東方操装庫   作:猫仮面

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その家、筍の匂い漂ふ

「えーと・・・あんたは・・・」

 

俺は挨拶をするために、寝ている布団から立ち上がろうとする。

 

しかし、思うように足が動かなく、その場に姿勢を崩してしまう。

 

?「大丈夫か!?あまり無理はしないほうがいいぞ。何せ、慧音の頭突きを何の抵抗も無しに喰らったみたいだからな。」

 

サスペンダー服の白髪美女はそう言って、ケタケタと笑う。

 

背中には筍がたくさん入った籠を持っている。

 

「そうだ、慧音。慧音はどうしてる!?」

 

?「ん?慧音なら寺子屋で授業してるぞ?もうすぐ終わる頃だと思うが」

 

「いや、無理には呼ばなくていい・・・むしろ呼ばないでくれ」

 

慧音には頭突きをした理由を問いただしたいが、あの時のことを思い出すとあまり会いたくない。

 

早苗「慧音さんもどうしたのでしょうか?普段は怒っても滅多に頭突きをしないのに・・・。妹紅さん何か知りませんか?」

 

妹紅と呼ばれた美女は・・・

 

ん?妹紅?

 

「あーーーーーーーーーーーーーー!!!!お前、妹紅か!?」

 

あの時、竹林で死んだ美女。不老不死の美女。

 

【妹紅】と呼ばれる慧音の友人がそこに居た。

 

妹紅「布団貸してやった相手に「お前」は無いだろ・・・。まあいいや。あの時は、すまないな。この前見に行ったら、看板は老朽化が進んで倒れてたよ。」

 

やっぱりあの看板が、竹林への立ち入り禁止の看板だったのか。

 

未だにグラグラとする意識の中、妹紅に次の質問をする。

 

「傷は大丈夫なのか?輝夜と戦ってた時に、物凄い血飛沫だったが?」

 

妹紅「あのぐらい直ぐに治るさ。不老不死を舐めてもらっちゃ困るよ。」

 

妹紅は自信満々の笑みを浮かべる。

 

早苗が言ってたな。こういうのを"外の世界"だと【ドヤ顔】と言うらしい。

 

そんなドヤ顔をしていた妹紅の目が突然鋭くなり、

 

妹紅「ところで、"アイツ"の事を呼び捨てで【輝夜】と言ってたな。お前とアイツはどういう関係だ・・・?」

 

妹紅の殺気が物凄い。

 

下手な嘘を付けば、あの時の炎をぶつけられるかもしれない。

 

俺は正直に、

 

「輝夜とは昔の知人だ。それ以上でもそれ以下でもない。」

 

そう答えた。

 

すると妹紅は、鋭い眼光をやめて、先程の陽気な笑顔に戻り、

 

妹紅「それなら良い。親密な関係ならここで焼き払おうかと思ったが」

 

俺には妹紅の笑顔が恐ろしく見えた。

 

そんな話をしていると、隣に居た早苗が。

 

早苗「いけない!!神奈子様と諏訪子様に買い物頼まれてたんだ!!」

 

そう。本来の目的は早苗と一緒にお遣いに行くことである。

 

慧音とのハプニングですっかり忘れていた。

 

「そいえばそうだったな。早く届けに行かないとな」

 

俺もフラフラとする体を起こし立ち上がる。

 

妹紅「もう大丈夫なのか?」

 

「一応、大丈夫みたいだ・・・ 今回は俺が助けられたな」

 

妹紅「そうだな。まあこの前は別に助けてくれなくても良かったんだけどな」

 

妹紅はケタケタと笑う。

 

その後、俺は人里で残りの買い物を済まし、守矢神社へと届けに行った。

 

______

 

その日の晩...

 

妹紅「なぁ慧音。アイツそんなに悪人に見えなかったぞ?何を突然頭突きなんて・・・」

 

慧音「あ、いや、その・・・。勘違いって奴だよ!別に妹紅の裸を見たからという訳ではn 妹紅「は?」」

 

「あっ・・・」という表情をする慧音。

 

不良のような鋭い眼つきになる妹紅。

 

妹紅「アイツ・・・次あったらぶち殺す・・・」

 

あらぬ誤解を生む九郎であった・・・

 

______

 

早苗「どうも有難うございました」

 

「色々あったけど役にたてて良かったよ」

 

守矢神社の社の前に買ってきた荷物を置き、一休みをする。

 

霊力の温存の為に、絡繰を使わず荷物を運んだため荷物を抱えていた肩が痛む。

 

しかし、早苗の純粋な笑顔が気持ちや体を癒してくれる。

 

早苗「そいえば、九郎さんは昔は"都"に住んでいらっしゃったんですよね?」

 

「ああ。そこで人形や絡繰を使った劇や血生臭い裏稼業で稼いでたんだ・・・」

 

早苗はその話を聞き少し顔を曇らした

 

早苗「あ・・・すいません。あまり思い出したくない事でしたでしょうか?」

 

「いや、何も嫌な事ばかりではなかったからね。楽しいことや嬉しいことも沢山あったよ。」

 

そうフォローすると早苗は

 

早苗「もし宜しければお話聞いてもよろしいですか?」

 

そう聞いてきたが、時間はもうすぐ紫の門限の時間だ。

 

「すまない。またの機会でも良いかな?」

 

そう聞き返すと早苗は笑顔で

 

早苗「是非、よろしくお願いします」

 

そう答え、俺は自宅へと帰ることにした・・・

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