僕の考えるA/Z (旧タイトル: A/Z  イナホに憑依)   作:ロベルトジョー

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2クール目開始
あと、書いてて全然憑依無くね?ってなっていたのと、2期に入ったのでタイトル変えました。


2期
14話


ノヴォスタリスクの戦いから19ヶ月が経過した。

開戦直後の一方的敗戦続きであった地球軍はいくつかの都市を奪還に成功し、宇宙での大規模戦闘を計画していた。

「敵輸送戦を発見した。これより攻撃を始める」

地球軍のカタフラクト隊は宇宙仕様の地球カタフラクト・アレイオンを使い、地球の外縁を月の破片が漂っているサテライトベルトで任務を行っていた。

火星人の輸送船を発見したカタフラクト隊は、持っていた無反動銃により輸送船を狙い始める。

しかし、カタフラクト隊と輸送船との間に大きな距離があり、また、サテライトベルトの月の破片による引力で発射される銃弾の軌道は大きくズレてカタフラクト隊及び、輸送船から発射された弾が互いに当たることは無かった。

「クソっ!風が強すぎて当たらない!」

カタフラクト隊は輸送船に近づきながらも、銃を撃ち続ける。

「数を打てばそのうち当たる。撃ち続けろ!!」

それに対して、輸送船もまたひたすら弾を撃ち続けた。

しかし、その均衡を第三者の1発の弾丸が崩した。

まるで、追尾しているような機動をとった弾丸は機体の中心に命中して破壊した。

「くっ…まぐれ当たりか。まだ、こちらには5機もいる。作戦は」

その後に、続いて飛来してきた二発の弾丸は正確に2機のカタフラクトの中心へと命中し破壊した。

「な!?バカな、この風の中を正確に当ててくるだと!」

連続して撃墜された事に慌てたカタフラクト隊は、輸送船への攻撃と接近を止めて、その場に停止して銃弾が飛んできた方向を向き警戒する。

輸送船もまた、カタフラクト隊に弾を撃っている方向を調査する。

「未確認飛行物体を発見!あれはディオスクリア、まさか、ザーツバルム伯爵か!?」

敵が攻撃に気づいたためか狙撃を止めたディオスクリアは、猛スピードでカタフラクト隊へと接近をした。

カタフラクト隊はひたすら真っ直ぐに飛んでくるディオスクリアに、銃を向け撃ち続けるが1発も当たらない。

「バカな!?いくら風が強くても、この距離で回避行動をせずに真っ直ぐ飛んでくるやつに当たらないなんて!」

ディオスクリアは弾を避けていない、弾がディオスクリアを避けているようだった。

カタフラクト隊に充分接近して、レーザーブレードを抜いたディオスクリアは、カタフラクト隊をすれ違い様に次々と切り捨て、破壊した。

 

 

プラチナブロンドの長髪の少女が声明を行っていた。

「地球人との戦いが始まり順調に、地球の幾つかの都市を精鋭である軌道騎士達が手にしました。しかし、最近になって非常に残念な事が起こりました。地球人によって暗殺されたとされていた私の姉である第一皇女のアセイラム姫が、地球人により捕縛され洗脳を受けた後に、その身に宿す強力なアルドノアの力を我々に向けているのです!私達は、この人道に反する行為をする暴虐な地球人を決して許すことは出来ません、今こそ力を合わせ地球人と戦う時です!!」

 

ビーチで日光浴をしていたビキニ姿のニーナは、スマホで火星のプロパガンダの映像を見ていた。

「この人、お姫様の妹なんだよね?」

「次のヴァース帝国の女王候補レムリナ・ヴァース・エンヴァース。セラムが継承権を一時凍結されてから、表に姿を現し始めたセラムの異母妹だそうよ」

ライエは目を瞑ったままニーナに答える。

ニーナはスマホから目を放してライエの見た後に、ライエの隣でうつ伏せになって日光浴をしているインコを見る。

「インコ?…ねぇ、インコ大丈夫?」

「え、あ、うん。大丈夫」

ニーナに話しかけられたインコは少し起き上がって返事をした。

「...イナホがMIA(作戦中行方不明)となってから、もう1年近く。まだ気にしてるの?」

ライエがインコにそう言うと、インコは一瞬、悲しげに目線を落としたが直ぐに顔を上げる。

「まだ、少しね。でも、いつまでも引きずっていられないよ。明後日には作戦開始だし。そう言ってる、ライエはもうイナホの事は気にしてないの?」

ライエはそばに置いていたドリンクを手に取った。

「私は気にしてないわ。インコには悪いけど、あのときは父の死を受け止め切れなかった私が、火星人のセラムに対する嫌がらせでやったのが理由だから。本心では別にイナホに惚れて無いわ」

ライエの言葉をインコは少し笑いして、ゆっくり立ち上がった。

 

 

 

戦艦に警報が鳴り響き、マグバレッジは指揮を取っていた。

「奇襲!南南西方向に火星のカタフラクトを発見!!」

「カタフラクト隊、全機発進」

戦艦は既に、敵カタフラクトが待つ島に進んでいた。

「敵は?」

「ヤーコイム男爵よ。アルドノアの能力は物体の氷結」

ヤーコイムのカタフラクト・エリシウムの周りにある緑の草原は凍りついて白に変わっている。

戦艦が島に到着して、甲板に出た複数のアレイオンは戦闘体勢に入った。

アレイオンに乗るライエとインコは戦艦から近づいてくるヤーコイム男爵の乗るエリシウムに銃口を向ける。

「こちら、ハービンジャー小隊。敵カタフラクトに攻撃を開始する」

「そのような攻撃では私に届きませんよ」

3機のアレイオンが銃を撃ちながらエリシウムに近づくが、エリシウムに弾が到達する前に失速して落ちて有効打が与えられない。

「こちらヴァルキリー小隊、直ぐに下がってください。それ以上近づくと、凍って動けなくなってしまいますよ」

「!?分かった、ハービンジャー小隊は直ぐに下がれ!」

突如、通信が入って警告を受けたハービンジャー小隊は直ぐに推進機を使ってエリシウムから離れる。

銃を撃ちながら近づいてきたカタフラクト達が、直ぐに下がり始めたのをにヤーコイムは眉をひそめ、そしてその先の戦艦に現れた白の機体に目を向けた。

「白いデューカリオン...アセイラム姫殿下か!」

カタフラクトの高さほどの長さがある巨大なブレードを両手で持ち、元々は真っ赤な装甲を真っ白に塗装しなおされたデューカリオンが甲板に現れた。

「アセイラム・ヴァ―ス・アリューシアの名において命ず、アルドノアよ停止せよ!」

「無駄ですよ!私のアルドノアは既にレムリア姫により王族の支配から開放されている」

デューカリオンに乗ったアセイラムはアルドノアの停止が出来ないとわかると、甲板から島へ飛翔した。

「アルドノアよ、デューカリオンに対する氷結を無効にせよ」

淡い青のオーラを纏ったデューカリオンは、凍りついている草原に入る。

「これならどうですか姫殿下!」

エリシウムが右腕を降りあげると、デューカリオンを囲うように巨大な分厚い氷が出現してアセイラムを閉じ込め、振り下ろすと氷は崩れてデューカリオンに襲いかかる。

「セラムさん!?」

「大丈夫よインコ、アイツにはこんなの足止めにもならないわ」

インコが心配するが、ライエは慌てることなくじっと崩れる氷塊を注視していた。

「アルドノアよ、我が剣に全てを燃やす火を宿せ」

アセイラムは火を噴き出した巨大なブレードを振りかぶり、エリシウムに向かって振り下ろした。

デューカリオンがブレードを振りかぶったのを見て、危機を感じたヤーコイムは直ぐにその場から離れると、さっきまで立っていた場所が爆炎に包まれる。

「…これは、相手にすらなりませんね。ここは撤退させて頂きます」

アセイラムの力を前に戦意を失ったヤーコイムは飛翔して、上空へと逃げる。

「あ、アイツ逃げるわよ!」

「チッ、アイツに向かって撃っても能力で弾が届かない」

ライエとインコ、そしてハービンジャー小隊の全員が逃げるエリシウムに向かって銃弾を放つが、エリシウムに当たる前に失速して落ちる。

「やりなさい、スレイン」

デューカリオンは持っていたブレードを上空へと投擲する。

「承知しました、姫様」

それをまるで予知していたの如く投擲されたブレートを掴み、エリシウムに向かって二振りして爆炎を発生させる。

エリシウムは回避をするが、回避をした先も爆炎が迫っていた。

「お見事」

爆炎に包まれたエリシウムは跡形もなく灰となった。

 

 

ヤーコイムとの戦闘が終わったアセイラム達は戦艦に戻っていた。

「ここ最近思うんだけど、セラムさんが強すぎて私達いらないんじゃないかなって」

「そんなことはありません。私の能力がいくら強くても1人で出来ることは限られます。それに、いくら私のアルドノアの力の使い方を徐々に学んでいっても、まだ、長時間の使用はできません。決して万能ではないのです」

アセイラムはインコの言葉を否定する。

「最近になって戦闘に参加し始めたアナタも、なかなかやるじゃない」

「いえ、僕が戦闘を上手くこなせているのは未来予知のアルドノアのおかげです。僕自身のカタフラクトの戦闘技術は大したことありませんよ」

右目に眼帯をつけたスレインはライエからの称賛に対して手の平を横に振る

「もう、二人共謙遜しすぎじゃないかな。アルドノアの力もまた実力のうちだよ」

「二人が戦闘に加わらなかったら、毎回、火星人達に苦戦を強いられていることになってるわ」

「あ、みんないた。そろそろ、打ち上げするって。早く部屋に戻ってベルトで固定しなさいって、命令がそろそろ来るよ」

「分かったわ、ニーナ。じゃあ、そろそろ解散にしましょう」

インコはそうまとめて、部屋に戻っていく。

戦艦は次の目的地であるサテライトベルトの地球軍宇宙基地であるトライデント基地を目指している。

 

 

輸送船への攻撃を妨害し、部隊を壊滅させたディオスクリアは月面基地へと戻っていた。

ディオスクリアが月面基地内に入ると、それを待っていたかのようにザーツバルムとハークライトが立っていた。

そして、ディオスクリアはザーツバルム達の前に着陸する。

「最近になってカタフラクト乗り始めたばかりのだというのに、見事な操縦だ」

完全に停止したディオスクリアのコックピットから黒髪の少年が降りてくる。

「また、腕を上げたな」

ザーツバルムは喜びの表情を浮かべる。

少年はザーツバルムの前まで歩いた。

「ありがとうございます」

「して、戦果はどうだ?」

「輸送船を襲っていた敵機6機を全て撃墜しました」

「お手柄でございます」

ハークライトは少年に頭を下げて称賛する。

その時、少年は自分に向かってくる少女に気がついた。

「遅いではありませんか。待ちくたびれてしまいましたよ」

無重力の中、ザーツバルムの隣をプラチナブロンドの長髪をなびかせた少女が浮きながら通り過ぎて、少年に抱きついた。

「レムリナ姫様、人前ですよ」

「あら、いつものようにレムと呼んではくれないのかしら」

「人前ですので」

「相変わらず、お硬い人ですね」

レムリナが不満に頬を膨らませるが、少年は扱いが慣れているのか上手くあしらう。

その様子をザーツバルムは微笑しながら、目を瞑った。

「ザーツバルムを継ぐ者として精進し続けるのぞ、我が息子よ」

少年はザーツバルムに純粋な目を向けた。

「はい、父さん」

 

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