兵藤一誠に憑依した人柱力   作:ガーディアン

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九十五 実験体《モルモット》

北欧の主神オーディンはリアスたちがディオドラと戦っている時でも、

まだ追っ手を追い払っていた。

「ほっほっ。全く、テロリストどもは年寄りの扱いがなってないのぅ」

そうぼやくオーディンだったが、当然、禍の団(カオス・ブリゲード)は攻撃をやめない。

「ふぅ…。少しは休ませてほしいのぉ」

オーディンは再びグングニルを放とうとする。すると。

メキメキメキメキッッ!!!

 

突如、何も変哲もない地面から木々が生え、テロリストたちを囲った。

「な、なんだ!?これは!?」

「オーディンの新たな術か!?」

だがオーディンはテロリストの前で何もしていない様子だ。

「ほっほっほっ!どうやら、到着したようだねぇ」

オーディンの言葉と同時に、木々がテロリストたちに襲い掛かる。

「う、うわあああぁぁぁぁッッ!!!?」

「これはいったい何なんだ!?ぎゃあああぁぁぁぁッ!!?」

 

「相変わらず、すごい力よのぉ」

オーディンが振り向いたその先には、赤い甲冑の男が立っていた。

その男は、顔に笑みを浮かべている。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とディオドラは睨み合い、戦闘態勢に入る。

「後悔するなよ…。汚い赤龍帝くん……!」

「後悔するのはお前だ。アーシアや俺の友を傷つけた罪を、今こそ受けろ!」

 

俺はディオドラに向かい、拳を突き出す。

「悪いけど、この眼の力は相手の動きを読む。

それなら、いくらパワーがあっても簡単によけれるよ!」

ディオドラは眼光を開き俺の攻撃を避ける。

奴は魔力で数本刃を作り、俺に向けて発射する。

俺は後退しながら、刃を打ち消す。

 

「幻術とかもできると聞いたけどね、生憎、そこまで扱うことができていない。

でも、動きを読む能力だけ使えても、この傷を再生する細胞があれば、僕は無敵だ!」

「…………。お前、無敵の意味を分かっているのか?」

俺の問いにディオドラは怪訝に首を傾げた。

「何を言っているんだい?素晴らしい力じゃないか。

相手の動きを読む、傷を再生する細胞。そしてオーフィスの力!

こんなにも強い力が扱えるだけでも僕は天才さ!

近頃、人間からの転生悪魔に対して気に食わなかったからね。

神器(セイクリッド・ギア)を持つ奴が特にね。

下等な種族のくせに、上級悪魔を超える力がある神器もあるじゃないか。

気に食わない、気に食わないねッッ!!

高貴で優れている上級悪魔の僕たちが下等種族に負ける?

そんなのは絶対に嫌だね!ありえない!ありえないんだよ!」

「………そうか。やっぱ、現魔王の兄ちゃん達とは大違いだな。

いや、リアスの姉ちゃんもだな。

俺はな、人を見下す奴は嫌いだ。

理不尽な理由で傷を付けられる事も俺自身、色々あった」

化け物として恐れられていた俺には、苦痛な時代だった。

でもなぁ、それでも俺を認めてくれた人がいた。

その時俺は、本当にうれしかった。

差別をしてくれない、俺を人間として見てくれる人がよぉ。

 

「別にお前の考え方を否定するわけじゃない。

だがなぁ、傷つけるのは最低な行為だと、俺は思う。

自身の身や自分が大切に思っている人が傷つけられたときには仕方がないが、

お前がやっていたのは、自分の快楽のため。

それは、ただの暴力だ」

「理解できないなぁ。アーシアは僕のために生まれてきた天使だ。

なら、その天使を何しても自由だろう?」

もう、会話すら成り立たないか…。

「リアスの姉ちゃんは謎の力を持っている人間の俺に対してやさしく接していた。

敵勢力だったアーシア、レイナーレ、ミッテルト、カラワーナ、ドーナシークにもあまり敵意を向けなかった。

俺が関与している事もあるかもしれないが、俺は、

姉ちゃんは本気でみんなと仲良くしたいと思っている、そして、今もな……」

俺はディオドラに言った。

 

 

 

 

 

 

「お前には、人に対しての愛が無いんだよ」

 

 

 

「……………………………………………………」

ディオドラは俺の言ったことに対して黙り込んだ。

 

「…………ふ……!」

『…………………!』

「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……………。

あははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!」

ディオドラは笑った。

だが、その笑いの裏には、憎悪があった。

 

「ははは!愛が無い?ふふふ!この僕が?あははははははははははは!!!!!

ははは…はは………は………!!!――――――――――――――ウザったいんだよッッッ!!!!

下等な人間風情がッッッッッ!!!!!!!!!!!」

ディオドラはもうやさしい顔ではなく、歪んだ怒りに満ちているものとなった。

 

「僕は上級悪魔だ。それよりも地位の低くて、ひ弱な人間が、僕に逆らう!?

ああ、気分が悪い…。吐き気がする!!

高貴である僕たち悪魔に、人間ごときが意見をするなよッッ!!!

ただでさえ、能無しのくせに生意気すぎるんだよぉぉぉぉぉぉッッッ!!!!!」

「だったら、どうするんだ?」

俺の問いにディオドラは即答した。

「醜く細切れになって死ね!!汚いドラゴンがあぁぁぁぁぁッッッッ!!!!!!」

ディオドラは魔方陣を奴の周りに数えきれないほど展開した。

魔方陣から剣のような刃が無数に出現している。

「死んでしまえええエェェェェェェェェッッッッッッッッ!!!!!!」

無数の魔力が俺に襲い掛かる。

 

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガッッッッッ!!!!!!!!!

 

ディオドラの激しい攻撃により、再び土煙が舞った。

「イッセー!!」

「イッセーくん」

みんなが俺を心配する。

 

「……………ははは!!だから言ったはずだ!!人間が、僕に勝てるなど―――――――――――」

ズバァァァッッッ!!!!

ディオドラの右腕が吹き飛ぶ。

「……がッ……!?がああぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!?」

切り口から鮮血が溢れるように飛び出す。

「これで終わりか?」

俺はディオドラに再び問いかける。

奴の腕は俺が今放った螺旋手裏剣で吹き飛んだ。

俺は即座に螺旋手裏剣を作って、奴の攻撃をすべて弾いたんだ。

 

「く、くそ………!!?」

ディオドラはもう一度魔方陣を展開しようとするが、

展開している途中で魔方陣が消えていった。

奴はもう、魔力が限界なんだろうな。

「ふ、ふざけるなよッ!?こんなところで僕は、人間に……!?」

初代のおっちゃんの細胞の力で奴の腕は再生した。

だが、それだけだ。

別世界のものだ、この世界の悪魔の魔力までは回復できないだろうな。

「覚悟は、いいな?」

「ひッ…!?」

ディオドラは怯えた。

魔力が切れた瞬間に奴の勢いは撃沈した。

 

俺はディオドラに急接近し、拳を握りしめ、思いっ切り腹部を殴った。

ドゴオォォッッ!!!

鈍い音が鳴る。

「ごぶぅ……!!?」

奴は口から血を吐いた。

それから俺は。

ドゴォ!!バキィ!!

「が……!!げぇ……!?」

何度も。

ベキィィッッ!!ボゴォッッ!!

「ぐぇ………!?ごぁ………!!!?」

ディオドラを。

ドガアアァァァッッッ!!!ドゴオオォォォォォッッッ!!!

「ぎぃ………!?ぐああぁぁ…………!!!」

殴り続けた。

「最後の一発だ!」

俺は拳を上げ、神器を展開。

『Boost!!Boost!!Boost!!Explosion!!』

一気にパワーを上げる!!

俺の拳打で、顔も体もボロボロになって倒れているディオドラは懇願する。

「ま、待ってくれ…!?謝る、謝るから!!見逃して―――――――」

「やめねぇよ!!!」

 

俺は拳に思いを込める。

「アーシア、レイナーレ、ドーナシーク、カラワーナ、ミッテルト。

みんなが受けた痛みを、じっくり味わえ!!!!」

俺は拳で、ディオドラの胸を思いっ切り、殴った。

ドッゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォッッッッッッッッッ!!!!!!!

奴が倒れている場所の地面が抉れ、ディオドラは、絶叫を上げようとしたが、

その受けた痛みが上回り、上げようにも上げれなかった。

 

奴の意識はまだある、おっちゃんの細胞だ、骨が折れたって回復する。

「まだ生きているようだな。なら、言っておく、アーシアに近づくな」

俺は奴を睨みつけ、ディオドラは瞳に涙を浮かばせながら怯えていた。

『相棒、そいつの心はもう終わった。

――――――そいつの瞳はドラゴンに恐怖を刻み込まれた者のそれだ』

ドライグが語る。

「イッセー、そいつにトドメを刺さないのか?」

ゼノヴィアが寄って来た、その眼は殺意に満ちていた。

「アーシアにまた近づくかもしれない。

今この場で首をはねたほうが今後のためじゃないのか?」

本気だな、こいつは。だがそうなっても仕方が無い。

だってこいつディオドラは、アーシアを、大切な友達を傷つけた。

だが俺はゼノヴィアを制した。気持ちはわかるが。

「一応、こいつも魔王の血筋。腐っていてもな。

いくらテロに加担したからと言って、ここで殺したら、もしかしたらの可能性もある。

リアスの姉ちゃんやサーゼクスの兄ちゃんに迷惑がかかるかもしれない。

だけど、罪は償ってもらう。今の事が終わってからな」

ゼノヴィアは心底悔しそうにしていたが、瞑目した。

そして剣を思いっ切り地面に刺した。憂さ晴らしをしたんだろう。

「……わかったよ。イッセーが言うなら私は止める。――――――だが」

「ああ、そうだ」

俺とゼノヴィアは拳と剣、それぞれをディオドラに向けた。

「「もう、アーシアに言い寄るなッッ!!!」」

ディオドラは何度も頷いた。顔をぐちゃぐちゃにしながら。

 

「アーシア!」

「イッセーさん!!」

俺はアーシアに付けられた拘束具を外そうとする。

だけど、中々外れない。

「なら!」

集中して仙人モードになる。

その力で思いっ切り~~~~ッッッ!!!!外すッッッ!!!!

バキャッッ!!!カランカラン……。

「イッセーさん!!!」

アーシアは自由になり、俺に抱き付いてきた。

「私は…、信じていました…!イッセーさんが来てくれることに……!!」

「当たり前だろ、アーシア、俺とみんなは、お前の友達だからな!!」

俺は笑顔で言う。

「………はい…!!」

アーシアはまた涙を流した。

あーあー、これで何回目だろうな、この子が泣いているところ。

さてと、じゃあ。

 

 

「隠れてないで出て来いよ。もう、隠してもばれているぜ」

俺は誰もいない方向に声をかけた。

「ほう、私の気配を感じ取ったのか。赤龍帝」

そこに現れたのは一人の男。

「やはり、排除するべきだな。

神滅具(ロンギヌス)で作られたその拘束具を壊した力、今後の脅威となるだろう」

男がパチンッ!と指を鳴らした。

幾つもの魔方陣が出現し、悪魔や、怪物が出現した。

「さぁ、《忍》、グレモリーの血筋の者とその眷属。

今宵は最高のパーティに招待するぞ。人生最後のな」

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