森の中。
2人のヴァーリの仲間に出会った俺たち。
そのうちの一人、黒歌。
猫又であり、仙術を極めたものであり、小猫ちゃんの実の姉。
小猫ちゃんは不穏な表情をしている。
そりゃそうだ、今までほったらかしにされていたと話に聞いている。
なぜ、今この時に来たのかがわからないのだろうな。
「やっほ~♪元気にしてた?」
木の上で小猫ちゃんに話しかける黒歌。
「……何故、ここにいるのですか…?」
「ん~?可愛い妹の様子見、てな感じかな~?」
「……ふざけないでくだい…!!あなたは、今まで私のことなんか気にしていなかったのに…!
どうして、今になって突然……!!」
その言葉には怒り?苦しみ?憎しみ?いや、わからないほどの感情がこめられていた。
「怖い顔しないで。ちょっとした野暮用なの。
悪魔さんたちのパーティを見学にしたくってね~。ちょっと気になっちゃって。にゃん♪」
俺は美猴に話しかける。
「ヴァーリもここにいるのか?」
「いんや、あいつは別の用があってここにはいないぜぃ」
「ここまでやってきて警備も誰も気づかないとなると、仙術ね」
「その通り♪仙術は魔術や魔法と違い、気の力。
生命力のオーラ、自然の動植物、人が体内に秘めている未知の部分を開花させて、
人のオーラを感知できるようになって遠くにいる人もある程度把握できるのよ♪
気の流れを操って肉体の強化や、植物を枯らしたり、咲かせたりできるにゃん♪
仙術は簡単に言うと生命を操る術にゃん♪
やられた相手は、大概死んでしまうのがオチにゃん♪」
この力の原理は、俺の仙術とほぼ同じてな具合か。
そういえば、前のライザー戦の前の修行で小猫ちゃんは水の上を立つことができた。
なるほど、合点がつく。
「ただの見学…。テロではないでしょうね…」
リアスの姉ちゃんは疑いのまなざしを向ける。
「俺たちは非番。ただ、黒歌がパーティ会場を見に行ったきり戻ってこないからねぇ。
俺はただ単に、連れ戻しに来ただけだよ」
「そういえば美猴。あの子……」
「ん?ああ。ヴァーリが言っていた赤龍帝だよ?」
「……そう……」
黒歌は俺を見て何か考えている。
なんだ……?
「黒歌~……。そろそろ帰ろうや。
どうせ俺っちたちはパーティに参加できねぇんだし、無駄さね」
「……そうね♪でも、白音は連れて帰るにゃん♪」
その言葉に小猫ちゃんは…。怖がっていた。
力に溺れた姉に、自分の力を解放させたくない。
瞳には、涙が流れていた。
「この子は私の眷属よ。指一本触れさせないわ!!」
「あらあらあらあら、何を言っているのかにゃ?
白音は私の妹。可愛がる権利はあるわよ?上級悪魔さんにはあげないわよ」
この状況、戦いは避けられないか。
「めんどいから、殺すにゃん♪」
その言葉を放った瞬間、今まで感じたことのない感覚が起きた。
「黒歌…。あなたまさか…!?」
「そ、この森一帯の空間に結界を張って外界から遮断したにゃ♪
ど派手なことをしても、外には聴こえないし。
あんたたちを、殺しまくり決定だね♪」
と言ったときだった、空中から大きな羽ばたき音がした。
上を見ると。タンニーンのおっちゃんが降りてきた。
「お前たちの帰りが遅いと聞いてここに来てみれば、結界に閉じ込められるとはな」
「おうおうおう!!龍王さんのお出ましか!ちょいと遊んでもらうぜぃ!!」
「孫悟空が相手か、受けて立つ!!」
ボゴオオオオォォォォンッッッ!!!!
美猴はタンニーンのおっちゃんに任せておこう。
てゆーか、いきなり爆発音が鳴ったし!?
となると、俺たちの相手は……。
「にゃん♪」
妖艶な笑みを浮かべる黒歌。
邪悪なオーラを浮かべているけど、なんだ……。
完全な邪悪じゃないような感じだ…。
なんかこう、迷っているって言うか……。
俺は迷っている内に、小猫ちゃんが口を開く。
「……お姉さま。私はそちらに行きます。
だから、二人を見逃してください…」
!?
「小猫ちゃん、それは――――」
「何を言っているの、小猫!!」
リアスの姉ちゃんは、すぐに小猫ちゃんに抱きついいた。
「あなたは私の下僕よ!勝手なことは、私は許さないわ!!」
リアスの姉ちゃんは、少し悲しい顔をしながら小猫ちゃんを説得すっる。
「……ダメです。お姉さまの力は強力です。
私はよく知っています。いくらイッセー先輩や、リアス部長が強くても、
最上級悪魔に匹敵するお姉さまの力では……」
「にゃはは!そうそう。あんたたちでは私には勝てないわ。
大人しく白音を渡しなさい。白音。そんな紅い髪のお姉さんよりも、
仙術を極めた私のところに来なさい。仙術を教えて、強くしてあげるわ」
「……いや……。あんな力は要らない……。黒い力……人を不幸にする力なんて……」
…………。
「勝てるよ」
「……え?…」
俺の言葉に疑問を持った小猫ちゃん。
「どんな力を持つ相手でも、俺は立ち向かうぜ。
いや、大切な友達を、黙って渡すなんて言語道断だ。
確かに、俺は相手の力はわからないけど、勇気を出して立ち向かっていくさ!!」
「小猫。あなたはどれぐらいの傷を負い、地獄を見せられたか。
辛い思いをした。だったら私は、あなたの心を癒してあげる、楽しいことをさせてあげる!
あなたはこのリアス・グレモリーの《戦車》塔城小猫!私の大切な眷属よっ!
あなたは決して、誰の手にも渡させはしないわ!!」
その言葉に、小猫ちゃんは顔を上げた。
「それに俺は、あいつに聞きたいことがあるんだ。
小猫ちゃん、答えを聞くのは、この戦いが終わった後でいいな?」
「………はい…!……」
小猫ちゃんは、笑った。満面の笑みで。
「じゃあ、死ね」
冷たい言葉と同時に、霧が発生。
「ただの霧じゃないな?」
「そうよ、この霧はあなたたちをじわじわと苦しめる毒。
ゆっくりと死ぬがいいわ。白音には効かないようにしているから、その後で連れて帰るわ」
「どうかな?」
俺は手に風のチャクラを集中!
「螺旋丸!!」
地面に叩きつけ、爆風を起こす!
「…!?」
毒の霧は一瞬にして消えていった。
「へぇ、やるじゃない」
「くらいなさい!!」
リアスの姉ちゃんが魔法を黒歌にぶつける。
もろに入ったが、体が霧散していった。
どうやら、手ごたえが無いようだな。
「にゃはは♪いい一撃だけど、分身で簡単にかわせるわ」
影からいくつもの同じ姿の黒歌が現れる。
「くっ……!?」
リアスの姉ちゃんは次々と分身を消していくが、増える一方だ。
なら、仙術には、仙術だ!
俺は意識を集中させ、自然チャクラを集める。
「…!なに?自然エネルギーが集まって……!?」
俺は今まで何もしていたわけじゃない、俺も修行を重ねている。
より早く、より繊細に。自然チャクラを集めることを特訓した。
その結果、俺は約5秒で仙人モードになることに成功した。
「わりぃが、この場にいる仙術を極めている奴は、美猴やお前だけじゃないぜ?」
「なら、この分身の中から、どうやって本体を見つけるのかしら?」
分身たちが一斉に攻撃を仕掛ける。
魔法だな!
俺は魔法の動きを読み、紙の様にかわす!
感知できたぜ…!本体はそこだ!
「火遁・火龍弾!!」
口から炎を吐き出す!木の陰に隠れたって無駄だぜ!!
「……ちっ…!…」
火遁を避け、俺を睨みつける黒歌。
俺は訊きたいことを言う。
「お前、本当に小猫ちゃんを捨てたのか。
力の暴走で、主を殺したのか?」
「そうよ。私は力を手に入れて、最強の妖怪になって、今まで馬鹿にしてきたり、
酷いことをしてきた奴らに復讐するのよ!!」
「それは、お前の本心か……?」
「……なに…?何か文句でもあるの…?」
「いや、そうじゃない。それがお前の、本当の
「「え……?」」
俺の問いに、リアスの姉ちゃんと小猫ちゃんが少し驚いていた。
「な、何を言ってるの!?」
黒歌は焦りながら反論する。
「お前の攻撃には、迷いがあるんだよなぁ。
それに、最初ッから、俺たちを殺す気なんて見当たらない」
「それは別に殺す必要が無いから…!」
「なら、何故リアスの姉ちゃんや小猫ちゃんを攻撃しない?
分身で攻撃できるなら、やるはずだが?」
「……!?」
「お前の殺気には迷いがある。いや、何か隠しているんじゃないか?
小猫ちゃんにも、誰にも言えない悩みが……」
俺は、変だと思っていた。違和感があった。
「う、うるさい!?生意気な口をするんじゃないわよ!?」
「まぁ、人に言えないなら。別に無理をしなくてもいいぜ?
俺は、人の苦しみをあまり語らせたくないからな」
黒歌は、俺に向かって魔方陣を展開する。
だが、一向に撃ってこない。
「どうした、打ってみろよ?」
「私は……」
と、その時!!
「!?避けろーーッッ!!?」
『!?』
ドゴオォォォンッッ!!!
突如、黒歌の上に魔方陣が出現し、そこから魔法の玉が黒歌に放たれた。
黒歌はその攻撃をまともに受けてしまった。木から落ちていく。
「……お姉さま!?」
黒歌は攻撃を受けたが、何とか着地するけど、ダメージがでかかったのか、ふらついている。
「ちっ……!死に損ないが……」
突如魔方陣が展開し、そこからは十数人、人が現れた。
「空間が閉ざされているのに、なぜ!?」
リアスの姉ちゃんは疑問を浮かべる。
「ついに来たぞ、この時が……。
ここで死んでもらうぞ!赤龍帝ッ!!SSランク「はぐれ悪魔」黒歌ッッ!!」
事態は、思わぬ方向に動き出す!