海鳴のお姫様!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はお昼編です。そして龍花さんがフラグゲットをします、誰のフラグかはどうぞお楽しみに
それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第35話

 

第35話

 

「お昼だーッ!!!」

 

漸く4時間目の授業が終わり、私は机に倒れこみながらそう叫んだ、すると

 

「くすくす。シェンさん、お腹空いたんですか?」

 

にこにこと笑う龍花さんにまぁねと返事を返しながら

 

「私さー朝弱いから朝ごはん食べないんだよね。だからお腹空いちゃって」

 

私がそう言うと龍花さんはめって言う感じでわたしの前に指を出して

 

「朝はちゃんとご飯を食べなきゃダメです、判りますか?」

 

「え。えーとでもさ、時間ないし」

 

「なら早く起きればいいじゃないですか」

 

あ、あれ? 随分と押しが強いしなんだろうこの迫力。凄く怖い

 

「約束してください。ちゃんと朝ごはんを食べると」

 

「う、うん約束するよ」

 

なんか有無を言わさない迫力があり頷くしかできなかった。うんうんと頷いた龍花さんは

 

「所でシェンさんはヴィクトリアさんと弥生さんという方を知っていますか?」

 

「? 知ってるけど?」

 

龍花さんから同じ学年の生徒の名前が出た事を不思議に思いながら、頷くと

 

「お願いがあるんですけど」

 

にっこりと微笑む龍花さんの笑みは悪戯を思いついたと言いたげな楽しそうな顔だった

 

「龍花。良ければお前も私たちに一緒に昼食にしないか?」

 

ラウラさんの問いかけに龍花さんはにこりと笑いながら

 

「ぜひご一緒させてください。でもその前にやりたいことがあるんです」

 

「ふむ? なんだ?」

 

不思議そうな顔をするラウラさんに耳打ちする龍花さん。ラウラさんも笑いながら

 

「それはいい! 私も協力しよう」

 

「何々? 何の話?」

 

私たちの輪の中にシャルロットさんが加わり。さらにセシリアさん。箒さんと集まってくる。

 

(もしかして龍花さんって人を集める才能があるんじゃ?)

 

私はふとそんな事を感じたが、それも才能だと思い

 

「こういうのはどうかな?」

 

龍花さん達のひそひそ話しに突入する事にした……

 

 

 

 

 

一夏とセシリアからメールで一緒に昼食をとろうと誘われたが、私は食堂だからいいと断ったのだが。良いから来いって今日は色々用意してるから来ても大丈夫だからよと何度もメールを貰い。根負けし屋上に向かっていると

 

「む? 弥生もか?」

 

「そう言うヴィクトリアもか?」

 

同じように手ぶらの弥生に会う。こいつも同じ口か

 

「しっかし俺達って結構食うけどな。一夏の奴何を考えてるんだ?」

 

「さぁな。とりあえず行こう」

 

屋上は一部の生徒が使う、昼食用の場所として開放されている。今日みたいな良い天気は外で食べるのもいいだろう、弁当組みはな

と思いながら屋上に続く扉を開けると

 

「よーこっちこっち」

 

一夏といつものメンバーが手を振っているのだが

 

(なんか並び方がおかしいな?)

 

背の高いセシリアや箒が前にして両サイドをラウラと鈴がカバーしてる、まるで何かを隠すようにしているかのように見える

 

「それで私達の分と言うのは?」

 

私がそう尋ねると箒がふふんと腕を組みながら

 

「用意しているのは私たちではない、しかしお前と弥生を良く知る人物が用意してくれたぞ?」

 

「? 何を言ってるのか訳が判らんぞ?」

 

弥生が首を傾げると箒は直ぐに判るといって、私達の前からどく。そこで気付いたが誰かが引いてあるブルーシートに座っている

銀髪で蒼い目の……

 

「どうもこんにちは、ヴィクトリアさん。弥生さん」

 

ぺこりと頭を下げた少女は隣町にすむ、龍花嬢だった。なんだ、龍花……は?

 

「龍花嬢!?」

 

「龍花!?」

 

「「何でここに!?」」

 

思わずそう尋ねると龍花嬢はにこりと笑いながら

 

「迷子になってしまいまして」

 

と答えた、前にも迷子になっているところを見たのでなんとも言えず納得してしまった

 

「そのお礼と言うことでよろしければこれをどうぞ」

 

差し出されたお弁当箱を思わず受け取っていると

 

「はっ?」

 

にやにやと私達を見ている箒の視線に気付いた。その目は妙に優しく、微笑ましいものを見るような目で私達を見ている

 

「どうぞ。お口に会うかどうかは判りませんが」

 

にこにこと笑う龍花嬢に促され思わず下に座り、渡されたお弁当箱を見てふと疑問に想った

 

(あれ? 迷子になったって言ってたな? じゃあ、これは本当は別の人の弁当なんじゃ?)

 

そう想ったら尋ねずには居られなかった。弁当の蓋を開ける前に顔を上げると

 

「美味しいッ♪ 龍花料理上手ねぇ」

 

「本当だ。この煮物は絶品だ」

 

「うむむ、同年代とは思えないな」

 

龍花のお弁当を摘んでいる鈴達に褒められ、嬉しそうに笑っている。龍花嬢に

 

「失礼だが、この弁当は本来誰のものなんだ?」

 

「そのお弁当ですか? モードレッドさんとスバルさんですが?」

 

その言葉に私と弥生は同時に目を見開いた

 

「モードレッド?」

 

「スバルだと?」

 

剣道部のモードレッド、空手部のスバル。市立聖祥大附属高等学校1年でよく試合で顔を見合わせる相手だ

 

「龍花。お前はモードレッドとスバルと知り合いなのか?」

 

「同じクラスの人ですよ~♪ 良く迷子になるんで探してくれる良い人です♪」

 

にこにこと笑う龍花嬢に一夏が不思議そうに

 

「龍花にとって良い人の基準って何?」

 

そう尋ねられた龍花嬢。可愛らしく小首を傾げながら

 

「? 助けてくれる人と仲良くしてくれる人ですけど?」

 

その基準はどうなんだろうか? 余りに人を信用しすぎるのでは?

 

「じゃ。この2人は」

 

「前に迷子の時に助けてくれたので良い人です♪

 

龍花嬢の基準はそれだけなのだろうか? 高校生の割りになんというか幼すぎるような?

 

「あんた。心配だわ、お菓子とかでほいほい着いて着そう」

 

「ですわね。龍花さん? 知らない人には着いて行ってはいけませんよ?」

 

セシリアと鈴が龍花嬢を心配するように声を掛けるのを聞きながら弁当の蓋を開けた

 

(おお!? 凄い)

 

から揚げに芋の煮っ転がし。それに焼き魚に卵焼きとおかずも豊富で、見るからに美味しそうだった。早速煮っ転がしを食べてみて

 

「美味い……」

 

思わずそう呟いてしまうほど美味かった。柔らかさも味付けも絶妙で本当に美味い

 

「良い煮物だ。良く味が染みている」

 

「一夏のより美味いな。女子に劣っているぞ、愚兄」

 

「じゃあお前が作れよマドカ。目玉「目をえぐって欲しいのか?」すいまんっしたーッ!!!」

 

何時も通り過ぎる一夏の行動に呆れているとシャルロットが

 

「本当に美味しいね。なんでこんなに煮物が上手なの?」

 

「それは勿論。良いお嫁さんの条件だからです♪」

 

何時の時代の条件だ。だと全員が思ったに違いないがえっへんと胸を張る龍花嬢にそんな突っ込みは無粋だと思ったのか、誰もその事を指摘しなかった。というか

 

ぷるんっ!!

 

と音を立てそうなくらい勢い良く揺れた胸に殆ど全員が気をとられていた。性格の幼さと不釣合いな胸は良くも悪くも注目してしまう

 

「ちょっと、ヴィクトリア。女の子のを胸を凝視するもんじゃないわよ?」

 

鈴の鋭い眼光に咳き込みしながら目を逸らす。丁度そのときガチャリと屋上の扉が開き

 

「良い天気ねー ユウリ」

 

「だな」

 

「……死ねばいいのに。刀奈は」

 

「何? 喧嘩売ってるの? 買うわよ、ブラコン」

 

「……上等殺してあげる」

 

藍越学園の女子生徒会長「更識刀奈」先輩。そして織斑先生やシャルロットと並んで危険とされる「セリナ・アマノミヤ」。そして

 

「お前は少しは仲良くできんのか?」

 

男子生徒会長にして学年主席をずっと護り続けている「ユウリ・アマノミヤ」先輩だ。本来はここに「エリス・アマノミヤ」が入るのだが、彼女は転入してしまった。その理由はもう更識先輩とセリナの喧嘩に巻き込まれたくないというものだった

龍花嬢には余り良い影響を与えないと箒が思ったのか、その背で3人を隠そうとしたとき

 

「エリスさん?」

 

「……エリスの知り合い?」

 

「あーあれじゃない? エリスちゃんが言ってたお姫様」

 

「それ以前になぜ他校の生徒がここに居る?」

 

遠ざけるはずが、龍花嬢の呟きで3人がこっちに歩いてきた……これ大丈夫か? と不安を感じずに入られなかった

 

 

 

 

あーこの子がエリスちゃんの言っていた。お姫様ね……少し観察してみる。少々小柄でふわふわとした雰囲気を持つ可愛らしい少女と言う感じだ。しかしその背丈の割には大き過ぎるともいえる胸の自己主張が凄い。だがその雰囲気がそれを打ち消すだけの魅力を持ち

 

「ん~♪ 可愛い~♪」

 

「わわっ」

 

思わずその子の頭を撫でてしまう。小動物臭が凄い、それに凄く可愛い。簪ちゃんは頭を撫でようとすると逃げちゃうからと思っていると

 

「……エリスを知ってるの?」

 

「知ってますよ? お友達です。私が良く転んだり迷子になるので助けてくれる良い人です♪」

 

……聞いてた通りの子ね? 良く笑って育ちの良いお姫様って言う感じの子って聞いてたけど本当ね

 

「どうも刀奈先輩もお昼ですか?」

 

「そうそう。箒ちゃん、今日はいい天気だし、外でユウリとご飯を食べようと思ってたのに。お邪魔虫がついてきてね」

 

セリナを指差しながら言うとセリナは不機嫌そうに眉を顰めながら

 

「……私にとってはあなたが邪魔、死ねばいいのに」

 

「他に言う事はないのかしら? 私は将来貴方のお義姉になるのよ?」

 

私とユウリは既に更識・アマノミヤの両家公認の許婚同士だ。私としてはセリナとも仲良くしたいと思っているのだが

 

「……認めない。絶対に認めない! お兄ちゃんは私のだ!」

 

この子マドカちゃんと同属のブラコンなのよね。しかも私を憎悪の視線でずっと見てくるし、たまにナイフ持って突っ込んでくるし

 

「兄妹じゃ結婚できないのよ?」

 

「そんなことは知らない! お前が死ねば良い!」

 

平行線いつまでもそうだ。しかも向こうはやる気のようだから仕方ない。相手になってやろうじゃない

 

「おい、刀奈もセリナも……」

 

ユウリが止めに入る前に、一夏君達が逃げる準備をする前に、私とセリナが臨戦態勢に入る前に

 

「喧嘩は止めてくださいッ!!!!」

 

ごすっ×2

 

「「ッ!?!?!?」」

 

「「「「えええええ~ッ!!!!!」」」」

 

頭蓋骨が陥没したかのような痛みに思わず蹲る。とんでもない激痛だ涙目で振り返るとそこには

 

「喧嘩は止めましょうね? ご飯のときですよ?」

 

財布を両手で握り締めた龍花ちゃんが私とセリナさんを見下ろしていた。何と言うか凄まじい威圧感だ。さっきまでのふわふわした雰囲気は消え。女帝ともいえる威圧感を感じる

 

「な、何をする!!「ご飯中に怒鳴らないでください。ごすっ!!!」……ッ!?!?ごろごろ!!!」

 

2発目の財布で悶絶するセリナ。駄目だ逆らえばセリナの二の舞だ

 

「もう喧嘩しませんよね? えーと刀奈さんにセリナさん?」

 

ぽんぽんっと財布を手に当てている龍花ちゃん。笑っているがその目は凄く冷めていて恐ろしい

 

(龍花さんってこんなに怖いの!?)

 

(怒こると怖いタイプだな。喧嘩しなくてよかった)

 

(威圧感がとんでもない。まるで織斑先生のようだ)

 

(うま♪ 久しぶりに良い昼飯だな)

 

(うむ。実に美味い)

 

約2名私達を完全に無視しているが、そちらを見ようとしたら

 

「刀奈さん? 聞いてますよね?」

 

「き、聞いてるわ!? 喧嘩しなければいいのよね?」

 

慌ててそう返事を返すと龍花さんは華が咲くような笑みで笑い。

 

「はい♪ どうぞ、どうぞ。こちらへ座ってください。刀奈さんもセリナさんもユウリさんも一緒にお昼を食べましょう」

 

にこにこと笑う龍花ちゃんを見た私は痛む頭を摩りながら

 

(この子には絶対逆らっちゃいけないわ)

 

大人しそうに見えて結構過激なのかもしれない。私はそう思いながら言われた場所に座った。

 

「ごちそうさん」

 

「ありがとう。とても美味しかった」

 

弥生君とヴィクトリア君が空のお弁当箱を龍花ちゃんに返す。なんでも彼女があげたらしい、私も少し貰ったが。煮付けが凄く美味しかった。龍花ちゃんは渡されたお弁当箱を受け取り

 

「お口にあって良かったです♪」

 

ぱぁっと華が咲くような笑みで笑った。ヴィクトリア君たちは顔を逸らしているのを見て

 

(この子天性の人たらし?)

 

私と似たようなものを感じながら。食後のお茶を飲み終え、ふと気になったことをたずねてみた

 

「龍花ちゃん。なんで財布があんなに硬いの?」

 

あの感触は明らかに財布のものではなかったと思いながら尋ねると

 

「おにーちゃんが護身用だって色々とくれるんですよ。えーと金属片入りの財布に、100Vのスタンガンにんーと、防犯ベルがひーふーみー。8個に、GPSに……「もういいわ。良くわかったわ」

 

そうですか? と首を傾げる龍花ちゃんを見ながら私は

 

(お兄ちゃん達が相当心配してるみたいね)

 

これだけの防犯器具を渡すとは、この子の性格を良く理解してると思う。

 

「お兄さんがくれたの?」

 

シェンちゃんの問いかけに龍花ちゃんは、凄く嬉しそうに笑いながら

 

「はい♪ 大好きなおにーちゃん達がくれました♪」

 

お兄ちゃんっ子だが。セリナやマドカちゃんのように病んでいない

 

(これよ、これが普通の妹よ)

 

最近病み属性ばかりの妹しか見てなかった私にとって、この子の純粋さはとてもいいものに思えた……

 

昼休みの終わりの合図の予鈴が終わるまで、私は龍花ちゃんと話をし癒されるのを感じていた……

 

だが話を聞きながら感じたのは

 

いわく 妹と従姉妹に苛められる(?)幼馴染のお兄さんとか

 

いわく 何をやっても失敗する従姉妹といつも私の事を気に掛けてくれる従姉妹がいる

 

いわく 紅い悪魔と噂される先輩が居るんだけど本当はやさしくていい人

 

いわく 私のおにーちゃんがシスコンとか言われてるけど、意味がわからないとか

 

いわく 私が良い人って呼んだ人をたまに見ないなと思うと、気が付いたらボロボロになっているとか

 

この子は普通だけど、周りが普通じゃないのかも? 私はそんな事を考えずに入られなかった……

 

 

第36話に続く

 

 




今回はちょっとカオスでしたかね? 次回で藍越学園編は終了です。
予定ではラストはさらに混沌となりますのでどうかお楽しみに!! それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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