海鳴のお姫様!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は前回の予告通りほのぼのをメインにした話にして行こうと思います。モードレッドに起きた悲劇も少し書きたいですしね。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


第73話

 

 

第73話

 

 

昨晩。鬼神にボコボコにされて、強制的に起き上がらされエンドレスでフルボッコ。しかも最終的に森の中に放置された。ホテルの従業員の人が助けてくれたのでこうしてホテルで眠ることが出来たが、暫くは昨日のフルボッコを悪夢として見そうな気がする

 

(全身が超いてえ)

 

全身に走る激痛に眉を顰めながら、ゆっくりと身体を起こすと

 

「起きたかね?モードレッド」

 

完全釣り人ファッションで尋ねてくるアーチャー。ベストに帽子にサングラス。肩からはクーラーボックスと釣りの道具が入ったボックスを背負い、背中には釣竿が入っているであろうロッドケースを背負っていた

 

「お前何するんだ?」

 

その余りの完全装備具合に驚き、全身の痛みを一瞬忘れてそう尋ねると

 

「釣りだ。見れば判るだろう?アイリスフィールに好きにするといいと休暇をもらったのでな」

 

執事と言うのは毎日が仕事だ。こういう機会でなければ休めるような時間がないのだろう

 

「昼までは好きにして良いそうだ。昼からはまた何か遊びに出かけるようなのでな、それまではお前も好きにしていると良い。はやて達はまぁ1日経って落ちついているだろうから、そこまで恐れることもないだろう」

 

そう笑って部屋を出て行くアーチャーの背中を見送り。俺は痛む脇に手を伸ばす

 

(あー痣になってるな)

 

シグナム主将に喰らったボデイとイリヤの蹴りの跡だ。でこっちは……

 

(これはギルガメッシュとハヤテさんか)

 

リューカに対する過保護さは知っていたが、今回の肝試しでそれが俺の思っている物よりも凄かったと言う事を知ったのだった

 

(手当てしてくれたのはアーチャーか?)

 

適切な応急処置が施されている。包帯とか湿布も張られている、これは多分アーチャーがやってくれたんだろうと思いながら、立ち上がる

 

「思ったよりも平気だな」

 

痛みはあるが、母さんに昔に剣の指導を受けていた時と比べれば全然平気だ。それに毎日やっている筋トレのおかげだろう

 

「ん?起きたのかモードレッド」

 

部屋に入ってきたヴィータさんに咄嗟に身構える。残念なことに武器になるような棒状の物はないが、身構えておけばある程度は対応できるはずだと思っていると、ヴィータさんは頭をかきながら

 

「あー悪い。昨日は少しな」

 

少し?角度、威力共に最高の拳打をこれでもかって打ち込んでそれか?俺が怪訝そうな顔をしていると

 

「兄貴として妹と男が夜に一緒に居ると聞いて、更にお前のへたれ具合を見て平常心でいられるとおもうか?龍花に何かあったら?と思うのが当然じゃないか?」

 

諭すように言うヴィータさん。少し考えてみる、俺とヴィータさんが同じ立場だと考えると

 

「無理かもしれないです」

 

もし姉貴が妹だったと考えて、シロウと一緒に肝試しを兼ねた、スタンプラリーで夜の森にいると考えると、到底通常ではいられないだろう

 

「だろ?まぁはやて達も悪いことをしたって言っているし、昨日のことは本当に悪かったな」

 

そう謝ってくるヴィータさん。その言葉に嘘は無いと思う……

 

「いや、別にいいですよ。俺も同じ立場だったら同じだと思います」

 

妹がいて、兄の立場だと考えると昨日の俺の行動は認められるような行動ではないだろう

 

「うっし、じゃあ飯に行こうぜ。な!」

 

俺の肩に腕を回して笑うヴィータさんだったが、最後に俺を見て

 

「て出したら殺すからな?覚えとけよ?」

 

ぼそりと呟かれ、その恐怖で背筋が凍ったような気がして

 

「……はい」

 

ビクビクしながら頷くと、それなら良いんだよっと笑って

 

「ほれ、早く行こうぜ」

 

ばんっと俺の背中を叩いて歩き出すヴィータさん。俺はその背中を見ながら、自分の気持ちについて考えていた、リューカに手を出そうとすれば俺の命に関わるのは知っている。だけど

 

(惹かれちゃうんだよなあ)

 

リューカのぽわぽわした性格に、小動物のような気配。あの庇護欲の塊のようなリューカは可愛い。前の遊園地に出掛けた時から俺の中でリューカの存在はかなり大きくなっている

 

(如何した物かなあ)

 

命の危険があるからリューカを諦めるのか?それともその危険性を理解してなお、リューカと一緒にいたいと思うのか?

 

(俺は如何したいんだろうなあ)

 

自分でどうなりたいのか?何をしたいのか?と言うのが纏まっていない。ごちゃごちゃした頭の中。俺はヴィータさんの後ろをついてレストランへと向かったのだった……

 

 

 

ホテルの朝食はバイキング形式で好きなものを食べれるので中々良かった。だけど僕は他にもやらないといけないことがあったので少し大変だった

 

「ギル。好き嫌いをしない、野菜も食べる」

 

「何故我が野菜などを食わんとならん?」

 

ギルはバイキングだと自分の欲しい物しか食べない。これだと栄養が偏ってしまうので、僕が取り分けてあげないといけないのだ

 

「龍花は何を食べる?」

 

「んーオムレツ」

 

リューカは背が低いのでハヤテに取って貰っている。零したりひっくり返さないようにする対応だろう

 

「はい。これを全部食べるんだよ」

 

「……ちっ」

 

露骨に舌打ちするギル。どうしてこうもへんな所で子供っぽいのかな?

 

「別に野菜などは食べなくても死なない」

 

ふんっと鼻を鳴らすギル。ふーん。そう言うこと言うんだ、なら僕には僕の考えがあるよ。ハヤテに料理を選んでもらっている間暇なのかふらふらしてるリューカに

 

「リューカ。聞いてくれないか?ギルが好き嫌いするんだ」

 

「なぁ!?卑怯だぞ」

 

僕に卑怯だというギル。だけどこれは卑怯でもなんでもない、子供みたいなことを言うギルにはこれが1番効果的だ

 

「ギー君。好き嫌いあるんですか?」

 

リューカがギルを見上げながら言う。その後ろではハヤテがにやりと笑っている。完全に馬鹿にしている笑みだ、だが高校3年で子供のような好き嫌いをしていると聞けば馬鹿にされるのも無理はないだろう

 

「そんなわけがないだろう!我に嫌いな物など無い!」

 

ひょいひょいと自分の苦手な物をトレーに乗せるギル。うんうん、こういう時はリューカを使うと良いね。ギルが素直に動いてくれるから

 

「嫌いな物が無いなら良いですね。何を作っても食べてくれるのは嬉しいですね」

 

にこっと笑うリューカに当然だ!と返事を変えすギル。だけど僕には判っているとんでもないことになったと思っているのは明白だ

 

(駄々をこねるからだよ)

 

リューカの前で情けない姿を見せたくないと思う。ギルの真理を逆に利用したのだ。

 

(これからはリューカを利用しようかな?)

 

お弁当を用意しても残す時があるし、リューカが一緒にいれば嫌でも食べてくれるはずだ。

 

(折角作った弁当を残されるのは面白くないし、全部食べて貰えた方がいいしね)

 

僕はそんな事を考えながらオーカ達の座っている所に向かい。腰掛けると

 

「策士だな」

 

「とんでもない。ただリューカの純真さが凄かっただけだよ」

 

リューカの純粋さを前にすれば、よほどスレテいる相手でなければ。リューカの笑みで改心すると僕は確信している

 

「それより。今日は何を予定しているんだろうね?」

 

午前中は好きにして良いと言っていたけど、今日は何を計画しているんだろうね?と呟くと

 

「うーん。何かしらね?楽しみにしててって言ってたけどね」

 

紅茶を片手にそう笑うリン。目の前にはフルーツサラダの皿だけ置いてあり、それ以外何もおいてない。と言うことはそれ以上食べるがないって事だよね。僕でもそれにトーストと卵をつけているけど、リンはもしかすると朝は食べない派なんだろうか?僕がそんな事を考えているとライカがフォークを咥えながら

 

「凜はそれで足りるの?」

 

きょとんを首を傾げながら尋ねるライカにリンは苦笑しながら

 

「あたしは雷花見たいに朝から食べれないのよ」

 

リンの言うとおり、ライカの食べている量は僕達よりもかなり多い。どちらかと言うと男子の食べる量に近いだろう

 

「えへへ。一杯食べておかないと遊べないでしょ?」

 

遊ぶために一杯食べる。子供のような性格だけど、それがライカらしいと思って笑っていると

 

「所で凜は士郎の所に行かないのですか?」

 

セイカがそう尋ねる。確かにそれは僕も気になっていた、シロウをこの旅行に誘ったのはリンだ。当然一緒にいるものだと思っていたんだけど……

 

「流石にあの食欲を朝から近くで見るのは嫌だったのよ。それに昨日は肝試しに割り込んじゃったし、邪魔をするのもどうかなって思うしね」

 

リンは勝気だが、ちゃんと気を使える所もある。そう言うところが人気の出るところなんだろうと思いながら、ちらりと横目でアルトリアを見る。実に幸せそうな顔をして、もっきゅもっきゅと凄い量を食べているアルトリア。それは近くで見ると確かにちょっとと思う光景だ。だけど士郎はにこやかに笑いながら

 

「もうちょっと何か取ってくるか?」

 

さっきから自分の食事は殆ど進めず、アルトリアの世話をしているシロウ。アルトリアはそれが嬉しいのかにこりと笑いながら

 

「ハムエッグをよろしくお願いします」

 

了解と笑って料理を取りに行く士郎。面倒見が良いのは知っていたけど、あそこまでするかな?と思ってみているとリンもその光景を見ながら

 

「それにさ、イリヤとクロエが来れば士郎はそっちに行くって判っているし」

 

リンがそう言うと丁度イリヤとクロエがふらふらとレストランに入ってくる、それを見たシロウは悪いとアルトリアに声を掛けてから、席を立ちイリヤとクロエの方に歩き出す

 

「おはよう。イリヤ、クロエ」

 

シロウにそう声をかけられた2人は

 

「おはよう……お兄ちゃん」

 

「おはようございますう……士郎兄様」

 

低血圧でふらついている2人の手を引くシロウ。その姿はお兄さんと言う感じがする。まぁ実際にお兄さんなんだけどね

 

「そう言うわけ。ならこうして話しながら食べたほうが楽しいでしょ?」

 

くすりと笑うリンに納得と頷き、僕は自分の食事を再開したのだった。なお僕達が和気藹々と食事をしている反対側の机では、龍花の周りにはヴィータ達がしっかりとガードしており、その輪の中に入るこのできなかったギルが不機嫌そうに苦手な食材と格闘していたのだった

 

 

 

龍花達が食事をしている頃。お母さんコンビはと言うと

 

「昨日の肝試しはあんまり良くなかったですね」

 

「意図していたのと全然違う肝試しはあったけどね」

 

はやて君達がモードレッド君に襲いかかっているシーンは、私でも少し怖いとおもうほどのホラーシーンだったけど、私の思っている展開とはまるで違った。こうもっと仲良くなってくれるような感じにしたかったのに

 

「ではアイリ。次は如何しましょうか?」

 

「そうねえ。何がいいかしらねえ」

 

昨日は海と肝試しをした。続けて海と言うのも面白みが無い、もっと他の何かはないかしら?ホテルの支配人にもらったこのホテルで受付が出来る、アクティビティーが書かれているパンフレットを見ながら

 

「この周りである遊園地にバスが出ているようですが、これはどうでしょうか?」

 

同じようにパンフレットを見ているリリィに

 

「遊園地はもう少し後にしておきましょうよ。折角だからこの近くでしか出来ない物の方がいいでしょ?」

 

遊園地なら海鳴の町にもあるし、折角ならこの近くで出来るもの……何かないかな?と思いながらページを捲っていると良いのがあった

 

「あ、リリィこれなんてどうかしら?」

 

パンフレットの後ろのほうに描かれている項目を見せると

 

「ほう……面白そうですね。男性が多いですしこれは良いとおもいますよ?」

 

リリィの賛同も得れたし。今日のレクリエーションはこれに決まりね

 

「川遊びツアーで行きましょうか」

 

川で魚釣りとボート遊びをメインにしたレクリエーション。値段もお手ごろだしアーチャーは魚釣りが好きだから彼も喜ぶ、それに川釣りといえば虫餌。龍花ちゃん達はきっと触るのは嫌がるだろう、私も嫌だし

 

「こういうのは男の子の出番ですね。きっといい感じになるでしょうね」

 

きっとこれは上手く行く、女の子が少なくて、男の子が多いからきっと今回は私とリリィの思うとおりに動くはずだと思いながら

 

「ええ。私もそう思うのよ」

 

そうと決まれば早速受付をしてこないと!昨日は失敗だったけど今回は大丈夫なはず。私はそう考えホテルの受付に向かいこのレクリエーションの受付を済ませ、この事を龍花ちゃん達に伝えるためにリリィと一緒に、彼女達の部屋へと向かったのだった……

 

 

第74話に続く

 

 




次回は川遊び編です。アーチャーを含めた男性陣が活躍する予定です、勿論他のキャラも出すつもりです。釣りと言えば……そうあの人ですね。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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