イリヤスフィールは、何かの間違えで召喚されたバーサーカーを見てこう言った。
「貴方――バーサーカー?」
彼は見た目も狂戦士風では無くサラリーマンで、会話も普通に成立していた。バーサーカーであるにも拘らず。
バーサーカーが狂って無い筈はないのに。
バーサーカーとして呼び出された一見好青年のアジア人だが、彼の理性は小瓶に入った精神安定薬によって安定している。
即ち、某ローランの騎士と似たようなものであった。
精神安定剤が無ければ、愛する妻との挨拶を流してでも薬を探し回る彼は立派にバーサーカーなのである。
ところで、アメリカ人は何故オーバーリアクションなのか?
その問いの答えは、アメリカ人と言うものは本来ネイティブアメリカンを除いて存在せず、
アメリカ人と呼ばれる人々はアメリカ人になろうとしている人々の集まりだからである。
だから皆、自分の生まれのルーツの国らしい振る舞いや、アメリカ人っぽい行動を見せようとしてリアクションを大袈裟にする。
物まね芸人が、本家より極端なリアクションを取る行動に近い。
つまり、自分は何もしなくても自分であるという自信が無いからこそ、過激なアピールになるのである。
これは自分が強いと必要以上にアピールする奴ほど強くないのに似ている。
では、「エェーッ?!」とワザとらしいほど語尾を上げて驚く彼はどうなのか?
一見、素直なオーバーリアクションの人に見えるが、その通りでは無い。
彼は極めて過酷な戦場の生き残りで、喜怒哀楽を失ってしまった戦闘マシーンであった。
だが、彼は戦争が終わった後、家庭を護る立場になって、それだけではいけない事を理解していた為に、
忘れている感情を必至に再現しようとしている結果、そのような過剰な反応をするようになったのである。
素の彼は、何処までも冷酷で冷静な戦場の兵士であった。
一見朗らかに見える彼を、鋭い中距離からの狙撃が襲った。
彼は、驚異的な柔軟性で身体を反らしてその勢いのまま宙返りした。
そして、頂点に足が上がった時に、彼は懐から何かを取り出して射出して襲撃者を撃退した。
その射出した物は野球ボールのようであった。
否、野球ボールそのものだった。
大学時代に、強すぎるからという理由でレギュラーになれなかった彼の剛腕は、留まる事を知らない。
また、兵士時代にはあらゆるものを武器とすることを学び、野球ボールでさえ彼の前では武器となる。
『
かつては、大日本帝国軍の悪評をほざいた、左巻きのクソ非国民をフルボッコにしたのは伊達では無い。
また、彼の知名度は日本においては知らぬ者は無く、知名度補正を最大限に受ける事が出来た。
そう、彼の名前は――――
さーて来週のマスオさんは?