第50話
リューカと出かけることが出来る。それ自体はとても嬉しい事なのだが
「かわいーです♪」
「待て待て待て。行くな」
遊園地の中の着ぐるみを見るたびに目を輝かせて付いて行こうとするリューカの手を握り動きを止める
「ほら。あっちにぬいぐるみがあるぞ?あっちの方がいいんじゃないか?」
「ぬいぐるみ♪」
キラキラって感じで目を輝かせるリューカ。本当に子供っぽいと呆れる反面
(すげー可愛い)
キラキラとした目であっちこっちと見て回るリューカ。学校で大人しくしているのも可愛いと思うが、こうして自分の興味のある物を追いかけている時のリューカの愛らしさはその非で
「あいだあああッ!!!」
そんなことを考えていると強烈な痛みが背中に走り思わず絶叫する。
「!どうしました?」
驚いているリューカに良い。大丈夫と言って足元を見る。そこには小さな小さな白い球『BB弾』が数個転がっており。振り返ると
(なにやってるんだあの人らは!?)
施設の上に上りBB弾のライフルを構えていたヴィータ先輩とシグナム先輩に目があった瞬間。
シュバッ!!!
(どこの忍者だ!?)
組み立て式のライフルを素早く片付け施設の上から飛び降りて走り去る2人の先輩に激しく頭痛を感じつ、遠くを見ると
「おいしー♪」
「お兄ちゃんありがとう♪」
シロウがイリヤとクロを連れて歩いていた。シロウはたぶん俺をどうこうしようなんて考えないと判るが、あの小悪魔ーズが何を考えているかは皆目見当もつかない
(これは気を引き締めないと不味い)
監視者がいる以上危ない事や2人だけと言うのは不味い。今回は背中だったが次は頭とかを打ち抜かれかねない。リューカをどこに連れて行くかは厳重に吟味しないといけない。貰ったパンフレットの半分は駄目だろう。絶叫系・ホラー系はまず駄目だ。映画館もあるが上映されているのはホラー系。これも駄目じゃあどうしようと考えていると
「モードレッドさん。私ここがいいです」
リューカの小さい指が指差したのは
(ま。マジですか……)
明らかに子供向けの施設『もふもふ動物ランド』だった……
(俺絶対浮くぞ。これ……)
その事に内心恐怖しながらもふもふ動物ランドに行くと
「うにゃー♪♪」
「リューカああああ!?」
リューカが現れた瞬間、伏せていた動物が一斉にリューカに駆け寄り。リューカは動物の波に飲まれて消えた……それは一種の恐怖映像と同じように思えた……俺は慌てて動物の中に飛び込みリューカを引きずり出したのだが
「ふみー♪」
「猫なのです♪」
子猫を日よけの帽子の上に乗せてご満悦と言った様子のリューカに
「さ、さいですか……」
にこにこと笑うリューカに俺は全身が脱力したような感覚を味わったのだった。なおモードレッドは小悪魔ーズと従姉妹軍団を警戒していたが。彼女達は当初の目的を忘れ遊びまわっていたりする……
モードレッドに連れられて歩いている龍花を望遠鏡で覗きながら
「シグナム。次の部活で」
親指を喉元に当ててそれを引いて最後に親指を下に向けると
「任せろ。地獄に落とす」
モードレッドに死刑判決は決して覆る事はない。まず龍花と出かけているということで許せない事態なのに。あんな……あんな
「ほっぺにソースついてますよ?」
「え。ああ……ありがと」
龍花がナプキンでモードレッドの頬を拭っているだと?そんなの許せる事態ではない
「「「絶対潰す」」」
龍花は割かしモードレッドが気に入っているようだが。これでもし付き合いますなんて言い出したら私たちはためらうことなくモードレッドを暗殺する方向で行動始めるだろう
「あああッ!!!腹立つ!超腹立つ!ここから硬球投げてもぶつける自身あるぞ俺!!!」
頭をかきむしり始めたヴィータ。そろそろ我慢の限界が近いようだ
「……もう竹刀とかじゃなくて木刀で良いか」
ヴィータもシグナムも殺す気満々と言う感じでスタンバッテいるが
「はい。落ち着く」
「「ふぎゃあああああッ!!!!」」
エルキドゥのスタンガン攻撃で本日6度目の昏倒だ。それを知っているから私は行動しなかった
「ちっ。昏倒すればいいものを」
「その台詞そっくりそのまま返えさせてもらう」
紅い悪魔に財布を強奪されしかも何かで買収された金ぴかが不機嫌そうに鼻を鳴らす。龍花が心配でついてきたが、こんな甘酸っぱい空気を見ているのは正直辛い……
「ふー折角だ。ジェットコースターでも乗ってくるか」
このまま見ていても憂鬱な気分になるだけだ。少し気分転換をしようと思い私はジェットコースターに乗った
(私は何がしたいんだろう?)
私は龍花を愛している。それは間違いない
じゃあそれは家族愛?兄弟愛?それとも異性に対するそれなのか?
(判らない。いやわかりたくないのか……)
自分自身でこれ以上考えることを禁じているというのが良く判る。今の感じを壊したくないのだ、私もヴィータもシグナムも……
家族として完成し、皆がそこにいる。それはとても居心地のいい場所だ。でも誰かが龍花を独占しようと考えればそれは容易く壊れてしまう。
(それは嫌だからなあ)
龍花の笑顔が曇るところなんて誰も見たくない。だが龍花が自分以外に笑いかけているところはもっと見たくない
(ままならんものだな)
そんなことを考えているうちにジェットコースターは天辺にいき一気に降下していく。その速度と高さには流石の私も悲鳴が出かけたが、途中で龍花がバランスを崩しモードレッドにもたれ掛かっているところを見て
「絶対に殺すうううううううううッ!!!!!!!!!!!」
とりあえずこのむしゃくしゃした気持ちは発散しないと身体に悪い。私はそう判断してジェットコースターで降下しながらそう叫ぶのだった……
「?おにーちゃんの声がしたような気がする」
「気のせいじゃないか?」
はやての怨嗟の声はジェットコースターの轟音で8割がた掻き消されたのだが、龍花にはちゃんと届いていたりする……
今日は楽しかったなー。モードレッドさんと一緒に遊園地に行って楽しかったなと思う。初めて行ったから余計に楽しかったのかもしれない
(ぬいぐるみも一杯貰ったし♪凄く楽しかった)
行くところ、行く所で何人目~とかでもらえた景品に、お昼のレストランでの昼食も美味しかった、あの味はたぶん再現できるから。おにーちゃんに今度作ってあげようと思いながら、ぬいぐるみを両手に抱えてバスから降りようとすると
「転ぶと危ないからぬいぐるみかして」
そう笑って手を伸ばしてくれるモードレッドさんにありがとうございます。と言ってからぬいぐるみを手渡しバスから降りる
「もう夜になっちゃいましたねー」
バスと電車の乗り継ぎで家の近くに来たときは既にもう日が落ちていた。思わずそう呟くと
「そうだな。予定だともう少し早く帰ってくるつもりだったんだけどな」
「あはは、最後の記念撮影ですよね」
帰るとき丁度に最後の○○人目です~といわれマスコットと一緒に写真を撮ってもらったのだが、その現像に思ったより時間が掛かりこんな時間になってしまった。今日撮った写真は後日発送してくれるとのことでいつ届くのかが実に楽しみだ
「ここまで暗くなると危ないから家まで送っていくよ」
「でもアルトリアさんが心配しませんか?」
「リューカをこんな時間に1人で帰したって言ったら姉気に殺されるよ」
茶化すよう笑うモードレッドさんの隣を歩き家に向かっていると
「今日は悪かったな。1日付き合ってもらって迷惑じゃなかったか?」
心配そうな顔で尋ねてくるモードレッドさんに
「いえいえ。とっても楽しかったですよ♪」
特に用事もなかったしたぶん家にいてもおにーちゃんと遊んでいるか。遊びに来てくれる王花ちゃん達とお茶をしていたくらいだろうと思っていると
「1つだけ聞いてもいいか?すっごい変な質問だとおもうけど笑わないで聞いてくれよ?」
「?なんですか?」
私が首をかしげながら訪ねるとモードレッドさんは酷く真剣な表情で
「もしこれがスバルとかティアナだったら。うんって言ったか?」
お母さん達を安心させるために女友達の写真を撮りたいって二人に頼まれたら……ぬいぐるみに顔を埋めて少し考えてから私はモードレッドさんの顔を見て
「んーたぶん断っていたかもしれませんね」
えって驚く顔をするモードレッドさんに
「モードレッドさんにはいつもお世話になっていますし、それに私モードレッドさんの事結構好きですから」
おにーちゃん達の次くらい。ギー君達と同じくらいには好きだと思う、優しいし迷ってるときに助けてくれるし
「な、なななあ!?」
暗がりでもわかるくらい顔を真っ赤にしたモードレッドさんから背を向けて
「もう家は近くなのでどうもありがとうございました。今日は凄く楽しかったです」
そう笑って家へと帰っていった、ぬいぐるみを陰干ししておにーちゃんのご飯を作って、明日は何をしようかな~
大量のぬいぐるみを抱えてご満悦な龍花は気付かなかったが、残されたモードレッドはその場にしゃがみこんで顔を両手で隠して
「やば……マジで惚れる」
真っ赤な顔と4速ギアにいれた様に暴れまわる自身の心音に自分が龍花に惹かれている事を自覚してしまっていたりする……
なお後日。2人で撮った写真のモードレッドの分は焼き回しされイギリスの実家にと送られ、たいそうセイバー夫妻は喜んだそうだが。モードレッドは週明けの昼休みに
「死ぬッ!マジで殺される!!!!」
『『『まてやコラアアアアアッ!!!!!』』』
兄貴軍団。過保護な従姉妹そして
「身の程を知れといったのに何をしている愚弟!!!」
「■■■ーッ!!!!」
剣道部のエース2人(片方は凶戦士か)に追い掛け回されていた。兄貴軍団と従姉妹軍団が怒った理由。それは龍花から送られてきた写真で、2人で並んで写っている写真ここまではいいがその下に可愛らしい文字で
『また誘ってくださいね、モードレッドさん♪』
龍花の直筆そして文字の最後のハートマーク。このままこいつをのさばらせてはいけない。それが全員の認識だった
なおこのハートマークを書くように指示したのは
「くすくす♪本当に面白いですわ」
外道保険医が龍花に入れ知恵していたりする。騒動を聞きながら微笑んだカレンは
「今度は何をしようかしら?」
龍花を使って次なる愉悦を得る方法を考えていたりする……
第51話に続く
次回は日常変ですがカオスを予定しています。ボーイッシュな女の子って何かいいですよね?まぁやりたいのはそんな感じです。そしてモードレッドは龍花さんを本格的に意識し始めたと思ってください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします