仮面ライダーエグゼイド 大我の大冒険   作:ぽかんむ

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時系列としては23話の極限のdead or alive!と24話の大志を抱いてgo together!のあいだです


前編

 雲一つない青空の下に、草原が広がっている。ときどき吹く風が、草むらを揺らす。そこに白衣を着た男が、目を瞑って立っていた。彼の名は花家大我。職業は闇医者だ。

 

 

「どこだここは?」

 

 

 まぶたを開く大我。周りはすべて始めての景色。彼の最後の記憶は、自宅のベッドで眠りについたこと。つまり一切の心当たりがなかった。

 すると彼を取り囲むように、三匹のポケモンが現れた。彼の正面にはピカチュウ、右にはフシギバナ、左にカメックスが位置している。

 

 

「新種のバグスターか?」

 

 

 襲いかかる三匹のポケモン達。大我は彼らの攻撃を避けつつ、ゲーマドライバーを腰に巻いた。

 それからバンバンシューティングを、白衣のポケットから取り出そうとする。

 しかしガシャットは何一つ入っていなかった。三方向から迫ってくるポケモン。彼はそれらを防ぐ術を持たない。

 カメックスには殴られ、ピカチュウから十万ボルトを受け、フシギバナに踏みつけられた。

 そのとき少女の声が、彼の耳に届く。

 

 

「大我さん! しっかりしてください!」

 

 

 彼女は、右手にガシャットを持っていた。そしてそれを、大我に投げつける。

 

 

「どうして奴が持っている? いや、まずはこいつらをぶっ潰すのが先か」

 

 

バンバンシューティング!

 

 

 ガシャットのトリガーを引き、ゲームエリアを展開させる大我。

 ドラム缶型のアイテムボックスが、多数現れる。

 

 

「第二戦術、変身」

 

 

ガシャット! ガッチャーン! レベルアップ! ババンバン! バンババン! イェイ! バンバンシューティング!

 

 

 スナイプが起き上がると、フシギバナは横転させられる。彼は次にガシャコンマグナムを召喚。それをピカチュウに向かって発砲。弾を脳天に受け、ピカチュウは倒れた。

 肩の二門の砲台から、大量の水流"ハイドロポンプ"を繰り出すカメックス。彼はそれを、左に回転しながら避ける。カメックスにとっての死角に入り込んだスナイプ。

 彼はマグナムを連射。まだ放水のやめないカメックスの、腹を傷つけていく。

 フシギバナが起き上がる。するとそれは、花から二本の太いツルを伸ばす。スナイプの足にそれが巻き付けられる。彼は宙吊りにされてしまった。

 

 

「これで勝ったつもりか?」

 

 

 彼はドライバーからガシャットを抜く。次にそれを得物のホルダーに挿す。

 

 

ガシャット! キメワザ! バンバン! クリティカルフィニッシュ!

 

 

 放たれた光弾は、フシギバナを吹き飛ばす。ツルの力が抜けたことで、自由を取り戻すスナイプ。

 迫ってきたカメックスが、右手を握ってパンチ。彼はマントをはためかせつつ、左の方向に身を翻した。

 それからガシャットを、右腰のホルダーに挿す。

 

 

バンバン! クリティカルストライク!

 

 

 スナイプのライダーキック。受けたカメックスは爆発した。

 

 

「ミッションコンプリート......」

 

 

ゲットオン ガッシューン

 

 

 ドライバーのレバーが閉じられ、ガシャットが抜かれる。変身を解いた大我。すると彼のもとへ、先程の少女がやって来る。

 

 

「流石ですね。私に力を貸してください!」

 

「断る、俺には他にやるべきことがある。早くここから出せ!」

 

「あなたを連れてきたのは私です。つまりあなたをここから出せるのも私だけです」

 

「てめぇに協力しないと元の世界に帰れねえってことか」

 

「はい! 一緒に頑張りましょうね!」

 

「てめぇは何者だ?」

 

「私はリーリエ。よろしくお願いいたします」

 

 

 この世界で起こっていることを、話し始めるリーリエ。彼女によると、元々この世界では、ポケモンと呼ばれる生き物と人間が平和に暮らしていたらしい。しかし別世界からの来訪者の出現によって事態は一転。

 リーリエ以外のすべての生物は、来訪者によって洗脳されてしまう。

 そこで彼女は敵を倒すため、別世界から味方を連れてくることを計画。そして送り込まれたのが、仮面ライダースナイプ・花家大我だった。

 

 

「奴等の居場所を教えろ。さっさとぶっ潰す」

 

「ダメです。敵を倒すにはすべてのガシャットを集めなければなりません」

 

「なぜだ?」

 

「敵は皆、特定のガシャットでないと倒せないのです。逆に言えば特定のガシャットさえ手に入れば、簡単に倒せます」

 

「バンバンシューティングはお前が見つけたのか?」

 

「はい......なんとか奪い取りました」

 

「どこにガシャットがあるんだ?」

 

「これにすべてのっています」

 

 

 そういうと、彼女は鞄から地図を取り出した。ガシャットの名前が、手書きで書き込まれている。

 彼が入手しなければならないのは

 

マイティアクションX

タドルクエスト

爆走バイク

激突ロボッツ

ドレミファビート

ジェットコンバット

ギリギリチャンバラ

シャカリキスポーツ

ドラゴナイトハンターZ

 

の合計九本だ。

 

 

「まずはここだな」

 

 

 大我がある場所を指差す。そこにあるとされるのはジェットコンバットのガシャット。

 その地点は、現在地からもっとも離れている。そのため、リーリエは他のガシャットから狙うように提案。けれども大我に、意見を変える気はなかった。

 今ここに、彼らの冒険が始まる。

 

 

────────────

 

 

「この先か......」

 

 

 長い長い道程を、やっとの思いで踏破した二人。彼らの前には、そびえ立つ大きな山が。

 リーリエの体力はもう限界。見かねた大我は、リーリエを背中に担ぐ。そして少しずつ登り始めた。

 

 

「絶対に離すなよ」

 

「はい!」

 

 

────────────

 

 

 敵のアジトはこの世界の中央に位置している。かつては宮殿であったが、今では来訪者達に支配されている。

 そこにやって来たアロハシャツ姿の男。門の警備に当たっていた者が、彼の応対をする。

 

 

「この世界に仮面ライダーが現れたぜ」

 

「誰だお前は?」

 

「自分九条貴利矢。あんたらに危機を伝えるためにやって来た」

 

「何が目的なのだ?」

 

「侵入者を倒す代わりに、ライダーガシャットをいくつか渡しな。具体的には......そうだな、爆走バイクとギリギリチャンバラとドラゴナイトハンターZで頼むわ!」

 

「わかった、管理者達にその事を伝えておく。地図を渡すから受け取ってこい」

 

「りょーかい、じゃあな」

 

 

────────────

 

 

 大我はその頃、ゴツゴツした岩肌をよじ登っていた。手をかける位置を一回間違えるだけで、彼らは真っ逆さまに落ちてしまうだろう。少しのミスが命取りとなるのは山登りも治療も同じだ。

 しかしそんな苦行もあと少し。気が付くと彼は、頂上まで手をのばしていた。最後の力を振り絞り、体を乗り出す大我。

 

 

「着いたぞ......はぁはぁ......」

 

「お疲れさまです、大我さん」

 

「アイツが......ジェットコンバットの管理者か?」

 

「はい!」

 

 

 山の頂上にいたのはボーマンダ。そしてその奥にあるのはガラス製のケース。中にはオレンジ色のライダーガシャットが見られる。

 間違いない。あれは確かにジェットコンバットだ。

 

 

「第二戦術 変身」

 

 

ガシャット! ガッチャーン! レベルアップ! バンバンシューティング!

 

 

 スナイプはガシャコンマグナムを召喚。Bボタンを三回押して、マシンガンのように連射。ボーマンダがそれを、飛行して避ける。

 

 

ズッキューン!

 

 

 彼はマグナムのAボタンをタッチ。すると砲身が展開され、ライフルモードに変形された。サイトを覗きつつ、狙いを定めようとするスナイプ。

 するとボーマンダは動きを止め、雄叫びを挙げた。彼は敵の行動の意図が読めずに不審がる。

 一瞬後、青空から大量の隕石が降り注ぐ。

 

 

「大我さん!」

 

 

 屈指の威力を誇るドラゴンタイプの技"流星群"

それは辺りを瞬く間に、焦土と化させる。土煙が舞い、リーリエの視界が閉ざされる。

 地上に降り立つボーマンダ。その際、翼のはためきによって砂塵が払われる。地面には大小様々な穴が、無数に空いていた。スナイプの姿はどこにもいない。

 

 

「嘘......そんな......」

 

 

 

 ボーマンダが、次なる獲物を決める。ポケモンは彼女に、牙を向けて威嚇。彼女は恐怖から、足をガクガクと震えさせられた。

 

 

「まだ終わっちゃいねぇよ」

 

 

 どこからか、大我の声が聞こえる。彼がどこにいるのか、リーリエには知るよしもない。一方でボーマンダは、声の主が何処にいるのかを瞬時に悟った。

 しかしもう手遅れ。既にボーマンダは、彼の射程圏内にしっかりと収まっていたからだ。

 

 

キメワザ! バンバン! クリティカルフィニッシュ!

 

 

 地中から噴き上げた怒濤の光線。ボーマンダは打ち上げられた後に爆発。多くの肉片が、一帯に散らばった。

 

 

「流星群によって作られた穴を利用して、地中に潜んでいたのですね。そしてボーマンダの真下から、必殺技を撃ち込んだと」

 

「あぁ、何はともあれ、これで一つ目のガシャットは俺のものだ」

 

 

 二人が奥へ進む。彼はそこにあったガラス製のケースを、マグナムで破壊。

 その中に入っていたジェットコンバットを、見事獲得した。

 

 

ゲームクリア!

 

 

「早速使うか。第三戦術」

 

 

ガシャット! ガッチャーン! レベルアップ! ババンバン! バンババン! イェイ! バンバンシューティング! アガッチャ! ジェット!ジェット!インザスカイ! ジェット!ジェット!ジェット! ジェットコンバット!

 

 

「これでこのあとは目的地まで、ひとっ飛びで駆けつけることが出来る。戦力アップにも繋がったしな」

 

「流石です! 大我さん」

 

「次はドラゴナイトハンターZが眠っているとされる洞窟に向かう。しっかりと掴まっておけ」

 

「はい!」

 

 

 圧倒的な機動力を得たスナイプ。これにより、どこへでも短時間で行けるようになった。

 彼らがひとっ飛びで、洞窟の入り口まで辿り着く。

 

 

「ここから先は歩きだな」

 

「待て」

 

 

 少年が後ろから、二人を呼び止める。彼らが振り向くと、彼はゲーマドライバーとライダーガシャットを取り出した。

 

 

「兄様......!」

 

 

 少年の名はグラジオ。リーリエの兄に当たる人物だ。戦いの果てに出来たものなのか、多少の傷が見受けられる。彼も来訪者による洗脳を受けているようだ。

 ところで彼の持っていたガシャットは、なんとガシャットギアデュアルβ。

 

 

「変身!」

 

 

 グラジオはダイヤルを回して、タドルファンタジーを選択。それをゲーマドライバーに差し込む。

 

 

ガシャット! ガッチャーン! デュアルアップ! タドルメグル RPG タドルファンタジー

 

 

 一度ブレイブクエストゲーマーになるグラジオ。そこにファンタジーゲーマが飛来し、アーマーとして装着される。

 

 

「兄様が変身!?」

 

「レベル50だと......」

 

 

 スナイプのレベルは現在3。一方、ブレイブファンタジーゲーマーのレベルは50。正攻法で挑めば、どちらが勝つかは明白だ。

 

 

「実戦は初めてとはいえ、俺はこれまで厳しい訓練を積んできた。お前なんかには負けない」

 

 

 実戦は初めて。スナイプはこの言葉に、一筋の光を見いだす。経験の差というのはなかなかバカに出来るものではないからだ。

 それにレベル差があっても勝てるということは、永夢や飛彩が過去に実証してきたこと。

 

 

キメワザ! ジェット! クリティカルストライク!

 

 

 いきなり必殺技を放つスナイプ。弾丸やミサイルが、四方八方から撃ち出される。

 

 

「そんな攻撃、とても効かん」

 

「狙いはてめぇじゃない」

 

 

 バンバンシューティングは起動させると、ドラム缶のようなものがゲームエリア内に配置される。

 中に入っているのはエナジーアイテム。自分が取れば、戦いを有利に進めることが出来る。しかし中身を知るには、実際に壊してみるしかない。

 今回のスナイプの攻撃の意図はドラム缶の破壊。これにより、中に仕舞われていたエナジーアイテムの種類を、瞬時に見切られるようになる。

 

 

コウソクカ!

 

 

 彼は使用したアイテムの効果で機動力を強化。洞窟とはいえそこはだだっ広い場所。従って彼は思う存分、飛行というアドバンテージが使える。

 ブレイブの周りを素早く移動しつつ、バルカン砲の攻撃を浴びせるスナイプ。

 

 

「......これでいくか」

 

 

 ブレイブを倒すための作戦を、思い付いたスナイプ。彼が、辺りをよく見回す。すると彼の探していたアイテムが、すぐに目についた。

 

 

「ならば俺もアイテムを使わせてもらおう」

 

 

コウテツカ!

 

 

 エナジーアイテム・鋼鉄化の効果は身体を頑丈にすること。防御力が上がり、応用すれば攻撃にも利用できる。

 彼は漆黒のマントを右腕に巻き付ける。するとそれがドリルのように回転。彼はそれを、スナイプに伸ばした。

 硬化したマントが、スナイプの胸をえぐる。そして彼は地に落とされる。

 

 

「とどめだ」

 

 

 ドライバーのレバーを一度閉め、再び開けるブレイブ。

 

 

キメワザ! タドル! クリティカルスラッシュ!

 

 

 召喚されたガシャコンソード。その刀身に、紫色のエネルギーが蓄積。

 彼が剣を二回払う。X字状と化した斬撃が、スナイプに襲いかかる。

 

 

「それを待ってたぜ」

 

 

ハンシャ!

 

 

 アイテムをバルカン砲で撃つことで、それの効果をゲットしたスナイプ。そのエナジーアイテムは、彼が事前に置場所をマークしていた物だった。

 跳ね返された攻撃が、一直線にブレイブを襲う。意外な攻撃に対応できないブレイブ。

 攻撃をまともに受け、彼の変身が解かれた。

 

 

「ガシャットギアデュアルβは俺がいただく」

 

 

グラジオのドライバーから、ガシャットを奪い取ったスナイプ。

 これは敵アジトで繰り広げられる戦闘では役に立たない。だが管理者達を倒すには、これ以上無いくらいの強力なガシャットだ。彼とリーリエは先に進む。

 

 

「実の兄が死んだというのに、随分と冷静だな」

 

「どういうことですか?」

 

「悲しいとかないのか? まぁ言われたところで、俺からしたらどうでもいいことだけどな」

 

「彼は洗脳されていたのですよ。所詮兄様の姿を模しているに過ぎません」

 

 

 やがて二人は、最奥地まで辿り着いた。しかしそこにポケモンの姿はない。代わりにいたのは、スナイプにとって見覚えのある人物。

 

 

「レーザー......てめぇは死んだはずじゃ......」

 

「久し振りだな、大我」

 

「ここで何をしている?」

 

「自分はガシャットを集めているんでね。悪いことは言わない、早く帰れ」

 

「あいにくだが俺もガシャットを集めている。持っているならよこせ」

 

「どうせ自分は一度死んだ身だ。いいから早く帰れ」

 

 

 そう言うと貴利矢は、アロハシャツのポケットに手を突っ込む。取り出されたのはガシャットではなく、三つのモンスターボール。それらが投げられた。

 

 

「いけ、アギルダー、キリキザン、ガブリアス!」

 

 

 ボールより繰り出された三頭のモンスター。それらが一斉に、スナイプに襲いかかってくる。

 彼はバルカン砲をぶっぱなす。だがアギルダーとガシャットにはかわされ、キリキザンには弾かれてしまった。

 

 

「だったらこれだ。第伍拾戦術!」

 

 

 彼はギアデュアルβのダイヤルを回し、バンバンシミュレーションを選択。それからそれを、ドライバーに差し込む。

 

 

ガシャット! ガッチャーン! デュアルアップ! スクランブルダ! シュツゲキハッシン バンバンシミュレーション ハッシン! 

 

 

 戦艦を身に纏い、強化されたスナイプ。レベルは先程のグラジオと同じく50だ。

 彼はまず、両手の大砲を発射して、キリキザンを吹き飛ばした。

 ガブリアスが地中に潜る。彼が意識を地下に集中していると、やかましい音が鳴り響いた。それはアギルダーの技"虫のさざめき"

 発声源を止めるため、左肩横の砲台を、アギルダーに発射するスナイプ。しかしその虫は"先取り"を発動。光弾は、撃った本人に直撃。

 地中のガブリアスが、彼の両足首を掴む。身動きの取れなくなった彼に、キリキザンの"アイアンヘッド"が繰り出された。

 最後に、ガブリアスが地上に勢いよく飛び出す。もちろんスナイプを掴んだまま。

 彼は洞窟の一番上に叩きつけられた後、地面に投げ飛ばされた。

 

 

「早くここからログアウトしろ」

 

 

 貴利矢がこう伝えるが、スナイプには届かない。しかしその原因はダメージではない。事態を打開するための策を思い付いたからだ。

 勢いよく降下するガブリアス。必殺の一撃"ドラゴンダイブ"を繰り出そうとする。

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