兵藤一誠に憑依した人柱力   作:ガーディアン

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七十六 若手悪魔たち

「若手悪魔ナンバー1?」

「そうよ、サイラオーグはその強さが認められているわ」

つまり、この場にいる悪魔よりも強いと言う。

 

「あ、兵藤!」

「匙じゃん。あ、会長も」

「ごきげんよう、リアス、兵藤くん」

これで全員集まったらしく、それぞれグループのように固まった。

無論、俺たち《忍》は人間で、どこの眷属でもないので隅っこで待機だ。

修復作業も終わり、自己紹介が始まる。

 

「私はシーグヴァイラ・アガレス。大公アガレス家の次期当主です」

眷属は後方で待機している。

「私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主です」

「私はソーナ・シトリー。シトリー家の次期当主です」

「俺はサイラオーグ・バアル。大王バアル家の次期当主だ」

やはり皆、主の器なのか焦りもなにもない。

 

「僕はディオドラ・アスタロト。

アスタロト家の次期当主です。皆さん、よろしく」

優しげな声をしているけど、この青年も悪魔。

裏じゃどんな顔をしているのか。

「グラシャラボラス家は先日、御家騒動があったらしくてな・・・。

次期当主とされていた者が不慮の事故死を遂げたばかりだ。

それで、先程のゼファードルは新たな次期当主の候補と言う事になる」

サイラオーグの兄ちゃんからの説明。

ふーん、俺に攻撃してきた奴は本来違う人がいたのか。

 

若手悪魔達が案内された場所は異様な雰囲気がしている場所だった。

高い所に置かれた席には悪魔のお偉いさん方みたいな人たちが座っている。

サーゼクスの兄ちゃんの姿も見えた。セラフォルーも手を振っている。

「よく集まってくれた。

次世代を担う貴殿らの顔を改めて確認するため、集まってもらった。

これは一定周期ごとに行う若き悪魔を見定める会合でもある」

初老の男性が腕を組みながら語る。

「さっそく、やってくれたようだが……」

今度はヒゲたっぷりの男性悪魔が皮肉げに言う。

さっきのことだな。

俺も関わっているけど、大丈夫かな?

 

「キミ逹六名は家柄、実力共に申し分のない次世代の悪魔だ。

だからこそ、デビュー前にお互い競い合い、力を高めてもらおうと思う」

サーゼクスの兄ちゃんが六人を見つめて語る

「我々もいずれ《禍の団》との戦に投入されるのですね?」

サーゼクスの言葉にサイラオーグが尋ね返したが、サーゼクスは首を横に振る

「それはまだ分からない。

だが、出来るだけ若い悪魔逹は投入したくはないと思っている」

 

「何故です?

若いとはいえ、我らとて悪魔の一端を担います。

この歳になるまで先人の方々からご厚意を受け、なお何も出来ないとなれば…」

「サイラオーグ、その勇気は認めよう。しかし無謀だ。

何よりも成長途中のキミ逹を戦場に送るのは避けたい。

それに次世代の悪魔を失うのはあまりに大きいのだよ、理解して欲しい。

キミ逹はキミ逹が思う以上に、我々にとって宝なのだよ。

だからこそ大事に、段階を踏んで成長して欲しいと思っている」

サーゼクスの兄ちゃんの言葉にサイラオーグは一応の納得をしたが、不満がありそうな顔をしていた。

まぁ、俺もあのテロリストは許せないからな。

生あるものを死なせるようじゃ、不満の気持ちもなんとなくわかる。

 

その後兄ちゃんや他の悪魔は今後のゲームや冥界の情勢などをリアスの姉ちゃん達に話していた。

「さて、長い話しにつきあわせてしまって申し訳なかった。

なに、私たちは若い君たちに私たちなりの夢や希望を見ているのだよ。

それだけは理解してほしい。キミたちは冥界の宝なのだ」

皆に向かって兄ちゃんは言う。

それほど大事だと言う事だな。

 

「最後にそれぞれの今後の目標を聞かせてもらえないだろうか?」

サーゼクスの兄ちゃんの問いかけに、サイラオーグの兄ちゃんが最初に答える。

「俺は魔王になるのが夢です」

真っ直ぐ、迷い無く言いきる兄ちゃん。

 

『ほう………』

この言葉にお偉いさん方感嘆の息を漏らした

「大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」

「俺が魔王になるしかないと冥界の民が感じれば、そうなるでしょう」

言い切るな。次はリアスの姉ちゃん。

「私はグレモリーの次期当主として生き、

そしてレーティングゲームの各大会で優勝する事が近い将来の目標ですわ」

レーティングゲームは俺も経験している、例外だけどな。

 

次はソーナ会長

「私の夢は冥界にレーティングゲームの学校を建てる事です」

その言葉に眉を寄せるお偉いの悪魔たち。

「レーティングゲームを学ぶ所ならば、既にある筈だが?」

「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行く事が許されない学校の事です。

私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔ての無い学舎です」

差別のない学校か。

確かに、人は見た目や級位ではわからない。

夢のあることだな、だが……。

 

『ハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!』

 

お偉いさん方の声が会場を支配し、嘲笑うかのように次々と口にし始めた。

「それは無理だ!」

「これは傑作だ!」

「なるほど!夢見る乙女と言うわけですな!」

「若いと言うのは良い!

しかし、シトリー家の次期当主ともあろう者がその様な夢を語るとは。

ここがデビュー前の顔合わせの場で良かったと言うものだ」

 

何故笑う?

俺は一瞬疑問符を浮かべた。

「悪魔は基本、下級には厳しい。

グレモリー家は例外だけど、上の人は育てるとかしたくないだって」

木場が説明してくれた。あっそ、自分は得して他は関係ないか。

 

「私は本気です」

ソーナも態度を変えずに言い切る。

だが、お偉い悪魔の一人は冷徹な言葉を口にする。

「ソーナ・シトリー殿。

下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能を見出だされるのが常。

その様な養成施設を作っては伝統と誇りを重んじる旧家の顔を潰す事となりますぞ?

いくら悪魔の世界が変革の時期に入っていると言っても変えて良いものと悪いものがあります。

全く関係の無い、たかが下級悪魔に教えるなど……」

その一言に匙が口を挟む。

「黙って聞いてれば、なんでそんなに会長の……ソーナ様の夢をバカにするんスか!?

こんなのおかしいっスよ!

叶えられないなんて決まった事じゃないじゃないですか!

俺達は本気なんスよ!」

 

「口を慎め、転生悪魔の若者よ。

ソーナ殿、下僕の躾がなってませんな」

「……申し訳ございません。あとで言ってきかせます」

「会長!どうしてですか!この人逹、会長の、俺達の夢をバカにしたんスよ!

どうして黙っているんですか!?」

「サジ、お黙りなさい。この場はそういう態度を取る場所ではないのです。

私は将来の目標を語っただけ、それだけの事なのです」

なるほど、お偉いさん方は上の立場だけが生き残れば良いというわけか。

弱者を捨て、強者を育てる。

俺の生きていた元の世界でもそれはあったが。

違うところもある。

ある意味反論した匙の意見は正しい。

 

「夢は所詮、夢。叶うことと叶わぬことがありますぞ。

ましてや下級悪魔如きがレーティングゲームを学ぶために行き来する学校を作るなど……」

『くだらぬ戯言だな』

九喇嘛が俺の中から低い声でみんなに聴こえるように言った。

分身も使っていないのに、勝手に声を出すな!?

お前の声のせいでみんなが俺に注目したじゃないか!?

 

「そこの人間!!今何と申した!?」

ほら、怒ったじゃないか!?

『どうにも耐えられん。それはお前も同じだろう?

また分身を作って、奴らに意見を言いたい。いいか?』

まったく……。面倒は起こさないでくれってばよ。

「影分身の術」

分身を一体作る。

「変化!」

その分身で九喇嘛の形にする。前にした大きさで。

 

あ、どうせなら。

『どうせなら人の姿になりたい。擬人化というのか。イメージは考えてある。

それになってくれないか?』

お前がそんなに頼み込むなんて珍しいな。

て、このイメージは…。まぁいいや…。別に他の人には問題にはならないだろう。

 

九喇嘛の分身。

ちょいイケメン風、20代後半。

ワイルドチック、服は和服。

髪型ストレートオールバック。赤に近いオレンジ色の髪。

とのこと、みんなは驚いているけど。

『最近、九喇嘛はこの世界を気に入っているらしいからな。

まぁ、俺たち尾獣もそうだが、みんなこういうことをいつかは頼むかもしれないぞ』

牛鬼がそう説明する。

確かに、この世界の暮らしも悪くは無い。

 

学園関係者以外は驚いた。

「わしの名は九尾。こやつに宿っている者だ。

さっき貴様らに意見したのはわしだ」

「貴様、何のつもりで意見する?」

お偉いさん方は落ち着き、問う。

「いやなに、貴様ら老害どもの口ぶりが気に入らんからなぁ」

「貴様……!?高度な悪魔に対してなんて口を利く!?」

「わしは貴様ら悪魔ではない。そのような皮肉は通じんぞ。

それに、貴様らは若い奴らの芽を潰そうとしている」

 

「今ここにいるのは魔王さま方の温情によるものだと言うのに……。

その上我々を侮辱し、意見するだと?

この様な神聖な行事の場にこれ以上に人間が居あわせることは耐えられん!!」

「夢には叶うことと叶わぬことがきっちりと分けられておる。

それを無知な者が語るでないわ!!」

「人ってのはな必ず目標がある。

その目標を達成するために努力をする。

たとえ叶わなくても、強くなれるじゃないのか?」

 

「悪魔が努力?ははは、笑わせるな。

努力は人間が必死こいて惨めになること。

そんなことは悪魔は望んでない!むしろ、人間は哀れだな」

この言葉の後にお偉いさん方は一斉に笑い始めた。

だけど下の席のサーゼクスの兄ちゃんやセラフォルー、他の二人は笑ってはいない

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォォッッッ!!!!!!!

「げっ!?」

やばい、九喇嘛がキレ始めている!?

「人間が哀れ?ということはわしの宿主にもそのように思っているのか?」

「そういうことだ!《忍》なんだか知らぬが、人間がわしら悪魔に勝てるわけが無い!」

まだ笑い続けるお偉いさん方。

ブチリッ……!!

あ、まずい。九喇嘛が青筋を立てた。そして糸が切れた。

 

ドオオオオォォォンッッッ!!!!!

地響きがなった。建物が揺れる

パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!

窓が割れ。

ピシシシ……!

壁や床にひびが入る。

その場にいた全員が驚愕する。

 

「少し黙れ老害ども……!!さもなくばここで消してやっても良いが……」

「だあぁぁぁッッ!!!?何でお前は問題を起こす!!?

強制終了!!後お願いだからここでは黙っててくれってばよ!!」

「……ふん、まぁいい。言いたいことがいえただけで十分だ……」

 

ポンッと九喇嘛の分身は消えた。

あぶねぇあぶねぇ……。ここで暴れたら元も子もない…。

「でも、俺も九喇嘛の意見には賛成だってばよ。

確かに叶わない夢もあるだろう。だがな、人は夢に向かうにはどうするのか?

考えて、特訓して、そして努力をする。人間は弱いかもしれない。

けど、努力もしないあんたらに、笑う資格なんてないと思うぜ…?」

俺は人の努力を否定しない。

否定したらその人の努力はなんなっだのか。

 

「魔王になる者、ゲームの大会で連覇すること、

平等な差別のない学校を作ること。

みんなすばらしい夢じゃないのか?

それを叶う叶わないといって諦めさすような口調は、俺は大嫌いなんだよ」

 

お偉いさん方が立ち上がる

「人間がッ!言わせておけば好き勝手にッ!」

「ここがどこだかわかっているのか?

ここは悪魔の住む冥界。

言わば、人間など入るのは異例。

貴様はその特別を踏みいじっているのだぞッ!」

「悪魔の法則に人間が口出しする権利などないわッ!」

 

 

「まぁまぁ、みなさん。落ち着いてください」

サーゼクスの兄ちゃんがみんなを制止させる。

「ならなら!うちのソーナちゃんがゲームで見事に勝っていけば文句も無いでしょう!?

ゲームで好成績を残せば叶えられる物も多いのだから!」

セラフォルーも意見する。

「もう!おじさま逹はうちのソーナちゃんをよってたかっていじめるんだもの!

私だって我慢の限界があるのよ!

あんまりいじめると私がおじさま逹をいじめちゃうんだから!」

セラフォルーが涙目で他のお偉いの悪魔たちに言う。

お偉いさん方は黙り込んだ。

あんたがいじめ始めたら死んでしまうと思うが……。

口には出さないでおこう。

お偉いさん方は青ざめた。

 

 

「ちょうどいい、では、ゲームをしよう。若手同士のだ」

サーゼクスがその場を収めるために提案を話し始める

「リアス、ソーナ、戦ってみないか?」

リアスの姉ちゃんとソーナ会長は顔を見合わせ、驚いていた。

「元々、近日中にリアスのゲームをする予定だった。

アザゼルが各勢力のレーティングゲームファンを集めてデビュー前の若手の試合を観戦させる名目もあったものだからね。だからこそ丁度良い。

リアスとソーナで1ゲーム執り行ってみようではないか」

 

リアスの姉ちゃんは挑戦的な笑みをソーナ会長は冷笑な笑みをお互いに見せ合った。

「公式ではないとはいえ、

私にとっての初のレーティングゲームの相手があなただなんて運命を感じてしまうわね、リアス」

「競う以上は負けないわ、ソーナ」

おお!火花を散らしている

 

「リアスちゃんとソーナちゃんの試合! うーん☆ 燃えてきたかも!」

さっきまで涙目だったセラフォルーも楽しげに笑う。

「対戦の日取りは、人間界の時間で八月二十日。

それまでは各自好きに時間を割り振ってくれてかまわない。

詳細を改めて後日送信する」

サーゼクス兄ちゃんが最後にそう締めくくる。

 

なんとか収まったな




九喇嘛の擬人化した絵欲しいな……。

夢でハイスクールD×Dキャラたちが猫娘になってイッセーを襲っている夢を見た。
あまりにもエロかったけどまた別の感じで書いてみたい気がした。
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