ツバメ   作:シロヴィ

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次はもうちょっと投稿スペースあげようと思います。


2話

――ドイツ ヴィルヘルムスハーフェン鎮守府 執務室

 

 

 「提督、第708飛行中隊より入電です。『第3管区にて妖精1名を回収』とのこと。」

 秘書艦の軽巡洋艦、ケルンがいつも通りの事務的な口調で伝えた。

 「いつものようにしてくれ。」

 こちらも慣れたように返すと、はい、とだけ言い部屋を出て行った。

 

 第708中隊の第3管区‥机の上に積まれた戦闘報告書から1枚を探し出し、地図上で重ね合わせる。

 「第8群狼艦隊 構成:U-VII型4隻。輸送ワ級2、駆逐ロ級1を撃沈、軽巡ト級1を大破、か。」

 かなりの戦果である。撃沈があるので妖精がそこから出現しているのだろう。

 

 妖精という存在についてはまだ多くの謎が存在するが、一般的には深海棲艦を浄化したものが艦娘であるように深海棲艦の周囲に見られる怨霊(ゴースト)が浄化されたものが妖精であると言われている。そういう訳で、出現した妖精を保護するために戦闘が起こった海域には飛行艇を送り込んでいるのである。

 

 そして、妖精にはそれぞれ得手不得手がある。艦娘の艤装に憑依し砲や魚雷の照準、装填を行う砲術妖精。彼ら専用の戦闘機や爆撃機を駆る航空機妖精。各種装備を生産、改造する工廠妖精などもいる。

 人間よりずっと小さな彼らだが、この戦いにおいて最も重要な役割を担っているとも言えるのだ。

 

 しばらくすると、ノックの音がした。入れ、というと静かにドアが開き、

 「失礼します。」

 とケルンが入ってきた。連絡のあった者だろうと思われる妖精を抱きかかえているが、すこしその妖精は疲れているように見えた。

 「話すところによれば、北海を1時間近く漂流していたそうです。」

 

 なんと。もし人間であったならば確実に死んでいるだろう。しかし、妖精は時折冗談のように頑丈な面を見せる時がある。乗っていた飛行機が墜落、地面に激突して炎上しても、その残骸からひょっこり出て来たという事もあった。その他にも――

 「提督?どうしましたか?」

 黙ってしまったのでケルンが心配したようだ。いやむしろ訝しんでいるといった口調だったが。

 「いや、何でもない。」

 考え事はどこかへ置いておき、その妖精に向き直る。

 

 さて、この妖精はどのような妖精なのだろうか?

 

 

――北海上空 ブローム・ウント・フォスBV138 機内 数十分前

 

 

 私は着陸する数分前に目を覚ました。地上を見ると、針葉樹の塊や点在する民家が見える。

 「お、目が覚めたか。どこか異常はないか?」

 乗組員の一人が声をかけてきた。首にヘッドホンを下げているところを見るに無線手のようだ。・・・体は奇妙だが、今の私もひょっとしてこのような体なのかもしれない。

 「少し背中と尻が痛いくらいだ。」

 と返答すると、相手はこれを冗談と受け取ったらしく笑いながら

 「クッション性のない椅子ですまないな。」

 と返した。本当にそれだけだったのでそう答えたのだが‥それはそれとして、聞きたい事を訪ねる。

 「この機はどこへ向かっているんだ?」

 「ヴェーザー=エムスだ。もうすぐ着くぞ。」

 すぐに答えを得た。ヴェーザー=エムス!我らがライヒの北方、確かキールと並ぶ軍港があったはずだ。かの戦艦ビスマルクもそこで建造されていたはず‥。

 などと考えていると、操縦席から声がした。

 「もうすぐ着陸だ、備えてくれ。」

 

 

 




ほとんど登場人物がオリジナルですまぬ‥。
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