どうでしょうか? そこだけが不安なんですけど。多分大丈夫と思ってやろうと思います、それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
第34話
「何で金髪なんですか?」
「え?」
SHRを終え。1時間の準備をしていると八神さんが子供のような目で私の頭を指差して訪ねてきた
「えーと? この髪の事?」
染めている自分の頭を指差しながら言うと
「ルーシェンリーさんですよね? 名前からすると中国の方ですよね? だから何で金髪なのかと」
にこにこと笑いながらそう言う八神さんに
「ルーじゃなくルゥね? 髪は染めてるの、あとと私の事はシェンでいいよ」
クラスの皆も大体シェンって呼ぶしと思いながら言うと
「シェンさんですね? 私は龍花って呼んでくれると嬉しいです」
にこにこと笑いながら言う。龍花さんに
「判ったよ。龍花さん、これで良い?」
「はい」
ぱぁっと花の咲くような笑みで笑う。龍花さん、何がそんなに嬉しいのか判らないが。物凄く嬉しそうに見える
「じゃあ、1時間目は移動教室だから着いて来てね」
「はい♪」
にこにこと笑う龍花さんを連れて2階の学習室に向かっていると
「あれ? シェンさん? 八神さんは?」
織斑君に言われ振り返りながら
「どこって後ろ……っていない!?」
一緒に教室を出たし、さっきまで話していたのに私の後ろに龍花さんの姿はない
「もしかして迷子になった?」
信じられないがそれしかない。私は持っていた荷物をシャルロットさんに預け
「ごめん。私の荷物持って行ってくれる!? 私龍花さんを探してくる!!」
私は階段を駆け下り。龍花さんを探すが1階には龍花の姿はない、辺りを見回していると
「いたー!!!」
開いた窓枠にとまっている小鳥を見つめている。龍花さんを見つけて駆け寄り
「龍花さん!」
「はい? あ、シェンさん見てください、小鳥可愛いですよ」
チュン♪ チュン♪
羽を広げている小鳥は確かに愛らしいが、今はその小鳥を見ている場合ではない
「授業に遅れちゃうから! 早く!!」
「え? ああ、そうですか。すいません」
龍花さんの手を引いて走り出す。藍越学園は担任の教師がずっと授業を行う、1組の担任の織斑先生で厳しいので有名だ。遅れれば物凄く怒られるんだと走りながら説明すると龍花さんは
「ありがとうございます。シェンさんは良い人なんですね♪」
さっきの非ではないくらい、可愛らしい笑みで笑う龍花さんと一緒に学習室に向かう。ギリギリで間に合った事に安心しながら、シャルロットさんに荷物を返してもらいながら
(あれ? 私今日もしかして1日振り回される?)
織斑先生は私に面倒を見ろと言っていた。この天然ぽわぽわに加え超がつく方向音痴の龍花さんの面倒を見ると言う事は
(いつもの倍疲れる!?)
いつも暴走しマドカさんや織斑先生に喧嘩を売る、鈴を止めるのに手一杯なのに。更にそこに龍花さんが加わるという事に気付き。
普段の倍疲れるという結論を出し、深く溜息を吐くと
「シェンさん。良かったらこれをどうぞ」
龍花さんが私の手の上に落としたのは小さなチョコレート
「今日一日ご迷惑を掛けると思いますが、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げる龍花さんと手の中のチョコレートを見て
「ありがと、龍花さん」
ここまで丁寧な対応をされて、嫌だとか面倒だとかは思わなかった。今日1日はいつも以上に疲れることになるかもしれないけど、それもまぁ偶にはありかな? と思うことにした……それにこれだけニコニコ笑っている龍花さんを見ていると、いつもの苦労が癒されるような気もするしね。
1時間目の授業を終え、休憩時間に箒達と話していると
「一夏。こんどの休みあたしに付き合いなさいよ」
2組から来た鈴がいきなり爆弾を投下してくれた。今までの和やかな雰囲気は消え去り
「待て、鈴何を抜け駆けしようとしている?」
「そうですわよ。一夏さん、今度は私とお出かけしませんか?」
「……一夏? 僕だよね?」
「う、うん。一夏、私も今週末は暇なのだが……」
われ先にと俺を誘う箒達。べつに俺なんか誘わなくても仲の良い友達とかを誘えばいいのにと思っていると
「ドスッ……」
「ふぐおう!?」
絶対零度の眼差しのマドカのスクリューブローが俺の肝臓を打ち抜かれ。身体をくの字にして悶絶しながら
(やっ、やっぱ誰も助けてくれない)
1組の生徒はこれを「魔王大戦」と呼び、にやにやと笑ってるだけで助けてなどくれない。そしていつも授業が始まるまでこれが続くのだが、今日は勝手が違っていた
「こんにちわ」
にこにこと笑う八神さんが、魔王と化している面子に話しかけたのだ……すると
「あれ? あんた前に駅まで見たわよね? 違ったっけ? ラウラ」
「うむ。間違いない、剣道の試合の時にあったはずだ」
なんと魔王のオーラが見る見るうちに消えていくではないか……
「はい。あの時はどうもありがとうございました、心配してもらえて嬉しかったです」
にこにこと笑う八神さんを見ながら、この機会を逃すべきではないと思った俺は
「八神さんは鈴とラウラと知り合いなのか?」
俺がそう尋ねると八神さんはきょとんと首を傾げている。あ、そっか顔は知ってても名前は知らないと
「髪を黄色のリボンで結んでるのが鈴、銀髪に眼帯をしてるのがラウラ。髪をポニーテールにして、難しい顔をしてるのが箒。
で、ラウラの後ろで笑ってるのがシャル、でその隣がセシリア」
全員を指差しながら言うと八神さんは
「鈴さんにラウラさん、それに箒さんとシャルさん、最後にセシリアさんですね。私は八神龍花です、龍花って呼んでくれると嬉しいです」
にこにこと笑った龍花さんは、俺とマドカを指差して
「えーと、貴方たちのお名前は?」
笑いながら尋ねてくる八神、いや龍花さんにマドカが
「この凡人中の凡人にして朴念仁の愚兄の名は一夏だ、そして私がマドカだ、よろしく龍花」
俺の事をさも当然のように罵倒するマドカ、いつも通りと言えばいつもとおりだが。もうちょっと言い方はないのだろうか?
「一夏さんとマドカさんですね。1日だけですけどよろしくお願いしますね」
にこにこと笑いながら,頭を下げた龍花さんに
「む? そんなに丁寧な喋り方でなくてもいいぞ?」
「んーこれは癖なんです。お気に触りましたか?」
丁寧な言葉遣いでそう尋ねられた箒は。いや、別にと言って目を逸らした。龍花さんは悪い子ではないと一目で判るのだが正直なところ。どう扱えばいいのか判らない感じの女の子なのだ、雰囲気はぽわぽわとしているのだが、どことなく気品の様な物を感じるし……一言で言うと世間知らずなお嬢様と言う感じで。俺や箒達が何を言えば良いのか判らず困惑していると
「まー良いじゃん、良いじゃん。似非お嬢様のセシリアよりもお嬢様って感じがしていいと思うわよ?」
「待ちなさい! 鈴さん! 似非とはなんですか!? 似非とは!?」
鈴に詰め寄り怒鳴るセシリア。そして
「やれやれ何時も通りだが騒がしい事だ」
「そうだねぇ。あ、ラウラチョコ食べる?」
「貰おう」
我関せずのスタンスを取る。シャルとラウラ
「お前はいい加減に兄離れをしたらどうだ? マドカ?」
「黙れ。消えうせろ、ツンデレは既に古いと知れ」
訳の判らない事を言い合い、メンチを切り合っている。箒とマドカ、やっぱマドカと箒は仲が悪いと思いながら。傍観者の立場を取っていると
「くすくす。皆さんとっても仲が良いんですね。おにーちゃんとギー君みたいです」
龍花さんが口元を右手で押さえ楽しそうに笑う。
「おにーちゃん? シグナムのことか?」
剣道の試合で何時も顔を見合わせる。2年生の八神シグナムの事を思い出した箒がそう尋ねると
「いいえ、シグ兄じゃなくて。一番上のおにーちゃんです。生徒会長をやってるんですよ?」
「へー生徒会長をやってるお兄さんがいるんだ?」
鈴はセシリアをからかうのに飽きたのか。龍花さんの近くの腰掛けそう尋ねる
「はい♪ はやておにーちゃんに、シグ兄にヴィータ兄に、シャマル兄にアインスがお兄ちゃんです」
? 何で皆兄かおにーちゃんが付いてるのに。アインスさんだけは名前呼びなんだろう? それが凄く気になり尋ねようと思ったが
キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴リ始める、箒達は慌てて席に戻り。鈴はいつものように2組にと戻っていく、龍花さんもシェンさんの隣に向かって歩き出す。その小さな背中を見ながら教科書を準備し、2時間目の授業に備えながら
(次は英語だけど、龍花さん大丈夫かな?)
留学生の多い藍越学園の英語の授業は朗読がメインとなる。初めてで大丈夫かなと思っていたのだが、予想に反して龍花さんの英語の発音は完璧で、俺は
(方向音痴の度合いと頭の良さは比例しないのか……)
人は見かけによらないという言葉を始めて実感したのだった……
藍越学園の人って凄く面白いですね。私は目の前の光景を見てそう思った
「ギャー!? 鈴、鈴さん!! 折れるー! 骨が逝きますーッ!!!」
「圧し折ってやる」
鈴さんが一夏さんの腕を抱えています、一夏さんが何か叫んでるけど多分ふざけているんだと思います。よくシロ君と凜さんや桜さんが同じような事をしているので、多分それと同じような物なのだろうと思ってみていると
「龍花さん、驚かないの?」
シェンさんが引き攣った顔で尋ねてくるので私は
「? 私の学校でもよく見ますけど。驚く事なんですか?」
シロ君とかモードレッドさんとかが良く、アルトリアさんとか凜さんにやられているのを見るのでそんなに驚かないけどな。と思いながら言うと
「いや、気にしなくて言い。むしろアレは見ないほうがいい、ああ、きっとそれがいい」
箒さんがそう言いながら私の目を塞ぐと同時に
「ギャーッ!!!!!!!」
一際大きい一夏さんの悲鳴が響きました。これもシロ君と同じですね、どこの学校でもこういう事があるんだと思っていると
「そういえば龍花は昼はどうするんだ? 一応学食はあるから弁当がないのなら案内するが?」
「ありがとうございますラウラさん。でも大丈夫ですよ、お弁当がありますから」
そういったところで気付く。今日はスバルさんとモードレッドさんの分も作っていたと……うーん。当然ながら私に3人分のお弁当を食べる事なんて出来はしない。どうしようかなと考え思いついたのは
(弥生さんとヴィクトリアさんに上げよう)
前に迷子になっていたとき助けてくれた。あの人達にあげればいいと考えていると
「お弁当? 自分で作ったのですか?」
「はい、あんまり得意な事がないんですけど。お弁当と裁縫は得意なんですよ」
笑いながら言うとセシリアさんは
「そうなんですか。私はあんまり得意ではないですわ」
「私もだな。食べるのは好きだが、作るのはどうもな」
難しい顔で唸るセシリアさんとラウラさんを見ながら
「そうなんですか? うーん。私でよければお教えしますよ?」
私がそう言うとへっ!? と言う顔になるセシリアさん達を見ながら
「私お家で良くお友達にお料理を教えてるんですよ。良かったら今度どうですか?」
私がそう言うとセシリアさんとラウラさんは
「いいのですか? お邪魔なのでは?」
「ああ、龍花の友達も気を悪くするのではないか?」
「大丈夫ですよ。アルトリアさんも凜さんもそんな事で気を悪くする人じゃないですから」
凜さんもアルトリアさんも優しい人だ。そんな事で気を悪くしないというと
「じゃあ。お言葉に甘えようかしら。龍花さん携帯はお持ちですか?」
「はい♪」
鞄から携帯を取り出しセシリアさんと番号とアドレスを交換しながら。ラウラさん達を見て
「良かったらアドレスを交換しませんか?」
私がそう言うと箒さんの影から
「りゅうちゃん♪ 私も~」
のそっと眠そうな顔をした女生徒が携帯をぶんぶんと振りながら笑う
「? どちらさまでしょう?」
「私ね~布仏本音~」
にへらと笑う本音さん。しばらく互いに顔を見合わせてから
「「イエーイ♪」」
ぱちーんとハイタッチする、なんだろう。この人と凄く仲良く慣れそうな気がする
「ねぇねぇ。番号を交換しようよー」
「はい♪ 交換しましょう」
本音さんとアドレスを交換しながら、今度は箒さん達を見て
「交換してくれますか?」
そう尋ねると箒さん達も携帯を取り出してくれた。皆さんと番号を交換した後
「りゅうちゃんの携帯の待受けは~お兄さんとの写真~?」
「そうですよ。はやておにーちゃんです♪」
「そっか~りゅうちゃんはお兄ちゃんっ子なんだ~マドッちと同じ~ちなみに私はお姉ちゃんっ子~」
この時龍花と本音は気付いていなかったが、龍花と本音の周りだけ空気が違っていた。一言で言うのなら癒し空間とでも言うのだろうか? 見てるだけで心労が癒されるようなそんな不可思議なオーラを放っていた……普段ブラコンとヤンデレの闘争に巻き込まれている1組の生徒は久しぶりに心が癒されるのを感じていたが、龍花と本音はその事に気付いていなかった……
第35話に続く
本当はもう少し続けたかったんですが。次回の話が長くなりそうなのでここできりました、次回はお弁当の時間です
そして巻き起こるカオスをお楽しみください
多分お姫様の世界観では龍花・陽花・本音さんのトリオが最強の癒しだと信じています