列車でみんなと楽しく談笑して時間すぎ、暗い景色から一変。
膨大な大地が窓の外に広がっていた。
どうやら、この大地全体がグレモリーの領土と言う。
里よりも遥かに上を行く広さじゃないのか?
で停車駅に着いた。
リアスの姉ちゃんたちが列車から降りた瞬間。
「お帰りなさいませ、リアスお嬢さま」
『お帰りなさいませ、リアスお嬢様とその眷属様!』
うおぉ!?盛大なお迎えだな。
執事の格好をした人たちがいっぱい。
「と、ここでお前らとは一度離れるぜ。
俺は今からサーゼクスと話しがあるんだ。
まぁ、お前らの修業までには戻って来てやるよ」
そう言いながら汽車の窓から手を振りながら別れた。
「ただいま、みんな。こんなお出迎えしてくれてありがとう」
姉ちゃんは屈託のない笑顔でそう言った。
「大変だなぁ、お嬢様って」
「こういう暮らしに慣れないといけないのかな、俺たちは」
「そうだろうな、まぁなに。ゆっくりしていけば良いさ」
「お帰りなさいませ、リアスお嬢さま……。そして眷属の皆様」
「ただいま、グレイフィア。元気そうで何よりだわ」
歩いてきたグレイフィアさんの登場で、眷属の皆は頭を下げる。
メイド仕事も大変だろうなぁ。
「とりあえず馬車をご用意したのでこれにお乗りください。
グレモリ―家の本邸までこれで移動します」
「みんな、ここからは馬車で移動よ」
『はーい!!』と言い、みんなそれぞれ馬車に乗り、移動した。
ここはコキュートス。
地獄の最深部、そして体が凍りつくぐらいの冷気を放つ地である。
堕天使幹部・コカビエルはアザゼルに裁かれ、ここに閉じ込められ凍りついた。
「こいつがコカビエルか?」
「見事に氷付けされちゃっているね」
そこに、三人の姿が現れた。
一人は黒い服でフードで顔まで隠している。
「つーか、生きてるか?これ?」
「さぁね、でも永久凍結だから死んで無いと思うよ」
おちゃらけて話している男二人とは別に、
黒服は何もしゃべらずに、コカビエルを纏っている氷に触れた。
すると、その氷が溶け出した。
「うお、溶けていくぜ!」
「さすがだね」
コカビエルを纏っていた氷は完全になくなり、
彼の体がびしょびしょになり、ゲホゲホッ!!と咳をして息を吹き返した。
「まだ生きているみたいだね。
それにしても、僕じゃ到底できないよ。こんな世界に閉じ込められることは」
「俺だって嫌だぜ。寒くって退屈すぎる」
そして、彼らに気が付いたコカビエルは言う。
「貴様らか……。俺を助けに来てくれたのか……?
下等種族に助けられるとは、俺も落ちぶれたものだ。
だがこれで、アザゼルに、俺にしたことを裁くことが……」
だが、その言葉に二人は顔がにやける。
「君はどうやら勘違いしているみたいだね」
「何………?」
「俺たちの目的は、あんたを殺すことだよ」
その言葉と同時に、一人の男が槍を構え、コカビエルの胸を貫いた。
「が!?がぁぁぁッッ!!?」
「ひひひ、どうだ?病みつきなるぐらいの極上の痛みだろう?」
「きさまら……!?」
「これは
君は見事に失敗をしたから用済みとして、君を削除しに来たんだよ。
まったく、ここまで来るのに苦労したんだからね。
ああ、そうそう。三大勢力は君が起こした騒ぎのせいで和平を結んだそうだよ」
心臓の部分から血が流れ出る。
鮮血がドクドク……と滴り落ちる。
「…………………!!?」
コカビエルはそのままうつ伏せになり、息を絶えた。
「死んだようだね、どうする?」
「んじゃ、このまま帰るとしますか。いやぁ、寒ぃ寒ぃ!!」
「……………………………」
黒服の男は巻物を取り出し、何か作業を始めた。
馬車で移動し始めてから数十分。
目的地に到着した。
「いやぁ、これはこれは……」
目の前には、巨大なお城。グレモリーの本邸だ。
門の前に立っているが、それでも十分な大きさだ。
門をくぐり、中に入ると。
「リアスお姉さま!お帰りなさい!!」
紅い髪の男の子がリアスの姉ちゃんに抱きついてきた。
割と小さいお子様だ。
「ミリキャス!久しぶりね……。前に見た時よりも大きくなったわね」
ミリキャスと呼ばれた男の子を優しく撫でる姉ちゃん。
「この子はミリキャス・グレモリー。
お兄様……現魔王のサーゼクス・ルシファー様の子供で私の甥なのよ」
へぇ、サーゼクスの兄ちゃんの。
そういえば、前に話しをしたとき、グレイフィアの姉ちゃんが妻だって言っていたな。
ということは、兄ちゃんと姉ちゃんの実子てことか。
でもまぁ、さすがにルシファーの名前はまだなのか。
グレモリーからルシファーに変えたから、前の名前で仕方の無いことだな。
「ミリキャス。この子達は私の新しい眷属なの。挨拶しなさい」
「はい、お姉さま!僕はミリキャス・グレモリーと申します!よろしくお願いします!」
礼儀正しい子だな。
松田と元浜はどうしたらいいかと焦っていた。
「ああ、いや…。松田大輔です!こちらこそよろしくお願いします!」
「元浜良平です!よろしくお願いします!」
「ほっほっほっ!元気がいいお子様ですね」
「あなたは?」
鬼鮫は注目される。だけど如何せず口を開く。
「干柿鬼鮫。どうぞお見知りおきを、ミリキャス殿」
「はい!よろしくお願いします!!」
と、こちらにも注目した。
「お姉さま、この方たちが」
「ええそうよ。新しい勢力《忍》の人たちよ」
「わぁ!かっこいいです!!」
そんな事を言われているのは慣れていないため、少し照れてしまう。
純粋な眼で見つめてくるからなぁ。
「兵藤一誠。よろしくな!!」
グレイフィアの姉ちゃんが話す。
「皆様、ミリキャス様にはお好きなように接してください。
敬語は、特に気にしませんので」
「あ、あの。イッセー兄様と呼んでも宜しいですか?」
「ん?まぁ、堅苦しいけど、呼びやすい程度で良いぜ?」
「わかりました!!」
「はうぅ!可愛いです!!」
「うーん。なんて礼儀正しい子なんだ……」
「俺たちの自己紹介は後でいいな」
「そのほうが良いだろな」
「お腹すいたぁ……。長旅でペコペコだよ」
「まぁ、我慢しろ。もうすぐお昼だ」
「今の内に、仲良くしておきましょう」
とミリキャスに関する感想を終えた。
「みんな、行きましょう」
姉ちゃんの号令を元に城の中に入っていった。
『アザゼル、ちょっといいかですか?』
「どうしたシェムハザ、急に連絡なんかよこしやがって」
「それが、コキュートスで閉じ込めていたコカビエルが………、
死んでいたという連絡が入りました』
「何!?どういうことだそりゃ!!?」
原因は氷が溶かされて、胸に細い刺し傷が致命傷らしいですが、詳しくはまだ調査中です』
「なんてこった……。侵入者は?」
『入った痕跡が無い、恐らく消したんだろうと思われます。
すみません、こんなことが起きるとは予想外でした。
管理を怠ってしまい、申し訳ありません……』
「……気を落とすな。いずれにせよ、奴にはあそこから出さないと決めていたんだ。
それにしても、誰がやったんだ…?」
『詳しいデーターは後で送ります。引き続き調査を行います』
「頼んだぞ。しかし、何が起きている…、この世界は……」
「いやぁ、外の空気は暖かくて気持ち良いぜ!!」
「あんまりはしゃぎすぎないでよ、出口を見つけるのには苦労したんだから」
「……………………」
混沌が、渦巻き始めた。