兵藤一誠に憑依した人柱力   作:ガーディアン

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七十七 修行の内容説明

まったく、一時はどうなるかと思ったわよ…」

「あのような態度はいけません。言葉を慎んでください」

集会が終わった後、すぐに二人に怒られた

いいこと言ったつもりだけど。

まぁ、人間と悪魔の意見は違うからな。

言えただけで十分だ。

 

「お前の住んでいる奴は何なんだ……?」

「いくらなんでも、あの力は異常だぞ……?」

松田と元浜が問う。

「まぁな。俺たちも詳しくはわからないが、六道仙人ってのが育てていたからなぁ」

「六道仙人?」

「忍の始祖。チャクラの真理を解き明かし忍宗の開祖である伝説の僧侶だ。

かつて荒廃した世界を救った救世主で、

そして忍びの神として崇められた全ての始まりの者。

乱れた世界に安寧と秩序を齎す創造神とも、世界を無に帰す破壊神とも伝えられ、

実在した事さえ曖昧な神話の様な存在。

三大瞳術の一つである血継限界・輪廻眼の最初の開眼者にして、

体内に尾獣・十尾を宿した最初の人柱力だそうだ」

 

この説明にみんなが驚く。

「そんな化け物みたいなもんが…」

「だが、いくら最強だとしても歳には敵わないがな」

俺は笑いながら言った。

 

 

 

 

「そうか、シトリー家と対決か」

グレモリー家本邸に帰ってきたところアザゼルのおっちゃんと合流。

広いリビングに集合し、今後のことを話しあう。

「人間界の時間で現在七月二十八日。対戦日まで約二十日か」

「しゅ、修行ですか?」

松田が訊く。

「当然だ。明日から開始する予定だ。

すでに各自のトレーニングメニューは考えてある」

「でも良いの?私たちだけが堕天使総督のアドバイスを受けて?

公平さを著しく欠いているのでは?」

アザゼルのおっちゃんはリアスの姉ちゃんの言葉に嘆息しながら答える。

「俺だけじゃなく、シェムハザも各家にアドバイスを与えているからな。

ハハハ!俺よりシェムハザのアドバイスの方が役立つかもな!」

いやいや…。

しっかりしてよね、そこは…。

「まあいい。明日の朝、庭に集合。

そこで各自の修行方法を教える。覚悟しろよ」

『はい!』

アザゼルのおっちゃんのその言葉にリアスの姉ちゃん達は異口同音に答える。

 

「そういえばイリナ」

「何ですか?」

「お前、天使になったんだろう?」

『!?』

アザゼルのおっちゃんの言葉にみんなが驚愕した。

「ええ!そうですよ!ほら!!」

天使の翼がイリナの背中にあった、頭にも輪が。

「天界の考案した新システムで天使に転生したんだろう?」

「そうですよ!御使い(ブレイブ・セイント)と言いまして、

悪魔のレーティングゲームみたいに対戦もできるんですよ!

眷属は十二までで、それぞれ特殊な仕組みがいっぱいなのよ!

憧れのミカエル様の(エース)に成れるなんて、最高だわ!!」

なんか、嬉しそうだな。

しかし、天界も似たようなことをするもんだな。

 

しばらくイリナの語りを聞き、とここで銀髪の美女グレイフィアの姉ちゃんが現れる。

「皆さま、温泉のご用意ができました」

 

「旅ゆけば~♪」

俺と木場、アザゼルのおっちゃん等の男たちは一緒に露天温泉に浸かっている。

アザゼルのおっちゃんは翼を展開しながら気持ちよさそうに鼻歌を唄っている。

「冥界にも温泉があるのか。いいものだな」

「だろ?」

 

ギャスパーも入るのだが、

タオルを女の子の巻き方にして入っていなかった。

「まったく、堂々としろよ……」

「は、恥ずかしいですもん……」

男じゃなかったらなぁ…。

 

「なぁ元浜よ」

「何だ松田よ?」

「隣は桃源郷があるんだよな…?」

「そうだな、俺たちの(ドリーム)がな……」

なんか企んでいるなぁ…、あの二人。

「今こそ…」

「夢を叶えに!!」

「やめておけ!」

俺は二人の後ろに回り、拳を頭にぶつけた。

 

二人は頭を抑えて痛がった。

「だいたい、アーシアやゼノヴィアも入っているんだ。

もしゼノヴィアがお前らを見つけたら、即行デュランダルでスパンだぞ?」

「そ、それは……」

「今ここで命を失うのは虚しい……」

 

 

 

こうして俺たちはゆっくりとお湯に浸かって癒した。

ちなみに、隣の女湯では胸の大きさで討論が起きていたそうだ。

 

 

 

翌朝。

 

屋敷のリビングルームにあるソファーの前で、

ソファーに座っているアザゼルのおっちゃんを前にして立っている。

手元には数枚の紙があり、たぶんそれに各人の修行内容がびっしり書いてあるんだろうな。

「さて、これからお前らに修行の内容を通達するんだが……。

この修行においてはすぐにでも効果が出る奴とそうじゃない奴がいる。

そのことは十分理解しておけよ?」

威厳のある言葉だ。

 

「まずはこの眷属の《王》であるリアス。まずは俺の意見を言おうか。

お前の潜在的な魔力の才能、頭脳、どれをとっても一級品だ。

これは間違いない。このまま何もせずとも成人を迎えるころには才能は開花し、

近い未来最上級悪魔の候補にも挙げられるだろう―――が、今すぐにでも強くなりたい。

それがお前の意気込みだな」

 

 

「……あんな無様な恰好、それに―――足手まといは嫌よ」

苦虫を噛んだように悔しそうな表情をした。

―――たぶんライザーとのレーティング・ゲームのことを思い出してるんだろうな。

あの時は俺が助けたけど、それでも自分の実力では敵わなかった。

だけど、あの経験は十分に心に残るはずだ。

「それならお前はその紙に書かれた内容をみっちり体に叩き込め」

 

アザゼルのおっちゃんは先ほどリアスの姉ちゃんに渡した紙を指すと、部長は黙々と読み始める。

そして読み終わると少し不思議そうな顔をしていた…どうしたんだろう。

「これ、ほとんど基本のトレーニングなんだけど…」

「お前はそれでいいんだ。いいか?お前の才能と力はすでに上級悪魔でも結構高位のもんだ。

ただお前の相対してきた敵はコカビエルやら不死鳥とかの奴らだ。

お前は自分の肉体を酷使するタイプの戦士じゃない上に《王》だ。

《王》は時にして力よりも知恵、眷属を導く統率力が必要となる。

それをするためには基礎あるのみ、基礎がねえ奴がどれだけ応用やっても効果なんてねえんだ」

 

説得力のある言葉で姉ちゃんは納得したのか、何も言わなかった。

確かにリアスの姉ちゃんの修行内容、相当の効率でなおかつ理想的な内容だ。

 

「さて、次は朱乃」

「はい」

朱乃の姉ちゃんはすっと俺たちの一歩前に出て、アザゼルのおっちゃんの前に立つ。

 

確か朱乃の姉ちゃんは堕天使の幹部バラキエルの娘だったか。

雷光の力でレーティングゲームで《女王》を倒したんだよな。

「雷光の力を高める修行をしてもらう。

バラキエルからのアドバイスの紙もある。

フェニックス家とのレーティング・ゲームは見させて貰った。

だが、あれでももっと早く倒せれる相手だ。

戦術も考えておくようにしてをけよ?」

「わかりましたわ」

 

「さて、次は木場。お前は現段階でどれだけ神器の禁手化を持続させられる?」

「…約5日間。ですが力を全力で使えば1日も満たないと思います」

 

アザゼルのおっちゃんの問いに木場が答えると、

おっちゃんは少し考える間をおいて再び話し始める。

「…予想していたよりはかなり長いな。しかし木場。

今までお前たちが遭遇してきた人物ではヴァーリ……。

あいつは余裕で禁手状態を一か月以上持続できる。特にお前の禁手は持続時間が長いのが肝だ。

現在が5日間なら次は1週間、そしてそれを少しずつ伸ばしてゆき、

最終的には修行の終わりまでに1か月間、禁手状態を維持しろ」

「…わかりました」

木場はアザゼルのおっちゃんの言葉に頷く…。

禁手の持続性を伸ばすのが一番の課題ってことか。

かなりタフな鍛錬になりそうだな。

 

「神器の扱いは以前のゲームから随分上達しているようだが…。

剣術の方はもう一度一から鍛えなおすんだっけか?」

「はい。師匠に一から教えていただくつもりです」

へぇ、木場にも師匠なんて存在がいたんだな。

師匠、か……。懐かしい思い出が蘇るぜ…。

 

「さて、次はギャスパーだが…」

「は、はいぃぃぃぃぃ!!?」

「びびりすぎだ……」

俺はギャスパーの頭に軽いチョップをした。

 

「そうびびるな。その臆病癖を直すのも時間の問題だな…。

停止世界の邪眼(フォービトュン・バロール・ビュー)は非常に危険な神器だ。

しかも宿主のお前が引き籠りに加え対人恐怖症とかあり得ない。

お前はその人に対する恐怖心を克服、さらには神器の更なる操作を可能にしてもらうぜ。

そのための専用プログラムは組んでやった。

イッセーの血も飲んでもらうぜ?」

「ひ!?が、がんばりますぅ……」

 

よぅし、きっちり修行をさせてもらうぜ?

「次に小猫」

「……はい」

「お前は『戦車』としての才能は申し分ない。

駒の性質にも同調しているだろう―――だけど、

この眷属の中にはお前よりオフェンスが強い奴がいる」

「―――ッ!分かっています…」

 

「ああ、わかっているからこそ、そこまで焦ってんだろう。

木場は聖魔剣によって大幅に力が上がった。

鬼鮫は元から基礎能力も高く、あのカテレアを倒した。

その中でお前の攻撃力は小さくはないが……目立たない」

…なかなか重いことを言うな。

だが、それが現状。

小猫ちゃんは……悔しそうな表情で歯噛みしていた。

「…小猫、お前はなぜ力を使わない?お前だって本当の力を―――」

「やめてくださいッ!!!」

――――――小猫ちゃんが、叫んだ?

 

普段は冷静な小猫ちゃんが……?

「………それ以上は、やめてください。ここからは自分で考えることですから」

「俺から言いたいことは、自分の力を受け入れろ。それだけだ」

アザゼルのおっちゃんはそういうと、手元の最後の紙を小猫ちゃんに渡した。

小猫ちゃんはそれを無言で受け取って、一歩下がる。

 

「さて、次に鬼鮫だな」

「はい」

「とは言っても、もう一回言うがカテレアを倒した実力は高い。

いや、高すぎるぐらいだ。

どうする、お前は何をしたい」

「私は、自分の理想の世界を見るのが夢ですから、

それを弊害する者を倒す力を手に入れたいですねぇ」

「……なら、お前も基礎訓練で十分だろう」

「わかりました」

 

「イッセー、アーシアとゼノヴィアを預からせてもいいか?

アーシアは神器、ゼノヴィアはテクニック。

特にアーシア、お前の才能は大したもんだ。向上心もある。

確かに力の質から考えて戦闘は不向きだが、それを補えるほどのサポート能力がある」

そういえば、使い魔の森で偶然魔物と出会って、友達になったんだっけ。

ラッセーと名づけていたが。

 

「…つまり、私にできることをしろってことですか?」

 

 

「ああ。そういうことだ。とりあえずお前はリアスと同じく基本トレーニングを重点に置け。

んで神器の方だが…質問だがアーシア、お前は瀕死の敵がいたら放っておくことはできるか?」

「………」

その質問は少し禁句が入っているな……。

「答えたくないなら答えなくていい。まあまず不可能だろうな。

アーシア、お前の優しさは美点だが、しかし戦闘になれば不利な美点となる。

俺が予定していたメニューでは回復範囲を大きくすることだったが、

そうするとアーシアは味方だけではなく敵すらも回復してしまう……。

だからこそ、もう一つの応用を覚えてもらうぜ」

「もう一つ、ですか?」

「おうよ。回復オーラの拡大から派生した方法。

要は回復のオーラを放ち、遠くに離れた味方だけ回復する方法。

回復力が落ちる可能性があるだろうが、それでもこれからの回復の可能性は広がる」

それでも十分な機能だ。

 

「ゼノヴィアはパワーに自信があるようだが、それでも負けることもある。

テクニックは必須だと、俺は推測するが」

「むぅ……」

 

「あ、あの~……?」

「お、俺たちは……」

「お前たちは、専門の先生を呼んである」

「専門の先生?」

 

アザゼルのおっちゃんは笑った―――あり得ないほど歪んだ、何か企んでいそうな表情を……。

その瞬間だった!

「うぉ!?なんだ、この揺れ!」

室内が突然揺れる!

俺は何が起きたかわからなかったが、

アザゼルのおっちゃんは悠長にリビングの窓を全開にすると、そこには――――――ドラゴンがいた。

「―――よくもまあこんな堂々と悪魔の領域に入るとはな、アザゼル」

「そう言うなって…。これでも魔王の許可をわざわざ貰ってんだぜ?

―――タンニーン」

 

 

おいおい、何をさせようとしているんだ……。

ちなみに松田と元浜の二人は、腰が抜けていた。

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