どうも混沌の魔法使いです。今回の話は「龍花」「フェイト」「クロノ」がメインになる話です、基本的には龍花を見ているフェイトたちの視点と言う感じの話になると思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします
第95話
今私達は龍花に案内されて美味しいメロンパンの店とやらに向かっているのだが……
「にゃーん♪」
「わふっ♪」
どこから現れた?と尋ねたくなるくらい。あちこちから野良猫や野良犬が出てきて構って構ってと言う感じで鳴きまくる
「わあーい♪」
そして龍花もそんな野良猫達の方に走っていこうとする。近いと言っていたのに、これで30分くらいは時間をロスしている
「「待ちなさい」」
私と姉さんで龍花の肩を掴んで止める。龍花が良く迷子になると聞いていたが、その理由は間違いなくこれだと思う
「にゃーお!にゃーお!!」
「わん!わんわん!!」
ついてきてよと言う感じで鳴いている猫と犬を見て、うずうずしている龍花。間違いなくついていって迷子になるパターンだろう……
(案外本当のことなのかもしれないな)
有名な話なのだが、龍花が動物と会話できる。と言う噂話を良く聞くがそれは本当の事かもしれない。なぜならば
「今日は先約があるので駄目なのです」
「わお?わふ?わんわん!」
「みゃーお!みゃみゃーお!!」
この状況を見ていると間違いなく会話できているとしか思えない、大概の事では驚かない姉さんもこの時ばかりは驚いたようで
「龍花は動物と会話できる?不思議ちゃんだったのか……」
信じられないという感じで呟く姉さん。普通は何を馬鹿な事をという所なのだが
「また今度遊びましょうね~♪」
「わん♪」
「にゃー♪」
龍花の言葉に返事を返し、茂みの中に消えていく姿を見ると
「そうなのかもしれない」
龍花は動物と会話できる。それはガセでもなんでもなく本当のことなのかもしれないと思うのだった……
「こっちですよ~」
私と姉さんを見てニコニコと笑いながら、再び案内を始める龍花。なんてマイペースなんだ……だがそれがもしかすると龍花の魅力なのかもしれないと私は思うのだった……
龍花に案内されたパン屋「狐屋」は個人経営の店なのかこじんまりした店だったが、ちゃんと店内には店内で食べれるように机と椅子が用意されていた
「いらっしゃい。龍花ちゃん」
「また来ましたよ~店長さん」
ニコニコと笑う龍花と話をしている店長。私とフェイトは初見なので、無理に話しかけるのも良くないと判断する。常連と店長の話に割り込むのはマナー違反だからだ、だから私とフェイトは店内に並べられているパンを見る事にする
(しかし凄い腕だな)
売っているパンは全てメロンパン。メロンパン専門店と言うのも悪くはないと思うが、問題はその形だ
「ガンダムだな。どうやって作っているんだろうな」
フェイトが感心半分、呆れ半分と言う感じで呟く。造形もとても拘っているのが良く判る、もしかしたら高名なパティシエなのかもしれない……
「クロノさん、フェイトさん。パン決まりました?」
トレーの上にメロンパンを乗せながら尋ねて来る龍花。どうやら私とフェイトが考え込んでいる間に店長との話を終えてパンを選んでいたようだ。私もトレーとトングを手にしてざっとパンを見て
「これとこれとこれにするか」
チョコチップメロンパンとボール型のメロンパン。それと新作!と書かれている生クリーム入りのメロンパンを選んでトレーに乗せる。フェイトは
「じゃあ私はこれで」
迷う事無くガンダムのパンを2つトレーに乗せる。たしかあれはバンシイとデステニーだったか?
「龍花ちゃんは1100円ね」
「はーい♪」
龍花のトレーにはチョコチップ・メロンパン・生クリーム入りメロンパンに蜂蜜入り等など……かなりの量が乗っていた。あの小さい身体のどこに入るのだろうか……
「750円になります」
「1050円でお願いします」
手持ちに小銭がないので1000円と50円でお願いし、店内のイスに腰掛けボール型のメロンパンを手にする
(柔らかい……それにサクッとしているな)
これはかなり1級品のメロンパンかもしれない。こんな裏通りのある店のメロンパンとは思えない
「今日も良い出来だな」
レジに腰掛けメロンパンを齧っている店長。売り物なのに良いのか?と思いながら手にしていたメロンパンを千切って頬張ってみる。フェイトは注文したガンダムのメロンパンをどこから齧るか?で悩んだようだが、手にしていたシールドをとり齧る
「「美味しい」」
思わずそんな言葉が自然と口から飛び出した。甘さも柔らかさもクッキー生地のサクサク感も。どれをとっても今まで食べたメロンパンの中で一番美味しいと断言できる
「でしょ~凄く美味しいんですよ?この店のメロンパンは~♪」
幸せそうにメロンパンを頬張っている龍花。凄い勢いでトレーからメロンパンが消えている……だがそれも納得の美味しさだ。
「どうぞ。サービスのコーヒーです。龍花ちゃんはカフェオレだよね?」
ちょっと口が甘くなってきたなと言うタイミングで差し出されるコーヒー。気配りも完璧だな、もっと大通りに店を構えれば良いのに
「はい♪」
龍花だけはコーヒーではなくカフェオレ。間違いなく常連だろう……どれくらい着ているのかまでは判らないが、常連なのは間違いないだろう
「美味い……もう少し買おうかな」
フェイトは注文したガンダムのメロンパンを既に完食し、もう少しメロンパンを買うかどうか悩んでいる様子だ
「夕食が食べれなくなる。その位にしておいたほうがいい」
ガンダムのメロンパンは造形が細かいから少なく見えるが、かなりのボリュームだ。これ以上食べると夕食が食べれなくなるぞと言うと
「う。それもそうか……このくらいにしておくかな」
コーヒーに砂糖を1つ入れて飲んでいるフェイト。私も最後の生クリーム入りのメロンパンを食べ終える
「むふー♪ご馳走様でした」
満足げに手を合わせる龍花。私よりもはるかに多い量を買っていたのに、私とほぼ同時に食べ終わっている。おかしい、明らかに私達よりも遥かに多かったのに何故同時に食べ終わる事が出来るんだ?だがしわあわせそうに笑っている龍花にそんな事を尋ねる事ができず、私とフェイトは妙なわだかまりを感じつつ狐屋を後にしたのだった
「美味しかったですね~♪」
兄へのお土産とメロンパンを抱えている龍花が笑いながら訪ねてくる。私は小さく頷きながら
「確かに美味しかった」
色んな街の特産品を食べてきたが、あそこまで美味しいメロンパンは初めてだった
「美味しい店を教えてくれてありがとう。また今度食べに行くよ」
「そう言って貰えると嬉しいです」
ニコニコと笑っている龍花。これで高校生と言うのだからなんとも幼い少女だな。それだけ兄に可愛がられたという事かと思っていると
「龍花?なにしてるんだ?」
赤っぽい髪をした少年が龍花を呼ぶ。呼ばれた龍花は嬉しそうに笑いながら
「あ、シグ兄!フェイトさん、クロノさん。シグ兄が来てくれたので、ここまで良いですよ。ではまた」
迷子になるかもしれないと言うことで一緒に来ていたが、兄が来たのなら心配ないだろう。
「私達も帰るか」
私がそう呟くとフェイトの顔が凍る。ゆっくりと振り返るフェイトの顔はとんでもなく青い
「ね、姉さんはホテルに泊まるんじゃ?」
「そんな金持って来てないです。フェイトの借りている部屋で充分ですからね。では行きましょう」
フェイトの部屋は2LDKなのだから充分私だって泊まれるはずだ。何より最初からその予定だったのだからホテルの予約なんてしていない
「私のプライベートは?」
「ない。行きますよ、帰りにスーパーによって夕食の材料を買って帰りましょうか」
泣きそうな顔をしているフェイトを完全に無視し、私はフェイトのマンションへと歩き出したのだった……
時折背後から聞こえてくる。私の自由はとか、終わったとかの呟きは完全に無視しているのは言うまでもないだろう
フェイトと見知らぬ女性と歩いていた龍花に声をかけ一緒に家へと向かいながら
「あの女の人は?」
「フェイトさんのお姉さんだそうですよ。綺麗な人ですよね」
にこにこと笑う龍花。綺麗と言うよりかは凛々しいって感じの人だったと思う。まぁそれは別においておいて
「あまり寄り道をするなよ?危ないからな」
なによりも優先するべきことはこれだ。龍花を1人で出かけさせるのは不安だし、何よりも先に家に帰って欲しいとおもう。イリヤや王花が一緒なら何の心配もないんだが……彼女達には彼女達の都合もあるから無理に言うわけにも行かない
「はい。判りました♪」
笑顔で返事を返してくれるのが良いが、本当に判っているのかがとても不安だ
「カレーだからトンカツとかも用意しようか?カツカレー食べる?」
「何でも良いよ。龍花が作ってくれるならな」
作ってもらった料理に文句を言うなら食べなければいい。作るほうも大変なのだから、だから作る側に任せるよと言うと
「む~なんでも良いって言うのは大変なんですよ?」
若干頬を膨らませる龍花。本人は怒っているつもりなのだろうが、正直怖くないところか愛くるしいと言える仕草だ
「それは悪かった。それじゃあトンカツで良いよ」
「はい。それじゃあ急ぎましょうか。おにーちゃんも待ってるかもしれないので」
そう笑って本人は早歩きのつもりなのだろうが、正直遅い足取りに苦笑しながら隣に並んで歩く。
(いつまでもこうして笑って入れればいいな)
いつまでも一緒にいることができないと言うことは判っている。だけどそう願わずにはいられない、だがいつまでも一緒に入られない。それでもなお一緒にいたいとおもう。龍花は大事な家族で妹で
(そして護るべき者なのだから)
「どうかした?」
不思議そうに私を見ている龍花。気がつけばその場に立って考え事をしてしまっていたらしい
「次の大会のことを考えていた、すまないな」
考えていた事を言うわけにも行かずそう誤魔化す。事実大会があるのだし嘘ではない
「そっか。じゃあまた応援に行くね」
「楽しみにしてる」
龍花が応援に着てくれるなら無様な姿を見せるわけにも行かない。そして何よりやる気が出る、頑張ろうと心のそこから思える。夕日の中をゆっくりと龍花と並んで歩く、願わくばこの時間が長く続きますように……
「龍花ー!シグナム!!!」
「ヴィータ兄。おかえりー♪」
そう願った直後騒がしく走ってくるヴィータに思わず眉を顰めてしまうのだが、ヴィータを見て嬉しそうに笑う龍花を見て何も言うことが出来ないのだった……
第96話に続く
次回はスバルとかをメインに書いていこうと思います。龍花はほとんど出ないかもしれないですね。目標はとりあえず100話まで書くこと、そこからはどうしようか考えてみようと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします