海鳴のお姫様!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回からはまた学園編ですが、ちょっと趣向と言うか、ありえないだろ? と言う感じの話にしようと思っています。まず普通の学校ではありえない現象ですね。まぁそこは二次創作と言うことでご理解ください

それでは今回もどうかよろしくお願いします



第33話

 

第33話

 

その日、私立聖祥大附属高等学校に戦慄が走った……

 

「「龍花が居ないだとっ!?」」

 

「「リューカがどこにも居ない!?」」

 

各学年で悲鳴にも似た叫びがあがる。そう本来居るはずの龍花の姿がどこにも無いのだ……

 

「龍花をちゃんと見てなかったのか!? はやて」

 

ギルガメッシュにそう怒鳴られたはやては頭を抱えながら

 

「ぐううう……今日は生徒会会議で早く出たから、龍花と一緒じゃなかったんだ!」

 

普段なら必ず誰かが龍花を迎えに行くのだが、今日は全員が用事があり、龍花は1人で登校した。

 

「考えられるのは迷子か!?」

 

「くう、方向音痴とは知っていたが、まさか学校まで辿り着けないとは、誤算だった」

 

いくら方向音痴とは言え、学校には辿り着けるはずと全員が思っていたのだが、龍花の迷子スキルはその予想を完璧に裏切っていた

 

「こうなったら授業をサボって龍花を探しに行くしかない」

 

全員がその結論を出したと同時にはやての携帯が鳴る。液晶に表示された名前は「八神龍花」、慌ててはやてが携帯をスピーカーモードにしてから電話に出る

 

「もしもし! 龍花! 今どこだ!?」

 

普段の冷静さなどまるで見えない、慌てた口調のはやてに龍花は

 

『隣町の藍越学園に居ます』

 

「はい?」

 

『隣町の藍越学園に居るよ?』

 

のほほんと言う龍花だったが。この会話を聞いていた全員の目が点になる、何をどう間違えたら隣町に辿り着けるのか? と全員が疑問に思っている中、龍花は

 

『お婆さんが腰が痛いって言うから、一緒にバスに乗ったんだ。ふと気がついたら藍越学園の前に居て、門の前に居た先生に事情を説明したら。今日こちらで授業を受けていいという話になりまして』

 

「えーと、龍花、話の流れが読めないんだが?」

 

事情を説明したら、藍越学園で授業を受けて良い? そんな話がある分けない。詳しく聞くとどうやら

 

「つまり佐々木先生が迷子で龍花が来るかもしれないと、近隣の学校に話を通していたと?」

 

『そうみたいなんです。今度佐々木先生にお礼を言わないといけないですね』

 

電話越しだから表情は判らないが、きっとニコニコと笑っているだろうと全員が思った

 

『と、言う訳なので。おにーちゃん、申し訳ないんですけども夕方に隣町まで迎えに来てくれますか? 今日はこちらで授業を受けるので。それでは授業が始まるそうなので切りますね』

 

「え、え? ま、待て龍……き、切れた」

 

はやてが切れた電話を片手に魂まで抜け落ちた表情で溜息を吐く。いやはやてだけではない、全員が全員心配そうな顔をしている。

 

とは言え、今のはやて達に出来るすべなど何も無く。今はやて達に出来る事は

 

「「「どうか龍花がいつもの無自覚スキルを発動しませんように!!!」」」

 

龍花の魔性とも言える、魅了スキルが発動しない事を祈るだけだった……だがその祈りが通じるわけも無く、龍花の魅了スキルは藍越学園でも遺憾なく発揮される事となる

 

ここでなぜ龍花が藍越学園に辿り着いてしまったのか? 全ては1時間前に遡る……普段と同じ通学路を歩いた龍花だったのだが、

 

「あいたたた」

 

「どうしたんですか?」

 

バス停の近くで腰を痛めた老婆に会った、龍花は心配になりそう尋ねた。すると老婆は

 

「ちょっと腰をひねっちゃってね……悪いんだけどバス停まで手を引いてくれるかい?」

 

普通なら老婆をバス停まで連れて行けば良いのだが、龍花は

 

「そんな腰が痛いんですよね? それなら家の前まで着いていきます」

 

気が優しい龍花はバスに乗せたら終わりと言う考え方が出来ず、一緒に行くと言い

 

「でもお嬢ちゃん、学校は?」

 

「大丈夫ですから、それでどのバスに乗るんですか?」

 

そして老婆と共に隣町までバスに乗って移動し、老婆を家の前まで案内し、バス停に戻ろうとしたのだが

 

「あ、あれ? バス停ってどっちだっけ?」

 

初めて来た街だったのでバス停に戻れず、うろうろと歩いているうちに

 

「む? 君は中華屋の」

 

「あ、おはようございます、えーとすいません。バス停はどちらですか?」

 

藍越学園の前に辿り着き、門の所で生徒の服装チェックをしていた千冬に遭遇したのだった。そして名前を聞いた千冬は、佐々木から聞いていた特徴から龍花の事を思い出し、緊急事態として佐々木に連絡を取ったのだが

 

「迎えに行けんのでそちらで面倒を見てやってくれ」

 

「は? おい、お前のところの生徒だぞ、迎えに来い」

 

「申し訳ないんだがな、一部の生徒が暴徒と化していてね。それを止めるのに手一杯だ、申し訳ないが八神をよろしく頼む」

 

佐々木は佐々木で半分暴徒化した生徒の鎮圧(ギルガメッシュ。過保護な兄(2年組み)過保護な従姉妹(×3)で大忙しで迎えに行く暇がなかった

 

「あーお前の担任に連絡を取ったのだが、どうも迎えにこれないそうだ。それでこちらで授業を受けさせてくれと言われたが、どうする?」

 

「ご迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いします」

 

そして龍花は迷子スキルのせいで1日藍越学園生となる事になったのだった……

 

 

 

 

 

「でよー、なんか浅黒い男が俺とクリスの事をナンパ野郎と勘違いして絡んできやがったんだ」

 

「そいつは大変だったな。弥生」

 

俺は弥生の愚痴を聞いていた、何でも前に助けたすっごい可愛い子に偶然会ったので、話をして居たらナンパと勘違いされたらしい。それはなんとも間の悪い話だ

 

「で? クリスのやつは?」

 

「あー何かな、名前を聞けてラッキーだとか言って浮かれてた」

 

ヴィクトリア・クリス。イギリスからの留学生なのだが、性格は日本人より日本人らしいと言う変り種だ。ちなみにクラスは隣の2組。同じ剣道部と言うことでそれなりに仲がいい。

 

「弥生、あまり一夏に愚痴を言うなよ」

 

俺と弥生の話を遠くで聞いていた、ポニーテールの女子。と言うか俺の幼馴染の篠ノ之箒だ

 

「へーへー旦那とって悪うござんした」

 

「だ、誰が夫婦か!」

 

「テンプレ乙~」

 

「待て! 弥生!!」

 

「誰が待つか!」

 

箒をからかうだけからかって、弥生は1組を後にした。ここで下手に話しかけると箒の怒りが爆発するので黙っておこう

 

「いちかー!!!」

 

「がぶあ!?」

 

教室の後ろの戸が開くと同時に強烈な飛び蹴りが叩き込まれる。その余りの威力に吹っ飛ばされ教室の床に倒れこみながら

 

「あ、朝から何しやがる! 鈴!」

 

「うーん? ノリ?」

 

「ノリで飛び蹴りなんかすんじゃねぇ!」

 

2組の生徒の凰・鈴音。こちらも俺の幼馴染だ。小柄だがあの元気のよさはそれなりに好ましい。だが

 

「一夏に何をする?」

 

「黙りなよ、ブラコン♪」

 

「やるのか?」

 

「そっちがその気なら買うわよ」

 

俺の妹のマドカとは致命的に仲が悪い。2人の喧嘩に巻き込まれ死に掛けたのは1回や2回じゃ聞かない。俺は箒に助けてくれとアイコンタクトを送ったが、気まずそうに目をそらした。当然といえば当然だ、誰が好き好んで魔王の喧嘩に首を突っ込みたいとおもう者が居るだろうか? 俺ならまず目をそらすだろう。つまり箒の行動は正当ともいえる、だがこのままでは俺は喧嘩に巻き込まれて死ぬ。だが救ってくれる人間は……

 

「朝から止めようよ、ね? 鈴もマドカもさ」

 

居た!!! 鈴と同じく中国からの留学生「呂 神麗(ルゥ・シェンリー)」さん。格好良いからと言う理由で金髪に染めている事を除けば、俺の知り合いの仲では随一の常識人だ。そして鈴もマドカもシェンさんの話ならある程度聞いてくれる

 

「ちっ、命拾いしたわね、マドカ」

 

「それはこっちの台詞だ、ストーカー」

 

俺疲れてるのかな? 鈴とマドカの間に火花が散った気がするんだけど? 俺がそんな事を考えていると

 

「はい、一夏。ハンカチ」

 

「え? あ、ああありがとう。シャル」

 

藍越学園は留学生が多いのが特徴な学校だ。今俺にハンカチを差し出してくれたのも留学生の「シャルロット・デュノア」だ。

普段は人の良い生徒なのだが、いかんせん、その本質はマドカや鈴と全く同じと中々に困ったさんなのだが、嫌いになれない友人だ

 

「全く朝からお前の周りはいつも大騒ぎだな。一夏」

 

「そうですわね。何かに呪われてるんじゃありません?」

 

呆れたように笑う銀髪の小柄な女子生徒と鮮やかな金髪と少し高飛車な印象を受ける女子生徒「ラウラ・ボーデヴィッヒ」と「セシリア・オルコット」に

 

「かな……1回お払い受けようかな?」

 

「なら、うちの神社に来い。ただでお払いしてやる。その代わり神社の掃除を手伝えよ?」

 

箒がそう言ってくれるが。お払いのために神社に行くと言って千冬姉やマドカが納得してくれるだろうか? なんか絶対駄目って言われそうだな。だがそれも確かに1つの手だし……

 

「考えとく」

 

とりあえずいい考えそうなので保留しておく事にすると返事を返すと、SHRの時間を告げるチャイムが鳴る。

 

「おい、鈴2組に……もういねえ。相変わらずだな」

 

放課後の度に1組に来てチャイムが鳴ると消え去る鈴。これもいつも通りの日常だ

 

「全員席に着け。これよりSHRを始める」

 

チャイムが鳴り終わると同時に教室に入ってくる、千冬姉。厳しいが優しくもある先生として生徒には人気なのだが、いかんせんブラコンなのが難点だ。だが親の居ない俺にとっては親代わりとして、俺とマドカを育ててくれた人なので感謝もしてるし尊敬もしてる。

 

「あー、それと今日1日だけ、お前達と一緒に授業を受ける生徒が居るので紹介する」

 

1日だけ? それはまた変わった生徒だな? 俺がそんな事を考えていると千冬姉が教室の扉を開ける

 

そして一瞬。教室の時が止まったような気がした……

 

海を連想させる蒼い瞳と腰元まで伸びた、一見すれば白にも見える見事な銀髪。そしてどことなく儚げな印象を受けるその女子生徒は隣町の私立聖祥大附属高等学校の制服を身に纏っていた

 

「八神龍花です。今日1日だけお世話になります。どうかよろしくお願いします」

 

教卓の前でにこりと微笑みながら、そう言った。えーとどういうことなのだろうか? 交換留学とか? 

 

「あー。八神は迷子になってここまで迷い込んで来てな。八神の学校に連絡を取ったら1日こっちで面倒を見てくれと言う話になってだな」

 

高校生にもなって迷子。と言うか

 

(隣町まで来るってどんな方向音痴だよ……)

 

「あんまり出歩かないもので。どこも同じに見えてしまって困ります」

 

「そ、そうか……お前ここまで来るのに2回私とはぐれたもんな」

 

どうやら千冬姉が疲れているのは迷子になった八神さんを探すのに疲れたのが原因のようだ。

 

「とまぁ、そう言うわけだ。1日だけのクラスメイトだが仲良くしてやってくれ。あー八神はシェンの隣にでも座れ」

 

「シェンさん? って誰ですか?」

 

きょとんを首を傾げる八神さん。なんだろう、あの小動物オーラ、のほほんさんと良い勝負かもしれない

 

「こっち、こっち」

 

シェンさんが手を上げて八神さんを呼び寄せる、面倒見の良いシェンさんの隣ならそう問題もないだろう……

 

こうしていつもと同じ日常とは違う、一日が幕を開けた

 

「あっ」

 

ごすっ! 八神さんが何もないところで転んで、その手から離れた鞄の角が俺の額に食い込んだ。

 

訂正しよう。きっといつも以上に大騒ぎになるだろうと……

 

第34話に続く

 

 




前書きに書いたとおり突っ込みは無しでお願いします。藍越学園ではフラグと友達を作って行こうかなと思っています
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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