まぁイラストしか知らないんですけどね!それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
第80話
アインツベルンの城での和解怪談はまったくと言って良いほど上手く行かず、私はウーサーとキリツグを連れて日本に戻ってきたのだが……
「「ギリッ!」」
互いに歯を食いしばり一向に顔を合わせようとしない2人に正直私の胃は崩壊寸前になっていた。
(少しは年寄りをいたわるという気持ちはないのだろうか?)
こういう所を見るとゾォルケンの息子のカリヤはいい子だと思う。戦場カメラマンとしていつ死ぬかも判らない生活をしているが、帰ってくれば必ずゾォルケンのところに顔を出してお土産を持ってくるしな。それに比べてこの2人は意地を張り合い、まるで子供のようだ
「おっとすまない。手が滑った」
「問題ないですよ。私も足が滑りました」
キリツグ→満タンの缶コーヒーをウーサーの上に落とす
ウーサー→キリツグのつま先をかかとで踏み抜こうとする
「「ギリギリギリ」」
互いにその攻撃を回避し取っ組み合いのけんかに移行しようとするウーサーとキリツグ。それにより周囲の好機の眼差しは更に強くなる……もう我慢の限界だった。日本の空港でこんな事をするとは……
「己らは子供かッ!!!」
もう何度振り下ろしたか忘れたが、私は両手で杖を持ち2人の頭に叩き込んだのだった……
(失敗であった)
こんなに喧嘩をするのなら、アイリとリリィも同席させるのだった……暴走しがちな2人のストッパーの事を思い出しながら
「行くぞ。馬鹿どもが」
「「……はい」」
頭を押さえている大の大人を2人連れて私は空港を後にしたのだった、ガラガラと音を立てるのはウーサーとキリツグの旅行鞄だ。そのうるさいとも言える音を聴きながら
(リューカの入れてくれたお茶が飲みたいものだ)
普段の夏休みだと、散歩をしているリューカと暇だからと言って将棋かチェスをしに来るゾォルケンと共にのんびりと過ごすのに。如何して今年の夏はこんなに疲れるのだろうか?と思い私は大きく溜息を吐くのだった……
ここがニホンですか……アルトリアやモードレッドが留学しているという場所だがこうして来たのは初めてだ
「アハト翁……少々騒がしい所ですね」
がやがやと聞こえる声に、カシャカシャと言うフラッシュ音にたまらずフードをかぶりながら言うと
「日本はそう言うところだ、顔がいいと直ぐ騒がれる、中身はドス黒でもあってもな」
「ヒゲと目が死んでいる貴方は騒がれなくて良いですね。キリツグ」
「やるのか。喧嘩なら買おうじゃないか」
「上等です、その頭を叩き潰して」
「いい加減にせんかぁッ!!!」
ドゴスッ!!!ボキッ!!
「「!?!?」」
アハト翁に叩き込まれた杖が中ほどから折れる、アインツベルンで何度も何度も繰り出されていたのだが、流石にもう耐え切れなかったのだろう。
「あ、アハト翁。痛いです」
「お義父さん……流石に僕の頭も限界なのですが」
殴られた場所を抑えながら言うとアハト翁は
「黙れこのトラブルメイカーどもが!少しは大人しくしておれ!!!」
鬼の形相で怒鳴るアハト翁。その姿は在りし日のアハト翁の姿を連想させる。昔は冬のしろ「アインツベルン」の厳格な当主として有名だった。あの時の姿にだぶる
「「はい」」
ここで逆らってはいけないと判断する。なぜなら
「またこれをもつときが来るとは」
自分の鞄から金属性の杖を取り出す。それはアハト翁がアインツベルンの当主として使っていた杖で、軽量でありながら固いという杖だった。流石にあれで殴られたら僕も無事ではすまないと判断し、キリツグと喧嘩をする事無くアハト翁の後ろを付いて歩くのだった……
「ウーサー。お前の家はあっちの方角だが判っているか?」
「ええ。大丈夫です、アハト翁」
僕がこの街に買った家の場所くらいは覚えていますよと返事を返すと
「では荷物をおいて、私の家に来るようにそこでまた話し合いの場を設ける」
「……無駄だ……「カツン!」……直ぐ参ります」
杖で脅された僕は直ぐにそう返事を返し、リリィ達がいるであろう屋敷の方に足を向けたのだった……
「こうして見ると大きいですね」
ランスロット・ガウェイン・アルトリア・モードレッドで暮らすには少々大きすぎましたかね?と苦笑していると
「と、父さん!?なんで日本に!?」
驚いた様のモードレッドの声に振り返り、僕は
「それはどうしたんですか?」
両手に買い物袋を2つずつ持ち、大きな鞄を背負ってそこから大量のペットボトルを見せている
「あ。えーと姉貴が……」
「全くアルトリアは……」
食べるのが好きなアルトリアらしいと苦笑しながら
「半分持ってあげますよ。行きましょう」
モードレッドの荷物を半分受け取り門を潜ると
「ウーサー。いつ日本へ?」
庭でティータイムと言うリリィに僕は
「ついさっきです。アインツベルンの会談は失敗になりましてこれからアハト翁の所で話し合いに行くのですよ」
リリィにそう言うとリリィはカップの机の上において
「荷物を置いてから戻ってきてください。ハーブティーを用意しておきますよ」
「ありがとう」
リリィの言葉に笑いながら返事を返しモードレッドと一緒に屋敷の中に入る
「旦那さまあ!?」
僕を見て絶叫するランスロットに苦笑して
「ランス。これを僕の部屋へ直ぐに出ないといけないので」
荷物をランスに手渡し僕は直ぐに庭へと引き返しリリィの真向かいに座ると
「はい。どうぞ」
「ありがとうございます」
差し出されたハーブティーの香りを楽しみながら僕は
「よろしければ一緒に来てくれませんか?僕だけだと喧嘩になってしまいそうなので」
「いいですよ。ご一緒します」
リリィと一緒に行けば喧嘩になるような事はないだろうと思いながら、ハーブティーで飛行機の疲れを取り2人でアハト翁の家へと足を向けたのだった……
「士郎!イリヤー!アイリーッ!!!」
僕は家に帰るなり庭に居た士郎達を思いっきり抱きしめた
「じーさん?どうしたんだ?」
「キリツグどうしたの?」
「髭痛い……」
三者三様の反応をする士郎達に僕は
「またウーサーと合わないといけないんだ……嫌なんだ」
ウーサーと顔を見合すことでさえ嫌で嫌で仕方ないのにまた会うなんていや過ぎる……するりと抜け出した士郎とイリヤはそのまま縁側に腰掛ける。
「うんうん。キリツグは頑張ったわよ……お義父様の所に行くなら私も一緒に行くからね?頑張りましょう?」
「アイリ……判ったよ」
アイリを抱きしめているキリツグを見ている士郎とイリヤは
「じーさん。メンタル弱いよな?」
「うん。豆腐だね、意地でも弱い所を見せようとしないから反動が大きいんだよ」
自分の娘と息子に豆腐メンタルと言われるキリツグはそのまま20分以上動かないのだった……
なおキリツグがメンタルを回復させようとさせている頃……ユーブスはと言うと
「リューカ。お茶を入れて貰えんか?」
「はいはい。今用意しますね、ユーブスさん」
散歩をしていた龍花を呼び止めたユーブスは蚊取り線香の準備をし
「久しぶりに親族に会いにいったのだが疲れてしまったよ」
「お疲れ様でした。はいどうぞ」
「うむ。落ち着くのう……」
「羊羹も切りましょうか?」
「リューカも食べていいぞ」
「わあ良いんですか?すぐに切ってきますね!」
自分の孫よりも孫らしい龍花と並んで縁側に座り。キリツグとウーサーが来るのを待っていたりするのだった……
第81話に続く
次回はウーサーと龍花のエンカウントですね。写真で知ってる程度の事前情報です。そしてリリィとアイリは呼ぶ予定だった龍花がユーブスと並んでお茶をしていて驚くと……っとこんな感じですね。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします