海鳴のお姫様!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。そろそろ本当に夏休みを終わらないと不味いですね、ネタもないですし、時期的にいつまでもこれを引っ張るのは難しいですし。と言うわけで今回の話で夏休み編は終わりにしたいと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第87話

 

第87話

 

夏休みももう直ぐ終わりと言う8月26日。私は何をしているかと言うと、ヴィータ兄の野球のユニフォームの破けなどを直して過ごしていた。宿題も終わっているので問題ない、始業式まではのんびりと過ごそうと思っていると

 

「リューカーぁぁぁ」

 

「お願い。助けて~」

 

半泣きで家に駆け込んできた「イリヤちゃん」と「雷花ちゃん」を見て驚きながら

 

「宿題が終わってないですか?」

 

そう尋ねるとこくんと頷くイリヤちゃんと雷花ちゃん。夏休み中は良く一緒に遊んでたけどまだ宿題終わってなかったんですね。ヴィータ兄のユニフォームの背番号をつける作業を1度止め

 

「シロ君と王花ちゃんに甘やかすなって言われてるんです」

 

私の言葉に絶句する雷花ちゃんとイリヤちゃん。夏休みの終わりに近づけば宿題の事を思い出し、焦って助けを求めに来るだろうが甘やかすなと2人にきつく言われているし、それに

 

「シグ兄とヴィータ兄が」

 

ちらりと部屋の隅に視線を移すとそこには視線で「甘やかすな」と言っている。シグ兄とヴィータ兄の姿がある。雷花ちゃんとイリヤちゃんの顔が青くなる。これはどう粘ろうと宿題を教えてもらえないと

 

「えーと、凜さんに話は通してますよ?」

 

「いやーだー!凜の教え方怖いもん!」

 

「私も嫌だ!リューカが良い」

 

フローリングでじたばたしている雷花ちゃんとイリヤちゃん。何と言うかここまで予定通りだとなんか怖いです

 

「あ、あのですね。実は「いいわよ。龍花。あたしここにいるし」

 

凜さんが姿を見せる。雷花ちゃんとイリヤちゃんがぴたっと停止する

 

「士郎からは今度の休日の約束を取り付けてるし、王花には3万貰ったから……」

 

凜さんが眼鏡をかけてから腕組しフローリングの上の雷花ちゃんとイリヤちゃんを見てニッコリと笑う

 

(これが悪魔の笑みと言う奴なんですか?)

 

シロ君に聞いた凜さんの凄く怖いエガオ。悪魔の笑みと呼ばれるそれを始めて見た私は思わず背筋を伸ばした。それくらい怖かった

 

「嫌だと叫ぼうが、逃げようとしようが逃がしはしないわ」

 

2人の襟首を掴んで私の方を見ないで凜さんが

 

「じゃあ奥の部屋借りるから。お昼は1時にお願いね」

 

凜さんの家だと逃げる可能性があるので、私の家で勉強させて欲しいとシロ君からのお願いであり、そして空き部屋もあるので3人とも暫く家に泊まる予定なのだ

 

「はい。判りました。雷花ちゃん、イリヤちゃん頑張って」

 

私はそう言って裁縫を再開し暫くすると

 

「リューカ!リューカああ!助けて!リンの握力凄い!頭!頭軋んでるううう!!!」

 

「うわーん!怖い!怖いイイイ!!!」

 

「ほら!戻りなさい!怒るわよ!!!」

 

「「もう怒ってる!!」」

 

部屋の奥くから逃亡してくる雷花ちゃんとイリヤちゃんとそれを追いかけてくる凜さん

 

「えーと頑張って」

 

助けてという2人に私はそう言うことしか出来ないのだった。TVを見ているシグ兄とヴィータ兄は

 

「まぁ仕方ないな。あの2人は勉強より遊びだからな」

 

「そーそー。まぁ凜でいいんじゃないか?甘やかすと良くないからな」

 

そう笑っている2人を見ながら裁縫を終えて。大きく背伸びをしながら

 

「お昼ご飯パスタで良い?」

 

手早く作れて、そして量が作れるパスタにしようと思いシグ兄に尋ねるとそれでいいという返事が聞こえてくる。冷蔵庫を見て

 

(ほうれん草とベーコンがあるから、牛乳でソースを作ってクリームパスタにしよう)

 

今日のお昼のメニューを決めながら、ふと思い出すのはおにーちゃんのこと

 

(朝から出かけてるけどどこに行ったのかなあ)

 

お昼はいらないといって出かけていったおにーちゃんの事を考えながら、昼食の準備を始めたのだった……

なおこの時はやては言うと

 

「そこ違うぞ」

 

「う、うう……」

 

「泣くなモードレッド。教えるのは抜群に「スペル違うぞ」ぐはあ」

 

モードレッドと士郎を相手に勉強をスパルタ方式で教え込んでいた。その手にしている竹刀をバシバシと叩きながら

 

「次は本気で打つからな」

 

休みに呼び出された上にこの仕打ち。はやての機嫌は今までにないくらいに最悪だったのは言うまでもないことだろう……

 

 

 

 

 

「あー結局夏休み中。はやての所いけなかったな」

 

「仕方あるまい。親には勝てん」

 

夏休みがもう少しで終わるこの時期に漸く海鳴に帰ってこれた俺はそう呟いた。真向かいのフェイトも伊達眼鏡を弄りながら

 

「なまじ頭が良いというのも考え物だ」

 

「嫌味かこの野郎」

 

「事実だ直哉。私は頭脳。お前は筋力。きっちり役割分担できている」

 

フェイトがにやりと笑う。まぁ確かに俺は少し頭が弱いけどさ……フェイトも充分筋肉質なはずなんだけどな

 

「しかしよ、高校最後の夏休みの殆どを海外でしかも親の仕事を手伝って過ごすってどういうことだよ?」

 

「それについては私も賛同しよう。映画とかも見に行きたかったのだがな」

 

「向こうの映画あんまり面白くないんだよな」

 

「ああ……」

 

俺の両親とフェイトの両親は旧知の仲で良く一緒に仕事をする事がある。それは建築だったり、株取引だったり、多種多様に及ぶ。

今回はアメリカ・イギリス・ドイツを梯子しての取引の付き添い。普通の高校生がやることではない

 

「宿題は終わってるが、これからどうする?」

 

「多分皆課題の最後に集中してるだろうしなあ」

 

今のこの時期から遊ぶというのも難しい話だ。では如何するかと言うと

 

「「暇だ」」

 

遊びたいのが、遊ぶ友達と呼べるのは目の前のフェイトだけと言う状況。本当なら海とかキャンプとかも行きたいが

 

「2人で行くのか?あらぬ誤解を受けるぞ」

 

「言われなくても判ってる!」

 

男2人で旅行なんて寂しすぎる。しかし8月26日では出かけるのも難しいわけで

 

「バッテイングセンター」

 

「ボーリング」

 

無言で手を出す。俺チョキ フェイトパー

 

「お前の奢りな」

 

「昼を覚悟しておけ。寿司行くぞ」

 

「そりゃ怖い。ジャンケンで負けないようにしないとな」

 

そう笑いながら言うフェイトだが、その目は妖しい光を宿している

 

(これは不味い。なんかしないと行かん)

 

絶対に俺に昼食を奢らせると目が言っている。なんとしてもジャンケンでも何でもいいから勝負に勝たなければ。そんな事を考えながら歩いていて、ふと通りかかった青年を見て足が止まる。フェイトも同じようで同時に振り返る。長い銀髪をした長身の青年だ

 

(どこかで会ったような?)

 

奇妙な懐かしさを感じて立ち止まっている間にその青年は道を曲がって歩いていってしまった

 

「なんかどこかで会った気がするな」

 

「フェイトもか?実は俺も」

 

俺とフェイトはどうして会ったこともない人間に懐かしさを感じたのだろうか?と首を傾げたが

 

「考えても判らん。行こう。お前に寿司を奢ってもらうためにな」

 

「回転だよな?」

 

「ふふふ。さぁ?」

 

この態度が怖い。とりあえず……近くに回転寿司のあるところに行こう。俺はそう決めてゆっくりと歩き出したのだった……

 

 

 

 

 

「おかえりー面接どうやった?」

 

双子館に戻ってきた私にそう声を掛けてくるはやて。私は髪を解きながら

 

「採用だ。セッテが早く義手を仕上げてくれたおかげだな」

 

セッテが呼びパーツで組み上げてくれた義手のおかげでなんとか、一般人と同じレベルで生活できるようになった

 

「とは言え大分劣りますので気をつけてくださいね?」

 

「それは仕方ないさ」

 

この世界では材料も設備も足りない。本の義手と比べれば大分劣るが、これでも充分すぎる。

 

「それでどこでアルバイトする事になったん?」

 

今日私はアルバイトをする為に履歴書とか、魔法で戸籍の偽造とかを済ませ面接に行っていたのだ。働かずもの食うべからずというし、それに何よりも暇だから。

 

「アースラ」

 

私がそう言うとはやてとセッテの目が丸くなる。アースラは管理局であった戦艦のようなものだ、驚くのは当然。私も正直驚いているのだが

 

「料理と酒を出す店のようでな。この世界のリインフォースとかがアルバイトしている。夜からのシフトだそうだ」

 

夜営業する店なのだから当然といえば当然だなと言いながら、冷蔵庫から麦茶を取り出そうとしていると

 

「兄ちゃんはホール?」

 

はやてのどこか焦った顔を見ながらグラスに麦茶を注ぎ

 

「調理スタッフにしたよ。私はあんまりアルコールが得意じゃないしな」

 

出来るならホールといわれたが私はアルコールが余り得意じゃないし、それに何より

 

「リンディさんだったからな、私の細胞が訴えている。あの人を信用するなと」

 

私がそう言うとはやてとセッテはあーっと納得した素振りを見せる。私の知り合いの中で最も警戒しなければならないのは「リンディさん」「桃子さん」「クイントさん」「カリム」だ。私には恐らく細胞レベルであの人たちに対する警戒心がインプットされているとおもう

 

「うんうん。女装させられたり、アイドルデビューさせられたり。大変やったもんな」

 

私のこころに消えない傷をいつも作ってくれる面子だ。世界が違うとはいえ警戒するのは当然と言うものだろう

 

「ああ……出来るなら平穏無事に暮らしたいのだよ。まぁいつまでもここにいるわけには行かないがな」

 

なんとか帰る目安がつくまでの仮の暮らしだが、穏やかに過ごせるのならそれもまたいいだろうと思いながら

 

「仕事も決まったし、今日は珍しくすき焼きを作ろうと思うんだがどうだ?」

 

私がそう言うとはやてが目を輝かせ、セッテが首を傾げる。そういえばクラナガンでは殆ど作ってないな

 

「いやー久しぶりやね!私は賛成やで!」

 

「龍也様。すき焼きとは?」

 

不思議そうな顔をしているセッテに苦笑しながら

 

「牛肉と野菜で作る鍋と思ってくれれば良いよ」

 

ふむふむと頷いているセッテ。見たことのない食べ物に対する興味を持つのはいいことだ、それに

 

「スバルがいたらそんなのしてる場合じゃないしな」

 

リヒトもスバルも人の倍は食べる。そんなのがいる状況ですき焼きをやるのは難しい、寿司なら皿に盛っておけばいいが、すき焼きは鍋から食べる。そうなると食べるのが遅いメンバーが食べれない可能性があるからだ。普通の鍋なら皆に1つずつ用意すればいいが、すき焼きはやはり皆で食べるほうが楽しいから……

 

「それじゃあ買い物に行ってくるから、はやてとかはなのは達と連絡が取れないか試しておいてくれよ」

 

「「了解」」

 

笑顔でそう返事を返すはやてとセッテに背を向けて買い物に出かけるのだった。なおはやて達は

 

「「ふふふふふ」」

 

怖い笑みを浮かべて通信機を破壊していた、何度も何度もコールを繰り返すそれを無視してにやりと笑いながら

 

「じゃまさせへん。1人なら何とかなるでなあ?」

 

「それはこっちの台詞ですよ。狸」

 

もっとも凶悪な部類に入る魔王はにやりと笑いながら、互いににらみ合っていた。2人の考えはこれだけだった

 

「「邪魔者のいないうちに少しでも進展を!」」

 

それを願う二人が通信機を破壊するのはある意味当然といえる結果なのだった……そしてクラナガンの面子は

 

「「「あいつら通信機壊したな」」」

 

「みんな真っ黒です」

 

「逃げようぜ。怖いから」

 

「キュー……」

 

魔王オーラを撒き散らし、ユニゾンズはドラきちと共にその場を逃げるのだった……

 

第88話に続く

 

 

 




次回からはまた学園編になります。時折龍也さんとかも出して行こうと思います。アースラデのアルバイトとかでですね
それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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