第62話
従姉妹達の夏休み
「ふあ……我ももう少し寝て居たいが仕方ない」
目覚ましの音で目を覚まし、もう少し寝ていたいと思いながらも布団から抜け出しパジャマから着替え顔を洗いに行く
「これでよしっと。じゃあ朝食の準備を始めるか」
陽花は朝はむちゃくちゃ弱いし、星花は料理はあんまり上手ではない、雷花?論外だ、あいつが作れるものといったら可愛そうな卵焼きかダークマターが関の山だろう
「むにゃー♪」
リビングでゲームのコントローラーを眠っている雷花を殴り起こしてやろうとも思ったが
(ゲームは消してあるか。まぁ妥協してやるか)
これでゲームがついていたら殴って起こすがちゃんと消してあるようなので起こすのはやめる
「さてと何を作るかな」
昨日の残りのシチューがあるから、朝はパンでいいだろう。ハムとかはまだあったかな?と考えながら冷蔵庫を探っていると
「みにー」
奇妙な声がしたと思い振り返るとお気に入りの着ぐるみパジャマを着込んだ陽花が目を閉じたままふらふらとリビングに入ってきて
「もみゃー」
ぼすっとソファーに倒れこみ寝息を立て始めた。多分あれだな学校に行く準備をする時間だから無意識に起きてきたんだなと思いながら冷蔵庫からハムとチーズとレタスを取り出しサンドイッチを作る準備をする。シチューがあるのだからパンの方が良いからだ、トースターにパンを放り込んで焼いていると
「おはようございます。王花」
首からタオルを提げた星花がリビングに入ってくる
「おはよう星花、時間通りだな」
決まった時間に寝て、決まった時間に起きて、ランニングを終えて帰ってくる星花に挨拶を返しながら
「風呂に湯を入れてある。入ってくるといい」
「ありがとうございます王花」
頭を下げて出て行く星花。顔を洗うついでにお湯を出しておいたのでそろそろ入れる頃だろう。そんなことを考えながら料理をしていると
「ふあーおはよう。王花」
「おはよう、雷花。昨日は何時まで起きていたんだ?」
片手鍋にレタスを入れて軽く湯通ししながら尋ねると
「んー2時くらい。ベッドに戻ろうと思ったんだけどソファーでいいかって思って」
「そんな生活をしていると風邪を引くぞ」
えへへと笑う雷花は顔を洗ってくるねと洗面台に向かって行った。ハムを炒めて卵を焼いているとパンが焼きあがる。4人分のパンにからしとマヨネーズを塗り、レタス・目玉焼き・ハムの順番に乗せてサンドイッチを作り斜めに切っていると
「みにゃーおはにょー」
ごしごしとグルーミングのような仕草をしながら陽花が身体を起こす
「顔を洗って来い陽花」
呂律が回ってない陽花にそう言うとふらふらとリビングを出て行く。暫くすると
ゴツン
「ふぎゃ!?いひゃい……」
廊下の壁で頭をぶつけて呻いている、陽花の声に思わず噴出す。
「全く朝が弱いにもほどがあるだろう」
苦笑しながらポットにコーヒーを入れる。雷花と陽花はココアなのでココアの準備をしていると
「王花~お腹すいたー!」
「ご飯できた~」
リビングに入ってくるなりそう尋ねてくる陽花達に
「準備は出来ている。運んでくれ」
はーいと返事を返す陽花達を見ながら我は
(まったく同じ歳なのに我がお姉さんみたいではないか)
そう苦笑しながらココアを造りながら苦笑したのだった、だがそんな毎日も悪くないと思ったのだった……
白野の朝
目覚ましの音に目を覚ましリビングに行くと
「おはよう白野。朝食の準備は出来ているぞ」
そう笑うネロ。いつも部屋に来ていていつの間にか同棲状態になっているネロ。いっつも朝ごはんを用意してくれるのはありがたいけど、またパンかなっと思っていると机の上には
「あれ?今日は和食なの?」
魚の開きに卵焼きそれに味噌汁に漬物と完全な和食の準備が出来ていた。今まではずっとパンだったのに急にどうしてと思いながら。まさかと思って机の下を除く
「何をしているのだ?」
不思議そうな顔をして尋ねてくるネロに失礼だと思いながらも
「玉藻がいるんじゃないかと」
前に1度ネロが和食を用意してくれた事があったが、その時は玉藻が用意したのをネロが玉藻を戦闘不能にして用意した物だった。今回もそうなのではと思ってしまったというと
「ふふん。今度は余が作ったのだこれを見てな!」
ネロが僕に何かのノートを突き出してくる。そこには
「なにそのノート」
デフォルメされた兎や猫が噴出しのしたで踊っている。その吹き出しにはここで味噌を入れるんだよ?とか欠いてあるから、何かのレシピの本と言うのはわかるがこんなのは見たことが無くて尋ねると
「アルトリアが持っていたのだ。前に会っただろう?龍花、彼女のお手製のレシピ本だ」
あの迷子になっていた銀髪の女の子の……ざっと見ただけど非常に判りやすい、しかも図解もあるので非常に判りやすい
「白野が和食を食べたいといっていたのでなアルトリアに借りてきた。きっと美味しいと思うぞ」
ネロが自信無さげなんて珍しいと思ったいつも自信満々なのに、それだけ和食を作るのが難しかったことなのかな?と思いながら椅子に座り
「「いただきます」」
2人で手を合わせて箸を取る。和食はいつも夕食で僕が作っていた、久しぶりの朝からの和食が嬉しいなあと思っていると
「ジー」
ネロが僕の手元を見ている。不安なのかなと思いながら味噌汁を飲む。豚汁だ……
「うん。美味しい」
味も完璧だ。玉藻より美味しいかもしれないと思って言うと
「そうか!そうか!やはり余は完璧だな」
にこにこ笑って自分も食べ始めるネロだったが
「む?むうう?」
魚の開きに奮闘している。その仕草に苦笑しながら僕はまだ箸をつける前の自分の開きの身をほぐして
「はい。ネロ交換しよう」
ほぐした開きとネロの開きを交換すると。ネロは
「むう。すまん……まだなれなくてな」
申し訳なさそうに言うネロに
「気にしなくていいよ。それより食べよう」
久しぶりの和食そしてネロが作ってくれたんだ。冷めてから食べるのは勿体無いと思い食べる。卵焼きも中に刻んだネギが入っていて食感がとても良い。漬物も少し味が薄いけど十分美味しい、あっという間に食べ終え食後の緑茶を飲んでいるとネロが
「白野。今余の母上が日本にきているのだが……今度会ってくれないだろうか?」
その言葉に驚きネロを見返すとネロは慌てた様子で手を振りながら
「べ、別に婚約を進めるとかではなくてだな。ただ母上が会いたいと……駄目か?」
ネロのお母さんか……ネロが婚約届けを向こうに送ったって言ってたし1度顔を出しておくのが道理かな?
「いいよ。何時行けばいい?」
「そ、そうか。では明日だ!明日会いに行こう」
明日かじゃあ準備しないといけないかな?Tシャツとジーンズっていうのもおかしいだろうし
「じゃあ買い物に行こうか?お菓子とか服を買いに行かないと」
手ぶらで行くわけにも行かないし、色々準備しないといけないとおもいそう言うと
「そうだな!行くぞ白野!」
嬉しそうに笑うネロにちょっと待ってと声を掛けて
「まずは洗物だけ片付けてからにしようか?」
多分帰ってくるのは遅くなるだろうし、帰ってきてから洗物をしてご飯を作るのはしんどいのでそう言うと
「む?そうだな!では片付けてこよう」
「あ、僕も手伝うよ」
食器をキッチンに運び2人で並んで洗物を片付けてから街に出かけていったのだった……
ブラウニー悩む
「これはどうやって受け取るべきだろうか?」
俺はクロとイリヤが珍しく2人で遊びに行ったことで手にした自由を楽しむつもりだったのだが、届いた2通のメールで俺は頭を抱えることになった。1通は遠坂でもう1通はセイバーからだ
遠坂
前に誘った2人で出かけるって話。まだ返事を貰ってないんだけどどうするつもり?あたしから誘うのって結構勇気を振り絞ったつもりなんだけど。どうするつもりか早く返事をくれない?駄目なら駄目、行くならいく!男ならきっぱりと決めて返事を返しなさい士郎!
遠坂らしい文面だと思い思わず苦笑する。だが遠坂と2人で泊まりに行ったと知られたら俺の命はない、しかしかといって断り方が悪いと遠坂に殺される。慎重な判断が必要とされる、それに遠坂は良い所としか言ってないそこがどうにも気がかりなのだ。そしてもう1通はセイバーで
セイバー
シロウ大変申し訳ないのですが。明日私の家に来てはもらえないでしょうか?今お母様が家に来ているのですが、手紙でシロウの事を良く書いていた私が悪いのですが、お母様がシロウに会いたいと言っているのです。申し訳ないですが明日家に来てくれませんか?返事を待っています
どうもイギリスに居るセイバーの母親が今家に来ているらしく、しかも俺に会いたいと言っていると……
「これはセイバーのほうに返事を返したほうが良いか」
遠坂には悪いがもう少し考えたいと思っていたし、セイバーはイギリスから来てくれた母親と気まずくなっても可哀想だし、遠坂には
「悪い。もう少し考えたい。良い場所って言ってたけどどこに行くのか教えてくれないか?」
逃げれる可能性があるのかとか色々と考えないといけないので場所を聞いて、地図で調べておこうと思いそう返事を返し。セイバーには
「明日は暇だからいいぞ。何時に行けば良い?それとセイバーのお母さんは何が好きなんだ?」
手ぶらで行くのもおかしいのでそう返信すると直ぐにメールが帰ってきた。どうやら携帯を持って待っていたようだ
「お母様は和菓子が好きです。それとありがとうございます、シロウ。迷惑をかけてごめんなさい」
丁寧な文面に苦笑しながら立ち上がる。確か買い置きの餡子があったし、材料もある
「夏だから水羊羹でも作るかな。あと大福もいいかもな」
金は無いので手作りだ。時間はある、セイバーは食べる量が多いから作るのが大変だがまぁそれもいいだろう
「しかしそれにしてもセイバーのお母さんってどんな人なんだろうなあ」
セイバーは母親に似ているといっていた。モードレッドもだ、あの2人に似ているということは綺麗な人であることは間違いないだろう。俺はそんな事を思いながらキッチンに向かったのだった……
「む?士郎どうした?もう腹が減ったのか?」
昼食の準備をしているアーチャーがそう尋ねてくる。俺は
「なんか今セイバーのお母さんが家に来てるんだそうだ、それで明日会いに来て欲しいらしいから。お土産を……なんだその微笑ましい者を見るような顔は」
にやにやと笑うアーチャーはいやと言って笑い
「お前はセイバーと婚約するのかね?」
「なんでさ!?」
なんでそんな段階に話が飛ぶのか判らずそう叫ぶとアーチャーは
「態々家に呼ぶということはそう言う話になってもおかしくあるまい?凜やクロエ達に殺されないことを祈っておいてやろう」
そう言われると現実になりそうで怖い。しかし行くといった以上断るのもおかしい、俺は
(覚悟を決めるしかない)
セイバーが俺の事をなんて手紙で書いたかは知らないが、婚約者とかと書いているわけではないだろう。せいぜい仲の良い男友達位のはずだ、だからアーチャーが言っているような展開にはなるわけが無い
「セイバー家の人間はかなり頑固らしいからな。誤解されてないことを祈る」
……俺大丈夫かな?行きました婚約所にサインとかないよな?若干の不安を感じながら俺はアーチャーの隣で水羊羹を作り始めたのだった……なお俺が懸念していた事態にはならなかったのだが、更に大変になりそうなイベントをセイバーのお母さんが提案し俺は頭を抱えることになるのだった……
第63話に続く
次回は白野・士郎がセイバー宅にお邪魔します。リリィさんが暴走予定?ですね。次回はちょっぴりカオスで行きたいと思っています。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします