それと、残酷でえげつないシーンが少しばかりあるのでご注意を
「ハァ・・・」
最近、溜息ばっかりつくのは何故だろうか?
溜息の原因は、私生活だ。
紫の軟禁・・・もとい、幻想郷での生活条件は、麓の小屋で衣食住は管理するから、一歩も外へ出るな。というものだ。
一体、俺が何をしたって言うんだ・・・まぁ都で色々と人を殺してしまったが
そんな事を考えながら、幻想郷に来て1週間が経った頃だ。
紫が時々、遊びに・・・という名の監視に来るが、その時に外の状況は色々と話してくれる。
何でも、博麗の巫女率いる、退治屋一行が幻想郷のバランスを崩壊させようとした「聖徳太子」様を「スペルカードルール」というもので撃破し、幻想郷に平和を取り戻したそうな。
聖徳太子ってお偉いさんじゃなかったか?
「スペルカードルールねぇ・・・」
自分以外、誰も居ない小屋の中でポツリと呟く。
正直、今の今まで殺しを行ってきた為に、「両者が死なずに勝敗が決まるルール」というものが、想像できない。
紫曰く「スペルカードルールは、限られたカードの枚数の中で美しさを競い合い勝敗を決めるのよ」と言われたが、その言葉を聞いて益々訳が分からなくなった。
「本当に、ここは紫の言う、「楽園」になったのだろうか・・・?」
本心としては、それが一番良いのだが、心の奥で何かが納得できない。
「(人と人外は本当に共存ができるのか・・・?)」
そんな事を考えていると、絡繰鳥(からくりちょう)が何かを知らせてきた。
あまりにも小屋での生活が暇なので、紫に土下座して頼んで、傀儡人形と絡繰のパーツや素材を定期的に持ってきてもらっている。
絡繰鳥もその中の一つで、小屋の外に放し飼いしては辺りの近況を調べている。
ちなみに、俺の作る絡繰や傀儡は、霊力を媒体にしているから定期メンテナンスを怠らなければ、半永久的に動き続ける。
そして、作った傀儡や絡繰は、霊力を通すことで意思疎通ができる。
絡繰鳥はソレを生かして、俺に近況を伝えている。
話は戻り、絡繰鳥が伝えるには近くで、人間が妖怪に襲われているらしい。
「まぁ、遠くに行かなきゃ大丈夫だろ。」
そう言って、紫の約束を放棄し、絡繰鳥の案内で救援場所に向かった。
_________
?「ハァ・・・ハァ・・・」
護衛として雇った、用心棒は無事なのだろうか・・・
そう思いながら私は、妖怪の山の麓を下り、人里へと走る。
人里から妖怪の山は意外と距離があり、力のあるものがそばに居なければ、妖怪の山に行く途中で襲われて死んでしまうかもしれない。
そう思い、雇った二人の用心棒は妖怪の山の麓で出会った4体の妖怪を惹きつけて、私を逃がしてくれた。
しかし、麓を下る途中で悲痛な叫び声が聞こえたので、用心棒はもう殺されてしまったのかもしれない・・・
幻想郷は、八雲紫という妖怪の賢者が「人間と妖怪」の共存を図って、作り上げた言わば理想郷・・・
しかし、その理想郷を良しとしない妖怪も居る訳であり、今回はその良しとしない妖怪と出会ってしまったようだ。
幻想郷には「スペルカードルール」という物があり、人間と妖怪の格差を平等にし、美しさなどで勝敗を決めるシステムがあるのだが、あの妖怪たちにはその理屈は通らないであろう。
無心に走り続けて、人里まで残り半道という所で、ついにあの妖怪たちに囲まれてしまった。
妖怪A「ぐへへへもう逃げられないぜお嬢ちゃん」
妖怪B「それにしても、美味そうな上に可愛いじゃねぇか」
妖怪C「ここは、一旦犯しちまってから食っちまうか?」
妖怪D「いや、でもこんな美味そうな嬢ちゃんは早く食いたいぜ。 さっき食った男は不味くて捨てちまったからな、腹減ってんだ。」
妖怪の話を聞いている限り、用心棒さん達はやはり殺されてしまっているようだ
妖怪B「さて、ここで考えているとスキマ妖怪に見つかっちまうかもしれないからな。 とりあえずアジトまで連れて行っちまおうぜ。」
妖怪D「そうだな。じゃあお嬢ちゃん、大人しく来てもらおうじゃねぇか。」
妖怪が私に手を伸ばしたその時だった。
?「クカカカカカカカカカカカカカカカカ!!」
妖怪D「な、何だコイツは!?」
私の目の前には、7色の魔法使いのようでそれとはまた違う、人形がケタケタと笑っていた。
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「(絡繰鳥はこの辺りで見かけたというが・・・)」
近くには、何人かの足跡が麓の下まで続いており、土の荒れ方からして走っているようだ。
「(この足跡に続いていけばいいか・・・)」
俺は見失わないように小走りで足跡を追いかけていった
麓を降りると、道がどうやら人里まで続いているようだが、
「(向こう側に誰かいるな・・・妖怪が4人・・・子供が1人か・・・?)」
妖怪が集団で紫色の髪で着物を着た子供を囲んでいる姿がそこにあった。
「流石の俺でも今回ばかしは見逃せねぇな」
俺は近くの茂みへ隠れ、傀儡人形と絡繰人形を1つずつ出し構える。
そして、妖怪の一人がその子へ手を伸ばした所で、
「行け!!我が傀儡【鋏】!!」
傀儡人形の「鋏」を手を伸ばしている妖怪Dへ向かわせた。
妖怪D「な、何だコイツは!?」
驚いている妖怪Dを無視し、「鋏」は無慈悲なる攻撃を繰り出す。
「鋏」は体内に6本の小太刀を仕込んであり、霊力を込めると人形の腹から一斉に飛び出し、噛み付くかの如く目標を6本の小太刀で挟む。
アイデアは、紫が"外の世界"という所から幻想郷に持ってきた"鋏"という道具だ。
その道具も二本の刃を交差し交差した部分で物を切るという道具のようだ。
その傀儡人形【鋏】に狙われた妖怪Dはもちろん
妖怪D「ウガァァァァァアアアアアアアアア!!う、腕がぁぁぁあああああ!!」
【鋏】に見事、腕を切り落とされその場でのたうちまわる。
その様子を見ていた妖怪たちは
妖怪B「ヒ、ヒィ!! だ、誰か!!」
怖気づく者も居れば
妖怪A「だ、大丈夫か!!」
仲間の心配をする者も居れば
妖怪C「どこだぁ!!姿現せやァ!!」
威勢の良い者と様々であった。
襲われていた子はと言うと、腰を抜かして起き上がれないようだ。
俺はそのまま【鋏】を見つからぬよう茂みに回収し、血気盛んな妖怪へ絡繰人形を向かわせる。
傀儡人形は罠のような造りにしている。
一方で、絡繰人形はというと、
「行け!!絡繰【豪鬼】!!」
豪鬼「グオオオオオオオオ!!」
自立型の肉体派人形である。
霊力で動力を動かし、必要ならば「霊力の糸」で絡繰に仕込んである"とっておき"を発動させる。
「豪鬼」は、名のとおり鬼のような大きさの絡繰人形で、
豪鬼「ヌゥオガアアアアアアアアアアアアア!!」
一度、起動させると霊力が切れるか強制終了しないと止まってくれない。
妖怪C「クッ!!コイツか、犯人はァ!!」
妖怪Cは何かを唱えると炎の玉を手のひらに乗せ、
妖怪C「喰らえやぁああああああああ!!」
そのまま豪鬼に向かって、炎の玉を投げた
妖怪C「ハッハッハッ!!木だからすぐ燃えるだろ!!ハッハッ・・・は?」
炎の玉の当たった豪鬼は・・・特に傷もなく
豪鬼「グヌオオオオオオオオオオオオオ!!」
そのまま、巨大な腕を妖怪Cへとぶつけた。
妖怪Cは吹き飛び地面へ叩きつけられた瞬間、
豪鬼「グオオオオオオオオオオオ!!」
後ろの火薬爆発の爆風を利用したジェットパックで叩きつけられる寸前の妖怪Dの目の前まで行き、
豪鬼「グヌォアッ!!」
その巨大な腕を地面に叩きつけられた妖怪Dへ振り下ろした。
叩きつけられた衝撃と豪鬼の腕の叩きつけにより、妖怪Dは無残な肉塊へと姿を変えた
妖怪A・B「う、うわああああああああああああああああああああああああああ!!」
その姿を見た、妖怪AとBは一目散に逃げようとしたが、
「逃がすかァ!!傀儡【虎鋏】!!」
そう言って地面に"霊力の糸"を通すと
地面から鋭い刃が何本も付いている人形が飛び出し妖怪Aの足を引き千切り
妖怪A「ギャアアアアアアアアアアアア!!」
その場へと転倒させた。
しかし、もう片方の妖怪Bは、運良くも逃げ延び人里と妖怪の山の間の森へ逃げ込んでしまった。
妖怪A「アッ・・・アッ・・・クソォ・・・痛ぇよぉ・・・」
妖怪Aは片足が千切れた状態の体をずりながら森へ前進するが
ドシンッ・・・ドシンッ・・・
妖怪A「ヒィッ!!」
気づいた時には、後ろに「豪鬼」が立っていた。
妖怪「や、やめてくれぇ・・・命だけは命だけはお助けぇ!!」
豪鬼「グゥ・・・」
豪鬼は振り下ろそうとしていた手を下げ一息つき
妖怪A「(た・・・助かっt(ゴシャッ!!」
そのまま右足で妖怪Aを踏み潰した。
_________
俺は「豪鬼」と「虎鋏」を強制回収し、腰を抜かしながら恐怖の顔で怯えている少女へと近づいていった・・・