ほのぼのはここまでだ!ここからは巡るめくカオスの時間だ!(嘘)流石に節度は持ちますとも。まぁイベントが増えるのは約束します。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
第83話
時臣の家に電話で凜ちゃんが事故に会いかけたと連絡してから10分後
「切嗣!凜は!凜は大丈夫なのか!?」
交通事故に合い掛けたが通りすがりの人物に助けられたと連絡すると、血相を変えて駆け込んできた時臣。窓の外を見ると真紅の車が見える。相変わらず赤が好きなんだと苦笑しながら
「ああ。凜ちゃんは無事だよ。今はショックを受けて寝てるみたいだけどね」
奥の部屋で布団を引いて寝かしてあると説明すると時臣は、額の汗を拭う素振りを見せながら
「車の運転手は?」
スマホを見ながらの脇見運転で対向車とぶつかりかけてハンドルを切って。そのままスリップしたらしい
「脇見運転だそうだ。警察に連行されたよ」
一応さっき警察が来てそう話をしてくれたと言うと、時臣は僕を見て
「凜の命の恩人はどこに?礼を言いたいのだが」
こう言う所は流石時臣。ちゃんとしていると思いながら
「今は止めたほうが良い。彼は相当無理をしたらしい」
「無理?何をしたんだ?」
僕の前に座りそう尋ねてくる時臣の前にボロボロにひしゃげた義手を置く
「これは?」
「凜ちゃんと龍花ちゃんを助けれくれた青年の物らしい。見てみろ」
時臣は義手を様々な角度から見て、何かに気付いたようだ
「これは……直接神経を繋ぐタイプの……しかし見たこともない方だな」
「彼の友人が自作した物らしい。彼は滑ってきた車に拳を叩き込んで止めたんだ。でもその衝撃で今は眠っていて目を覚まさないんだ」
「なんと言う無茶をショック死するぞ」
それだけリスクの高い義手だ。それを見ず知らずの2人の為にしてくれたと思うと僕は
「だから今は客まで休んで貰っている。彼の妹を名乗る子がついてくれてるよ」
かなり献身的に世話をしているのを見て、僕が思ったのははやて君に似てると思ったことだった
「そうか……私も少し待とう」
「お茶で良いかな?」
何でも良いと返事を返した時臣に緑茶を入れて、暫く話していると
「切嗣。彼がおきたらしい、こちらに案内しても良いか?」
アーチャーの問い掛けに頷く、暫くすると黒のYシャツ姿の青年とその後ろをついて歩いてきた2人の美女が部屋に入ってくる
「申し訳ない。気絶した見ず知らずの者に休む所を与えてくれた事に感謝します」
膝を付いて深く頭を下げる青年。黒のコートにサングラスととても目立つ容姿だが、この街で見たことのない事から、旅行客か何かだと思っていると時臣が
「それを言うなら私のほうだ。娘を助けれてくれてありがとう。なんと礼を言えば良いのか」
「人として当然の事をしたまでです。しかしいつまでもここにいるわけにも行きませんので、この場は失礼を」
そう言って帰ろうとする青年を呼び止めようとしたところで
「切嗣さん。あの人が起きた……」
はやて君達が部屋にきて僕と時臣と青年を見る。青年は肩を竦めて
「帰れる雰囲気ではなさそうですね。申し訳ないですが、私にもお茶をいただけますか?」
苦笑しながら言う青年とその隣の女性に湯飲みを差し出しながら、良いタイミングでこの部屋に来てくれたと感謝するのだった。あのままでは彼らはこの屋敷を出て行ってしまっていただろうからね……
龍花と凜を助けてくれた青年の左袖はプラプラと揺れている。私がそれを見ているのに気付いたのか
「義手だから気にする事はないよ。また治るからな」
サングラスで目元は見えないが、優しく言ってくる青年。その後ろに座っている女性は私を監察しているように見ている。その事が気になっていると龍花が
「助けていただいてどうもありがとうございました。お名前は?それと失礼ですが、どうしてサングラスを?」
それは私も気になっていた。室内なのにサングラスをかけたままと言うのは少しおかしいのでは?と思っていると
「ふむ。興味を持つのは仕方ないな……こういうわけだ」
サングラスを外して机の上に置く、そして顔を見た私は……いや士郎と凜も驚いているのが判る。右目にある深い傷も気になったが。それよりも
(((龍花と同じ目の色)))
蒼銀と言うとても珍しい目の色をしている。龍花はとても驚いているのが判る
「と言うわけなのだよ?余り見ていて気分のいいものではないだろう?」
そう笑ってサングラスをかけ直してから
「私の名は八神。八神龍也だ。で、こっちは」
「八神はやて。あんたもはやて言うらしいな?よろしゅう」
茶髪で人の良い笑みを浮かべているが、どこか恐怖を感じる変わった女性と
「……セッテ・スカリエッテイ……」
ぼそりと呟くピンク色の髪の女性は私達を見ることも無くそう告げた。私は3人の名前を聞いて
(珍しい事もあるものだな……)
私の家族や知り合いと同じ名前。はやてさんに至っては私と同じ名前で驚いていると
「八神龍花です。こっちははやておにーちゃんで、シロ君と凜さんです」
驚いている私達に代わって龍花が軽く私達のことを紹介しつつ
「同じ名前なんて凄い偶然ですね!はやてさん」
にこにこと笑いながら言う龍花。はやてさんは少し驚いた素振りを見せたものの
「そやね?でもなぁ?世界には3人は似てる人間が居るって言うし、結構居るかも知れんで?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら言うはやてさんに龍花は
「そうだと私に似ている人もいるのかなあ?会えるなら会って見たいですねえ」
楽しそうに、言いかえればマイペースに話を進める龍花の隣で龍也さんと切嗣さんが
「海鳴には何をしにきたのかな?」
「旅行ですね。いきなり義手が吹っ飛ぶとは思いませんでしたけどね?」
はははと笑いながら右手で湯飲みを掴みお茶を飲んでいる龍也さんの隣で
「わ、私……私が龍也様の為に作った義手が……ボロボロ……」
ぶつぶつと呟いているセッテさんに話しかけるのは止めておこう。なんか怖い
「えーと旅行なのに……その……えーと」
凜が何と言えば良いのか判らないのか、珍しくもごもごとしていると
「ああ。気にしなくて良いよ。いつもの事だから「「いつも言うなあ!!!」」……耳元で怒鳴らないでくれ、耳が痛い」
耳を塞ぐ素振りを見せる龍也さん。どうもこのやり取りはいつもの事のようで、何か慣れているような気がした。そのやり取りを見て噴出している凜を見ていると
「旅行ですか、それなら娘を助けてくれた礼と言うわけでないですが……友人の別荘を使えるように頼みましょうか?」
湯飲みを机の上に置いてそう尋ねる時臣さんの言葉に龍也さんは
「よろしいのですか?とても助かります」
「ええ。いまから連絡を取りますね?」
とんとん拍子で話を進めている時臣さんを見ていると、奥の部屋にいたアイリさんが居間に来て
「はやて君達もそろそろ遅くなるわ。私が車で送っていくから帰る支度をすると良いわ」
アイリさんに言われて時計を見ると確かにそろそろ帰らないとヴィータ達が心配する時間帯だ
「それでは私達もそろそろ失礼します。龍也さんどうもありがとうございました」
「このお礼は今度させていただきますね」
龍也さんにそう声をかけ私と龍花は衛宮邸を後にしたのだった……
時臣さんに使って良いと案内された屋敷は、エーデルフェルトと言う古い友人の別荘で「双子館」と言う大きな館だった。使ってない割には掃除されていて綺麗な場所に安心した
「で?これからどうする?」
ソファーに座りながら尋ねてくるはやてに私は
「如何するって言われてもなぁ」
魔力は何故か殆ど回復せず、連絡もつかない。正直言うと
「何も出来ん」
右手を上げながらそう呟く、魔力がないと転移は出来ないし、今の手持ちで転移できるだけのデバイスはないというと
「本当に?」
信じられないという顔をするはやて。普段ならジェイル印の通信機とかを持っているが、今日はメンテをしていたから持ってない。
他の道具も当然オーバーホール中で手元にない。
「うん。本当に無理だな」
今までの長い経験でもここまで危機的状況と言うのは初めてだ。デバイスなし・魔力なし・連絡手段なし……状況はかなり悪いと言えるが、まぁ幸いにも金があるから暫くは大丈夫だろう
「ここの設備では龍也様の腕を直せません」
しょんぼりしているセッテの頭を撫でながら
「大丈夫大丈夫。隻腕には慣れてるしな」
今更隻腕でどうこうなるほど子供じゃない、それよりも今の問題は
「今日どうするからだ」
今の時刻は夜8時。今から買い物に出かけるのも難しい上に当然今この屋敷に食べ物はない
「……コンビニしかないですね」
今から外食に行くわけにも行かない。幸いこの近くにコンビニがあるのでそこで我慢するかと思いながら
「仕方ないな……それで我慢するか。まぁその前に明日の予定を考えようか」
今帰れないのなら、帰れるまでここを拠点にするしかない。ジェイルがその内補足してくれるとおもうが、それまでどうするかだ
「とりあえず服を何着か買わんといかんね」
「それに食糧も買わないといけないですね」
かなりやる事があるなあと思いつつはやて達の向かい側のソファーに寝転がり
「まぁとりあえずあれだ、あれ。なるようになるさだ」
平行世界に遭難する事は結構経験がある。それが会っても結局は家に帰れている。だからそこまで不安になる必要はないさと言いながら。財布をはやてに渡して
「この腕だからそうほいほい出歩くわけにも行かん。適当に何か頼む」
隻腕でそう出歩くのも良くない。まぁとりあえず今日1日くらいはな……
「オーライ♪なんか色々見てくるわ」
「それでは行って参ります」
並んで出て行くはやてとセッテ。直ぐにドドドっとは知る音が聞こえてきて思わず苦笑しながら
「この世界の私は女ではやての妹か……なんともまあ変わった世界だな」
今まで見てきた世界の中でも極め付けだ。しかも自力で変えることが出来ない世界、こんな世界は今までに無いと言えるだろう
私はぼんやりと窓の外を見ながらコートを布団変わりにして寝転がりながら
(ネクロもいない。騒動もはやてとセッテ位。たまにはゆっくり出来るかもしれないな)
日ごろの疲れを取るための旅行にでも来たと思えば良いなと思いながら、はやてとセッテが帰ってくるのを待つのだった……
第84話に続く
と言うわけでお姫様の世界に龍也さん達が入ってきます。とは言えメインは龍花とかなので少し出てくる程度ですけどね、次回は藍越学園のキャラをメインにやりたいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします