蒼い槍兵と赤い弓兵のおはなし   作:第二部のセイバーが欲しいマスター

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メリークリスマス!←遅れてすみません…
 今回はタイトル通りクリスマスのお話です。遅れてしまった分、いつもの数倍の長さになっています。今回は第三者視点に挑戦しています。砂糖も一応頑張って入れたつもりです。
 

 クリスマスイベで獲得した金の種火はいつか来ると信じてる弓ギルの為に貯蔵中。福袋回すか、弓ギルピックアップを待つか悩みます。
 そしていよいよ第二部始まりましたね!不穏な雰囲気ですが…。とりあえず、コヤンスカヤ貴様フォウ君足蹴にするとか絶許。そしてあの麻婆神父生きてたんですね。意外過ぎて驚いてます。

 設定が雑なところや、展開が強引なところ、ご都合主義的な部分もありますが、気にしないで下さい。後、二人は相部屋になりました!


聖夜にふたりで。

 クリスマス。イエスキリストの降誕祭。フランス語ではノエル、イタリア語ではナターレ、そしてドイツ語ではワイナハテンと言う。ゲルマンの冬至祭ユールやローマのサトゥルヌス祭、ミトラ教の太陽神新生を祝う祭などをキリスト教が取り入れたものと見られている。ちなみに、クリスマスツリーを飾ったりサンタクロースがプレゼントが贈り物をしたりするのは比較的近年の風習。

 …宗教心が薄いといわれる日本においてはビジネスチャンス扱いだったりする。あちこちでクリスマス商戦が繰り広げられているのは皆さんには見慣れた毎年お馴染みの光景だろう。

 

 ーーそして。恋人達にとっては特別な日である。

(非リア充にとっては呪わしい日だったりするがね。…格差社会とは残酷な現実を生み出すようだよ?アルトリアと槍トリアの間に存在している、ある部位の格差のように。片方はまな板、もう片方は乳上と呼ばれるレベルのいわばエベレスト。あえて何処の話かは言わないでおくとしよう。…話が脱線してしまったようだね。さて、私はそろそろアヴァロンに戻るよ。約束された勝利の剣(エクスカリバー)からビームが飛んできそうだからね。「マーリンシスベシフォウ!」ドフォーウ!?いきなり何をするんだキャスパリーグ!アルトリア、謝るから落ち着いてくれ!!ではまたの機会があれば会おう、皆!)

 

 

 ーーそれはこの二人にとっても例外ではなく。

 

 

 1999年新宿。かつて亜種特異点、悪性隔絶魔境として在った場所。そして現在、そこにはレイシフトしたエミヤとクー・フーリンの姿があった。勿論どこぞの胡散臭いアラフィフはいない。わんこもいない。誤解が無いように言っておくと、この場合のわんことは新宿のアヴェンジャーのことであって、クー・フーリンのことではない。

 二人はカルデアにて開かれるクリスマスパーティーの料理の材料を買いに来たようだ。別に歯車が落ちるフリクエ(バレルタワー)を周回しにきたわけではない。これにはある深い…かどうかには疑問が残る理由があったりする。

 

 

 ーー二時間程前。カルデア食堂にて。

 

 

 「しまった!このままだと材料が足りなくなってしまうよ!」

 

 

 「まずいな…そうなってはクリスマスパーティーが開けなくなるではないか。」

 

 

 エミヤとブーディカ、二人のサーヴァントが頭を抱えている問題、それは…深刻な食料不足。そもそもサーヴァントには大食いな者が多い。よって食料の消費スピードが半端じゃない。とはいってもカルデアは雪山にあるため、ちょっと町に買ってくる!という風にはいかない。加えてクリスマスパーティーは必要な料理の品数自体が多いために必然的に材料も多く要求される。これは緊急事態だ。

 というわけで、急遽食料を買いにいくメンバーが必要になったのだが…何せサーヴァントには現世を謳歌することを望む者が一定数いる。誰が行くかもめそうになるも、ダヴィンチちゃんの「何か問題を起こしたら即時帰還させて屈辱的な罰ゲームをしてもらうよ♪」の一言で皆尻込みした為、一般常識が備わっているサーヴァントが良いだろうということになり、エミヤが行くことになった。神やら王やらがその辺にいるカルデアでは数少ない常識人であるからだ。

 そして一人では厳しいだろうともう一人行く者を決めようとなったのだが。 

 

 

 「贋作者(フェイカー)が行くのであれば共に行くのは狗が相応しいであろう?」というギルガメッシュの鶴の一声でクー・フーリンに決まった。カリスマA+所持の発言にはサーヴァントをも納得させる説得力があったようだ。

 ギルガメッシュ本人はこの機会に二人の距離が近付くと良いが…位の親切心というかお節介のつもりだったりする。台詞にはその優しさが全く表れていないが。むしろ口調のせいでパシり扱いをしているように見える気がする。別にツンデレではない。

 何はともあれ、行くメンバー(とはいっても二人だけだが)は無事決まった。

 

 

 ーー二人が新宿で買い物をしている背景には大体このような事情があったのだった。

 

 

 二人は双方とも幸運Eにしては珍しいことに何事も無く材料を買い終え。少し分かれて自分が見たい所を回ろうということになり。

 

 エミヤは書店でレシピ本を手に取り何か良い料理がないかと模索したり、調理器具を見て真剣な眼差しでそれを吟味するといったオカンサーヴァントの本領を発揮し。

 

 一方のクー・フーリンはというと。

 

 「……コレか?…無ェな」調理器具を吟味するエミヤに負けず劣らずの真剣な眼差しで指輪を見ていた。お揃いの指輪を贈ろうとしているようだ。…真剣過ぎて周りの客が微笑ましいものを見るような視線を向けていることにも気が付いていない。

 

 そうして悩むことしばらく。ようやく指輪が決まったのか、嬉しそうな雰囲気を醸し出しながら会計を済ませ。渡したときの相手がどのような反応をするかに思いを馳せて上機嫌なクー・フーリンがエミヤと待ち合わせをしている場所に向かうとそこで目にはいったのは。

 

 

「あ、あのっ!そこに美味しいカフェがあるのでお茶だけでもしていきませんか?」

 

 

「カッコいいですね!一緒に写真撮りませんか?」

 

 

「その…私には待ち合わせをしている相手がいるのだが…」

 

 

「まだ来ていないんですよね?」

 

 

「なら良いじゃないですか!…どうしてもダメなんですか…?(上目遣い)」

 

 

「うっ」(そんな目で言われて断ったら罪悪感が湧いてしまうだろう…!)

 

 

 女の子達に囲まれて困っているエミヤの姿だった。そういえばこいつは女難の相があったなと第三者から見ればブーメランなことを思って遠い目をするクー・フーリンであった。

 

 

 とはいえ。そのままにしておくわけにも行かず、第一自分の相手が異性にチヤホヤされているのは何か気に食わないため。エミヤと女の子達の間に割り込んで。

 

「いきなり悪いな、お嬢ちゃん達。生憎コイツにはオレとの約束があるんでな」と言い、いきなりの登場に驚いているエミヤの腕を引きその場を立ち去った。

 

 そしてその場に残された女の子達はというと。急にエミヤが連れて行かれて怒るでもなく。先程までのエミヤに夢中だった様子とはうって変わり…

 

「私は真理を得た…!」

 

 

「それは奇遇ね。私もよ」

 

 

「「恋愛は異性同士ではなく同性同士でするのが一番!!」」

 

 

 …何か腐った方向に目覚めていた。

 

 

  閑話休題(それはさておき)

 

 

 最後にトラブルのようなものが有ったような気がしないでもないが、ほぼ何事も無く買い物を済ませ、見て回りたい所も見られた二人はカルデアに連絡を取り、帰って来た。

 既に夕方近くになっていたので、エミヤはクリスマスパーティーの料理を準備し始め、クー・フーリンはエミヤを手伝って買ったものを厨房に置いた後、部屋に戻った。エミヤには適当に時間つぶしでもしていると言って。…実際には指輪を渡す時にどんな台詞を言おうかとシミュレーションを試みているのをエミヤは知らない。

 

 

 しばらくして。料理を作り終わったのか、部屋にエミヤが戻って来た。ベッドにはクー・フーリンが寝ている。どうやらシミュレーションを試みている内に寝落ちしてしまったようだ。

 

 

 「寝ているのか…?」

 

 エミヤは彼が寝息を立てているのを確認すると。ベッドに腰掛け寝顔を眺めながらそのサラサラとした蒼い髪を触り始めた。

 

 

 「フフッ…寝顔は可愛らしいな」普段のエミヤには珍しい柔らかな微笑みを浮かべ。彼の髪の手触りを堪能していると。いつの間に目が覚めたのか、目を開けてこちらを見ている彼と目が合った。合ってしまった。

 

 

「…いつから目が覚めていた…?」エミヤが恐る恐るといった様子で聞くと。

 

「エミヤがオレの髪を触り始めたときだな」案の定、結構前に目覚めていたという答えが返ってきた。

 

 

「殆ど最初からでは無いか…!目が覚めたなら言ってくれれば良いだろう」

 

 

「いや、それは無理だな。オレはオマエの顔に見とれていたんでね」

 

 

「………っ!?…何を言い出すんだキミは」

 

 

「本当のことだろうが。そういや、料理は作り終わったのか?」

 

 

「恥ずかしい台詞を真顔で言わないでくれ…ひとまず作り終わったぞ」

 

 

「お疲れさん。クリスマスパーティーってことはケーキもあるんだろ?今から楽しみだぜ」

 

 

「あっ」

 

 

「どうかしたのか?」

 

 

「まずい、肝心のケーキを作り忘れてしまった…今からでも間に合うか…?」

 

 

「なんならオレも手伝うか?手なら空いているぞ」

 

 

「それは助かるのだが、キミに料理経験は?」

 

 

「焼くのと刻むのは任せろ!」

 

 

「…。…では、果物のカットを頼んで良いか?」

 

 

「おうよ!」

 

 

 ーーエミヤのうっかりにより急遽始まったエミヤとクー・フーリンによるケーキ作り。エミヤはともかく、焼けば大体のものは食えるという持論のクー・フーリンには不安が無くもない。

 

 

 カルデア食堂にて。

 

 ヒュッ…ザシュッ

 

 …明らかに食堂で響く音では無い音が生じていた。不審に思ったエミヤが振り返ると。

 

 

 ヒュッ…←クー・フーリンが上に果物を放り投げる音

 

 ザシュッ←そしてそれを彼の宝具である槍で刻んでいる音

 

 まるで手品のような様相を呈していた。大道芸として売れそうである。そう、彼はなんと!上に投げたフルーツを同じ大きさになるように刻んでいるのだ。槍で。影の国の女王がこれを見たらどんな反応を示すのやら。しかも、刻んだフルーツは一切落とさず、全てまな板の上に落ちるようにしている。エミヤは注意することも忘れ思わずその絶技に見入っていたが、ケーキ作りの最中であることを思い出した。後、フルーツを刻んでいるのは「穿つは心臓、謳うは必中」と言われている呪いの朱槍(ゲイボルク)であることにも気付き、我に返り。

 

 

「なんでさ!?」

 

 

「…ん?どうかしたか?」

 

 

「何故キミは果物を呪いの朱槍(ゲイボルク)でカットしているんだ?包丁ならそこにあるだろう」

 

 

「いや、単に槍が一番扱いやすいってだけだが。一応剣でもいけなくはないぜ?ただ、包丁は使ったこと無い」

 

 

「だからといって槍でカットするのはどうかと思うのだが。後、カットというのは普通にまな板に置いてするものであって、間違ってもあんな曲芸染みた動きは料理ではしないぞ」

 

 

「そうなのか?」

 

 

「キミの中で料理とは一体どういう位置付けにあるのか気になるのだが。…全く。仕方ないな、私が教えるからせめて包丁で切ってくれ」

 

 

「分かった」

 

 

「良いか、包丁はこう持ってーー」

 

 

 エミヤによる包丁の扱い方講座により包丁を扱えるようになったクー・フーリンは元々要領が良いのか大量に用意してあったフルーツを切り終わった。手が空いて暇になったためか、エミヤの作業を眺めていたが急に何かを思い付いたようで、悪戯をしようとしている子供のような表情で背後からバレないようにそっと近づく。とある賢王とは違い息をひそめれば気配遮断EXとはならないが、少なくともケーキに集中しているエミヤは気付いていない。クー・フーリンはエミヤのすぐ後ろまで近付き…

 

 

「ーーーっ!?」後ろからエミヤを抱きすくめた。抱きついた本人も微かに顔が赤いが、抱きつかれた当人にいたっては耳まで真っ赤になっている。

 

 

「………私は今忙しいのだが。なっ、いきなりどこを触っている…!」

 

 

「別に良いだろ?」

 

 

「良くないわ!せめてクリスマスパーティーの後にしてくれ!」

 

 

「後でなら良いのか。ーーその言葉、忘れるなよ?」

 

 

「おい待て、何を「じゃあオレが手伝えることも無いようだし飾り付け手伝ってくるわ」…人の話は最後まで聞かんか…」

 自分に手伝えることは無いと判断したのか、クー・フーリンは去って行きその場にはまだ衝撃が残っているのか顔を赤くしたエミヤが残された。

 

 

「…こうしていても仕方がない、早くケーキを完成させなくては…!」しばらく悶えていたが、気を取り直したようだ。

 

 

 ちなみにこの間。わざわざ千里眼で眺めていたギルガメッシュは「いよいよか…!(ドゴッ)グッ…!」と今まで焦れながらも待ちわびていた展開を目にして勢い良く玉座から立ち上がり調度品の角に小指をぶつけていた。凄く痛そう。

 

 

 スーパーケルト○ッチ…ゲフンゲフン、メイヴちゃんなら狂王なクーちゃんをマスターに無断で召喚しようとして爆死した挙げ句にマスターにバレて今日はカルデアの全てのトイレ掃除をさせられている。そこ、ザマァwwとか言ってはいけない。

 

 

 マスター主催のクリスマスパーティーは終始賑やかで。普段仲が悪い人達も笑顔で一緒に酒を飲み。その光景を見て雪花の少女と万能の天才、そして人類最後のマスターはカルデアから居なくなってしまったチキンでドルオタで。それでも最後は勇気ある、そして悲しい決断をした一人のヒト(ロマニ)に思いを馳せる。

 

 

 

 ーーパーティーは盛り上がり、一段落ついたそれがいつの間にか酒宴となり。子供達はもう眠りにつく時間なのか壁に寄りかかるようにして眠り。それを眺めてニヤニヤしていた黒ひげはいつも通りアンとメアリーに処され、ジルはこれまたいつも通りジャンヌに目つぶしをされていた。喜んでされているあたり末期である。

 

 

 

 ーーそんな夜も深まった頃。

 

 エミヤとクー・フーリンはパーティーの切りが良い所で抜け出し部屋に帰って来ていた。

 

 

「わさわざ戻る必要があったのか?」

 

 

「あるからに決まってんだろ。見られたら絶対面倒な奴とかいるしな…」

 

 

「それで、渡したいものとは何なんだ?」

 

 

「この状況から察して欲しかったんだが。…その、指輪だ。ペアリングとか言ったか?」そう言い、綺麗に包まれた箱を取り出しエミヤに手渡す。よく見るとクー・フーリンの分の指輪は既に本人の指にはめられていた。

 

「…私にか?」エミヤは突然の贈り物に虚を衝かれたようで、目を丸くしている。

 

 

「ああ。クリスマスってのは恋人に贈り物をすると聞いてな。…それに、何かお揃いのモノを持ちたかったんだよ。」

 

 

「そうか…」

 

 

「…嫌だったか?」

 

 

「そんなことあるわけ無いだろう。むしろ嬉し過ぎる位だ」

 

 

「それは良かった!悩んだ甲斐があったぜ」

 

 

「いつ買ったんだ?気付かなかったな…」

 

 

「今日買い物したときに少し分かれて回っただろう?その時だ」

 

 

「なるほど」

 

 

「そんで、買った後に待ち合わせしている所に着いたんだが…」

 

 

「あの女性達か。その、すまなかったな…私がはっきりと断れば良かったのをわざわざ…」

 

 

「別にあれ位は構わないけどよ。…オレは自分で思っていたよりも嫉妬深いようでな。オレのエミヤが他の奴に口説かれているというのか?それを見たとき我慢できなくて思わず飛び込んじまっただけのことだ。だからエミヤが謝る必要は無いから気にすんな」

 

 

「それでもだ。少なくとも私は助かったのだから。ありがとう」

 

 

「…その笑顔は反則だと思うぞ…」その呟きはあまりにも小さく、相手には聞き取れなかったようで。

 

 

「何か言ったか?」

 

 

「いや、何にも。ところでエミヤ」

 

 

「何だ?」

 

 

「先程の自身の発言を覚えているか?」

 

 

「何のことだ?…待て、何か嫌な予感がするのだが…?」

 

 

「確か『せめてクリスマスパーティーの後にしてくれ』ーーそう、言っていただろう?」

 

 

「そういえば…!覚えていたのか!」

 

 

「当たり前だ。…今なら別に良いだろ?」

 

 

「……あぁ」

 

 

 ーーそうして二人の夜は更けていく。

 

 

 

 

 翌日の二人の様子を見て「あっ(察し)」となったギルガメッシュが内心で「昨晩はお楽しみだったな」とか思っているのはまた別の話である。




 ーーこの後滅茶苦茶魔力供給(意味深)した。
 これ以上はR18タグが必要になるので…。まあ、書けないと言うのが正しいのですが。

 クリスマスについて書いてある部分は広辞苑とかマイペディアなどの辞書で調べて書きました。
 とりあえず爆ぜろリア充、弾けろシナプ(ry
 
 ここでお知らせが。私の友人が、この小説の挿絵を描いてくれるらしいです!なので、しばらく後になるとは思いますが、挿絵が入ることになります!どこに入っているかは前書きや、あらすじの部分に書こうと思っています。そのため、どなたか画像のアップロードの仕方を教えて下さる方募集中です!

 
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