「紛らわしい言い方すんなよ、まったく~」
早苗「ごめんなさい」
俺は早苗と一緒に人里へ買い物に来ていた。
何でも神奈子と諏訪子は神様同士の会合があるそうで家を留守にしているらしい。
早苗は現人神と聞いたが、まだ神としては未熟なようで会合などには呼ばれないらしい。
その為、2人が留守の時は、早苗は暇でしょうがないのだ。
「で、人里で何の買い物だ?」
早苗「夕飯のお肉と明日の分の野菜です。」
それぐらいならわざわざ俺を連れて行かなくても良かったんじゃないか?と心の中で呟く九郎だった。
?「ん?そこに居るのは・・・」
早苗「あっ、慧音さん。こんにちは。」
慧音「こんにちは早苗。 で、【矢木野 九郎】。貴様がここに何をしに来た?」
ギロっと慧音さんがこちらを睨む。
え?何で?
慧音「君は妹紅だけでなく早苗にも手を出していたのか・・・全くこのど悪党め。」
「いやいやいや、慧音さんどうしたんですか!?俺が何かしましたか!?」
ジリジリとものすごいオーラを出しながら近づいてくる慧音さん。
俺は1歩1歩と後退りしていくが、
ゴンッ
ついに、何処かの民家の壁にぶつかってしまった。
慧音「自覚症状も無いとはこれは重症だな・・・。少し反省してもらわなければな。」
「だから、何の事か、さっぱりd」
慧音さんは俺の真ん前まで近づき俺の頭を両手でガッチリと掴み
そして、
慧音「問答無用、天誅!!!」
ゴスッ!!
俺の頭に慧音さんの頭突きがクリーンヒットした。
________
「なぁ、師匠」
?「何だ九郎?」
夢を見た。
俺が子供の時の夢。
師匠の下に弟子入りし、3年ぐらいのの月日が経った
ある程度の小物の人形を作れるようになったあの頃の夢だ。
「人に好意を抱くってどんな感じなんだ?」
?「ハッハッハッ!!九郎もそんな年頃か」
「う、うるせえよ」
師匠はこの質問に対し最初は笑っていたが、直に真剣な表情になり考えていた。
そして、
?「人を好きになるってのは"愚か"なことだ。」
「だ、ダメなのか師匠!?」
俺は師匠の言うことは絶対に従った。
師匠が駄目というものは駄目。師匠が言うなと言った事は他言無用。
今回も人に対する、好きだの好意だのといった感情は抱くな、と言ってくるものと思ったが。
?「そいうことじゃない。好きに人を愛する事は素晴らしい事であり、俺が云々言う事じゃないんだ。」
「じゃあ何で"愚か"なことなんだ?」
師匠はふぅ・・・とキセルと呼ばれる西洋の煙管を1服し答える。
?「いいか、九郎。人を好きになるという事は・・・」
そこで俺の意識は現実へと引き戻されてしまった。
________
早苗「九・・・さん・・・九郎・・・さ・・・九郎さん!!」
グラグラとする意識の中俺は瞼を開ける。
「うぅ・・・頭がガンガンする・・・」
体を起こすと、どうやら何処かの家に連れてこられたようだ。
寝かされていた布団の横には早苗が心配そうな顔で見つめてくる。
早苗「大丈夫ですか九郎さん!!」
「あぁ・・・何とか・・・」
頭の芯からガンガンと鈍い痛みが来る。
断片的な事しかまだ思い出せない。
早苗と買い物に来たのは憶えている。
途中で・・・
「あっ・・・」
不意に思い出したのは、この人里の守護者。
青い服を着て、三角形の帽子を被っている「上白沢 慧音」だ。
未だに何故、頭突きをされたのか身に覚えがない。
「ハァ・・・」
ため息が溢れてくる
早苗「九郎さん本当に大丈夫ですか? 物凄い音がしてましたよあの時」
「頭が死ぬほど痛いが何とか平気だ・・・」
早苗が心配しながら俺を看病していると
ガラッ!!
この小屋の主と思われる人物が勢いよく扉を開けた。
?「おっ! 目が覚めたか!!」