黒歌の真意。
悪魔の言った本当のこと。
これを聞いたことで、全て確信した。
黒歌は、小猫ちゃんを捨てたんじゃない。
ずっと、守ってきたんだ。
自分は恨まれてもいい、だけど小猫ちゃんいや、白音ちゃんを守りたいという一心がある。
「黒歌、本当は小猫ちゃんを愛していたんじゃないのか?」
「…………」
黒歌は何も言わない。
「お姉さま…」
小猫ちゃんも気になっている。
「はぁ~、やっぱり私に芝居は無理だにゃ。
そうよ。白音、今悪魔が言ったことは全て事実。
この悪魔の主は、脅してきたのよ」
黒歌は開き直り、本当のことを話し始めた。
「ごめんね、白音。あなたをこんな目に合わせて。
でも、仕方なかったのよ。あの悪魔が、白音のことを狙っていたんだから。
逃げる、ていう手もあったけど、一回目はできたけど、さすがに二回目はない。
どうしたら、白音を無事にできるのか、日々悩んでいた」
今までの苦労、苦悩が響き渡る。
「そこで、私は決心したのよ。
主を殺して、はぐれになる。そして、白音は魔王の元に保護されることを」
「だけど、もし保護されなかったとしたら、どうしていたんだ?」
「そのときは、命を掛けても白音を守り続けていたわ。
でも、私にも限界がある。いつも守れるわけでもない。
言い訳にしかならないと思うけど、私なりの努力をしてきた。
それだけは、分かってほしいわ」
「じゃあ、何故テロリストに?」
リアスの姉ちゃんが訊く。
「安全だからよ。少なくとも。
ヴァーリにスカウトされて自分の身も保身できた。
テロリストの中にいれば、やられることは少ないし。
なにしろ、白龍皇の仲間だもん。下手に手出しはされないと思ったにゃ」
そう言いながら起き上がり、小猫ちゃんをそっと抱きしめた。
その目には、涙がこぼれていた。
「…ごめんね…白音……。私の勝手なことで、あなたを知らない間に傷つけてしまって…。
でもね、私は無事にあなたに会えて、嬉しかった……」
「………うう。お姉さま……」
小猫ちゃんも、涙を流した。
「どうするのだ?リアス嬢」
タンニーンのおっちゃんがリアスの姉ちゃんに訊く。
「このまま逮捕するのが、常識だけど。さすがに、可哀想だわ。
事情を話して、黒歌をどうにかしないと」
とここで俺は閃いた。
「じゃあさ、俺のところに来いよ、黒歌」
『え!?』
「《忍》として、俺たちの仲間に入らないか?
もちろん、サーゼクスの兄ちゃんを説得してな」
「…私はテロリストよ。それに……」
「小猫ちゃんと一緒に暮らせれるぞ。
大丈夫、俺は仲間をきっちり守る。それが俺が決めた志だ。
小猫ちゃんとまた生活できる。どうだ、それでもだめか…?」
「……ふふふ!変な赤龍帝。でも……、ありがとう」
その笑った顔は、一番の幸せを感じたときの顔だと、俺は思った。
「……イッセー先輩……。ありがとうございます…!!」
小猫ちゃんも、笑顔になった。
「これは、面白いことになりましたね」
第三者の声。訊いたことの無い男の声。
振り向くと、剣を二本帯刀している貴族みたいな男が立っていた。
それと、マントを身に包んでいる男の姿も。
「アーサー。とあんたはヴァーリの付き添いじゃなかったのか」
美猴が訊く。
「彼に、仲間を連れて帰ってこいと言われましてね、迎えに来ました」
「ごめんだけど、私はもうあなたたちの元には戻らないわ。
ヴァーリに言っておいといて、今までありがとうって」
黒歌は自分の決意を言った。
「そういうと思いました。では彼に伝えておきます」
「待て」
ゼノヴィアは去ろうとしたアーサーを呼び止める
「その二本の剣…。聖なる力を感じる。その剣の名は何だ?」
「ああ、これですか。どうやらあなたは教会の元で働いていたようですね。
この剣は
そう、行方不明とされていた最後のエクスカリバー」
『!?』
俺と姉ちゃんとゼノヴィアは驚く。
「ばかな!?なぜ貴様が所持している!?」
「彼、ヴァーリと探索していたところで、見つけたのですよ。
それと、もう一本のほうは聖王剣コールブランド」
「ほぅ、地上最強と称される伝説の聖剣か」
「さすが、龍王なら知っていて当然ですよね」
「聖王剣……。次元を切り裂いて道を作る、空間ごと削り取って敵を攻撃する最強の剣……」
「教会のものでも、有名な剣ですよ。
もっとも、この剣は私が勝手に持ち出しましたが」
「ここは彼女の意思に尊重して、戻りましょうか」
マントの男が言う。
「じゃあ、元気でな。黒歌」
「赤龍帝、一度お目にかかれて私は大変嬉しい。
リアス嬢、今度会ったときにはあなたの《騎士》と対決してもらえませんかな?」
「覚えていたら、ね」
そう言って三人は去っていった。
下手に追いかけて捕まえるよりも、この状況ではな……。
「どうして…。助けたの……」
黒歌が訊いてきた。
「え?うーん、なんて言えばいいかな。
肉親を思う気持ちが理解できたからかな…。
まぁ、なんでもいいじゃねぇか!小猫ちゃんもお前も、無事に助かったんだし」
「……やっぱり、変な赤龍帝」
その時見せた黒歌の顔は、幸せそうに笑っていた
久々の更新。
少しばかりスランプみたいな感じの衝動がありまして、かなり遅れて申し訳ないです……。
しかも今回も短い……。
月更新になるかもしれません、本当にすみません…。