第7話
「ほう?珍しいな金ぴか?2週間もの無断欠席をしておいてどういう心境の変化だ?」
「黙れ。雑種、我が何時来ようが我の自由、なぜ貴様如きに断りを入れねばならん?」
久しぶりに学校に来るなり忌々しい八神はやてと顔を見合わせる事になるとは、まぁ同じクラスなので顔をあわせる機会は多いのだが……良い気分ではない
「そういう貴様こそ、来るのが遅いのではないか?」
「こっちにはこっちの事情があるんだよ」
ふん!互いに鼻を鳴らしそっぽを向く。相変わらず馬が合わない
「やあ、ギルそして生徒会長。相変わらず喧嘩ばかりかい?」
「エルキドゥ……女子は女子らしく、決められた制服をだな」
はやてがそうエルキドゥに注意しようとするが
「校則で決められてるわけじゃないし。先生方の許可は取ってる生徒会長君に言われる事じゃないよ」
「むっ」
エルキドゥは表情こそ温和だが、中々に毒を吐くやつだ……しかし
「お前こそどうした?お前は2年だろうが?」
「うん。暇だからうろうろしてたら廊下で2人が喧嘩してると聞いてね。一応止めに来たんだ」
なるほどだから3年の教室の前に居たのか……疑問が解決し納得していると
「生徒会長。それじゃあ僕は教室に戻るけど。僕の友は少々変り種と言う事を理解してやって欲しい」
「余計な事を言うな!」
「事実だろう?じゃあね」
言うだけ言って階段を下りていくエルキドゥを見ていると
「ん」
「なんだこれは?」
束になったプリントを差し出されそう尋ねると
「お前が不登校の間のノートの写しと課題。課題の提出日は明後日だ、ちゃんとやっておけ」
「一応礼は言う」
プリントを受け取り教室に入ると
「キャーッ!!ギル様よ!!!」
「お久しぶりです!ギルガメッシュ様!!」
「うるさいぞ、雑種ども」
全く毎度毎度うるさいことだ。我は群がった女子を一瞥し自分の席の横に掛けていた鞄にプリントを突っ込み。そのまま教室を出た
(程度の低い授業に興味など無いからな)
程度の低い授業。愚かな教師そんな物の為に我の貴重な時間を割く気は無く、我はそのまま暇つぶしにでもと図書館に向かった
「ふう。不安だ」
さっさと教室を出て行くギルガメッシュを見ながら呟くはやて。我侭で非常にプライドが高いやつと龍花が会うかもしれないと思うと。不安しかない……龍花は素直な子だ。簡単に他の色に染まってしまう。そんな龍花とあのギルガメッシュが合うとどうなるか判らない。それが不安なはやてだった……
「お?エルキドゥどこ行ってたんだ?」
「僕の友と君の兄の喧嘩の仲裁にね?」
教室に入るなりそう尋ねてくるヴィータにそう言うと
「あー。はやてとギルガメッシュ仲悪いかんなー」
うんうんと頷くヴィータ、ギルは自分と僕とリューカ以外を友達だとは思っていないが、僕は違って仲良くしてくれるならそれなりに仲良くするし話もする。まぁ友達の域は絶対に出ないけどね
「いや。あの我の強いギルガメッシュとはやての喧嘩を止めれるのはお前くらいじゃないか?エルキドゥ」
「やっ、士郎。前に2人の喧嘩を止めようとして窓から落ちた君が言うと説得力があるね」
「あれはやばかった。正直死ぬかと思った。おかげでセイバーとイリヤにこっぴどく怒られた」
赤毛で正義感の強い士郎もトメニ入ることが多いが、大概巻き込まれ怪我をする。そしてその後に妹のイリヤスフィールとアルトリア・セイバーに怒られるのだが、全く懲りず喧嘩のたびに止めに入り怪我をする。正直Mなんじゃいかと噂されている
「いま凄い不名誉なこと言われた気がするんだがヴィータ」
「気にすんなよ。ブラウニー」
「まぁいいけどさ、ブラウニーで」
人のいい士郎は誰が呼んだかブラウニーと言う渾名で呼ばれることが多い。
「1時間目は……英語。タイガーか?」
「タイガー言うと怒るぞ?藤ねえ」
「ははは、そうだなー」
僕と士郎とヴィータがそんな感じで話してる中、クラスの面々は
「相変わらずあの3人仲いいなー」
「野球部エースと弓道部の事実上の主将に、男装してる女子。何の共通点も無いのになー」
何の共通点も無いと思われていたこの3人だが、実は1つだけ共通点があったりするのだが、それが判るのはもう少し後の話になる
「ふっふーん♪えーとここだよねー」
ヴィータ兄に教えてもらったはやておにーちゃんの教室の扉を叩き
「失礼しまーす」
「ん?おおう。龍花か~久しぶりだなー」
「直哉さん、こんにちは。おにーちゃん知りません?」
昼休みなので人数が少ない教室を見ながら尋ねると
「んー直ぐ戻ってくるんじゃないか?ジュース買いに行くとか言ってたし」
「じゃあ、ちょっと待ってます」
一緒にお弁当を食べようと言ってくれたおにーちゃんを待っていると
「邪魔だ、雑種」
「お前こそ邪魔だ、金ぴか」
廊下からおにーちゃんとどこか聞き覚えのある声が聞こえる
ガラッ!
扉が開き姿を見せたのは逆立った金髪にルビーのような真紅の瞳をした男子生徒。その姿は記憶の中にある懐かしい友人に良く似ていた
「ん?来てたのか?先に行って待っていれば良いのに」
私に気付いたおにーちゃんの隣から
「邪魔だ雑種……ん?」
おにーちゃんを退けて私の前に立った金髪の青年がじーと私を見る。そして私もその青年を見る。かなり背が高くなってるが間違いない
「ギー君?」
「リューカ?」
懐かしい呼び名、やっぱりだ
「ふっ!ふっははははは!!!リューカ!久しぶりだッツ!!5年ぶりか!!!」
「わわッ!!!」
大笑いしてそのまま私をわしゃわしゃと撫でたギー君は少し不機嫌そうに
「何だ何だ、退院したのなら我に一言言わぬか、退院祝い位してやるというのに」
「だって、私ギー君の連絡先知らないから……」
「むっ?そういえばそうだな。携帯は持ってるか?」
うんと頷き携帯を取り出すと
「どれ、登録しておいてやろう。嬉しいだろう?」
くっくと笑い私の携帯と自分の携帯の番号を交換してるギー君に
「ギー君、先輩だったんですか?」
「ん?そうなるか」
「じゃあ先輩の方が良いですか?」
私がそう尋ねるとギー君は
「良い、我とお前の仲だ、今まで通りギー君と呼ぶ事を許そうぞ」
「何か、変わりましたねーギー君、昔はもう少しのほほんとしていたと思うんですけど?」
「月日が経てば変わる物だ、だがお前は昔のまま愛らしいままだがな。……何故そんなに背が伸びておらんのだ?」
「わかんないです……」
「その背では世界も狭く見えよう。それはあまりに不便……特別に天を仰ぎ見る我と同じ視線をお前にも見せてやろう」
ギー君が私のほうに手を伸ばそうとした瞬間
「何をする?雑種」
「お前こそ何する気だ」
その腕を掴むおにーちゃんとギー君が互いに怖い顔で睨みあう
「懐かしい友との再会を邪魔するか?雑種」
「黙れ、近付くな」
お互いにお互いの腕を振りほどこうしているのを見て
「おにーちゃん、ギー君は優しい良い人なんだよ」
喧嘩を止めないといけないと思いそう言うと
「おにーちゃん?この雑種?いや……はやてが?」
「良い人?この金ぴか我侭がいや……ギルガメッシュが?」
信じられないと言う顔をするギー君とおにーちゃんの腕を掴んで
「ギー君、外でおにーちゃん達とお弁当食べるの、ギー君も一緒に食べよ?」
「「えっ!?」」
?何か2人とも凄く嫌そうな顔してる
「駄目?」
2人とも背が高いので下から覗き込むようにして尋ねると
「「……良いに決まってるじゃないか!!」」
「わあ、良かった。じゃあシグ兄とヴィータ兄も待ってるから行こ!」
楽しいお昼の時間になりそうだ。私は上機嫌で2人の手を引いて歩き出した
「何かあれ、凄く殺伐としてないか?セイバー」
「ええ、私はそう見えます」
学校の庭は昼休みに開放されており、普段なら弁当を持ってきている生徒達の憩いの場になっている。俺も仲の良いセイバーと共に昼食に来たのだが
「えーと、ギー君は紅茶好き?」
「リューカの用意してくれるものに文句は無い」
青いシートに座るヴィータとシグナム。それにはやてとギルガメッシュと龍花。龍花だけは楽しそうなのだがあとのメンバーはどうにも不機嫌そうだ。
「あれが、シロウがよく言っている。シグナムの妹ですか?」
「ああ、あんまり知られてないけどな。はい、セイバーお弁当」
「貴方に感謝を」
何時もの様に2人で庭に来て弁当を食べようとしていたのだが、どうにも何時もより人数が少ないなーと思っていたが原因は恐らくあれだろう
「お砂糖は?」
「2つで頼む。リューカ」
「うん♪」
鼻歌交じりでポットの紅茶をカップにいれ皆に配っている龍花。だがなぜあの殺伐として雰囲気に気付かない?
もっきゅ、もっきゅ
「シロウ、今日も貴方のお弁当は最高だ」
「ありがとう、セイバー。はい、お茶」
セイバーの前にお茶を置き、自分の弁当を食べ始める。今日のメニューはきんぴらに鮭の塩焼きに玉子焼きとおかずは平凡だが、ご飯は俺渾身の一品の炊き込みご飯。これは冷えても美味しいので弁当には丁度良い
「この炊き込みご飯は絶品だ、シロウ」
「それは良かった。気に入って貰えて嬉しい」
俺とセイバーが仲良く食べているのに対し
「手をどけよ、雑種。それは我が食べるのだ」
「黙って、てめえはてめえの弁当食ってろよ」
バシバシッ!!
箸でおかずを奪い合う、ギルガメッシュとヴィータ。
「何故彼女はあの攻防に気付かないんでしょうか?」
「龍花は天然なんだ。きっと仲良くふざけてる程度の認識だと思う」
「なるほど。だからずっと笑ってるんですね。シロウ、お代わりを」
にこにこと笑い続けている龍花。楽しいと言いたげ表情だがきっとヴィータ達はどうやってギルガメッシュを排除するかどうかしか考えていないだろう
「誰か間に入れば変わると思うけどなー」
持ってきていたお代わりようのタッパーを取り出していると
「やあ。リューカ。こんな所で昼にしていたのかい?」
「?……エンちゃん?」
「うん、そうだよ。でも何で疑問系なんだい?」
エルキドゥがにこやかに言いながらシートに座る、ちょうどはやてとギルガメッシュの間に
「だって男の子の格好してるから……エンちゃん。昔はスカートじゃなかった?」
「うーん。気分で変えてるんだよね。ほら僕って胸もあんまり出てないし男の格好しても違和感無いだろう?」
にこにこ笑うエルキドゥは
「サンドイッチ貰うよ」
「うん、エンちゃんは紅茶に砂糖は?」
「ストレートで頼むよ」
エルキドゥが俺とセイバーを見て軽くウィンクする。さしずめ僕が何とかするよ、と言った所か。あいつはあいつで気がまわる良い奴だ。だからギルガメッシュと仲良くできるのだろう。心配事も無くなったし俺も弁当食うか。俺はそんな事を考えながら自分の作った弁当を食べながら
「そういやさ、セイバー。俺お前の作った弁当も食べて見たいな。前言ってただろ。料理できるって」
「ぶっ!?……ええ。それなりのものならば……作れますが。シロウの物と比べられるのは恥かしいのですが」
?何だ、何時も堂々としてるセイバーが急におどおどし始めたんだけど?
「良いって、食べてみたいんだよ。駄目か?」
「いえ!シロウが喜んでくれるのならば!私も腕を振るいましょう。では明日は私が用意しましょう」
「そっか、楽しみにしてるよセイバー」
「……そうですか、では色々考えたいので今日は私先に帰りますね」
「ん、判った。じゃな」
そろそろ予鈴も鳴るし教室に戻らないと不味い、俺は弁当を片付け教室へと戻った
いまだかつて無い緊急事態だ。私は珍しく剣道部を休み早足で自宅へと戻っていた。
(まさか覚えているとは……)
シロウと会ったのは中学の2年の時、その時に少しだけ話した内容を覚えていてくれたのは嬉しいが、それは不味い
(本当は料理など出来ないのだから)
私に出来るのは格闘技か剣術くらい、料理などやった事は無い。好きな人の前に意地を張ってしまい出来ない事を出来るといってしまった自分が情けない
(相談できるのは……えーと)
自分の知り合いの顔を思い出しながら考える
アイリスフィール 論外 シロウを殺す気か
アーチャー 可 だがシロウに私が料理が出来ない事がばれかねない
ガウェイン 論外 あんな雑な物を料理とは呼ばない
ランスロット 可? なんでもそつなくこなすが、料理の能力は疑問が残る
「なんて事だ頼りになる人がいない!?」
幼い頃より剣術ばかりやっていた自分が今更料理なんて
「あの?どうしたんですか?」
「リューカ?」
思わず頭を抱えていた私に声を掛けてくれたのは、今日昼間に見た銀髪の少女だった
「?どうして私の名前を?」
不思議そうな顔をするリューカに
「あ……えと、シグナムとは同じ部活でして」
「ああ、お兄ちゃんとお友達の方ですか。それなら私の事知っててもおかしくないですね」
にこにこと笑うリューカ、知り合って数秒の人間だが私は思わずその小さな手を掴んで
「お願いします!リューカ!私を助けてください!!」
「ほえ?」
藁にもすがる気持ちで私はリューカに助けを求めた……
第8話に続く
6話と比べるとやり易かったですね。はやてやギルガメッシュを絡めると話が進めやすいことがわかりました。これは良い成果です。それでは本来ならこの後に海鳴チャンネルを入れるのですが、少々ネタが無いので今回はお休みです。トークだけと言うのは難しいものなんですね。6話の最後に少しやりましたが、テーマに対してのゲスト・BBの反応は決まってるんですけど。どうもスタート「○○~ですけど、どうでしょう?」が決まらないですよね。起承転結の転と結は考えれても肝心のスタートが切れないので困っています、アドバイスとかをメッセージでもらえたりすると嬉しいです。それでは失礼致します