入れ、そのまま玄関の外に出て
「ほれ、手のやつ位持ってやる」
「あ、ありがとうございます」
モードレッドから荷物を受け取っていると、派手なエンジン音と共に家の前に止まったバイクから
「ふはははは!! 休日にリューカから誘いが来るとは何と良き日か!」
「近所迷惑だよ。ギル」
金ぴかとエルキドゥが降りてくる、
「や、はやて」
「早く入れ」
エルキドゥを家の中に入れ、扉を閉めようとすると
「貴様……我がいるのが見えんのか?」
「見えてるさ、帰れ。お前は龍花に悪影響を及ぼす」
入ろうとする金ぴかとそうはさせまいとする私が、玄関先で攻防を繰り広げていると
「あ、ギー君もきてくれたんですね、どうぞどうぞ」
龍花が出てきて金ぴかを誘う、これではもう金ぴかを締め出す事が出来ない。内心舌打ちしながら金ぴかを迎え入れる
(今日はせっかく静かに過ごせると思ったのだが)
家族だけでのんびりと過ごすというのは完全になくなったが、まぁ偶にはこういうのも良いかと思った。
「凄いですね、これ」
ぶんぶんとWi○○のコントローラーを振り回しているリューカ。画面ではキャラクターが出鱈目に動いている。
操作がまるで出来ていないのだが、誰もそれを突っ込まないと言うか、突っ込みたくなかった
(((なにあの可愛い生き物!?)))
キャラが死んで不思議そうに首を傾げる、リューカの仕草が余りに可愛くて誰も詳しい操作を教えなかった……
「あ、あの! もう1回!」
「うむ。貸すが良い」
もう1回がこれでもう7回目くらい、そろそろ誰か操作方法教えてやれよと全員が思い始めた頃
「龍花、ちょっと貸しなさい」
「?」
遠坂先輩がリューカからコントローラを受け取り
「これはねこうやるの」
「あ、そうだったんですね」
ようやくやり方を理解したリューカだったが
「また死んじゃいました」
どうもリューカは超ゲームが下手だった。操作が判ってる筈なのに、ステージの半分も行かずゲームオーバー。そしてしょぼーんとする姿は子犬を連想させるほど可愛かった。
(っていかん!? ここでこんな事を考えれば)
案の定過保護な兄軍団の視線が凄く痛い、リューカが居なければ。即三途の川送りにされかねない殺気が叩きつけられている
(大人しくしてよう)
姉貴に無理やり持たされたお菓子の袋から、ポッキーを取り出そうしていると
「むーこういうのはあんまり私に向いてないみたいです、モードレッドさんどうぞ」
差し出されたコントローラーを思わずじっと見る。ここで受け取らないのは流れ的におかしいよな? 俺はリューカの手に触れないように気をつけコントローラーを受け取った
「♪♪~やっぱり私は見てるほうが良さそうです」
「私と同じですね、リューカ」
姉貴もこういうのはまるで苦手なので、観戦派に入っている。
(まぁ姉貴の傍なら大丈夫だろ)
先輩達もセイバーの近くなら大丈夫だろといった顔をしている。金ぴかと姉貴の相性は極めて悪いし、姉貴はすぐに手が出る
おいそれと近づく事出来ない最強のセコムと言える。せっかく遊びに来たのにこれはどうかと思う物の
「ぐっぬ? 訳が判らん」
「士郎へたくそね」
「全くだ」
遠坂先輩とシグナム先輩の2人にフルぼっこされている。士郎先輩が
「早く手伝ってくれ!」
「判った」
その余りに必死な表情に無理やり何かを賭けさせられてると判断した俺は、すぐに士郎先輩のフォローに入った。
だがこのときのこの決断が全ての悲劇の始まりだとは誰も気づいていなかった……
「くたばれ! はやて」
「そっちがくたばれ!! 金ぴか!!」
おにーちゃんとギー君が対戦しているのですけど……何か物騒な事をいってる気がします。でも喧嘩するほど仲が良いというので多分2人は仲良しなんだと思います
「リューカ、多分君の考えている事は違うと思うよ」
「ええ。私もそう思うわ」
凜さんとエンちゃんが呆れたように言うけど本当に違うのかな? 私がそんな事を考えていると
「やっぱ家で遊ぶってのは無理があるよな」
「うむ。これだけの人数だ、ボーリングとかに出掛けたほうがいいのかも知れんな」
確かにそれも面白いかもしれないけど……
(私ガーターしか出した事ないんだよね)
ボールがピンに当たればいいほう……やっぱりそれでも見てるほうになるかなーと思っていると
コクン……コクン
アルトリアさんが舟を漕いでるのが見える
(あ……髪の毛が)
いっつも気になっていたアルトリアさんの前髪。今なら掴めるかも知れない……
辺りを見回す、誰も見てない……
そーっと……ゆっくりとアルトリアさんの前髪に手を伸ばして、掴んでみた。すると
ボフンッ!!!!
「ふ、ふえ!? 何で煙が出てくるの!?」
もくもくと煙が噴出してくる。するとモードレッドさんが
「あ、あああ!? リューカ! お前もしかして姉貴のアホ毛掴んだのか!?」
ものすごく慌てた様子で尋ねてくるモードレッドさんに頷くと
「あああ。帰る! 俺帰るゥゥゥゥゥ!!!!」
慌てて帰り支度をするモードレッドさんにエンちゃんが
「何をそんなに慌ててるんだい? この煙が何かは判らないが有毒なのかな?」
「違う! 色々と危険な事になるんだよ! 姉貴のアホ毛を掴むと! 俺は巻き込まれる前に帰る!!!」
そう叫んで走り出したモードレッドさんだったのですが
ヒュッ!!!
「ぐはああ!?」
突然投げられた竹刀がモードレッドさんの頭を捕らえて、モードレッドさんがひっくり返ると同時に
「どこへ行く? モードレッド」
煙の中から前髪がなく瞳の色が金色のアルトリアさんが姿を見せます。 あれ? 何で目の色が変わってるんだろう?
「ま、待ってくれ姉貴! ここは家じゃないのは判るよな!?」
「ああ、判っている。何の問題も無い」
喋り方も違うけどどうしたんだろ? 皆で不思議そうにアルトリアさんを見ていると
「私は1度男の娘が見たかった」
!?!? え? どういうこと?
「という訳でモードレッド、着替えなさい」
「い、嫌だ!!! 俺は姉貴のおもちゃじゃねぇ!!!」
「弟は姉のものであり、遊び道具だ。それが世界の真理!!!」
え、ええ!? アルトリアさんは何を言ってるの!?
「く、来るなあ!」
「抵抗は無駄だ! 諦めろ!!」
アルトリアさんがどこかから取り出した女物の服を手にモードレッドさんに飛び掛る
「い、いやああああああ!!!!」
モードレッドさんの悲鳴と同時に、モードレッドさんの着ていたTシャツが宙に舞うのを確認したところで私の目は
「見るな! 龍花!」
「そして聞くな!」
おにーちゃんとシグ兄によって私の視界と聴覚は完全に塞がれた……
それから数分後、視界が再び開けた時そこには
「うむ、これで完璧だな」
「しくしく……」
良い仕事をしたと言いたげな表情のアルトリアさんと、体育座りで涙を流している女装姿のモードレッドさんがそこにはいました
「えーとセイバー?」
シロ君がそう話しかけるとアルトリアさんは、軽くシロ君を睨んでから
「黙れ、全員正座」
不機嫌かつ凶悪な声色でそう告げた。普段アルトリアさんはこんな高圧的なことを言わないので皆が首を傾げる
「はい? セイバー? 何を言っているんだ?」
シロ君が首を傾げながらそう尋ねた瞬間
バシーンッ!!!
「痛たぁ!!!」
強烈な音と同時にシロ君の頭に竹刀が振り下ろされました。い、いつものアルトリアさんじゃない!?
「もう一度言う。全員正座!!!」
その言葉は上段とは思えなかった。物凄く怖い顔でそう言うアルトリアさんに、内心怯えながら
「「「っはい!!!」」」
逆らえばシロ君と同じ目にあうと思って私が正座しようとすると
「待てリューカ、お前はこっちだ」
自分の隣をぽんぽんと叩くアルトリアさんに呼ばれ、その隣に腰掛けると
「では次は誰に女装してもらおうか?」
にやにやと笑うアルトリアさんが物凄く怖かったです……きっとこれは私が前髪を掴んでしまったせいなんだと思うと、私はなんて事をしてしまったのだろう……
(ごめんなさい、モードレッドさん)
謝ってすむ問題ではないが、私は謝らずにはいられなかった……
第32話に続く
暴君セイバー参上ですね、何かの4コマで見たアホ毛掴んで黒セイバーがやりたかっただけです。
多分というか絶対性格は違うと思いますので、何かのネタ程度の認識でお願いします
それでは次回は更なる大暴れが待っていますので、どうぞお楽しみに